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表題作春を抱いていたALIVE(6)

香藤洋二,俳優
岩城京介,俳優

その他の収録作品

  • スペシャル・アピィアランス
  • サクラコンパス
  • カオス・シミュレーター
  • トコハル
  • 秋詩譜(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

岩城の主演映画『キャッチボール』の慰労会に招待された香藤。
そこで、不自然なくらい岩城を褒める持宗監督の様子から、
わざと香藤を悔しがらせて、何か企んでいることを察知する。
そんなある日、監督からとある作品の脇役のオファーが舞い込む。
事務所方針により、主役以外のオファーを受けない香藤が出した回答とは?
BL屈指の不朽の名作、ついに最終巻。
描き下ろし番外編収録。

作品情報

作品名
春を抱いていたALIVE(6)
著者
新田祐克 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
スーパービーボーイコミックス
シリーズ
春を抱いていた
発売日
電子発売日
ISBN
9784799748114
4.1

(63)

(42)

萌々

(9)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
23
得点
254
評価数
63
平均
4.1 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数23

流れるような…

流れるように読み終わった…。
ずっと一緒にいるというのはやはり墓の問題に行き着くのかな。

一緒に老後の楽しみにしようって桜の木を植えたじゃない!縁側置こうかって言ったじゃない!どうして(泣)

やはりその先一緒になるには同じお墓に入ることなのかな、と考えさせられました。今までは自分のお骨はいらないしなんなら残さなくていいし、義理両親と一緒のお墓になるのは嫌で、どこかのお寺の永代供養にでもと考えていたのですが。

香藤の愛した岩城を自分で亡くすのは許さないだろうなあ。あぁ、読みながら泣いたけど思い出しても泣ける。
あんなに愛してくれて愛されて、二人で色んなことを乗り越えて来たのに。

作者さんのこだわりが同じお墓に入れることだったのかな。
岩城のその後がしびれました。道を残し同じ立場の人達がもっと自由に権利を持てるように。

はぁ、もう今日は何もする気がしません。
さよなら二人とも。ありがとう。
リバが全然違和感無く読める唯一の作品でした。また、二人の時間の流れが決して短くはなく同じ時間を生きてきたような気がします。

0

長年愛される作品の完結

BL歴の浅い私でも何度も見聞きしていた作品名(表紙)で、「名作」とか「切ない」というワードで検索すると必ず出てくるのに、「AV男優2人の出会いから始まる」的なあらすじや初期の絵柄に苦手意識がはたらき、いつか読めばいいかと後回しにしていた私。
最近になってイッキ読みして衝撃の余韻が凄かった。

ALIVE6巻も序盤はまるで今まで通り撮影場所やその間に何か事件が起きる感じだと思わせてのアレ・・・・・・・。
予備知識無かったので「!!!!!??????え??」っていう衝撃と、その事実を消化できなまま進むので、岩城さんと同じような(決して同じにはなれない)感覚でいる中で、岩城さんのやりきれない叫びは涙も鼻水も止まらないほどの号泣。あれはもう言葉にならない。
でも不思議とツライだけで終わらず済んだのは、笑顔の香藤くんと金婚式を迎え約束を果たすことができたことを見届けられたからですね。
「冬の蝉」と同じ結末だったらそれもひとつの「幸せ」とわかっていてもツラさが勝ってしまって切ない物語になっていた気がする。
その後のお話(Afterward)でも2人がちゃんと未来へ繋いでいた事実がわかり、2人はとても幸せな人生だったんだと実感できた。
「必ずしも近くにいなくちゃダメになる関係ではない」って、本当にそうなんだなと。

連載から20年近く愛される作品が迎えた大団円は、読み手も人生をひとつ終えたような充実感!
度々読み返えしたくなる作品に出会えました。

2

今でも信じたくない

BLコミックスにおいて、「春を抱いていた」は20年以上私の中のトップワン作品で、神作品の中でも別格です。
とはいえこの巻だけは、読むたび涙が流れ、悲しく寂しく切なく、「何で!?」「嘘だ・・・」と心が乱され、心に深く刺さる作品です。
新田先生のあとがきでも泣けてしまいます。先生が悩まれつつもああいう終わり方を選んだこと、描き切った先生のすごさを思うと、感謝しかないです。

