もう隠せない。 この子が、愛おしい…。

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表題作さよなら共犯者 下

関谷廣世,斑鳩自動車株式会社の社員→ディーラー
斑鳩はじめ,高校2年生

その他の収録作品

  • 番外編
  • 第6.5話(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

秘密を抱えたずるい大人×孤独でひたむきな男子校生

この気持ちに気づかないふりをするのは、
もう、限界を超えていた…

――――――――――

親からの迎えの連絡を振り切って、
再びヒロセのもとへ戻ってきてしまったはじめ。
もう二人でいられる時間は、きっと長くはない。

ヒロセは葛藤しながらも、欲しかった言葉をくれたはじめの
眩しくてひたむきな想いに、ようやく答えを出す。
そして「最後に…」と懇願するはじめと
甘く切ない一夜を明かすが、翌日、ついにその時が訪れてしまい‥。

ヒロセはいったい何者なのか。二人の“非日常な恋”のゆくえはーー?
少年と大人の逃避行ロマンス、完結。

描き下ろし12ページ収録!

作品情報

作品名
さよなら共犯者 下
著者
あがた愛 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス moment
発売日
電子発売日
ISBN
9784801974050
4.3

(237)

(145)

萌々

(52)

(23)

中立

(12)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
23
得点
1014
評価数
237
平均
4.3 / 5
神率
61.2%

レビュー投稿数23

タイトルの意味がわかるとエモい!

ヒロセが何者なのか、何に悩みながら何から逃げているのか判明する巻です。上巻から読むことをおすすめします。


一般的には許されない、社会人と未成年の恋愛。けれど、この作品からはそれぞれがお互いを想うに足る十分な動機と理由があって成り立っているのが伝わってきます。
「さよなら共犯者」の一番のテーマとも言える【正義とは何か?】にも通ずるものがあるな、と思いました。
自分にとって、正しいと思った事を行うことで起きる弊害。普通の人間ならば、自分一人が正しいと貫く事で周りから浮いてしまったり叩かれたりを想像して結果周りに合わせてしまう事が大半でしょう。ヒロセもそんな自分に悩みながらも、まっすぐ「ダメな事はダメ」と言えるはじめが眩しく、自分のしようとしてる事が間違いでは無いと勇気づける存在になったのだと思います。

また、はじめにとってもヒロセの存在は、今まで自分と他者をどこか違うものとして捉えがちだった自分を変えるきっかけになったのだと思います。ヒロセとの出会いが、父親やクラスメイトとの関わり方を変えていった事は間違いありません。
たとえ一般的には許されない関係だったとしても、二人の間には年齢を超えた互いを想う純愛が感じられ、お互いの存在が相互救済になっている二人で読んでいて胸を打たれました。

再会のシーン、本当の名前を呼び合うところは上巻を読んでいる方ならグッとくる事間違いなしです。お話作りが丁寧で全部が繋がっていて無駄がないところ、本当に上手だと思いました。
罪を犯した共犯者としての二人が、恋人同士になって新しい関係へと変わっていく。英語の【Escape from the every day】というタイトルにもエモさを感じます。
表紙も上巻→下巻と、二人の関係の変化が感じられ素敵でした。

0

「さよなら」は誰に向けた言葉なのか

「さよなら」は共犯者である廣世に対しての言葉なのか、共犯者という存在の自分に向けたものなのか?分からないまま下巻を読み始めました。

上巻と同じように落ち着いた雰囲気を壊すこと無くゆっくりとした流れの中、少しずつお互いのことを知り気持ちが近づいていくのが逃避行中のタイムリミットと重なりなんだか切ないです。
決して自分から手を出してこようとしない廣世と、恥じらいながらも欲望をぶつけてくるはじめの素直さにドキドキしました。

はじめが未成年、高校生なので購入するのを少しためらいましたが全くの杞憂でした。
純愛。純粋で真面目な2人の優しい恋のお話で胸が温かくなりました。

1

共犯者

正直言って、じゃあ淫行はいいんかい!って疑問が生じるわけです。教師の誤字なんかより余程問題だろう。この逃避行中にはじめが事故に遭うとか、万一何かあったとすれば弁解の余地なし!はじめは子どもなので自分の見える範囲の正義しか見えておらず、ヒロセは大人だから自分に言い訳をし…と、この作品の根の部分に関わるモヤモヤがあるものの、BL作品としてみれば萌えられるのでまぁいいかという。自分も二重規範の共犯者。
可愛い高校生とその可愛さに悩まされる大人の関係性、そこに加わる性的要素…うん、BL的萌えはもりもり。はじめがよくいる真面目ちゃん受けで終わらず、あがた愛先生の作り込みがしっかりしていて個性があるのが大変可愛い。

0

はーやばやば!最高の一冊!

