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表題作微熱の引力

有村瞭司,大学生
堀井譲,大学生

その他の収録作品

  • キスの温度
  • あとがき

あらすじ

大学三年生の有村瞭司は、レポート提出に訪れた研究室で驚きの光景を目にする。
消極的で地味な同学年の堀井譲が、眠る教授の手に愛しげに頬を寄せていたのだ。
教授への想いを知られ萎縮する譲は、なんでもするから黙っていてほしいと懇願する。
以来、譲は有村の「奴隷」となるが、いつしか二人は身体の関係を持つようになり…。
ピュアでみだらなスローモーション・ラブ。

作品情報

作品名
微熱の引力
著者
可南さらさ 
イラスト
佐々成美 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344807532
4.4

(44)

(23)

萌々

(17)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
195
評価数
44
平均
4.4 / 5
神率
52.3%

レビュー投稿数8

ラストの畳み掛け大変萌えでした!

まずこのレビューをする前に私はなんとなく攻めざまぁという言葉が好きではないです。すみません冒頭から。しかし多分多くの人にわかりやすくこの本を説明するとこの言葉になるのでしょう。それを望んでいる人は間違いなく買いの一冊です!ありがたくも現在も電子で手に入るようですし。

攻めの無様な姿が読みたくてこちらに手を伸ばしました。そう普段はスクールカースト上位、顔よし、セックスよし、なんでも上手いことこなす攻めが受けのことになるとどうにも不器用でうまく行かずカラ回っている姿、自分の傲りで受けを傷つけそんな自分に対して絶望し、さらには受けに嫌われたかもしれないと絶望する姿…大変、大変美味しい!!!
私の好きがたくさん詰まっておりました。

1

大変良い攻めザマァ!!

いわゆる攻めザマァと言われる作品が好きで、コミックではほぼ読んでいると思うんだけど、すぐ受けが絆されちゃったりして正直物足りないものが多く、もっと真摯に反省する攻めを見たい!!という気持ちを抱えていた時にこの作品を知りました。
早速読んでみたところコレよ!コレ!こういう攻めザマァが読みたかったの!!と歓喜に震えた記憶があります。

受けを意のままにしてきた傲慢な攻めが、恋を自覚した途端、受けの前に立つことすら怖くなる。
「一番好きな相手が、一番怖い存在になることなんて考えてもいなかった」という文章が攻めの気持ちを良く表していると思います。

受けとただ話がしたくて久しぶりに会うも、当たり前のように服を脱ごうとする受けの姿に激しいショックを受ける攻め。
そんなつもりで会ったわけじゃないのに、受けは自分が呼び出されたのはそのためでしかないと思っている……
最初に身体だけでいいと言った結果がこれだ……と打ちのめされる。

かつての自分を振り返って激しい自己嫌悪に陥ったり、受けの心はかけらも自分にない事を思い知らされて打ちのめされる様子が、攻め視点で丁寧に綴られていてそこがめっちゃ美味しいのですが、それだけではありません。

この攻めがプライドを投げ捨てて、受けに完全降伏してる姿もきちんと描かれてて、そこがこれまた美味しいんです!!
攻めに対してザマァ!と胸のすく思いがしていたはずなのに、この恋する相手の前でふるふるしちゃってる攻めの姿を見てしまうと、誰もがいつしか攻め頑張れー!!!という気持ちになれると思う。

そして後半は受け視点に切り替わるんだけど、じーーーっっとひたすら我慢の子でいる可哀想でかわいい攻めの姿が堪能できますし、受けの気持ちの変化も丁寧に描かれているので、無理なく二人の恋の成就を願える仕組みとなってます。

ちなみに攻めは傲慢だけど、ろくでなしやクズではないです。
だから攻めを応援する気持ちになれるんだと思う。
(レポート提出にやってきた攻めに、眠る教授の手に愛しげに自分の頰を摺り寄せる姿を見られてしまい焦った受けが、黙ってくれているならと奴隷志願を申し出るという出だしであって、攻めから弱みにつけこんだ訳ではない。攻めは別に興味もないし言い触らすつもりもなかった。)

そして駅まで送った受けの後ろ姿に「振り返れ 振り返れ」と念じてる攻めの姿。
気持ちが痛いほど伝わってくる。

何か攻めザマァでオススメない?と聞かれたら、私なら真っ先にこれを勧めると思います。

9

最高の攻めザマァ作品!

掲示板でオススメされていたのを拝見して読みました。
久しぶりに小説でここまで悶えました!
攻めは性格悪いですが、そこまで性悪ではないというか、自信家で不自由無さすぎたことが原因だったので、段々と不器用さやヘタレなところが出てくるのが可愛くて可哀想で萌えました。
まさに自業自得なんですけどね。
自分では最初認めていなかったのに、受けのことを好き過ぎる行動の数々にキュンキュンしました。
ここまで愛されちゃあ受けもほだされますよね。
受けからの愛を受けて、幸せそうな攻めの姿を想像すると、良かったねって言ってあげたくなります。
執着攻め好きにもぜひオススメの一冊です!

