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表題作メロンの味 上

(仮) 木内昌汰,30歳,中城の家の居候
(仮)中城親,25歳,ライブハウスで働く青年

あらすじ

「俺 ナカジョーくんがいい! 」
ライブハウスで働く中城と常連客の木内。
ふたりの同居は急だった。
木内は同棲していた彼女と別れたばかりでしばしの寝床を探していたとのこと。
さらには人肌がないと眠れないから一緒に寝たいと言う。
自分はゲイだと明かして断ろうとする中城。
だが、「いいよ! 」と言い切られてしまい…

作品情報

作品名
メロンの味 上
著者
絵津鼓 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784813032991
4.5

(374)

(263)

萌々

(73)

(23)

中立

(12)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
27
得点
1688
評価数
374
平均
4.5 / 5
神率
70.3%

レビュー投稿数27

当然のように沼る

※買ったその日に書いてます
表紙買いです…最初は切ない感じのお話かとおもいました。いざ読んでみると、泣きました。最初の距離感からの最後の結末。一巻だけでも十分感動します!それぞれの秘密もあり、それでもお互いへの思いはてぇてぇの極まりです。エッなシーンはあまりない印象ですが、それでも勝る沼り方です、純粋めなものを読みたい人や初心者のかた、地雷が多い方も読みやすいと思います。(ノンケやDキス、抜き合いが地雷の方は気を付けてください…)表紙もあまりエッじゃないので、買いやすいと思います。(個人的には)

0

先生の作品の流れる空気が好き。

とてもいい話…

なんだろう。
すごいことが起こったわけでもなく
本当にどこかの日常を切り取ったような世界で
人間の心の弱さとか温かさとかを
丁寧に描いていて絵津鼓先生の作品とても好き‼︎‼︎
そして、いつも好みのイケメンを描いてくださり
ありがとうございます‼︎


この作品は
ゆっるい感じの2人、
人間にそれ程興味もないように思えるのだけど
深いところにあるのは、愛され愛したいという
誰かと関わって生きていきたいと思う程の
とても優しい心の持ち主でとても切ない話でした


彼女と別れたことをキッカケに
一緒に暮らすようになる。

お互い“一緒にいても嫌じゃない”から始まって
いい意味で気をつかわずに話して打ち解けていく
なんとなくそれが居心地が良くなっていきました。
でも、“付き合う”とか“好き”とかいう確信には
触れずに過ごしていく。

出会いというより始まりから
知り合いぽい感じで始まり
一緒に暮らし始めて
重いものを抱えているなと気づき始めて…
下巻へ

0

強く触れたら壊れそう

不確かな自分の“居場所”を、ギリギリのところで守っている、そんな作品。

木内も、ナカジョーも、母の帰りを待つ少年も、そのほか誰もが、脆く崩れそうな自分の居場所を守っている。それは、暖かくないかもしれない、求めていたものではないかもしれない。それでも、それを手放したら、今度こそ生きていく術がわからない。

多くは語らないキャラクターばかりで、読者はいろんなことを想像しながら読むことになります。今の二人の関係が、ハッピーなのか、アンハッピーなのか、さえ、解釈が委ねられている感じ。

ドキドキしたまま下巻へ。

0

目は口ほどに

ひょんなことから同居することになった中城と木内は、朝勃ちからの流れで木内に抜いてもらったりふざけてキスしたりするような描写はあったけれど、適度に距離があってまだ友達の域を超えない関係。
確実に親しくなっているのに木内にはなんだか壁があるように感じて、それがどう拭われていくのか今後の展開が気になるところで終わる上巻でした。

チラリと明かされたバンドをしていた過去のことも、きっとまだ重いモノとして彼の心にあるのだろうし。謎の多い木内が心に抱えている闇は深いのだろうなと予想しています。

彼らの表情や纏う空気感から心情を読み取るような部分が多くて、すごく充実した気持ちになりました。
そして絵柄を変えられたそうですが、人物やお話全体が以前よりグッと大人っぽい雰囲気になり、素敵だなと感じました。下巻も楽しみです。