逃避行系の物語ですが、まとめ買いしたので夢中になって読み切ってしまいました。
表紙とか暗めで(すいません)、タイトルも物騒なので避けたくなるのですがこれは読んでよかったと思える作品でした。
訳ありのサラリーマンと、大企業の息子の逃避行。受け様がついていっちゃうのですが、もうホントにこの受け様が可愛くて可愛くて!健気さとエロさにキュンキュンです。
未成年だし、巻き込んじゃいけないと壁を作り続ける攻め様もあまりの健気さに絆され、愛しちゃうんです。
理性の壁をぶち壊す受け様、最高でした。え、思い返してもこれ名作でしょう!
二人の恋は燃え上がりまくり愛し合って、でもきちんと終わりもきて。
未成年者略取誘拐罪になると思いきや、なんとかセーフになり!←ここはまじで安心しました。。
逃避行ではなく、きちんとした形で2人繋がることができて本当に良かったです。
その後の話でも未成年とはセックスしないと攻め様頑張るのですが、やはり受け様の可愛さ+健気+エロに負け理性ぶっ飛ばしてくれました。もうこの人間くささ、攻め様良きすぎます。がっつくよね、ありゃ。
わざとらしいあざとさじゃなく、優等生なのに清潔感のある小悪魔的魅力をガンガンだす受け様に、メロメロに溺れていく攻め様、最高の構図でした!
これはオススメしたい!

2

同僚の方が気になる

 うーん、私自身は恋をするのに年齢差は関係ないという考えなはずなのですが、なぜかこの作品の2人にはその障壁が大きいように感じてしまって、あまり萌えられませんでした。何が引っかかるのか自分でもはっきりと分からないのだけど。はじめが恋するのはまだ理解の余地があるのですが、それに引きずられてヒロセもすんなり、という所が違和感あるのかな。

 なんというか、精神的な繋がりを強く感じている関係性だと思うので、体の関係にまで発展しない方がもっと自然に読めた気がします。最終的にそこに行き着くとしても、それはもっと先で良かったかも。親友且つ同僚の存在を背負いながら、大企業からの圧力を感じながら、落ち着かない生活をしながら、ずっと年下の同性に恋をしてその身体に欲情できるほどの心の余地や変遷があるとは思えないというか。父親に話をつけにいく覚悟や行動力はすごいと思いましたが、そこで許す父親もなんだかリアルじゃないなぁと。共犯者という関係は魅力的でしたが、個人的にすんなり飲み込めない点のある作品でした。

0

非日常に別れを告げて

ヒロセと逃避行中の、彼の事が好きな高校生ユキ(斑鳩はじめ・受)と、自分に全力で好意を寄せるユキに愛おしさを感じ始め葛藤している、何かから身を隠しているスーツの男ヒロセ(関谷廣世・攻)の、逃避行の行く末とその後を描いた、ヒューマンドラマ・ラブストーリーでした。こちらは下巻となりますので、まずは上巻を読了ください。

己の中の正義と向き合い貫くことへの葛藤、社会人と高校生の恋愛、などなど言いたいこと伝えたいことがぎっしりつまったヒューマンドラマで読み応え抜群でした。重大なネタバレはしないように感想を書いていこうと思います。

上巻ではどちらかというとはじめ目線でストーリーを追っていたのですが、下巻はかなり廣世目線で読んだり考えたりした印象があります。最後まで読み終わり、また上巻を今度はヒロセ視点で読み返してみると、初回では見えなかったヒロセのユキに対する心情が見えたような気がしました。