フィクションなのに、自分の中で岩城と香藤の存在が大きくなりすぎたんですね。
単なるキャラクターの死と思えなかった。
気持ちが上向いたのは、「afterward」があったおかげでしょうか。
辛いけど。
「afterward」が無かったら、レビューは書けなかったです。
これから読む方にはぜひ春抱きシリーズを通して読んで欲しいです。
その際には「afterward」も読むことをお勧めします。

1

パートナーを大切にしたくなる作品

この作品を知ったのは15年前くらいの高校生の時で、その時は表紙の印象やあらすじを見て避けていました。長髪にAV俳優など学生には少し刺激が強かったし、なんかチャラチャラしたお話なのかなと思っていました(笑)
ただ、今年「このBLがやばい!2021」にて1位を取った作品ということで、三十路を超えて改めて気になり、電子の方でちょうど手軽に1巻が読めたので、とりあえずaliveの方を読んでみました。
高校時代の自分に馬鹿野郎と言いたいです。
なにがチャラチャラしてそうだ。だ!
こんなに愛について誠実で、パートナーへの思いやりが詰まって、人間味が溢れてる作品は無いと思いました。
ただ惚れたはれたのBLではなく、2人が出会ってからの人生が終わるまでの深いお話です。

前シーズンを読んでなくてもしっかり読め、そのまま一気にラストまで読むことが出来ました。
ラストは予備知識がないまま読んだため、相当な衝撃を受けました。
正直ショック過ぎました。
ですがあとがきを拝見し、これはハッピーエンドなんだなと納得してしまいました。
そうなると今度は2人の馴れ初めを読みたくなり、前シーズンも一気に読みました。
全て読み終わった後思ったことは自分もパートナーをもっと大切にしようということでした。
悲しくて切ないラストだけど、そんな温かい気持ちにさせてくれるハッピーエンドな作品です。

とても読み応えがあるので、購入に迷うかもしれませんが、私は最初からではなくaliveから購入して良かったと思います。
ラストまでの布石がゴロゴロあり、そのあたりを発見しながら読んでいくのも楽しかったです。


3

ネタバレ注意 春抱きファン初心者のため、失礼があればお許しください

春抱きとの出会いは、YouTubeを視聴していたら、たまたま見つけた「冬の蝉」のOVA…あまりに衝撃的で、切なくて、涙が止まらなかった。そこから、冬の蝉の秋月と草加の現世の2人という設定の春抱きへ辿り着く。コミック、ALIVEを読み始めて…人生観が180度変わった劇的な作品に出会うことができました。BLが苦手であった私が、なんなんだろう…不思議と性描写が一つの美しい作品、愛の形として自然と受け入れることができました。
ですが、この最終話だけは、事前に内容を知らされていただけに中々、読むことができずにいました。大袈裟かもしれませんが、いつのまにか春抱き、岩城さんと香藤君は、私の生活の一部になるほど、身近で尊い存在になっていて…コミックを何度も何度も読み返して、心の準備をして最終話6巻を手に取り読み始めました…結果は、やはり、突然すぎる別れに号泣で一時、放心状態になりましたが、私も同様の経験をしていたので、人間、誰しも大切な人との別れは必然だし、突然に起こりうることで、辛くても受け入れなければならないと。毎回、色々な気づきをくれる春抱きは本当にすごいなって思います。
当初は、自分に似ている岩城さんが好きでたまらなかったけれど、いつのまにか香藤君への気持ちが大きくなって、彼のような生き方や考え方、愛し方ができる人間になりたいと思うようになりました。
サクラコンパス…2人にとって思い入れが強い五稜郭の桜、トコハルからは岩城さん目線で本当に辛かったですが、洋介君の深い愛と支えがあって、岩城さんの長年の思いが実現されて、これで良かったんだと思えました。最後にこの作品と出会えて、私は本当に本当に幸せでした。新田先生やその他スタッフの皆様、長い間、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。今度は、番外編などなど期待しています。

