SS付き電子限定版
作家買い。海野先生らしい伏線の張り方とその回収っぷりでしたけど、でもなあ、最近の質の高いお話に比べたら、うーん、でしょうか。中立寄りの萌え。
催眠術と、あまりに人が良すぎる受さんが、いまいち噛み合ってなかったのかな…。そもそも、臨床心理士を目指してるっていうのと催眠術は別ものですからね(笑)勝手に色んな解釈されて何だかんだで催眠術的なのを使う事になったけど~みたいな。ただ、受さん自身が自分の催眠術を信じてないのと、催眠術に頼らず頑張って返済していこう!みたいな善人さんなので、どうもいまいちちぐはぐで噛み合ってない感じがしちゃいました。何か途中退屈しながら読んじゃった感じです。残念…。
ゔーんって感じです。
琉星の性格がチョロすぎて、催眠術も面白いとは思ったんですが、どちらかと言うと読者もずっと騙して欲しかったと思います。途中からバレバレでしたから…。
それと表題作よりは雉真と父親の関係を書いた「記憶の中のメロディー」の方が好きだったんですが、こちはの話にも騙されてふりがあって残念でした。いくら琉星を手離したく無いからって、それは無いんじゃないのって思ってしまったんです。
そして雉真の右手が治ってからのセックス描写が長くて中弛みしてました。飽きて流し読みしました。
雉真父との話とか、琉星が母親に2人の仲を告白する話を掘り下げて欲しかったと思いました。
低評価ごめんなさい。
以前読んだ心霊テイストのお話が面白かったので新作も読んでみましたが、少し期待しすぎてしまったかな。
元同級生なホスト仲間に勝手に連帯保証人にされたがために、取り立て屋の攻めと出会うところから物語は始まります。
とりあえず、言いたいことはひとつ。
受けは然るべきところに相談しようよ、助けを求めようよ…。
印は自分のものでも、勝手に押印された+筆跡違うんだしさぁ。
攻めの迫力に気圧されていたところもあるでしょうが、自分が返すしかない…と大した抵抗もなく受け入れていたところにモヤモヤして駄目でした。
監禁されているわけでもないんだし、逃げるなりこんなおかしな状況から抜け出すための努力もしないどころか、忙しい攻めの会社でお茶出しとか、なんだかんだお手伝いまではじめた受けに、ちっとも好意を抱けませんでした…。
人生めちゃくちゃにされかかっているんだよ?
払う義務のない大金を返済するために、働くの?どう考えても無効なのに。もう立派な大人の男がだよ?
この手の損する善人受けって一定数いますが、私が引っかかりすぎなのかな。
攻めもその仕事を本職としているのでそれなりの男ですが、ほぼクリーン…ってよくいるやつです。
さてこの本のテーマとなる催眠ですが、初っ端からストンときまった(?)がために、強面の攻めとノンケの受けは微妙な距離関係です。
怖そうな男が受けに好意をよせてくるのですが、完全なるギャグテイストでもないので、序盤はどうにも居心地が悪いムズムズさでした。
受け目線で物語は進むので、催眠かかっているの?それとも本当は…?と信じきれないところも楽しむポイントだったかもしれないのですが、大して二人に興味がもてず、別にどっちでもいいけど、な自分に残念でした。
未経験だったがなんか知らんが暗示かかった!こりゃこれ使ってうまいこと逃げてやる!!なんてしたたかな受けの方が楽しめた気がします。
受けが善人だからこそ、面白みない話になってしまっている…って好み入った言い分ですけど。
おまけに再会ものというできすぎた話に、あぁあ、ってなりました。
その後も暗示ネタを色々取り込んでいて、テーマにお話がしっかりそっていたと思います。
私が最初から躓いてしまっただけで、そこに興味をもてる人は楽しめるのではないでしょうか。
「頼む、囲わせてくれ」
受けの流星の暗示に掛かった攻めの雉真のセリフに笑うしかない!
催眠術にかかりやすい攻め、でも実は……?
初めはコミカルだった催眠術の存在が、攻めの過去を辿るためのキーポイントになるのが痛快でした。
海野幸先生の小説はいつも安心して読めるなあと思うのですが、今回も奇抜な設定なのにほんわかとした恋愛にきちんと着地してくれます。
内容もラブコメだー!!とニヤニヤして読みました。
シリアスシーンが長引かないから、疲れているときでもスラッと読める。
受けが丁寧な性格ながらちゃんと物事を考えているタイプの人で、内面が知れて良かったです。
攻めも、こういう優しいタイプの借金取りの攻めは珍しいのでは??
催眠術ぜったいえっちな方面に悪用しそう!!!
と思ったら子どもみたいにキスしたくなるとか、そういう使い方だった…なんとも可愛い2人です。
攻めがツンツンしてるの最高だなー!?
お話としては読んでいて面白かったのですが、290ページくらいある全体を通して特別印象に残るシーンや台詞がなく、キャラクター萌えもそこまで……だったので萌×2評価にさせて頂きました。