廣世は、はじめの持つ、自分が諦めてしまった真っ直ぐさを眩しく思い、自分のことをひたすらにいじらしく慕ってくるはじめの気持ちが段々と愛しくなり、ついには大事にしたい、共にいたいと腹をくくり自分の気持ちに向き合ったわけですが。高校生のはじめと社会人の自分が恋愛をするために、現時点でできる最大限のことをしっかりやったのは、やっぱりちゃんとした人だなぁ、と思いました。

はじめは、純粋でしたね。だからこそ、未知を知りたくなって、惹かれて、学んで、成長して。本当にアパートにいたのが廣世でよかったと思います。孤独だと感じていたはじめの世界が、廣世と出会ったことや父との対話で、徐々に広がっていくであろう、学校での描写がいいなぁと思いました。そして、廣世への恥じらいながらも大胆不敵な全身全霊の愛情表現が、もうハンパなかったです。

一人では「あと一歩」がどうしても踏み出せなかった廣世は、はじめの真っ直ぐさのおかげで報われて。
子供のように眠る廣世と、大人びた表情で頭を撫でるはじめ。
お互いが影響し合ってちゃんと良い所に収まりそうで素敵な雰囲気でした。

こちらの作品に出会い、色んなことについて自分はどう思うのか?ということを考えました。読むことができてよかったと思います。

1

あっさりした終わり

上巻の救いようのないような暗さはとても好きだったのですが、下巻になると途端にすべてがうまくまとまってあっさりと解決し終わってしまったなという印象でした。

横領疑惑が晴れてから2人が丸く収まっていくまでの過程をもう少し見たかったなと思いますが、とても綺麗なハッピーエンドで、番外編も良かったです!

0

最高の純愛

作者のあがた愛先生の作品は初見でしたが、とにかく引き込まれるような感情表現がとても心に響きました。
行為をする場面もこの作品のアクセントとなっていてすごく良かったです。
ふたりだけの世界観がまた見やすく、終始ふんわりとした雰囲気がたまらなく好きでした。
非日常という訳では無いですが彼らだけが見える世界というように思えて、素敵でした。

2

よく作りこまれている

全体的によくまとまっていて、筋が通っていると感じました。上下巻完結で、伏線もしっかり回収、動機も浅くなく、ヒロセの行動に納得できるストーリー展開でした。
二人の距離の縮まり方も自然です。しかし、逃亡者との密会という設定上物語が全体的に暗いです。最終的にはハピエンですが、過程の仄暗さも苦手な方はすんなり読み進められないかもしれません。

とらのあな上下巻連動購入特典の小冊子がとてもよかったです。

1

下巻です!

こちら下巻につき、ネタバレにご注意ください!ネタバレなしで読んでいただきたい作品です!どうしても購入前にある程度の評価や詳細が知りたい方は上巻のレビューに留めていただければ...幸いです...絶対その方が作品をめいいっぱい楽しめます!本当に!

ーーーーーー

上巻は導入に近い部分がありましたが、下巻では展開も大きく動き、解答編のようなスッキリ感がありました!ストーリーと絵柄と諸々が相まってシリアスな雰囲気漂う作品です...が!とってもハッピーエンドです!!大丈夫です!w

本当に2人の出会いは奇跡ですね!運命感じました。そんなストーリー展開、大好きです!

0

最高だー!!!!やばい!今期最大のあたり!みんな読んで!!

一言で言うと最高です。これは最高です。ほんっとにみんなに読んでほしいです!尊過ぎです。あがた愛先生の作品はほとんど拝見しておりますが、これが一番大好きです!萌えも切なさもとっても絶妙で、悶えます。ほんとに最高なので読んでほしい!!!読めば分かる最高なやつです!見入ってしまうようなストーリーで、読む手が止まりません!受けが本当に可愛い〜。ウブさもあり、大胆さもありで、いっそう物語を盛り上げてくれます!なんと言っても心情描写に感情移入しまくって読めます!!せつなそうなタイトルだけどハピエン主義者の方にもぜひ読んでもらいたいです!!!!!

