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表題作恋の恥はかき捨て

渡良瀬創,大学生,寮の同室者
杉山琳央,大学生,寮の同室者

その他の収録作品

  • 恋の恥を上塗り(書き下ろし)
  • 恋の恥は大歓迎

あらすじ

周りから王子様キャラといわれる琳央には誰にも言えない秘密の願望があった。
それをよりにもよって、妄想相手の渡良瀬に知られてしまい……?

作品情報

作品名
恋の恥はかき捨て
著者
月村奎 
イラスト
左京亜也 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525209
4.1

(144)

(62)

萌々

(48)

(25)

中立

(7)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
21
得点
584
評価数
144
平均
4.1 / 5
神率
43.1%

レビュー投稿数21

妄想癖のあるドM、反省する。

心にドMを飼っているお姉さんいませんか?
モブレやSM調教物にハマってしまっているあなた!
そう私です!
腐りきってしまったその心に、デコピンを喰らわせられた気分になりました。

童貞処女が妄想拗らせてる、そんな受ちゃんが主人公。
豊かな妄想力と、変なネガティブ。あと無駄な行動力ね。
自分見てるみたいで凄い恥ずかしくなっちゃう腐女子も多いハズ!
そしてドMな妄想は妄想でしかなく、痛い目見ちゃうところにね、何かもう、あーぁぁぁ!!!となりました。
えっちは好きな人じゃないとダメなんだよね。
ましてSMなんて信頼してるめっちゃ好きな人じゃないと気持ち良くなるわけないのよねー。
っていう初歩的なところを反省させられました。

つまりね、痛いのとか恥ずかしいの喜んでる受ちゃんは、
攻様のことをめっちゃ愛しちゃってるってことなんだよ!‼︎
ってことを踏まえてドMに浸りましょう。フヘヘ。

1

ツボ全押しじゃ〜〜狂

久々に萌え転がって満喫する作品に出会えて嬉しかった〜〜!出だしから最後まで定番な流れを汲んでいつつ、萌えツボ全押しされたように鳩尾と指が痺れました〜

・何考えてるか分からない寡黙攻め(世話焼き)
・外面はリア充だけど、ゲイで大柄の男に襲われたいのをひた隠しの受け(内心ビクビク)
・寮の同室で攻めの身体を見る度に捗る受けの自慰
・攻めに自慰を管理&真顔無言で見守られながら興奮&事後落ち込んで泣く受け(このギャップ可愛い〜)
・受けのM気を盛り上げるナチュラルソフトS攻め
・付き合ってからより相手を強く意識して恥ずかしさと敏感さ倍増な受け(このクライマックスって意外と書くのも読む方の感じ取り方もなかなかここまで盛り上がらないと思います)

月村さんの作品で読んだ中ではここまでエロ強めなのが珍しく、そこに安定の劣等感強過ぎ受けが安定の勘違いで進むのが最高でした。杉山の性癖を渡良瀬が親身に肯定するのに、嫌悪と怯えが強過ぎてなかなか自分事として把握出来ない。それを他人とのアクシデントから自分の欲望を理解する流れの筆致が読ませるので流石月村さんだなぁと思いました。
あとラブホテルで玩具の自販機を二人で眺め&首にキス&その後の行動も最高でした。
でもイラストはちょっとイメージより香り高くて、個人的には合いませんでした。

2

自分のことを変態だと思っていたけど

自分を変態だと思っていた大学生が同室の男に性癖がバレ、それに付き合ってもらううちにお互い本気になってしまう話。



普通じゃないことにコンプレックスを持つ大学生・杉山琳央(受け)は自分の被虐趣味を嫌悪しながらも、性欲には勝てず、色々な道具を購入し自慰に浸ることで折り合いをつけています。
寮で同室になった渡良瀬(攻め)は大きな男にひどくされたいと思う自分にとって好みのドンピシャで、最近は渡良瀬を妄想のネタにして、賢者タイムにはいつも自己嫌悪しているのです。
そんなある日、鍵をかけていつものとおり自慰していたら、帰ってこないと思っていた渡良瀬が帰ってきてしまい、見られてしまいます。
「おわった」と思った琳央に渡良瀬は「危ないから自分がいる時にすればいい」と言ってくれるのです。




