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表題作刑事と灰色の鴉

真柴健斗,25歳,刑事
神倉玲,28歳,バーで働くバーテンダーで泥棒

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

警察に届け出られない盗難品を、依頼人に代わって取り返す!! そして現場にはカラスの足跡──。ネットで噂の義賊に興味を募らせる新人刑事の真柴(ましば)。そういえば、名前も知らないあの人もカラスを腕に留まらせていたっけ…。幼い頃、父を亡くして泣いていた真柴を、魔法のような手品で慰めてくれた少年──。彼の面影が忘れられない真柴は、天才マジシャンがいると評判のバーを訪れるけれど!?

作品情報

作品名
刑事と灰色の鴉
著者
高遠琉加 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
刑事と灰色の鴉
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010392
4.2

(19)

(8)

萌々

(7)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
80
評価数
19
平均
4.2 / 5
神率
42.1%

レビュー投稿数8

期待大!!

高遠先生の新作が読めるって、ホント幸せですよね。しかも今作は一冊完結ではなく、続きがある‼︎ タイトルからして期待しかなく、警察・裏社会・事件ものの暗さが大好物な読者としてはたまらないストーリーとなりそうです。

主人公の警察官はおそらく攻め?なのかしら。過去に自分を救ってくれた綺麗な年上のお兄さんのことをずっと忘れられなくて、本作ではやっと見つけた!というところで終わっているんですが…。

年上の綺麗なお兄さんは、隠れ家的バー「Magic hour」のバーテンダー。それは表向きの顔で、裏では窃盗事件の被害者のために非合法な取引を行うアンチヒーロー!? Magic hourのマスターもミステリアスで彼自身のバックグラウンドも気になるし、バーでアルバイトをしている個性強めな双子の活躍も見逃せない。裏業務の依頼者を選定する基準は彼らの独断だけれど、あたかも彼ら自身が奪われた何かを取り返そうとしているかのような執着心、あるいは復讐心のようなものが汲み取れます。そして、読者の意識に刻み付けるかのように時おり登場してくるカラスが意味するものとは…?

個人的に作家様の作品が好きでたまらないところは、どんなお話であっても受け攻め二人だけの特別な時間を必ず取り上げて、丁寧に描写してくれるところなんですよね。BLはやっぱりLOVEなので!!

本作でいえば、やっぱり二人が出会った頃のシーン。モノローグではなく、客観的な視点で当時を振り返る形で描かれるのですが、もう、美しい情景しか浮かばない…(うっとり…)

イラストがまたクールで素敵。サマミヤアカザ先生大好きです♡

続編が楽しみな作品は久しぶりで、むちゃくちゃ嬉しい…。う~、ずっと作品を描き続けて欲しい作家様です!ということで、期待を込めまくっての「神」でお願いします!!

5

続きものです

高遠さんの新刊は刑事×泥棒さんのお話。

一見するとコミカル寄り、なのですが、その実かなりシリアスさを孕んだ作品でした。はじめに書いてしまいますが、今作品は1巻完結のお話ではありません。続きものです。これがまた良いところで終わっていて、早く続きが読みたい!状態なので、完結してからまとめて読みたい派の腐姐さまは注意されてください。

ということでレビューを。





警察には介入できない、取り返して欲しいもの。
例えばリベンジポルノの画像、夫からのDVに耐え兼ね逃げてきたが、夫のもとにおいてきてしまった大切なものー。
そういったものを、時に違法な手段を用いてでも取り戻してくれる窃盗団「取り返し屋のカラス」がいるとまことしやかに噂されている。

そんな都市伝説のような話を興味深く聞いていたのは新人刑事の真柴。警官から努力でもって念願の刑事になった25歳の青年だ。彼には忘れられない人がいる。絶望のどん底にいた12歳の時に、マジックで自分に笑顔を取り戻してくれた少し年上の綺麗な人。また逢えたら―。そんな思いを抱いていたある日、彼は先輩の刑事に連れていかれたバーで、その綺麗な青年・玲と再会し―。

というお話。

玲、という青年がですね、


激しいネタバレですのでちょびっと下げます。ネタバレ厳禁な方はここでストップしてください。






*************************************

玲が、その「取り返し屋」のメンバーなんですね。

彼は仲間と共にあらゆる手段を講じて、自分たちの正義に合う依頼者だけの依頼を受けている。

刑事×窃盗団、という構図なわけですが、うん。高遠作品だからですね、そんなに単純なお話ではありません。

真柴、そして玲。
二人に共通しているのは過酷な過去か。

真柴くんの方は今巻で彼の過去については描かれています。
が、玲。彼のそれについては全然わからない状況。わからないけれど、でも、過酷な何かが彼の過去にあったのだろうとはうっすらわかる感じ。こういう展開の仕方がお上手。グイグイと引っ張られる感じ。さすがです。

タイトルにもついていますが、「鴉」。
このキーワードが、今後重要な意味を持ちそうで、話の続きが待たれます。

犯罪、を描いた作品だからでしょうか、じんわりとほの暗さが漂うのですが、人間関係はどちらかというとコミカルさ満載。玲の仕事仲間たちとのやり取りがコミカルだからかも。

が、それ以上に、真柴くんのワンコっぷりが効いています。
玲のことが大好きで、ワンコさながら懐き、しっぽを振ってるその姿がとにかく可愛いです。

そして玲も。
人と深くかかわることを良しとしない彼の、うっすらと見えるその優しさが、心にじんわりと染み入ってくる。日陰に生きる自分と、陽の当たる世界に生きている真柴くんとの間に線を引こうとするのは、彼の優しさでしかないわけで。