6

大人が言い訳する時

上巻では、まだ曖昧だった二人の関係ですが、お互いに互いの感情を認め合って、
ヒロセが逃亡する原因だった件にも決着がついて、晴れて二人はお付き合い。
はじめと父親の関係にも、なんだか明るい兆しが見えるしと、
とってもきれいにハッピーエンドを迎えた下巻。

番外のオマケは、付き合い始めのカップルには定番のネタの、好き過ぎて、大事過ぎてすれ違い(主にカラダ的な意味で)からのエチシーン。
展開的には正しいけど、今時のコンプライアンス的な気分では、ちょっと、やっぱり・・・と感じてしまう。
売上的にはエチシーン必須なんだろうけどね。

1

番外編がとても良かったので

逃避行の続き。なんだかあっけないというか早かったな…という印象です。物理的な場所としてはどこに辿り着くでもなく、警察に保護されてしまいました。気持ちの上ではそれなりの場所に行きついてるんですが。
で、気になっていたヒロセの事情が明かされます。結構な事態を抱え込んでたのに、社長があっさり認めて終わっちゃいました。くっつくのもストレートすぎて、ラスト手前にもう一波乱くらいあっても良かったかなあと思わなくもないです。
でも再会したヒロセは表情がすごくスッキリ晴れやかな感じで、イケメン度も増してて良かったです。
番外編はえっちなはじめと怖がる大人に萌えました。結局誘惑に負けてヤっちゃってるヒロセ笑。子供にも変なプライド持たずに弱みを見せられる素敵な大人だと思います。
気持ちの上での逃避行って意味ならしっかり昇華された感がありますが、最初はヒロセがどこかに向かおうとしてると思ってたので、地理的な面での逃避行が完遂されていない気分になってしまいました。個人的にそこが物足りないんですが、くっついた二人はとても可愛かったのでまあいいかな、と萌え×2です。

2

良かった

ヒロセの過去が明らかになって、なるほどそうだったのか、、と!葛藤に苦しんでいたのが分かりました。全然ずるい大人じゃなかった…!

そしてはじめの一途な思いに心打たれました。
あの場所でまた再会できて本当に良かった、、!

はじめのお父さんが思っていたよりも良い人、というか物分かりのいい人でびっくりです。

逃避行が終わってしまう前のえっちも良かったし、番外編もとても良かったです〜!!
両思いになったふたりのお話しがもっと読みたくなりました。

2

細部の描写が神

1回目読んだときから、ちょっと時間をおいて読み返したら、作品のよさがじわじわじわじわ伝わってきました。スルメというか、2日目のカレー的な作品かもしれません。なので、最初ちょっとハマらないな、、と思った方は、しばらくおいてから読み直してみることをお勧めしてみます。

上巻の謎がきれいに回収されて、エロも多めな下巻でした。ワケありの逃亡者・ヒロセの事情がわかります。それによって、はじめとの出会いに宿命めいたものを感じます。この展開、上手いな~と思いました。

で、この作品の最重要鑑賞ポイントは、大人と未成年、でも
「お互い思い合っているのに 触れちゃいけない理由の方が見つからなくて」「それを人が罪だというのなら その罪を受け入れよう」
ってところなのかなと思いました。そういう覚悟や逃亡しているという緊張感のせいか、他者が意見を挟む余地のない、常識や倫理で測れない”恋愛”という極めて私的な行為を、壁として眺めてるのではなくて、彼らと一緒に追体験しているような感覚をおぼえました。

んでなぜ神評価じゃないかと言うと、主軸の2人の話だけでいいわーって感じてしまったからです。その他の人々および彼らのエピは、名前すらいらないくらい邪魔に感じてしまった…。(はじめの父、雇主の息子に現金を上げる謎の家政婦、正義感強すぎるヒロセの親友…中途半端に存在感強い印象で、変にひっかかってしまった…。)

が、もうそれはさておき、私はあがた先生の独特なエロ描写すんごい好きなんですよ!初めてのえちで、はじめが、自分のア〇ルにヒロセの指を入れて痛がる描写から、でも終わらせないでの表情( *´艸`)…。なんか、エモすぎて悶えました。あと、白抜きの処理が無念ですが、攻受で大きさの違うTNKとか…細かい職人の拘り、ちゃんと見てますよ!先生!