3

後からじわりと(;_;)

シリーズが終わるとは知っていたけど、何の予備知識も無く読み始めました。

BE・BOY GOLDの番外編だけは読んでいました。てっきり香藤は海外で新たに俳優として頑張る為に別居してて、岩城さんと洋介が同居してると思い込んでたんです。

途中までは2人のいつもの楽しそうなやり取りを読んでで、初期よりだいぶ修正がキツくなってるのは時代だよなぁとか暢気に考えてました。

そしたらまさかの展開に、これって作中劇じゃないよね?って頭が真っ白になって何度も前に戻って読み直しました。
絶句でした。
正直言って芸能人の亡くなったニュースよりショックでした。

描き下ろし番外編を読んで先生の後書きを読んで納得出来ましたが、雑誌を追ってた方は相当なショックだったと思いました。

香藤は幸せな気持ちのまま逝ったんだなとか、岩城さんは2人が亡くなっても一緒にいるために残されていたんだなと納得はしたんです。

でも自分で思うよりショックだったらしく(身内が急死しているので)ふとした時にじわりじわりと悲しくしょうがなくなりました。だって唯一どうしようも出来ない事って死ぬ事なんです。残された岩城さんの損失感やあの時こうしていればという後悔を考えてしまって。
そして岩城さんを残して逝った香藤の想いとか想像してしまいました。

時代に沿ったリアリティもあるエンターテインメント的な作品だと思ってます。もう2人の未来を読めないんですよ‼︎泣

ただずっと読んでたシリーズが完結したのは嬉しく思います。本当に世の中なにが起きるか分かりませんし…。
新田先生ありがとうございました。新作も楽しみにしています。
 
気持ちが落ち着いたら最初から読み返したいと思いました。

2

終わってしまいました

BLにハマり始めた頃に知って、試しに読んでからすっかりハマった作品の一つ。最初は絵がそれほど好みじゃなかったのですが、ストーリーが面白くて、気付けばすっかり夢中になっていました(笑)。終わってしまうのがなんだか残念で、敢えて読まずにいたのですが、「そう来たか!」という最後で、予想とは違う最後に、正直驚きましたが、この作品を知って、読んで、良かったなと思いました。
違う形で、また別のストーリーを読みたいなぁと思っています。

2

お疲れ様でした

完結し、心の整理がついて落ち着いたので記念にレビューさせてもらいました。

最終巻、連載で内容を知っていただけに予約して家に本が届いてからもなかなか読めませんでした。aliveは全体的に春抱きよりも生々しい内容が多く読み終わってもハラハラしたり気が重かったりして今までもあまり積極的に本を開く気にはならなかったのですが、ほんっとうに今までで一番本を開くのに勇気が入りました。今でも書きながら思い出し泣きします。まさかこんなにあっさり香藤の死を見ることになるとは。
春抱きシーリズは最初の方はそうでもなかったのですが、どんどん私の中では一緒に年を重ねて近くで見守ってきた夫夫(ふうふ)のようになっていたので、まるで現実で人が死んだような、そんな衝撃がガツンと襲ってきて、岩城さんのこと思うと私が泣いちゃダメと思うけどそう思えばそう思うほど泣けてきて。2度めのはずなのに単行本でも頭が痛くなるほど泣きました。
むしろ、分かっていたからこそ、トコハルまでの岩城さんと香藤の愛が痛くて泣きました。なんでこれだけ愛し合っていた人が、岩城さんに愛を教えてずっと寄り添いあっていた人が死ななくちゃならないんだ、って思いました。
ただ!単行本での描き下ろし秋詩譜。救われました。よかった。岩城さんが自分がやるべきことを終わらせて、最後まで香藤を思い続けて笑って逝けてよかった。
ありえないことも多くて嫌だった人もいるかもしれないけど、私は金婚式の年にやるべきことをやって精一杯行きた岩城さんが香藤の迎えで一緒に逝くっていう夢でもなんでもいいから幸せな姿で終わってくれてやっと自分の中でも思いに決着がつきました。