琳央はみかけは王子様そのもので、女子の多い学部なこともあって周りの女子から王子扱いされています。
自分が変態だと思っているのでそれをひたすら隠すため、常に周りに気を遣っており、それが王子様に拍車をかけています。
渡良瀬にばれてしまってからは、渡良瀬が自慰の日程まで管理され、定期的に自慰するようになります。
実際には渡良瀬には渡良瀬の事情があって全然負担に思っていないどころか好きでやっていたのですが、あくまでネガティブ思考な琳央は「このままではいけない」と思ってしまいます。
琳央はネガティブ思考なのですが、内にこもってうじうじするタイプではなく、突っ走ってしまうタイプなので、自ら危険に飛び込んでしまうのです。
結局、すんでのところで逃げ出すのですが、渡良瀬はさぞかし肝を冷やしたことでしょう。
その後もネガティブ思考を展開させては明後日の方向へ思考を飛ばしてはすれ違ってしまうので、「気になることがあったら話し合う」を合言葉にこれからも仲良くやっていただきたいものです。


琳央は自分のことを変態だと称していますが、結局のところちょっと強引にされたいという性癖の一つのようでした。
好きな人を快感で泣かせたいというのと変わらないと思う。
そして、泣かせたいと思うタイプの渡良瀬とはまさに「割れ鍋に綴じ蓋」でしたね。


2

可もなく不可もなく……

前半は「お道具特集」掲載だそうで、確かに「お道具」というノルマは果たしてるなぁって感じであったけど……。
個人的にキュンとくるところもなく、終わってしまいました。

王子様キャラで通ってる琳央は、実は「誰にも言えない秘密の願望」を抱えていて……というやつなんだけど、そんな後ろ暗いところもなく(色んなBLを読みすぎたせいで麻痺してる私からするとですが、)そんなに悩む必要もないんでは?と思ったけど、10代なら悩むのも当然だよなぁとも思ったりして。

月村作品といえば、ときに過剰なまでに受けがぐるぐるしてたり、自己嫌悪に陥ってる印象があるんだけど、それと今回の題材が妙にピッタリしてて、ぐるぐる悩みすぎてウザいわ……とは感じませんでした。
自分がゲイということだけでも受け入れがたいのに、そこにプラス、性のお悩みまでもが加わるなんてアップアップしちゃうよね……と思えたので。

だけど後半、両思いになってから、「好きになればなるほど、渡良瀬の前で乱れるのが恥かしい」と思い始めて「自分の変態性と感じやすさが呪わしい」とまで思いつめてしまった琳央のことを、可愛いなぁと思うよりも、えーっ、前半であんなに渡良瀬同室オナニーしてたのに、今更ぁ?と思ってしまいまして……。

多分なんですが、基本的に「エッチに対して恥ずかしがる受け」を愛でる才能が私にはあまりないんだと思います。
うまく言えないんだけど、エッチにノリノリよりも多少恥ずかしがってくれたほうが、股間にくるという男性あるあるみたいな感覚が私には備わっていないんだなーと改めて思ってしまいました。
ちょっと恥ずかしがってる姿とかは可愛いと思うけど、余りにも恥ずかしがってる姿とか見ると、シラけた気持ちになってしまうんですね……。

なので、今更恥ずかしがって、斜め上の思い込み&行動をする琳央に対して、なんかめんどくさい……と思ってしまいました、ごめんなさい!

4

ムッツリ攻め✕性癖こじらせ王子!

お道具モノですが、月村先生らしいピュアさが感じられて好きなお話でした。電子版もあとがき&挿絵あり。

玩具を使って1人プレイをするのが好きな受けが、寮で同室の攻めにその場面を見られてしまう…というのが物語の発端なので、共感性羞恥の方はご注意を。

そのシーンを見た攻めが気持ち悪がるわけでもなく、「これからは俺がいる時にしろよ」なんて言っちゃうので、読者的には、受けに惹かれてることはバレバレ。
が、受けは自分のことを「こんな変態の俺が、まともな恋愛なんてできない…」と思い込んでしまっているので、自分の気持ちにも相手の気持ちにもなかなか気づかない。
王子様っぽい見た目の受けが、女の子にモテモテで一見リア充なのに、性癖のことで真剣に悩んでいるっていうギャップも可愛いかった。
何より、攻め君がかなりいいムッツリ具合!
無骨で無愛想、強面なのに実は面倒見が良くて優しいっていう、個人的に好きなタイプのムッツリだった。どんな気持ちで受けのソロプレイを見守ってたんだろう…と思うとついニヤニヤしちゃう。やはりムッツリ攻めは大正義!
攻めのその優しさゆえに、受けのモダモダぐるぐるがどんどんエスカレートしちゃうので、ハラハラする展開もありましたが、最後までほっこり微笑ましい気持ちで読めました。

欲を言えば、わたし的には攻めが自ら受けにお道具でアレコレしちゃうシーンがあればもっと良かった。けど、これくらいが苦手な人にも読みやすいのかな。
想いが通じ合った後のイチャイチャはとにかく甘々。攻めのムッツリ加減と、受けの恥ずかしがりっぷりに萌える。
左京先生の表紙、挿絵もキレイでよかったです。

2

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