というわけで、先生の拘りと、結局”一緒にいたい”の気持ちが正義だな~とつくづく感じられる意欲作だなーと思ったのでした。

8

さよならの先にあるもの

作者買いで本になるのを楽しみに待っていました。
先生があとがきで二面採光のような関係性を描きたくて挑戦してみました、と書いていました。2面採光のような関係性ってなんだろうと思った時に、ひとつの部屋に窓がふたつあるように廣世とはじめの関係性も純愛(正しさ)と未成年と誘拐犯…の恋愛(不道徳)という二面性をもっているなあと改めて思った。
先生はインモラルなのに純愛みたいな関係性を描くのが本当に上手だと思う。
正しさのかたまりみたいな品行方正な高校生のはじめと、会社を告発するために自分の中の正義と普通を天秤にかけて揺れている30代のサラリーマン廣世。
私もどちらかというと廣世に年齢も仕事としての立ち位置が近いのでとても廣世に共感することが多かったなと思う。正しさだけでは生きていけないことは分かっているし自分が今まで築き上げてきたこの立ち位置を自ら進んで崩すようなことなんてよっぽどの覚悟がないとできない。正しさと普通の間でぐらぐらに揺れている廣世にとって、はじめとの出会いはどれだけ救いで後を押してくれたのかなあと思うと毎回泣いてしまう。はじめは本当に廣世にとって光なのだと思う。
さよなら共犯者というタイトルがとても素敵だなあと感じた。最初ははじめからの一方的な気持ちだったと思うけど、廣世も一緒にいるうちにどんどんはじめに惹かれていく。はじめを好きになるなんていけないこと普通ではないことだと思うけど止められない。2人が結ばれることは罪なのかもしれないけど気持ちは止められなくて互いに恋をしたことで気持ちとしても共犯者になる。ふたりの恋を犯した罪ではなく当たり前のことというか正しい気持ちとして認めたことでふたりは共犯者からさよならをして恋人同士になる。なんてエモすぎると本当に頭を抱えました。
番外編が好きだという方が多い印象なのですが本当に本当に番外編が最高なので絶対読んで欲しいです。「はじめ 俺を置いて大人にならないでよ」という廣世の台詞で毎回大号泣です。番外編の全ページは全て推しページなのですが、本当に胸がじんわりと暖かくなってふたりの永遠の幸せを願ってしまいます。廣世の部屋がお互いのお互いへの思いやりと好きという優しい気持ちで溢れていて本当に幸せな気持ちで泣けてきてしまうんです。先生も描きたかったという年下の受けが年上の攻めを膝枕して甘やかしている構図が本当にあまあまで愛しくてなんだかちょっとした切なさみたいなものもあって最強のシチュエーションだなあと思いました。どうかはじめくん永遠におとなにならないでいてね。
あがた先生といえば学生というイメージが強かったですが、先生の描くふたりの関係性のエモさはどんなシチュエーションでも最高だなと思わせてくれた作品でした。素晴らしい作品に出会えて感謝です。

18

大人みたいなこどもと、子どもみたいな大人

読み終えて、とても素敵なお話でした。どうやって感想をまとめていいのか分からない…。ひとつひとつあげるときりがないのでざっくりと。

どこかのレビューで「はじめはヒロセの"ありのままの姿を見てくれる" ところに、ヒロセははじめの "自分の中の忘れかけていた純粋さ、正義感を思い出させてくれる" ところに惹かれたのだろう」という表現がとても的を得ていたので拝借してしまったのですが、はじめが最初から名乗っていたらこの逃避行はなかった。最初からお互いのことを知っていたら、恋なんてしなかった。
そんな偶然のようで必然だったふたりを丁寧な心理描写で徐々に距離が近づいていく過程が描かれているので、違和感なく読み終えました。

シリアスな話が苦手なので「共犯」の部分にかかってくるものは他に犯罪めいたものだったら、深刻なものだったらどうしようと思っていたのですが全くそんなことはなく。「このふたりの恋が共犯」という部分にかかってくるんでしょうか。いろんな捉え方ができるタイトルで、とてもエモーショナルだなと思いました。

また印象的だったのは、未成年であるはじめとのシーンで「それを人が罪だと言うのなら、俺はその罪を受け入れようと思った」というヒロセの台詞です。この時点でヒロセはいろんなことを覚悟したうえで、はじめと一緒になる決意が固まっていたんですよね。もし捕まってもそれでいい、みたいな廣世の決心が垣間見えて凄く良かった。