0

上下巻読みました。

絵津鼓先生は作家買いです。
信頼感が半端無いです。
今回は自身が体験されたご病気が絡むキャラクターだったのですね。一見明るくてちょっとチャラついた感じのキャラクターだったので驚きました。
私自身そのような病気に今のところ縁がなく、ほぼ決定的な部分まで察することができなかった鈍感な自分に半ば呆れつつも二人が徐々に心を開きあい、お互いに癒しあう描写に涙がこぼれました。
あれ、BL作品ってこんなだったかと読了後は放心状態が続き、また一気に2度読みしました。なかなか世界観から抜け出すことができませんでした。
日常的な世界観にも関わらず、絵津鼓先生の描く優しいキャラクターに溢れた世界は唯一無二だなと思います。
あとは描写がすごく細かくなっている!!という点ですね。表情や仕草などは元々すごくはっとさせられることの多い作家さんですが、BL作品で背景や小道具までこだわって描写されているものはあまり多くないと思うので丁寧で好きです。
この二人は上下巻で完結ということでも十分拍手なのですが、小話でもいいからやっぱりファンとしては今後も見守りたいキャラクターです。
きっとまた読み直す、買って間違いないしの作品でございます!

1

絵と言葉の余白がいい

絵柄を変えられたとのこと。
線が繊細になり、背景が細やかで、人物に立体感も出ているようでこちらの方が好きです。

ひょんなことから、よく知らない人と同居する。BLではよくある話。

でも、絵もセリフも余白が多く、独特のテンポで進むからかありがちな印象は受けませんでした。

最初はぎこちなかった2人が、お互いのことを知って打ち解けていく過程はいいですね(これはあるあるな感想w)。

クリームソーダのメロン味→偽物なのに定着している→うらやましい
という木内の言葉は、音楽についてのことなのか。
ボディソープのことか。
いや、タイトルなくらいだから、2人の関係にもかかっているはず。たぶん(下巻楽しみ)。

木内の咳はストレスからくるもの。
そのストレスは何も生み出せていないことからくるのか。
重い病気でなければいいけど。

ラストの中城の
「俺は木内さんを知らない人間だった」
「それは今でも後悔している」
が気になる。

とにかくすぐに下巻を読みます。

0

エモい!!

とにかくエモい作品でした…
お互いに引かれていることは分かっているのにそれを表に出さない感じがもどかしくも奥ゆかしくてとても良かったです(*´꒳`*)

0

著者近影

早々に、著者近影に「絵柄を変えてから〜」と買いてある通り、最初はやはり絵の描き方、漫画の描き方変わったな〜という印象でした。この上下2冊の中だけでも結構変わってる。上巻はやや違和感があったものの、下巻終盤では払拭されました。ストーリーの転がし方やキャラクターも絵津鼓先生の今までの作品とはちょっと違う気がする。幼さが減ったというか。大人になってしまったのね。先生はご自身のことが作品に直結するタイプなのかなと思ったり。

3

神です

この作品本当に好きすぎて憂鬱な時に何回も読み直します。

まず、必要以上にお互いを明かさないって漫画って感じです表紙も内容も表現も大分エモいです。

ゲイだけど男の子と住んでしまってそれに本気の恋愛したいのにやり捨てられたら辛いって気持ちわかる。

情が移った相手がただの遊びだったなんて考えたら辛いんだろうなって。だからいつか消えちゃうのが心配だしいつ消えても良いようにあんまり互いのことを言わないのかなって思った。

3

あえて描き切らないところがすきです


みなさんも言ってる通り、セリフなどの文字がない、描写だけのシーンが多いので故に、読み手に物語を想像させるような余白があってエモさが引き立つ作品でした
.
あと、下の方にページ数が書かれていて漫画ってあんまない、、ってか見たことなかったので新鮮。