新田先生の岩城さんと香藤の人生を描ききる、という思い、そして本当にそれをやり切ったこと、本当に脱帽です。生々しい部分、とても苦しい描写、リバ表現、最後の死、苦手な方も多いと思います。ただ、私はこれらの全てのおかげで、まるで本当にあったことのような、一緒に人生を歩んできたような気分にさせられたのだと思っております。いまだに本気で人を愛するという経験のない私にとってはある種のバイブルのようなものだと考えております。

長い間この二人の人生の一部を共に歩むことができて幸せでした。
もしこのレビューを見てくださっている方で春抱きを拝読されたことのない方はぜひ一度手に取ってみてください。古い作品ですが、多くの人にたくさんの感情を与えてきた素晴らしい作品だと思います。
今後も何度も読み返したいです。BL作品に触れてずっと追いかけてきた思い入れの深い作品でした。二人の人生が終わってしまったことは寂しいですが、新田先生、そして関係者様、岩城さんと香藤を中心とする登場人物たち、本当にお疲れ様でした。

15

結末は

長かった春抱きシリーズもこれで完結だそうで、

正直言ってALIVE編になってからは、隠し子とか枕営業だとかって、なんだかなぁって、しばらく離れちゃっていたのですが、これで完結となると、やはり結末、というか、どう始末をつけたのか気になって、久々に買ってみました。

こうきましたか。

確かにここまで描き切らないと、このシリーズは終わりにできなかったでしょうね。
シーンごと、描写、描写に思う所は全くないとは言えませんが、ちゃんと最後まで描き切った新田先生のご覚悟には素直に敬意を表したいと思います。

8

難しい

こちらの作品は雑誌でも読んでいたので既に結末は知っていました。
とりあえず描きおろしを読みたくてコミックスを購入しました。
20数年の長きにわたるシリーズが完結するということで、どんな終わらせ方をするのか雑誌で最終話を読んで衝撃でした。

スピンオフとかいろいろありますし、また番外編も雑誌には掲載されるようですが、
原作者の用意した結末に納得される方と、まだ受け入れられないという方とーレビュー読んで二つに分かれてますが、私も正直最初読んだときはえ?っという疑問で一杯でどうしてこんな終わり方にしたのか、夢かな?と思うぐらい衝撃でしばらく読み返せませんでした。

ただあとがきなど読むと相当な覚悟のうえで描かれたのだと。
時間がたつと、少し納得できましたが、ちょっと受け入れるのに時間がかかりました。
先生の考えるハッピーエンドはこういう形なの方。
本誌しか読んでない方は是非コミックス描きおろしまで読んでもらいたいです。
未だ夢であってほしいですが。

5

もう一度はじめから読みたくなる

愛が揺るぎないー!とにやにやするところからはじまって、(二人とも見た目が若いままだから普段はあまり感じないけど)年相応に重ねた人生の厚みや悩みを表現したり、そしてラスト……この一冊に色々な感情が湧きます。
人を深く愛すること、同性を愛する人生について、読み手は考えると思います。
作者のコメントからも、悩み抜いて描きたいように描ききってくださったのだろうと思います。
物語の中の人生の終幕を見て、涙できるほどのキャラクターがどれだけいるかな。この二人を大好きになれて良かったです。
必ずまた一巻から二人を追いかけたいと思えるラストでした。

2

ああ…

まだ受け入れたくなくて読み直しできません…

3

これが二人の…

途中までは、洋二の俳優としての部分は、某芸能人をイメージしているのかなぁとか、年々愛が深まるねー、とか所謂ハッピーエンドを想像して穏やかに読んでいたのですが…
え?え?え?
あ、夢落ちか?ん?まじで?え!!!
で、かるくパニックになりました。


洋二の死からは涙出っぱなし…
辛い
堪えました。
いやいや、もっと普通に幸せに!…と言う想いは確かにありますが、先生が悩んだ末に世に出された最後。
やっぱり素晴らしい終わりだと思います。
あのまま幸せに終わったのでは伝わらなかった二人の愛のかたちや強い絆にズガーーンと打たれました。
読後、正直しんどいですが、読者としては二人の人生を見届けた思いです。
すごい二人だった。
涙はでちゃうけど、悲しいけど、しんどいけど、それぞれ二人の最期が笑顔だった…それがすべてだと思いました。

8

こんなことなら出会わなければよかった...