既にほかのレビュアーさんも描かれていますが、番外編とても萌えました。
特にはじめのモノローグでつづられるふたりの差とかちょっとした不安とか。そういうものをすべて廣世がさらっていってしまって、読み終えた後すごく満ち足りた気持ちになりました。

廃アパートで出会い、再会する時にそのアパートはないけれど、ふたりの関係は続いていくことなど、背景や小物の使い方がお上手ですね。
今まで読んだ歳の差BLの中ではかなり上位にくる作品になりました。

11

二面採光の光と陰。

作者が「二面採光のような関係性」を描きたくて挑戦してみました、と書いてある通り。
この下巻は、ヒロセの人となり、彼の正体が描かれて行きます。
ちょっと残念だったのは。上巻で「匂わせ」程度に終わっていたヒロセの「告発」は、やはり「斑鳩自動車」に関わるものだった、ということ。
期せずして、その斑鳩の息子・はじめと出逢い、逃避行した事はヒロセの予定外の事だったとは言え、ヒロセは告発の為にはじめを誘拐したと思われても仕方の無い窮地に陥入る。
どういうわけか、事件そのものよりも。ヒロセが自身に課した「正義」への道のりに多くを割かれているのと、はじめの父が預かり知らないところで起こった事件だというので、社長自ら公にして謝罪、という幕引きで終わる。(ちょっと某自動車会社の例の事件っぽいですよね。)
ヒロセは、自分の中に生きている「正義」と、世間を生きて行く為の「妥協」との狭間で苦しみ悩んでいた男の一人だった。自らの「正しい」と思う事を「正しい」と言えてなお、普通に生きられる友を眩しいと思えばこそ。自分には無理だと言い聞かせて生きていた。
大企業の中で、歯車としてのみ生きられる事を是としていたのに。不正を暴こうと奔走していた友人が会社を辞めさせられる様に退社して、行方をくらませたのをキッカケに、彼は友人の意思を勝手に継いで、調べていたのだ。
ヒロセが苦しんできたというエピソードはやや薄っぺらくて、少し物足りないのだが、例えば、は分かる。読んでいる皆んなが何処かしら、大なり小なり、思うところはあるのだ。
私自身、「この方が生産性は上がる」とは思うけれども、社長の趣味では無い、という理由だけで、提言するのを諦めた事が何度もあったりする。大人になれば。波風立たせる事なく、自分のギャランティ内に課された仕事だけを淡々とこなせば良いのだ。雇い主を稼がせる必要は私には無い。もしそうしたければ、ただ志を同じくする人を他所で探すだけだ。
皆んなが何処かしら我慢して、折り合いを付けている。
純粋なはじめの魂に触れた時、ヒロセは自分の居場所を見つけられた風な話になっているけども。大人の世界に憧れた高校生の、無自覚天然小悪魔っぷりに堕とされたヒロセの方が、実は純粋なんじゃなかろうか。

事件後の二人は、その他大勢の大人たちや父親に引き裂かれる事も無く。普通の恋人同士になる。私は唐突にこの歌詞を思い出す。「最後のキスは、タバコの flavor がした、ニガくて切ない香り〜」最近TVで流れているのを聴いたばかりなのだ。アレは失恋の歌だったかもしれないが。何となく。この逃避行の最中、芽生えた二人の恋に、ピッタリだと思ったのだ。彼女が16歳の頃、この詞を書いたというのも如何にも符号する(様な気がする)。

未成年との恋だから。廣世は、はじめの父、斑鳩社長に挨拶に行き、交際を(何となく)認めて貰えている。「そんなわけあるかっ‼︎」と、ツッコミたくもあるけども。
そんな現実的なところを描くでも無く。あとはラブラブエチで終わる。一応大人である廣世は、はじめの卒業を待ちたいと思ってはいるのだが、逃避行中にヤッちゃってるので、はじめは疼く身体を持て余す…という、BLあるあるでもあり、あがた先生らしいエチエチへと突入。