タイトルになっている『メロンの味』ってどういう意味なのか考えたんだけど、木内が中城と喫茶店にいったとき中城のメロンソーダをみながら『メロンソーダのメロン味って実際のメロンと違うのに、偽物なのに、みんなに受け入れられていて羨ましい』というシーンがあります。
.
当時天才だといわれ、でもバンドを起動に乗せられず、今では精神的に外に出られない時もある木内にとって偽物のメロンなのにそれがわかった上でみんなに受け入れているのが羨ましいのかな、
.
この作品は全体を通して穏やかなシーンが多いんですが、物語の中で、暮らしているうちに中城は木内が鬱の傾向があることを知ります。
.
木内は『死にたい』といっても、止めることができない中城が好きなんだろうなって思いました。自分のエゴを相手に押し付けないというか。。死にたいって、言える相手がいるのすごいし、それくらい中城のこと信頼してるんだとも..自分にとっては愛の告白よりすごい。

上巻73pの木内の言葉で『自分で自分のこと大事にしていたら大事にしてくれる人と絶対出会えるから!!』というシーンあるんですけど、この言葉、大きいコマじゃないけどホロリしちゃうくらい好きです。これは中城にいったようでいつも木内自身が自分に言い聞かせてる言葉だと思いました。その大事にしてくれる相手っていうのが木内にとって中城で中城にとって木内だったらいいな〜〜、、
.
私的に思うことは、鬱で外に出られなくて働いてないけどお金はある木内も、親に援助されながらフリーターしていた中城も、特別ではないし普通だと思う。シンプルに自分が後悔しない道を歩めばいいな〜と
.
.


この作品は、漫画らしい起承転結や関係が進展するような事件などは目立って無いと思います。でも、だからこそリアルで現代社会を移しているようにも感じます押し付けがましく無いというか、あえて描き切らないところがすきです。
絵津鼓先生はじめましての漫画だったのでまた読みたいと思います!

14

下巻の内容含む

精神疾患で咳出るの?という薬や疾患に知識を持っているという方のコメを見て精神疾患持ちからコメントさせていただきますと「出ます」。
書物やwebでは関係ない(実際ヒットしない)など記載されていますし、単なる風邪と疑われる方も多いから疑問に思われる方も多いでしょう。薬の副作用かもしれませんしそこは個人差だと思います。
(余談:病は気からっていいますし、その気が滅入ってるので病院からは無視され処方箋に咳止めはくれず年中市販薬で抑えてますが。)

リアリティもあって設定も細かく描かれていて私自身、感情移入してしまいましたし、きちんと前を向こうとしている木内さんと自分を重ねてしまって涙しました。
逆にこういう症例もあるんだ、そういう寄り添い方(支え方)もあるんだということも学べる一冊です。さらに、まだ世の中寄り添ってくれる人も少なからずいると励まされる(?)、幸せを分け与えてくれる(?)作品だなと個人的に思い神評価にしました。
(下巻の内容を含んでのレビューを書いています。上巻は作品への敬意と序章として物語への引き込み具合が素晴らしかったので結局のところ神評価)

この二次元においてリアリティがあるのは…って方は控えたほうが良いかもしれません。

追記:上下セットで購入されることをオススメします。(上巻の終わりが次が気になって仕方のない状態で幕を閉じるので)

カッコが多くてすみません。少し妬みを含んでます。気分を害された方、申し訳ございません。

18

うーん…微妙。

私のレビューは、こんな意見もあるんだなと参考程度に流し見して下さい。

絵津鼓さんの作品好きで購入しました。
結果から言うと微妙でした。
受けはゲイで攻めはノンケ。
お互い付き合ってた相手とうまくいかなくてくっついた感じです。
それはわかった。
お互いストレスもなく付き合える相手を探していて、攻めは過去のトラウマで精神疾患になったのはわかる…。
でも、あの咳はなんだろう。なんで咳してたの?
精神疾患で咳でるの?と思いながら見てしまいました…。
薬や疾患の知識がある人は、そこに意識が向いて途中から話が入ってこないかもしれない…。
(てか、そもそも精神疾患は治る表現がちょっと…。薬で症状は改善できるけど、完治はしない)
まだまだ突っ込みどころ満載…。
読んでてつっこみたくなり、話が入ってこない…。
関係性も曖昧に進行し、最後には家族になろう…。←え?展開はやくない?

