• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作騙されません、恋なんて

竹尾誠司(α)29歳,精神科医
須賀伊折(β)25歳,フリーター

その他の収録作品

  • 付き合いはじめの頃(描き下ろし)

あらすじ

βの俺がスパダリ執着αに溺愛される!?
“運命じゃない”2人の、ちょっぴり切ない幸せなオメガバース!!

「誰にも選ばれなかった」2人が出会ったら…
“特別”な恋の始まり。

βの伊折は、これまでΩの恋人をことごとく“運命の番”のαに奪われてきた。 「αなんて大嫌いだ!!」と荒れていたある日、アルバイト先のバーに、同じくα嫌いだと言う竹尾がやってくる。
意気投合した2人は、その日のうちに一夜を共にすることに…。
しかし翌朝、竹尾から自身がαであると打ち明けられ、セフレにならないかと提案される!
伊折は渋るが、αでありながら“α嫌い”を自称する竹尾には、何やら事情があるようで──?

ミステリアスなスパダリ(α)×流されがちな不憫(β)の、
“運命じゃない”極上ハッピーオメガバース!

作品情報

作品名
騙されません、恋なんて
著者
衿先はとじ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
三交社
レーベル
Charles Comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784815501822
4

(46)

(17)

萌々

(18)

(8)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
183
評価数
46
平均
4 / 5
神率
37%

レビュー投稿数11

本能よりも心が大事!!

オメガバ作品ってどうしてもαとΩが主役で運命的なイメージが強く、そこにβが入ると悲恋の要素が生まれるイメージが強いのですが、らまあβだと身体的な安心は与えられないし、、

そして今作は過去に運命と一悶着あったα×Ωばかり好きになってしまう失恋経験豊富なβのお話です。

個人的に推しポイントは後半まで理由は明かされませんが、とにかくαがβを溺愛して大事にして両想いになりたいと思っているのが終始伝わってくるので安心するし、照れて戸惑うβは可愛いし、何より応援したくなるようなそんな優しい雰囲気が多めなことです!

そしてラストの方で、一瞬の本能よりも心からこの人がいいと想う人に出会えたことを運命だと思うというニュアンスのセリフがあって、βのオメガバにおいて最高な結末だなぁとしみじみ思いました。

α×βでもお互い適度にラフで、でもしっかりラブラブな2人の雰囲気、もっと見たいです!!

1

色々な形のオメガバースの世界の恋

思いっきりネタバレになりますのでご注意ください。

まさかのα×βとは。最終的にβからΩに突然変異とかかなぁ〜?と読んでいたのですなそんなこともなく、最後までα×βでした。
この作品のα様は切なくて可愛くて、受けにべた惚れですごく良いα様でした。スパダリじゃないけど、雄味もたっぷりありますし、色気もあるのでかっこいいです!
主人公のβさんも、Ωが好きとあるため、最初タチネコどっちかわからなかったのですが、しっかりネコさんしていてとても可愛かった!
αΩが当たり前の世の中なら、こういったカップルもいて当然なんだよな〜なんて思ったりしながら楽しく読めました。
イチャラブたくさんしていて、セッも多いし、物語も、引き気味な受けに対し攻めがガンガン押すので自分的には大好きな作品になりました。
甘さは抜群ですが切なさも同じくらいあって、特にΩとの身体の作りの違いを受けが自分で伝えるシーンはちょっと悲しかったな。
どうしたってα×Ωなら上手くいくこともβの自分では満たせないという受けの気持ち、ぎゅっとなりました。

αの攻め様には悲しい過去はありましたが、受け様という存在が心を救い、また再会した後、受け様の心も救えました。
ずっとα性に苦しんだけど、ラストシーンの攻め様の涙はとても温かいものだったと思うから、本当によかった!