高遠作品の中では、「神様も知らない」シリーズがめちゃめちゃ好きなのですが、系統としては同じ感じかな?ということもあって、続きがめっちゃ楽しみです。

サマミヤさんの挿絵がこれまた良い…!
ほんのり滲み出るダークさと、相反するようなコミカルさ。そのバランスが秀逸です。サマミヤさんの描かれるスーツからダダ洩れる色香のヤバいことよ。最高か。

まだ1巻目ということで謎だらけですが、がっつり萌えが掴まれた感じ。
次巻の春倍を楽しみに待っていようと思います。

9

大好きな設定てんこもり

高遠さんの新刊でタイトルに「刑事」が入ってるという事で超楽しみにしていました。期待通り。まだ完結しないシリーズ物ですがワクワクが止まらない良作でした。今年中に続きが出ると良いのだけど。

攻めの健斗は25歳の刑事。幼い頃に事件で父を亡くし当時のマスコミ対応や近所のよく知らない人々からの薄っぺらい同情などで傷ついていました。この辺の描写がリアリティがあって辛い。そんな時健斗を精神的に救ってくれたのが受けの玲(綺麗なお兄さん)で実務的に助けてくれたのが警察。警察に恩を受けた事から刑事になったという人です。

受けの玲はミステリアスなバーテンダー28歳。マジックが得意でクール美人の看板息子。バーテンダー受けの何がいいってあの細身のベスト。後ろ姿で男の人の肩の方からウエストがキュッとしまってるの超萌える。しかし玲は訳ありの正義の泥棒一味という事でなんと健斗とは敵対する関係。さあどうなる?!

今作では2人はお互いの正体を明かさないまま人間としては惹かれあい…という所で終わってます。もどかしい!でも幸せになってほしい。エッチなシーンはなかったけど話が面白いから充分満足です。まあ2巻ではベッドでも盛り上がってほしいけど。最後に渋くてカッコいい本庁刑事が登場したのも嬉しかった。

コメディチックな部分もありつつも高遠さんお得意の切ない再会ラブストーリーでした。実力者の高遠さん、BL小説界で長く活動してくれて嬉しい。独特の世界観のある作家さんだと思います。サマミヤアカザさんのイラストも美しくて小説の雰囲気に合っていました。

9

冒頭部分でガッツリ掴まれました

やっぱり、高遠さんの文章は最高だ。
冒頭部分!
川べりでの夕間暮れ、夕日から夜空へ色を変えていくグラデーションの中を舞い飛ぶ鴉をバックにして、15歳の神倉玲の黒手袋をはめた手から零れ落ちる無数に思えるほどの白い花びらが12歳の真柴健斗の頭上に降り注ぐシーン……ああ、私が書くとこんなに無粋な文章になってしまうのに、高遠さんの手にかかると息を呑むほど美しい絵が見えるのですよ。
文字を読む目がしあわせで打ち震えています。
ドライアイも治るんじゃなかろうか。

おっとビックリの続きものでした。
嬉しいです、もっと読めるなんて。
ただし、この巻は神倉に関する謎を振りまいただけなので、なかなかのじらしプレイです。

真柴には、不幸な形での肉親(父親)との別れがあります。
たぶん、神倉にも(外れたらごめんなさい)。
似たような喪失感を抱いたことがあるが故に、神倉は不憫な真柴に輝く言葉と宝物を与えたんじゃないかと思うんですね。
そしてそれを支えに真柴は生きてきて、結果として警官になる。
でも長じた神倉は泥棒なんですよ、と言う矛盾。
うーん……今後が気になる気になる。

高遠さんのお話ですもの。神倉の周りにいるキャラがコミカルな動きをしても、むしろ寂しい感じを抱いてしまいます。「こうやってわさわさ楽しそうな所に居ても、結局は『独り』って思っているんだよね」って思っちゃう。

孤独というものはそんな簡単に解消されるものではないと思っています。
やっぱ、人はひとりで生まれてきてひとりで死んでいく訳ですし。
でもどこかで、奇跡の様に他者の人生と交わって欲しい。
またしても『高遠マジック』を期待している自分に気づきました。

7

あらら

なんとなく手に取ってみたのですが「あらら」でした。警察の方と、マジシャン?な方の重くはないけどシリアスなお話、本編240pほど+あとがき。どうなるどうなる?と気になるタイプのお話がお好きな方でしたらおススメです。恋愛色はとても薄いという気がするのだけど、どうだろうか。

新宿警察署盗犯捜査係に配属されて間もないひよっこ刑事の真柴。ある日生活安全課の先輩に連れられて、幽霊ビルと噂されるビルで夜だけ営業している店に行ってみると、そこに子供のころ慕っていた年上の男がいて・・・と続きます。

攻め受け?以外の方は
攻めの職場関係者少々、玲の働く店の仲間(マスター、ブルー、ピンク)、玲たちへの仕事依頼人、田端(弁護士)ぐらい。

++より内容に触れる感想

要はお話が終わっていない&まだ続く予定なのです。それで「あらら」というレビュータイトルにしました。色恋話もほぼ皆無と感じます。面白くて、どんどん読み進める→「あれ?残りページで片付くか、これ?」と疑問に思う→案の定片付かなかった というものです。勝手に1冊ものだろうと思っていたので、ちょっと驚いてしまいました。

表紙右はお仕事一生懸命刑事さん。まっすぐ公僕という感じの方です。子供の頃、事件に巻き込まれてメンタル壊れかかっていた時に出会ったのが表紙左の方(バーテンさん)。こっちの方が謎多き方。天才的なマジックの腕をもっている&女装させたらめっちゃ美人&スリの腕も天才的・・・等々。警察の方にも目を付けられているのか??? というところまでいって、この本はおしまいです。

事件(≠殺人)が起きて、その決着がつく前に終わっているので、続きが気になってしようがない状態です。先生、できればお早目に続きを読ませてくださいませ。

8

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