マイナス意見すみませんでした。

10

絵柄が…!

絵津鼓先生の絵は可愛らしいイメージが強かったのですが、少し変わりましたよね。
目の下の線があるだけでだいぶ印象違います。
今回は受けもかっこよくて新鮮です。

時折見せる木内さんの影を感じさせる部分。これはどういう意味なんだろうと考えながら読みましたが上巻ではまだ分からず。
色々と謎がところどころで出てきました。
ナカジョーくんも元彼や家庭環境複雑で…。

ゆっくりとふたりのことを知っていく。そんな上巻でした。
電子でとりあえず上巻読んでみようと購入したのですが、読み終わってすぐに下巻を購入していました。惹き込まれました。

8

大人の恋って難しいよね。

どちらも大人ですが、でそれぞれ色々欠けてます。
ゆっくりハッピーエンドに向かいますのでご安心を。

人間は多面的だよね。
今見えてる部分が全てじゃないよね。と再確認する作品に思えました。

スタートの軽~い同居の流れから少し重めの内容に変化していきますが、絵津鼓先生らしいクスッと笑う場面もあります。

私も「メロンの味」の意味が気になる一人です。
偽物でも美味しいし、本人が「好き」と思えたらいいじゃん!と理解しました。←勝手に

二人が幸せであれば良いのです!

8

紙の本で!

最近は、コミックも電子書籍購入がメインだったけど、この本は紙の本で購入。
これは本当に、紙の本で買ってよかった。つ
この不穏な感じのカバーイラスト、これ自体が絵として目立って充分興味を引くけど、さらに、手に取ってみた時の、このカバーの「紙」が「神」!
この紙の質感が、イラストの雰囲気とすごく合ってる。
ihr HertZは基本的に上質紙使用のレーベルだけど、このカバーの紙といい、本体の紙の白さといい、すごく、すごく、作品内容と合っていて、本当にとてもいい。

内容とこの装丁で神+です。


8

メロンの味 上

穏やかな雰囲気なのに、突拍子もない展開でそのアンバランスさが絶妙でした

二人がいきなり同居して、距離を詰めていく感じがすごく好き
お互いになんとなく程度にしか相手を知らないからこその勢いみたいなものがあって、少しずつ知ることで埋まる隙間と知ってしまうことでできる溝

同じようで矛盾しているような、なんとも歯痒い距離感が良かったです
苗字で呼び合う二人が可愛い
どちらも雰囲気あってモテそうなのに、求めるものは与えられない二人がこれからどうなっていくのか

偽物なのにメロンと認定されているがジワジワ効いてきます

7

俺は木内さんを知らない人間だった。

絵津鼓さんの作品は大好きでよく読んでいました。
絵柄が今作から変わったとのことでしたが、違和感なく受け入れられました。

上巻表紙はライブハウスの常連客、木内(攻)ノンケで同棲していた彼女と別れたばかり。一方下巻表紙はゲイでライブハウスで働く、中城(受)恋人とギクシャクした関係で別れる一歩手前状態です。

物語は元カノの家を出て住む場所がない木内を中城が居候させるところから始まります。飄々としていて明るい性格の木内ですが、ふとした瞬間に心がないような、無表情のシーンがあり何か闇を感じます。この理由は読み終わると判明しますので、再度読み返すことで木内の心情がより伝わると思います。

木内は人肌がないと1人で眠れないとのことで、ゲイと打ち明け添い寝回避しようとする中城ですが効果がなく、たびたび添い寝をする仲に。
お互いの体に触れ合ったりするが付き合ってるわけでも、友達なわけでもない、不思議な関係の2人。
上巻では2人の恋愛的な関係に進展はありません。
何か抱えてそうな木内。中城はこの時点では木内を知らない人間です。

中城は木内の何を知らないのか。木内は何者なのか。
下巻への期待が高まる上巻でした。

8

引き込まれました

絵津鼓先生の紙本は漏れなく購入してますが、今回のカバー表紙が発表された時は絵柄の違いにビックリしたんです。

絵津鼓先生の描くちょっと惚けた可愛い受が大好きだったんですが、こちらの作品は可愛いからカッコいいに変化してました。でも絵津鼓先生らしい良さは、そのままだったと思います。