それにしてもオメガバースは深い。
運命の番は幸せでもあるし、ある種呪いでもあるんだなぁ。。

5

出会ってそれから

よくあるオメガバースとは違う雰囲気を味わうことができ、とても楽しかったです。
不憫すぎるけど妙に明るい受けと、飄々としていてうさん臭い攻め。
この対比がコミカルでテンポが良い。

そんな2人で繰り広げられるお話は、オメガバースなだけあってえっちも多い。
受けがとにかく可愛くて...たまらなかったです。

そして攻めも受けも、バース性に強い思いがあって、こだわっている。
バース性を否定すればするほど、それを強く感じているように思いました。

攻めはとくに、αでありバース性の当事者。否定していても、受けに対する振る舞いはαそのもの。
攻めの雰囲気は柔らかく優しいので、あまり強くそうは感じられないかもしれませんが...
流されやすい受けをなんだかんだと丸め込んでいく様は、さすがαだと思いました。

バース性ではなく「人」として見られる相手に出会ったからこそ、未来へ向いて歩いていける。
唯一無二の運命に出会えて、よかったと思いました。

1

素敵なお話でした

オメガバでアルファとオメガ以外のお話が増えて来ましたが、こちらはまたそれとは違った感じでした。

βなのにオメガが好きでしかもネコな伊折、ことごとくアルファにオメガを奪われ続けてアルファ嫌いに…。そんな伊折にしつこく言い寄って来るアルファ嫌いのアルファである竹尾。

この竹尾の笑顔がとっても胡散臭いんです。そして伊折と竹尾のやり取りがとても軽妙なので、途中までは明るくてラブコメなのかしら?などと思いながら読んで行きました。しかも竹尾とのセックスに感じる伊折がとても色っぽいんです。

そこに明かされる竹尾が自ら嫌悪するほどの過去に、伊折だけでなく読者も驚く事と思います。
絶望の中に居た竹尾が見つけた光が伊折だったんですね。だから二人が出会ったのは偶然では無かったんです。伊折を得ようとする竹尾の気持ちに切なくなります。

でもその頃には伊折も竹尾に本気になっていて、思いが通じあって恋人同士になった二人がとても素敵でした。

伊折の事となると途端に情けなくなる竹尾と、竹尾の将来までも見ようとプロカメラマンになった伊折がとても男らしいんです。

"運命じゃない"二人の関係がとても素敵なお話でした。

2

こんなオメガバースもあり

α×βの話。
βの伊折くんはいっつもΩを好きになって振られてしまう悲しいフリーター。
ヘルプで入ったbarでαの竹尾氏と出会いその日にエッチ!!
おー伊折くん抱かれてる、てことはリバありの子なんだなと読みながらフムフム。
今まで付き合ってたΩちゃん達はどうやらΩだけどタチをやりたい子達ばかりだったもよう!!今までのオメガバースはほぼΩは抱かれるものと認識してたからこういう設定もありだなぁーと感服(^^)
竹尾氏はエッチの度に伊折くんの首を噛む、その事で伊折くんはこの人は本当はΩを望んでいるのではと別れる決意をするのだけども
竹尾氏が一言「俺が番を殺したから」と衝撃的な言葉を…
その過程の話や伊折くんとの出会いを話す回想シーンは切なかったですが話の肝でもあり心がキュッとなります。
結末はハッピーエンドです。
そして竹尾氏のIQが5になるほど井折くんを甘やかします。

3

運命じゃないαとβの…

過去のある出来事からαである自分のことを嫌悪している竹尾。
Ωと付き合うもΩの番であるαが現れて運命に敵わずフラれ続けているβの伊折。

流されやすい伊折がなんとも信用し難い竹尾のことを徐々に意識してはいくのですが、いつか現れてしまうだろう竹尾の番の存在が引っ掛かり、今までの恋人のように去っていかれてしまうのが耐えられないから踏み込めずにいたところで竹尾の過去の話しへ。
竹尾の番のことは…、苦いですね。
その時の竹尾の考え方もですが、あのデリバリーのΩの彼のβの恋人のことを思うと辛くもあり、少しモヤりました。

それから竹尾は心身のバランスを崩すほどダメージを受けますが、自分と同じくΩに選ばれなかった伊折に出会い、伊折の考え方に心を動かされます。

バース性関係無しに「人」として惹かれ合い結ばれる。
自分のバース性や運命に抗えないもどかしさを抱えていた運命じゃないαとβの運命的な出会い。
オメガバースではαとΩの運命的な恋がメインになりやすい印象なので、いつもとは違う読み心地を感じさせてもらえる作品でした。