もしかしたら上下巻では足りなかったかも知れなくて。2人のその後と、事件と、心の在り様は、もう少し深掘りして欲しかったかも。今は物足りない気持ちでいます。
家政婦だと思っていた加藤さんは斑鳩社長の後妻に収まりそうな気がしてならないんだが。
どうでしょう。だって、家政婦が坊ちゃんに小遣い渡します?廣世の、純粋に友達だった西嶋は、今はどうしているのか。とか。本筋以外にも引っ掛かりが多くて。気になってしまうよ。

0

上下巻一気読みをお勧めします

上巻を読んだ時点でレビューしましたが、丁寧にお話が進むのでやはり下巻まで一度に読んだ方が理解し易いと思いました。

上巻でははじめの元から去ろうとしていたヒロセでしたが、はじめが追いかけて来て再び2人の逃避行が始まりました。
でもと言うかやはりと言うか、はじめには捜査願いが出されていて、逃避行はあっという間に終わってしまいます。

しかも、それでヒロセの正体と彼が抱えていた問題が浮き彫りになるんです。
それが全くはじめに無関係でない点が、流石だと思いました。

家に戻されてから父親に反抗的な態度を取るはじめでしたが、そこで初めて父親とぶつかり合って親の愛情を知るんですね。決して物分かりの悪い父親じゃないんです。不器用ながら、父親としても経営者としても素晴らしい人物でした。
はじめはヒロセと出会った事で、他者と交わる事を学ぶんです。

そして何と言ってもはじめと一緒にいる為に、父親に義理を通すヒロセがやはり常識人でした。このまま斑鳩家に養子に入れば良いのにと思ってしまいました。www
あの聡い父親には2人の関係はバレバレだと思います。

それにしても番外編ではじめがエッチに育ってて、ヒロセがタジタジになってたのには、若さはつくづく無敵だなと思いました。

2

逃避行は萌えどころ満載

単話で読んで楽しみにしていた
「さよなら共犯者」
あ、なんかミステリアスなやつだ
無精髭のタレ目のあやしい男これは好きだなと
歳の差モノも可愛い受けも全く好みじゃないけど
まとまったら買おうって決めてました。
カバーも良い!上では受けのDKだけが片想いで
大人の彼の方を向いていて
下巻は2人は手をつないで寄り添っていますね。
あがた愛先生はエロに特化した作家さんって
イメージが強いんだけども
今回は分厚い上下巻でストーリーもしっかり練られてて本当にやられました。
学園エロじゃないのもいいじゃないかと
うれしい驚きです。
受けの令息DKはじめの背景も
攻めの大人ヒロセの背景もちゃんと描写されてて
物語も恋愛の部分も読みごたえありました。
ネタバレ全開ですが男の秘密がたぶん内部告発では?ってまあ気がつくんですが
内部告発しようとしてる男×その会社の社長令息
ですからね。
これはもうドキドキでそして2人は最後までそれを
知らないんですよ?
それで惹かれあっちゃったなんて年齢差置いて置いてもひょえ〜っ!って感じですよね。
逃避行をはじめてから攻めの大人ヒロセが
受けの子はじめを好きだと惹かれている事を認めた所から俄然私は面白くなりました。
やはり攻めの大人の赤面こそが至高。。
純粋な受けに翻弄されるこんなはずではな大人。
最高です。
あがた先生にしては少ない絡みのシーンですが
それでもさすがにエロな場面はお上手で
静かに激アツと心で叫びました。
攻めの令息に対する心中がモノローグで
結構出てくるのがよかった。
攻め視点の場面好きです。
ほんとなら17歳に我慢できない大人はどうかと思うけど罪を受け入れようって
ヒロセ側の気持ちがもう萌えましたね。
最後2人の出会いのアパート跡での
名前の件もかなりきたし
好みじゃないけどって読みはじめたけど
結果めちゃくちゃよかったしベタ褒めに
なってしまいました。
控えめエロを補った
大人を子供があまやかす番号編も最高だし
ちゃんと父親に挨拶にいく現実にはなさそうなエピソードではありますが
書き下ろしも良かったです。
ちょっと不穏なタイトルだけど
内容ははぴえんなので安心して読んでください。
あがた先生が好みじゃない人も
歳の差もの好きじゃない人もいけるのでは?