木内がふと見せる表情に、何度もハッとさせられました。そして中城がゲイだと知っても距離を詰めて来る木内がとても自然体なんです。

二人の淡々とした暮らしぶりの中に、サラッと入り込む仄暗さがとても魅力的で一気に世界観に引き込まれました。

上巻の時点でキスやお触り程度はしてますが、まだ恋心は生まれていません。ただ、二人でいる姿があまりにも自然で、とてもお似合いに見えます。

これから下巻を読むので、二人の関係がどうなるのかとても楽しみでちょっと怖いです。

7

上下の感想

自分の未来に目指すべきものが見い出せ無い。
そんな今になってしまったのも自分のせいなのか。
では自分は他の人と何が違い、何を間違えたのか。

という様な人生の命題と向き合ったり、放棄したりしている二人のお話。

同じLでも、ラブというよりライフです。

読者に寄り添い共感し合ったりする様な作風なんですが、でも実際にはそうそういないタイプのキャラクターだったりしてます。受けが個性的な感じで展開していきますが、意外に攻めの薄ぼんやりした感じが私にはフィクションを感じさせました。

6

軽いやりとりに救われることもある

 上巻ではまだメイン2人の関係は深いところまで発展しないので萌評価にしましたが、絵津鼓先生の描き方は本当に物語に引き込んでくれるなぁと感じました。タッチが好きなのはもちろんなんですが、キャラクターの細かい表情の魅せ方が本当に上手い。いかにも軽そうなノンケに見える木内の押し殺した焦燥感や漠然とした不安が、はっきり言葉にしなくても伝わってきます。

 しっかり者の中城も、カミングアウトして親とぎこちない関係になりながらも住む場所を面倒見てもらっていることに引け目があったり、恋人と最後まで分かり合えなかったり、人生に疲れた感が出ています。この2人が同棲することでどんな風に人生を好転させていくのか、下巻が楽しみです。

1

雰囲気が好き

作者さまの作品は「SUPER NATURAL」しかまだ読んだことが無いのですが、本作のタイトルと表紙を見て無性に読みたくなって買いました。

絵柄を変えたとの事ですが、確かに!
すごく大人っぽい絵柄になっていて、こちらもとても好みでした。

こちら上巻ではノンケチャラ男っぽい木内が住むところを無くし、客として通っていたライブハウスの店員中城の家に居候することになって…という展開でした。
BLあるある設定だけど、リアルに感じられたのは絵柄のせいなのか、テンポのせいなのか。
セリフもチャラ男とやや潔癖って感じの2人の男をとても良く表現していました。

タイトルのメロンの味ってどういう事なんだろうって疑問に思ってたんですが、話の途中に出てくるクリームソーダのメロン味がヒントになってくるんだと思うのですが、まだそれがなんなのかはハッキリしません。
何か"偽物の"ってのがポイントっぽいですが。

上巻ではまだ同居して一緒のベッドで寝る他人、って感じで終わってます。
木内にまだ隠された何かがありそうです。何処となく不穏な感じがしてザワザワします。

3

最後のモノローグがとても気になる

なんだか強引な流れで同居することになったナカジョーと木内のお話。木内は別れた彼女のことがまだ好きで、ナカジョーは付き合っている男とも親とも上手くいっていないゲイ。継続して描かれ続けてるのは、木内が何かを隠してるということ。
上巻ではまだ二人の人間同士の触れ合いといったところかな。恋ではない何かが生まれているような。
印象的なシーンは、木内が10年も何も生み出していないと打ち明けるところ。この言葉は重すぎる。自覚するだけで自分の存在価値を見失いそうなのに、口に出して他人に言えるのがすごいなあと。ナカジョーが言う「知らない人間」だから良いって本当にその通りだと思いました。だからこそ話せる距離感の二人がすごく良い。
謎も問題も残したまま、閉塞感と共に下巻へ。最後のモノローグが過去形になっていて、とても気になる終わり方でした。

3

新しい絵柄も素敵です!

