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表題作契(1)

若頭補佐・加賀敦
跡目の坊・室生真実

あらすじ

加賀敦(かがあつし)─関西最大の広域指定暴力団、室生(むろう)組・若頭(わかがしら)補佐─跡目の坊(ボン)を、害なす輩(やから)からお守りするのが俺の役目。血で血を洗う抗争、欲得渦巻く生業(タツキ)。安い面子(メンツ)、若い(ガキの)意地。義理を通す為ならば、情も安寧も全て捨て去る任侠渡世(ヤクザとせい)。その中を、道ならぬ想い──坊(ボン)との絆──を胸(うち)に秘め、浅ましい獣は今日も往く。ハード&バイオレンスに、切ない漢(オトコ)の世界を描ききる、著者の代表作『FACE』完全再編版、第一弾!!

作品情報

作品名
契(1)
著者
逢坂みや 
媒体
漫画(コミック)
出版社
松文館
レーベル
ダイヤモンドコミックス
発売日
ISBN
9784790119265
4

(12)

(7)

萌々

(1)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
48
評価数
12
平均
4 / 5
神率
58.3%

レビュー投稿数5

「BL作家の心に残る一冊」でyohaさんが紹介されていた作品

68名のBL漫画家さんがご自身の推し本を紹介する「BL作家の心に残る一冊」を読んで、真っ先に「読みたい!」と思ったのがyohaさんご紹介の本作でした。
作品全体のテーマについて1ページと、この1巻の最後に登場するキャラ〔祐・セルデス〕について1ページ語られていたのですが、上手いんだまたこのyohaさんのプレゼンが!
読む前からすでに祐が特別なキャラになっていたもんですから、この1巻のラストは予想以上にこたえました(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
今ちょっと、すっと2巻には進めないでいます。。。
気持ちの整理のためにも一旦ここでレビューしよう。それから次に進もう。


ハード&バイオレンス。激しい情のぶつかり合い。散っていく命。
レイプ、殺し、血、身体破壊。耐性あっても想像して吐きそうになったシーン多々。
まず、Parental Advisoryマークが付いてるコミックなんて初めて見たんだけど。
パンクやラウド系のCDに付いてるやつですね。未成年には不適切な内容が含まれますよってマーク。
未成年じゃなくても取り扱いには十分ご注意ください。

関西一の指定暴力団「室生組」の若頭補佐をつとめる〔加賀〕と、加賀が想いを寄せる組の跡目(以後「坊」と書きます)、加賀に魅了される幾人かの男達の物語。
1巻には「SNOW」「NOISE」「MAGMA」「TATOO」という4つのお話が入っていますが、それぞれ全て独立したエピソードになっており、加賀×●●(逆掛け算もあり)という形で、加賀の激情や、加賀に寄せられる激情がハードに描かれていきます。

「SNOW」
加賀と組に雇われたフリーの殺し屋〔蓮見〕のお話。
蓮見は昔加賀をレイプした加賀の初めての男。
殺し屋が人に執着すれば命取り。だけど加賀に執着してしまった。
温もりに飢えて凍てたさみしい獣は、その手で殺されることを望んだのでしょう。
そして加賀もまた、その手で殺してやることを選んだのでしょう。
初っ端からなんとも切ない一編でした。

「NOISE」
加賀と組の若衆として新しくやってきた〔榎本〕のお話。
ダウン症の弟と高齢の祖母を養うためにヤクザの世界で頂点を目指す榎本は、加賀を蹴落とすために加賀を観察するのだが──
憎悪、屈辱、不快、僻み、後悔、自虐、嫉妬、羨望。さまざまなノイズが強烈に榎本の感情を乱す。
加賀を嫌いながら、加賀に強烈に恋慕する男の独白。
加賀がまだ子供の坊に欲情しているのを知って、身代わりの少年を与え、自分の見ている前で発散しろと迫るのだけど、要するにこれは不能である榎本の無意識の擬似セックスなのでしょう。
しかし、気付く。そして行き着くのは・・・
加賀の愛が生涯坊だけに向けられるのなら、自分には同量の「憎悪」をくれ。
裏返った激しい恋情の切なさたるや。