作画のタッチが繊細でお綺麗で、正面もですが特に横顔のラインが端正で好みでした。

4

運命とはとても尊いもの

Ωの恋人が出来ては相手に運命の番のαが現れ、いつも失恋してしまうβの伊折。
そんな事が何度も続き、いつしかα嫌いになってしまっていた時
同じくαのことが嫌いだという竹尾と出会う。
後腐れのない大人の付き合いとして体の関係を持ってから、竹尾がαだと知らされて…
始めは気持ちが交わらなかったふたりが
同じ時間を過ごすうち、徐々に関係を変えていくようなお話でした。

αが大嫌いと断言している伊折ですが、運命には抗えないαとΩの前では
βの自分にはどうすることも出来ない疎外感や寂しさがあったんでしょうね。
それをαに恋人を盗られたと認識して矛先を向けて
自分の気持ちを整理しやすくしていたのかなと思うと切なかったです。

竹尾もαが嫌いだと言っていますが
彼の場合はαというより自分のことを許せない部分が大きくて
過去の運命の番との出来事はすべてが壊れるきっかけにもなったけど、それまでの自分を見つめ直すきっかけにもなって。
そうして悩んで苦しむ日々を過ごしていた時に伊折と出会って救われていたのは運命的だし素敵だなと思いました。

辛いことを乗り越えて出会えた竹尾と伊折。
バース性に関係なく「この人だから一緒にいたい」と思える相手と出会えたふたりは
番よりも強い運命で繋がっていたんでしょうね。
10年後のふたりが変わらず幸せそうで本当に嬉しかった。

切ないところもあったけど最後にはじんわり温かい気持ちになれるオメガバース作品でした。

2

流れ流れて流されすぎて

Ωに振られてばかりのα嫌いのβがαと恋に落ちるお話。Ω元カレたちは運命の番と出会ったからと伊折のもとを去ったんですが、これってノンケやバイの男に惚れて最後に女に走られたゲイと同じパターンで、オメガバじゃなくても成立してました。よくあるBLです。
伊折は毎回律儀に文句言ったり頭抱えたりしながら竹尾の言いなりになってます。部屋に入り浸ってデートして結構な期間セフレやってるのに、無意味に騒いだり抵抗したり意地を張り続けてるのはさすがにしつこいと思っちゃいました。
見えてくるキャラたちの内面は、性別に振り回されてる固定観念ばかり。αだから、βだからって、ちょっとうるさいかな…なんていうか、オメガバジャンル自体への違和感をはっきり意識してしまうところがありました。全体が時代に逆行してる気がする…。
Hシーンも最初の方は空中戦みたいでエロくなくて微妙です。カメラ好きな点や精神科医の職業も、設定だけでストーリーに活かされてないのが残念でした。
キャラの魅力とストーリーの面白さが私には分からない作品。絵は綺麗でとても良かったです。

2

騙されません、恋なんて

αとβのお話
読後がすごく良い一冊でした
オメガバで運命の番について考えるお話
漫画なのに漫画的展開を否定するかのような、なんとも難しい設定

けれど実際はすごくシンプルで、ただ幸せになってほしい、出来れば自分が求められたいだけっていうなんとも可愛いセリフ

オメガバ設定ではβはあまり脚光を浴びませんが、今作はオメガバ設定が大切で属性にそこまで意味は無いような気がしました

見せ方がすごく上手くて引き込まれました
とても良かったので大満足の一冊です

5

読んで良かった。

オメガバースものが好きで、でもあくまでアルファ×オメガが好きなので、こちらの作品はアルファ×ベータということでちょっと迷いましたが…読んで良かった。

ベータの伊折が好きになるのは、「オメガではなく、あくまで男らしく生きたい」というタイプのオメガばかり。
でも結局いつも相手のオメガは運命の番と出会い、あっさり自分を捨てる。
「いつも彼氏を奪っていくアルファが嫌いだ」と荒んでいた所に、「自分もアルファが嫌いだ」と言う竹尾が誘ってきて…。
というストーリーです。