作家買いです。久しぶりの絵津鼓先生の新作、ウキウキしながら手に取りました。今回から絵柄がガラリと変わっています。今までの可愛らしい感じから大人っぽくなっていますが、先生が故意で変えたものだそうです。今回の作品にはその大人っぽい雰囲気がとても合っていて、違和感なく読めました。絵柄が変わっても魅せ方は相変わらず素晴らしいし、絵津鼓先生の世界が広がったのかと思うと、ファンとしては幸せな気持ちになりました。

肝心のストーリーは、ライブハウスで働く中城くん(受)が、常連客の木内さん(攻)を居候させてあげるところから始まります。
ゲイの中城くんと、ノーマルな木内さんは、恋愛ではないけどお互い抱えてるものなどを察して、親密になっていきます。暮らしてみたら案外心地いい2人の世界。だけど今後の不穏な雰囲気を残して上巻は終了しました。

めちゃめちゃ良いところで終わっているので、これから買う方は絶対に上下巻一緒に買うことをオススメします!

タイトルのメロンの味は、今の所解明出来ず。メロンの話が、メロンソーダ、メロン(きゅうり?)のシャンプー、と出てきますが、今後どうなるんだろう。メロンの味=嘘ってことなのかな?

下巻を読むのが楽しみです。

3

BLを求めて読むとときめかないかも。

攻、木内。
過去にバンド活動していたものの曲が作れなくなり、「死にたい」という思いを抱えて生きている。
一見明るくお調子者でそれを感じさせないだけに、隠した内面が垣間見えるシーンは苦しくなりますね…。

受、中城。
ゲイであることから母親と距離があり、恋人からも軽んじられ潮時を感じている。

この作家さんの作品は『SUPER NATURAL』と『ラストフライデイ』は読んだことがあるものの、正直あまり好みではなく…。
ストーリー云々より、受の容姿が苦手だったんですよね…攻に比べて極端に小柄だったり。
あまり受々しい受が好きではないので。
今回の作品は、絵柄がガラッと変わっていたので最初同じ作家さんだと気づかずに読み始めました。
こちらの絵の方が好きです。

ストーリー的には、BLとしてのときめきを求めて読むと物足りないかな。
木内と中城がお互い惹かれていくのが、恋というより家族な感じがします。
好きでたまらない、ときめく、そんな相手を求めた訳ではなく、自分の内面を知って寄り添ってくれる相手。
けして嫌いな作品ではありませんが、BLという観点では評価は中立です。

3

思わせぶりな、偽物フレイバー

表紙からして、これまでの「絵津鼓」作品とは明らかに違う空気感/オーラを感じる。
体裁は、上下巻。
上下通して読んだ上での、この上巻は。

第一印象として、絵柄が以前の可愛らしさよりも、もっとシャープで大人っぽくなった感じ。
そして内容も何やらヒリつく。
同棲していた彼女と別れて追い出された。だから家が決まるまで居候させて。
そんな自分勝手で転がり込まれる。
モテ男のくせに。泊めてくれる女なんて他にもいるだろうに。
その上、人肌がないと眠れないと言う。
言われる側のナカジョーはゲイなのだ。男にくっつかれたら勃つかも、なのだ。
なのに遊び人モテ男・木内は真面目に取り合わない。デリカシー無し。
この上巻は、木内のおバカさ/軽さが描写される。
誰でもいいアホ系。軽い男。
対してナカジョーはゲイである事で家族と断絶している。

ここでタイトルの「メロンの味」に関わる場面が出てくるんだけど。
正直、よくわかんないな。
喫茶店で頼むクリームソーダ。そのメロン味は偽物だけど…というくだり。

わざと考えさせるみたいに説明くさいんだよね…
このくだりが無ければこのタイトル、意味深でイケたのに。と思う。

そんな事を言い出す木内はやっぱり自分勝手だよね。
ゲイだ、と言ってる男に。
戯れて。
「傷つけたりしない」なんて。
傷つける意図なんかまるで無くても、人は思いがけず傷つくものなんじゃないのか?
そうやって木内のデリカシーの無さが鼻についた頃、今度は木内の抱える途方もない辛さ/病み/空虚が明かされる。