「MAGMA」
坊の側守をつとめて7年。加賀の独白と───
主役2人(加賀×坊)のお話。
人の温もりが欲しくてたまらなかった加賀に無邪気な体温をくれた坊、自分を救ってくれた坊への愛情は深く優しく、坊に接する加賀だけまるで別人のように穏やかに描かれるのです。
女を平気で犯り殺す(比喩ではない)ような獣が、坊にだけ見せる顔。優しい優しい気遣いのセックス。
飢えがようやく満たされた加賀の晴れやかな顔。
激しい他編との差が「真の愛とは」を考えさせてくれます。

「TATOO」
加賀と彫り師の〔祐〕のお話。祐はトライバルのタトゥーが入った褐色青年です。
男惚れしていた兄貴分と同じ墨を背中に背負っている加賀。その絵はまだ未完成で続きを祐に頼むことから始まるお話。
このお話は、何が凄いかって、たった1話でこんなにもキャラを活き活きと立体的に動かし、こんなにもジェットコースターな物語が描けるのかと。
yohaさんの推しキャラ祐がそれはもうプレゼン通りの魅力的なキャラでした。
健気かと思えば、心を悪魔に売り払ってしまったかのような悪党で、だけどその真の姿は加賀がバイタリティの塊だと表現するように強く美しい青年。
それだけにやはりこのショッキングなラストシーンは・・・(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
ショッキングだけど、これが因果応報なのだという一種の清々しさもある。
「空白を負って生きろ」
この台詞のためにこの凄絶なお話かと思うと、凄まじさに圧倒されます。


最近全然古い作品漁りをしてなかったから久々に2000年代のBLやっぱすげぇわ…!ってなりました。
なんなんだろうねこの辺の時代のアウトなところを果敢に攻めてく感じは。2019年現在じゃ考えられないなぁ。
こういう遠慮がない作品にはやっぱり強烈に心奪われるなぁとしみじみ思いました。残り3巻大事に読もう。

マンガ図書館ZやKindle・シーモア等の読み放題にも入っていますので、興味持たれたらまずは読んでみてください!

4

加賀の魅力

振り返ると、昨年(2017)一番読んだのがこのシリーズなのです。全四巻電子で購入、ちょっとした空き時間に繰り返し読んでました。
内容をサクッと表すと、加賀敦という美形のヤクザが主人公のハード&バイオレンスものです。ラブは執着系も入るかな。
1巻には四話収録。
「snow」 物語りは1986年(!)の大阪スタート。加賀は若頭の身分で組長の息子、坊のお世話をしています。そこに、蓮見という雇われ殺し屋が現れ、かつて蓮見に犯された加賀の心は乱れるのです。
この一話目が私の好みド直球でありました。
二話目の「noise」は比較的長く、榎本というキャラクターを通して、加賀の人物像がより明らかになってきます。
こいつなんて!と内心で加賀を見下しながら、加賀が坊を可愛がる様子に嫉妬する蓮見。
蓮見の屈折具合も見所です。
インパクトがあったのは、加賀に「男子」をプレゼントする場面。セックスの相手に充てがわれた男子は、いい思いと最悪さと、両方を味わうはめになります。後に繋がる、重要なお話。
「magma」3話目は美少年になった坊との話。
シリーズ通して、いろんな男たちと関係を持つ加賀ですが、本当に愛してるのは「坊」なのですね。
夢と現実の間で行われる、坊とのただ一度のセックス。逢坂みや先生の特徴であられるのか、エッチシーンに夥しい流血がみられまして、そこに萌えはあまり感じはしませんが、ラブは感じます。
1巻ラスト、「tatoo」。彫り師の男の子ユウと加賀の、短い関係が描かれたもの。
ユウの小悪魔ぶりが良かったです。

90年代を感じさせる画風で描かれる男たちが、何とも魅力的。加賀と坊の物語りは2巻に続きます。

2

シリアスでヘビーだけど引き込まれるストーリー

ヤクザものは好きじゃないので避けてたんですが、同作者の「もふもふ 〜腰ふりたてる交尾の季節〜」というのがわりとよくて、無料で読めたので読んでみました。
(「もふもふ〜」はこの作品とは全く違います)