よくある失恋ソングのフレーズが出てきてしまいました……。


絵が綺麗でストーリー構成もしっかりしている新田先生の作品の中での
長編作であるこの「春を抱いていた」シリーズ、
最終巻が出て、当たり前のように幸せな結末を考えていたのですが...。

いい意味でも悪い意味でも裏切られてしまいました。

この結末はまったくイメージしてなくて、
予想ができなかったという点では私の中では高評価です。
先が読めるストーリーはあまり好きではないので。

でも、それと同時にこういうエンドが苦手で...。
そのキャラクターの色んなエピソードを知っていくと、
物語の登場人物はただのキャラクターではなく、
最早生きている人間のような、
自分の知人のようなそんな存在に感じます。
だからこそ、亡くなってしまうと
本当に現実世界の人を失ったようでめちゃくちゃキツイ...。
まあこれはあくまで個人的な思いですが...。
そのキャラクターのこれからの人生が
想像できなくなったというのがいちばんつらいです。

こんなことなら出会わなければよかったよ...
と言ってしまう失恋ソング主人公の気持ちが
初めてわかりました。


でも、作者さんがとても悩んで、
引退まで考える程だったとおっしゃっていたので、
この結末にすることに迷いがあったというのは分かるし、
そこまで悩んで考えて、それでも
この結末を選んだということには
きちんと意味があるんだと思います。


私の信じるハッピーエンドではなかったけど、
作者さんの信じるハッピーエンドはこれだったんですよね。
信じるものが違うっていうのはよくあるし、仕方ない!

いつかまた読み返して、この結末をハッピーエンドだと思えるようになれたらいいな。

でもしばらく悲しくて読めない!!!
ここまで思い入れさせるキャラクターを描いた
新田先生は本当に凄いと思います。

ちるちるインタビューでおっしゃっていましたが、
続編もあるということで、どんなお話なのか楽しみです。

ひとまず完結おめでとうございます!

8

もう最高!

素敵な作品に出会えたことに感謝。
この2人ならではの最後だなと暖かくなりました。改めて1巻から読み返すとこの最後に納得できると思います。

4

2人を繋ぎ、包み込む春

 まずは前半の感想を。持宗監督とのやりとりの後、頑なに監督との秘密を守って口を閉ざす岩城を香藤が抱くシーン。香藤が優勢かと思いきや、岩城も尻で抱くようにやり返し、それでも最後はやっぱり香藤が岩城を蕩かせる。2人のセックスの魅力が最大限に詰まっていて萌えました。そして、父の死で考え込んでしまった岩城を、春の陽気の中に連れ出し、岩城にはない視点で物事を見て言葉をかけ、彼の心の中のわだかまりを溶かした香藤。昔より強くなっても、まだまだ岩城には不安定な部分があって。こういう時に香藤のすごさを真に感じます。彼はどんな風に世界を見ているのだろうと。岩城と彼を取り巻く物事をどれほど敏感に幅広く見ているのだろうと。さらに、宮坂の前科を持ち出して、2人と宮坂の間の壁を完全に取り払ったのには驚きました。最終巻なので、あらゆることに決着を着ける、そんな先生の覚悟と潔さ、気力が窺えて嬉しかったです。

 そして、後半の感想。最初に読み終えた時は、本当に事前に何のネタバレも読んでいなかったので、あまりにも予想外の展開にただただ放心状態でした。夢なんじゃないかと思わずにはいられませんでした。入院したり最期の言葉をかけたりする暇すら一切なかった、唐突過ぎる別れ。救急車の次のページには、もう検死という単語があって、言葉が出てこなかったです。その原因も、かつて起きたことのある撮影時の転落や火災事故など派手なものではなく、撮影が終わってから転んで頭を打つという、本当に些細な出来事。別れというのはとんでもないところから、突然やってくるのだなぁと改めて思い知りました。