11

逃避行の終わり

下巻は謎だったヒロセについてが一気に語られ、怒涛のような展開でした!

ご都合主義っぽい展開でもありますが、ハッピーエンドになってほっとしました。

逃避行中にしっかり愛を育んだ2人。再会後は甘々で破壊力抜群でした。
はじめが手を出して貰いたくて煽る煽る!
逃避行中のちょっと暗い雰囲気が吹っ飛ぶ、とっても甘々な展開で驚きました。
煽る時のはじめがエロ可愛くて、理性など粉微塵です。

親にもきちんと挨拶したり、誠実なヒロセはカッコイイなぁ!

上巻と下巻の2人の距離感の違いとか、日の光の美しさとか、綺麗な表紙でした。
特に下巻の寄り添う2人と夕日が美しすぎて何度も眺めています。

3

綺麗に収まった

どんな終わり方になるのか予想がつきませんでしたし途中そんな展開なのかと驚いてから、終わりに近づくにつれて安心できてハッピーエンドだったのでホッとしました。

ヒロセが追われている身なのも年の差なのも誘拐しているみたいになっているところも大丈夫かな?大丈夫かな?といつ2人の逃亡?が終わるのかハラハラして読んでいましたが警察にみつかってからあっという間に今までの問題が綺麗に片付いて、はじめが未成年だからまだ堂々とではないけど2人とも恋人として接するようになっていて、最終話はお互いの年齢に寄るというか恋愛に年齢は関係ないんだなと思うような付き合いたてのカップルみたいでやりとりが可愛らしくいい雰囲気でした!

正直者は損をする世の中なのがわかるシーンや親が立派な子供の苦労や一般とは違う生活になってしまいお金があっても幸せそうではない様子が描かれていてシリアスなストーリーにも感じましたが、ヒロセとはじめのイチャイチャが思ったより見れたのでバランスのいい作品でした。

はじめを大事に大事にするヒロセと清楚に見えてえっちに積極的なはじめが最高でした!!

3

めちゃめちゃ萌える

「さよなら共犯者」の下巻。
続きものなので上巻未読だと理解できません。上巻から読まれることをお勧めします。





ヒロセに諭され、家に帰ることを決めたはじめだったが、別れる前にはじめがヒロセに望んだことは―。

はじめはまじめで優秀な子ではありますが、こと恋愛に関しては初心っ子さん。思い込んだら一直線、という感じなんですかね。ヒロセを想い、身体を繋げたいと願った。

そんなはじめの想いをばっさり切り捨てることができなかったヒロセは―。

ヒロセ×はじめの恋、が軸ではあるのですが、今作品はそこに「ヒロセが抱えるもの」が加わることで王道のそれとは一線を画す作品になっていたように思います。

自己保身の思い、贖罪の思い、それらを経て、彼は自分の正義を貫こうとする。

が、それははじめに無関係ではなく。
そしてその「こと」をきっかけに、はじめは、はじめの父親は、初めてお互いに腹を割って本心で話すことができた。

ストーリー展開がお上手だなとひたすら感心しました。
ああ、ここに請う繋がっていくのか―!という感じ。

そして、何を犠牲にしてもヒロセを守りたかったはじめの恋心にも。
はじめを愛したからこそ、彼を守るために、そして自身の正義を貫くためにヒロセがとった行動にも。

読み始めたときどれだけシリアスな話になるのかと危惧しましたが、いやいや、めちゃめちゃ甘かった。
そして優しかった。

序盤、くたびれたオッサンだった「ヒロセ」の描き方も素晴らしい。自問自答を重ね、すべてを失う覚悟でいた彼の心情を思うと、はじめに出会えてよかったねえ、としみじみと感じ入ったりしました。

そしてはじめのお父さん。
良い…。
めっちゃ良い…。
彼は彼なりの方法で息子を愛していたんだな、と。

あがたさんて以前から綺麗な絵柄を描かれる作家さまでしたが、最近その綺麗さに磨きがかかった感じがします。その美麗絵柄で描かれるはじめの可愛さに悶絶。そしてヒロセの男の色香にKO。

文句なしの神作品。
めちゃめちゃ萌える、そんな作品でした。

13

この作品が収納されている本棚

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