内容はほんとにシリアスでヘビーでハードな感じ。
Hシーンは1話目からそうですが、お尻から出血というのが多いです(4巻まで通して)。それもちょっとじゃなくて、こんなに血が出て大丈夫なの?というレベル。
出血の時はレイプだったり無理矢理な場面とか、ラブラブじゃないHの時(ラブラブHは少ないかも)。

1巻最後の話、「TATOO」の最後がすごくショッキングでした。
彫師の祐は、加賀にとって家族のようなでも愛情を注げる存在になっていくのかな〜と思っていたら、殺されてしまうなんて・・・。
しかもあんな残虐な形で。
祐を殺した相手は、祐が薬漬けにして廃人にした奴なので、自業自得ではあるんだけど、あまりに酷すぎる。
加賀が言うようにあんなに生命力にあふれてた祐が、四肢を切断されてしまうなんて・・・。
この後4巻まで一気に読みましたが、あまりにショッキングで、この話の印象を引きずってたので、この話が1巻で随分最初の方だったことに驚きました。
もちろん、あえてその対比のためにそんな酷い殺され方にしたんでしょうが、祐に生きててほしかった。
ほんとにほんとに祐があんな形で死んでしまうのがショッキングでした。

ストーリーに引き込まれて読んでしまう作品で、その意味で萌にしましたが、Hシーンは痛いのが多いので萌えないです。

1

完全再編版1

以前発売されております、「FACE」の完全版ですね。
ハードでバイオレンスなお話の詰め合わせなので、グロとか痛い系苦手な方にはおすすめしません。
ただ、そこが問題ないぞ!という方は読んでくいの無い作品だとおもいます。
少なくとも私はすごく好きな作品。

お話は、関西最大の広域指定暴力団の組員である加賀。
その加賀の人生、とりまくお話の詰め合わせ。
前回「FACE」のほうも読んでいるんですが、こっちの方がストーリーとしては流れがわかりやすいです。ちょっと記憶にないのですが、あれかな。
飛ばされたエピソードも織り込まれているからかも。

加賀は組長の息子ボンが好き。
しかし、それは叶わない恋。
加賀への思いを募らせる男達。そんなお話。
ボンとは結局つながれないのかと思っていたんですが、一度は身体をあわせることが出来たんだな~というところで感無量。
恋とかセックスとかはよくわからないけど・・・なボンが可愛く見えた。
ただ、ここで恋人に~と来ないところが逢坂さんらしくていいです。
そんなあまっちょろいもんじゃダメなのよね。うん。

「犯り殺し」「手足切断」「尻の裂傷」「血」
もろもろ、ちょっとした恐怖が耐えないので、ワードNGな方はご注意ください

4

ハードバイオレンスもの

続刊に繋がる第1巻です。
BLによく登場する、なんちゃってヤクザとかファンタジーヤクザとはちょっと趣が違います。
一般小説のヤクザくらいにはちょっとハードな感じ。
なので途中、すごい描写もあります、グロいとか、酷い展開がNGの方は避けた方が無難です。
女も絡むし……
反対に、ちょっとファンタジーヤクザものがぬるいと思われる方にはお勧め。


まだこの巻前半では坊が小さいので何もなしです。
お守り役の加賀の片思い。
命を懸けて守っていますが、側にいるのも辛くなる。
やがてそれは坊にも伝わります。
子供心にも片時も離さなかった加賀を失いたくない彼は自分を与えても良いと思います。
この辺りは年齢的に考えてショタに当たるのか?
結ばれはしたのですが、坊は自分はまだ子供だし、跡継ぎの自分がそう言うことでは後々良くないと思い、離れて暮らす道を選びます。
失いたくなくて身体を繋いだのに、それでも二人の将来をこの年で考える坊は大物の予感(笑)

加賀はモテる男で男からも女からも言い寄られて大変。
坊に向けてはいけない思いをそこら中で食い散らかします。
そのために起こるトラブルも大変。

セックス描写よりも血の描写が多いくらいなのでそのつもりでお読み下さい。
読むと今後が気になると思います。

2

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