 誰も相手が明日死ぬなんて予測はできない。都合よく最期に伝えたい言葉を言える機会を持てることなど稀。香藤にとって岩城と最後に過ごした夜が、喧嘩中じゃなくて本当に良かったと安堵するばかりです。役者として最高の褒め言葉をもらって、最愛の人には惜しみない愛を注がれて、その人の隣で穏やかに迎えた最期。こんな素晴らしい日に逝ったのは、彼の役者という仕事に対する愛、支えてくれる周りへの愛、そして岩城を一途に想い抜いた愛が報われたからだと思いたい。それくらいは都合よく考えてもいいですよね。

 事故や災害なんかで同時に亡くならない限り、こういう別れはどんなパートナーにも等しく訪れるもの。そこに立ち向かう岩城を見れたことは、実はBL読者としてとても幸せなことなのかも。香藤の代わりにはなれなくても、別の錘として岩城をこの世に生かし、人生を全うさせた洋介は立派でした。そこからさらに長い時を経て、何の未練もなく晴れやかな表情で再び一緒になれた2人。添い遂げ、これからも永遠に隣に、という結末をこの作品で読めたこと、確かにこれ以上ないハッピーエンドとして受け取りました。新田先生と、香藤と岩城に心からの感謝を。

21

本当に

号泣しました。゚(゚´ω`゚)゚。
終わってしまってさびしいです…

5

終幕…寂しいな。

遂に終わってしまったんですね…
「BE・BOY GOLD 2020年4月号」でフィナーレを読んでいたので覚悟はできていましたが…
やっぱり1冊まとまっての最終巻ともなると…

いまどきのBLでは、恋のそのあと、2人が揃って歳を重ねていく所まで描く作品が出てきています。
その中でこの「春抱き」。良くも悪くもBLの歴史を背負ったレジェンドとして、ある種「伝統的」な終幕を選んだのでしょうか…
「春抱きALIVE5」にてやっと隠し子編が一段落、「6」の冒頭は通常運転的展開で、「終了」の予感が全く無かったんだけど…
その終わりが「今」であることは予想もしてなかったけれど、この終わり方はある意味想定内だったような気もしています。
幸せの絶頂で、
美しさの盛りで、
その只中で……
やはりこの終わり方しかなかった、のかな…
描き下ろし番外編「秋詩譜」にて、その後の岩城さんのストーリーとそして…が描かれますが、岩城さんの頑張り続けた姿・老いは「絵」としては出てきません。
ただ若き日のあの時の2人が、という描写。
これが彼らにとっての「2人で歳を重ねる」姿なのでしょう。

いつかまたどこかで、も許さない完璧な終幕。
多分、見事。
でも。
やっぱりさびしいな。さびしいよ。

8

ふばば

ユー太郎様
コメントありがとうございます。
私も本心では寂しくてやりきれないんです。

ユー太郎

『いつかまたどこかで、も許さない完璧な終幕』
全くの同感。ふばばさんのこの一言で少しだけこの結末にやりきれなさを感じてだ私も心落ち着けました。

悲しくも美しい…泣けました

長年、ずっと読んできました。
まさか、こんな終わり方をするとは思ってもみませんでした。
私の中で、香藤くんと岩城さんは80歳でも90歳でも愛し合っているのが当たり前で想像できていたから。
二人の出会いから、様々な困難や苦しみを二人で分かち合い乗り越えて来たかをずっと見てきたので、正直香藤くんの最期があまりにもあっけなくて、「えっ?うそ!」と声に出し何度もページをめくって読み返してしまいました。走馬灯のようにとはこのことか、というくらい何年も読み続けて来た二人が駆け抜けて行く感じでした。
朝6時、出勤前に涙と鼻水でぐしゃぐしゃになりながら、しばらくは呆然となってしまったほど…

岩城さんが、最期に洋介に託したダイヤモンドを見たときは号泣でした。
香藤くんが、最期に笑って逝ったこと、岩城さんが逝くとき、ちゃんと香藤くんが迎えに来て二人がこれから天国でも愛し合って行くのだろうと思えたとき、やっと新田先生の二人にとってはハッピーエンドと書かれたことが、少しだけ理解できました。