4

攻めザマァの名作

可南さらささん、2006年の作品。
攻めザマァの隠れた名作と聞いてポチりました。
同じく攻めザマァ系の作品「恋を知る日」(2009)より、
ずっと私のツボを押さえた攻めザマァでした。

全編書きおろしですが、前半と後半に分かれており、
前半の表題作【微熱の引力】は、攻めザマァ系お約束の攻め視点♪
タイトルは、受けが体温高めの体質で、
酔った受けを介抱するときや、悪戯で触れた肌の熱さに
攻めがドキッとして徐々に引き寄せられていく心情を上手く表してます。
後半【キスの温度】は受け視点です。

攻めザマァ系の内容ですが、
攻めは受けに対してそれほど酷いことはしません。
ろくでなしが苦手な方でも受け入れやすい攻めザマァ作品です。

ひとくちに攻めザマァ系と言っても、
細かく分けると色々なタイプがあるのですが、
こちらの作品の特徴は
『受けが元々好きなのは攻め以外の人』という点です。

けれども、無防備すぎる受けに攻めが欲望を感じてしまい
『体だけでも慰めてやるから』と、
攻めの方から半ば脅すように肌を合わせます。

ここから攻めが受けに惹かれていく過程は
受けの片思い相手とのやり取りや
受けに好意を寄せる女性の存在が煽る嫉妬心、
具合を悪くした攻めを看病する受けの優しさなど、
小さなエピソードを重ねることで、実に自然に描写されています。

しかし、先に相手に夢中になった攻めを待っていたのは、
受けの心の中に住んでいるのが、
相変わらず片思い相手の教授だという事実。
遊び人だった攻めの健気で報われない恋心に泣けたし、
本気の恋の前には、うまい言葉の一つも言えず、
それでも必死に縋る攻めの、みっともなく情けない告白シーンは萌えました!
攻めザマァの醍醐味は、攻めの苦しむ姿にありますよねw
攻めがギャフンと言わされない攻めザマァは物足りない。

後半の受け視点では、
主に、告白をされて以降の受けの心情の変化が描かれます。

攻めを狙う女子から攻めが誘われたときや、
受けからの攻めへの告白を女子に突っ込まれた時に、攻めが
『俺がホモで譲を狙ってるから』とか
『もう邪魔すんな。こんなことで勘違いされて別れ話をされたらたまらん』
というふうに、堂々と切り返すのがすごく良かった。(。-_-。)ポッ
両思いになってからが短くて、物足りなかったのが唯一の難ですが、
攻めザマァの名作と呼ばれるにふさわしい作品でした♪

9

いわゆる「攻めざまあ」神展開

同じ作者様に「恋を知る日」という少し展開が近い作品がありますが、私はこちらの作品の方が好きです。(でも「恋を知る日」にも「微熱の引力」より好きな部分もあります)
たぶん本編を書かれた時期は「微熱の引力」のが後?
「恋を知る日」で、話の配分がもうちょっとだけ
こうだったらいいなと思ったポイントが、全て完璧になっています。(あくまでも私にとってはですが)

どちらの作品も、かっこよく傲慢でモテモテの攻めが、前半は受けと酷い付き合い方をしてて、
後に、自分の方が人生で始めて相手に恋をしてることに気づきこれまでのことを大後悔、大反省、おろおろ、改心してアタックてとこがポイントだと思います。

ただ「恋を知る日」の方は、前半の酷い付き合いのとこが短かかったのと、受の方が最初から攻めのことが好きで関係を持っていたので、
攻めがそんなに酷い付き合い方をしてた印象が薄く、後日談で分かる感じてした。
でもこちらの「微熱の引力」は、相手から「何でも言うこと聞くから研究室でのことは黙ってて」と言われてるのをいいことに、
無理矢理ってこともないのですが、受けには他に思ってる人がいるのに、強引に体の関係をもっていたり、譲の容姿や能力を出会ったばかりの頃は侮っていたりと、
(でも譲はすぐにコンタクトになるので、実は美形であることやバイトの能力があるのは早い段階でわかる)
好きと気づく前に付き合っていた期間の有川の傲慢な部分が、前半にがっつりあるので、
有川が譲を好きと気づいてからの、おろおろな反省っぷりにどっぷり浸かれます。

そして「攻めざまあ」展開は、普通は受け側に感情移入するから、その展開が心地いいのものだと思いますが、
改心してからの有川の健気っぷりに図らずも
最後は攻めにも感情移入してしまう良作品でした。

8

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