上巻だけで言えば、巧みな展開。
ここは読む人によって感じ方が違う場面だと思うけど、寂しい2人がくっつくのかしら?みたいな場面で上巻は終わります。

9

新しい絵津鼓先生の魅力

を、感じられた作品。これまでの作品は個人的にはポップやキュートのイメージがあって、それはそれで今も好き。今作は今までのイメージとガラリと変わって落ち着いた、深さや奥行き的なモノが感じられる作品でした。「体験」したからこそ会得した「何か」があったのだろうなぁ⋯と思いを馳せました。絶対に上下巻通してお読みになる事をオススメします。

4

今までと、ちょっぴり違う…?

作家買い。
絵津鼓さん作品、ちょっぴりお久しぶり?な気がしていて、しかも表紙の雰囲気が絵津鼓さんのイメージとちょっと異なっていて。ん?もしかしてシリアス展開なのかな?なんて思っていたのですが。

上巻のカバーの折り返しの部分(「そで」って言うんですかね)とか下巻の「あとがき」を拝見して、絵津鼓さん、体調崩されていたんでしょうか。もう大丈夫なのでしょうか。ご自愛ください、先生。

ということでレビューを。

絵津鼓さん作品て、ほのぼのっていうのか、可愛いっていうのか、ほっこりするっていうのか。そんなイメージが個人的に強いのですが、今作品はねえ、なんて言えばいいのかな。

すっごく心に突き刺さる。

そんな味わい深い作品でした。





主人公はライブハウスで働いている中城くん。
その日もいつものように働いていたが、常連客の木内という男性にいきなり居候を頼まれてしまう。同棲していた彼女に振られ、家を追い出されて行くところがないのだという。やむなくそのお願いを聞き入れ自宅に連れて帰る中城くんだったがー。

というお話。

BLではテッパンと言える二人の恋の始まり。

親の持ちもののビルの最上階に棲む中城くん。
そして、働いている様子はないのに金銭的な問題はなさそうな木内くん。
お気楽な若者たちのお話。

という描写から物語はスタートするのですが。

いやー。
いやいや。
こうくるか!

切ない、というのとはちょっと違う。
けれど、傍からは見えない「何か」を抱えた男たちのお話なんですね。その「何か」を乗り越えようとして、もがいて、あがいて、傷ついて。一人では乗り越えることができなくて、立ち止まってしまった、そんな男たち。

何だろうな。
自分と重ねてしまうっていうのか。

大なり小なり、こういう闇は誰もが抱えている気がします。そこを、シリアス過ぎずに、けれど軽視することなく、ストーリーを紡いでいく。その絵津鼓さんらしい温かさとか、優しさに包まれている。そんな感じ。

今作品は上下巻が同日発売になりました。上巻では二人は身体を重ねることはありません。ないのだけれど、触りっこはあります。絵津鼓さん作品なのでエロ度はもちろん高くないのですが、その触りっこがね、とってもエッチです。お互いの傷をそっとふさぐような。

上巻は中城くんの抱えた想いがメイン。
でも木内くんもまた、何かを抱えているのだろうということが読み取れる。

そして、タイトルの「メロンの味」。
これ、どういう意味なのかなって思っていたのですが。
作中、「メロンソーダ」が登場します。メロンじゃないのにメロンのような「何か」。けれど人はそれをメロンだと思い、そして愛しているし受け入れている。

んー。
味のあるタイトルだなあと。

そして、これも書きたい。
表紙がとても素敵です。絵津鼓さん作品は割とポップな表紙のものが多いですが、この色合いに、この絵柄。

で、紙質が良い…!
普段、本には透明のブックカバーを掛けていますが、これは掛けずにそのままで置いておこうかと思ってしまった。

先述しましたが、今作品は上下巻ものです。
下巻もまとめて購入されることをお勧めします。

15

この作品が収納されている本棚

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