まだまだ、二人にはいちゃいちゃして、たくさんHもしてほしかったので、残念な気持ちは引きずりそうです。
主役の二人がいなくなってしまっては
春抱きは、もう本当に終わりなんだと実感させられます。

新田先生、長期にわたりお疲れ様でした。
あ~でも、やっぱり悲しい(涙)

18

感想書きにくい

前情報無しで読んだので、前半は通常営業のようにイチャイチャしていたのに読んでる途中で訳がわからなくなって「これはパラレル?ドラマの世界なの?」と非常に驚きました。

確かにこの大作のラストは賛否両論だと思うし、個人的には否なんですが、作者の考え出したキャラだし神である作者が納得する形で終わるのは当然だとも思います。◯◯ネタって他の作家さんも思い入れのある作品ほどやってみたくなるようであとがきなどで担当さんに止められた、というのを見るたび「担当さんグッジョブ」と思うタイプなのですが、この作品ばかりは本当にBL大河ドラマですからね。新田先生本当にお疲れ様でした、の気持ちを込めての神評価です。この位のインパクトがないと終われないっていうのはあるかも。

BLの受け至上主義の私としては受けを泣かせるのはなあ…とは思ってしまいますが。新田先生は構成力があり、伏線とか整合性とかもきっちり考えるタイプの方なので今すぐには辛いですが、後で読み返したら納得できるんだろうな、とも思います。

うーん、でもまだ気持ちの収拾がつかないなあ。そんなバカな…嘘でしょ?って感じ。

13

号泣

人生のバイブルみたいな、長年追い続けた春抱きがついに終わってしまいました…
冬の蝉にリンクしたのね…
つら…

雑誌の方でチラホラ読んでいたのでラストは知っていましたし、なぜ?と仄かに否定を感じてはいましたが、書き下ろしと後書きを読んで引っかかっていたものがスッと落ちました。

岩城と香藤の人生を否定したくない。
どこかに存在していたのだと錯覚するような全シリーズを描き切ってくれて新田先生においては感謝しかありません。
ありがとうございました。

10

描き下ろしとあとがきを是非読んで欲しい

読後、何も感想が書けないと思いつつ新田さんのあとがきを読んで思うところがあって書きました。

無難にほのかに幸せに終わらせようとも思ったそうなのですが、そうしなかったのは二人が最後に本当に一緒になるまでを描き上げないと終われないと言う思いでの事だったそうです。

それを読んで、新田さんとはこういう方だから物語に深みを感じるのだなと思いました。

雑誌掲載時のストーリーを読んだだけでは「なんでこんな話にしたの?」と茫然としたのですが、単行本に描き下ろされたお話とあとがきを読むと印象が変わり、一世を風靡したキャラクターたちの人生を描き上げられた事に感動しました。

この巻が発売された日からちょうど梅雨入りに入ります。まるで最終巻を日本中が悲しんでるみたいだなと思ってしまいましました。

16

ええええええ

な、ど、え???なんで?????

すいません、もうなんでしか出てこないです。
確かにこれは最終巻です。香藤×岩城を主軸にしてこれ以上描けることはない、はず。
え、それは何故か?
言わせないで下さい!!!!!

新田先生にとって、これはハッピーエンドだそうですが、そうなのでしょうか?もっと別の穏やかな幕引きでは駄目だったのでしょうか。これ以外になかったのかなぁ〜と煮えきらない気持ちでいっぱいです…。
でも、万人受けしないであろう(個人的な感想です)ラストを描き切った新田先生、それを支えた担当者の方、携わった方々はすごい。素直にそう思います。

「春を抱いていた」「春を抱いていた ALIVE」本当に楽しませていただきました。
きっと長年のファンの方も多く、愛が深いが故にこのラストを不満に思う方は多いと思いますが、新田先生が本当に描きたいことを描けたのであれば、それが全てですね。

ああああいやでもやっぱり…!二人は幸せなの?!幸せならもう文句ないけど!!

13

この作品が収納されている本棚

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