まず絵が綺麗、たまにあるデフォルメの絵が可愛い。
テンポも良くてキャラクターの台詞も楽しいので、またこの作者さんの作品を読みたいなと思いました。

7

君と出逢えた事こそ。運命。

オメガバースも成熟期と言っていい昨今。こちらはまぁ、まだまだ珍しいジャンルの α × β。何故か Ω 性の子ばかりを好きになって付き合うのだけれど、途中からは α に取られて失恋ばかりしているという伊折。ある夜、α 嫌いだと言うので意気投合した竹尾と一夜を共に過ごす事になる。ところが竹尾は、α 嫌いと言いつつ、その実 正真正銘 α だったのだ。
騙された!と怒る伊折を宥めながら、セフレになろうという竹尾の提案に渋々乗る伊折だったが…。
竹尾とのセックスが気持ち良いのと、優しくされて絆されて。竹尾の側に居る心地の良さは、徐々に伊折を不安にさせて行く。運命の番、とか。竹尾が Ω 性の子に出逢ってしまったら。自分はアッサリ捨てられるのだと。そんなのは耐えられないから。伊折は辛い気持ちに蓋をして、自分はただのセフレなのだと自分に何度も、何度も、言い聞かせているのに。そうする事こそが竹尾への気持ちを思い知らされてしまうのだ。
旅行へ行こうと誘う竹尾に乗せられて、流されてしまう伊折。セフレなんだから。セフレらしく。セックスをすればいいだけだ。慣れているふりをして、竹尾に跨る伊折。
ところが。伊折は、興にのって悦ぶ竹尾を制する。涙をポロポロ流して言うのだ。「オレ、自分で濡れな…。」ここで竹尾も。私たちもハッとするのだ。そうだった…。Ω は、男でも勝手に「濡れる」のだ。そういう、α にとって。男にとって。非常に都合の良い存在、それが Ω 。伊折は、β 。いわゆるノーマルの男性なのだ。これまで。私は、ボーっと「オメガバース」を読んで来たんだろう。そうだった、そうなのだ。伊折の言葉はキュッと胸を締め付ける。自分ではどうしようも無いこと、は きっと誰にだってある。オメガバースの基本の「キ」は、身近な事の様に、胸に迫って来るのだと。

泣き出す伊折の背中を撫でながら、ようやく竹尾は自分の話をし始める。
竹尾も、「通常の」α の様に、突然出逢った よく知りもしない Ω に発情して、番にして「手に入れる」のだと思いあがっていた。その Ω 性の人は、β の恋人がいるのに、発情して竹尾とセックスをしてしまった事に苦しみ、突発的な事故もあって亡くなってしまう。彼の苦しみは恋人を裏切ったことと、α である竹尾に「モノ」扱いされた事だったのだ。
竹尾はその事があってから。自身のアイデンティティが揺らぎ、α であるという「事実」に苦しみ続ける事になる。そう、伊折に逢うまでは。

全ての「オメガバース」がそうである様に。性が縛る本能よりも「恋」や「愛情」の結び付きこそが掴みとった「運命」なのだという、清々しくも温かい物語でした。
「俺が恋であれと願ったそれは。やがて愛にもなり。今はもう形容しづらいものになった。ただ、この人に出会えたことは、運命と呼んでいいだろう。」
結びの言葉も胸に沁みます。それはごく普通に、当たり前の事。優しい言葉。真実。
胸が締め付けられて、ホロリと涙させられて。じんわり温かい気持ちになりました。
フリーターで、失恋キッカケで好きなカメラを辞めていた伊折が、プロのカメラマンになっている10年後も良かったです。伊折は α に囲われる愛人では無くて、自分の仕事を持って生きている。ちょっぴり不穏なのは、街ですれ違う人の、おそらく Ω のフェロモンにフラリとしそうな竹尾は、抑制剤を投薬しながらそれに耐えていて。身体はどうであれ、「伊折以外いらない。」と言い切っている。2人にこれ以上の試練が訪れませんように。いつまでも幸せでいられますように。そう願わずにはいられません。

15

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP