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表題作契(2)

ヤクザの加賀
いろいろ

あらすじ

─加賀(こいつ)と俺は・危ねえ仲・なんさ─滝澤秀和(たきざわひでかず)─大阪府警曾根崎署・四課(マルボウ)担当の刑事─・本庁から左遷(とば)された元官僚(キャリア)・高官汚職のとばっちりでこのザマだ。加賀(ヤツ)に初めて逢ったのは、やさぐれた憂さを組員(チンピラ)苛めて晴らしてた頃。一人で署に殴り込む馬鹿と、何故か今では一緒に酒と食事と─土産(みやげ)に情報(ニュース)を少々。そんな遊びも始めて久しく、職務の誇りはとうに失せ、危険と知りつつ止まらない─ハード&バイオレンスに、切ない漢(オトコ)の世界を描ききる、著者の代表作『FACE』完全再編版、第二弾!!

作品情報

作品名
契(2)
著者
逢坂みや 
媒体
漫画(コミック)
出版社
松文館
レーベル
ダイヤモンドコミックス
発売日
ISBN
9784790119272
4.2

(7)

(5)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
29
評価数
7
平均
4.2 / 5
神率
71.4%

レビュー投稿数3

登場人物が繋がり始める第2巻

4巻まで読了。
表紙に【“FACE” RE-MIX VERSION】とあるのが気になって、この作品のことを少し調べました。
これは1998〜1999年にビブロスから発刊された「FACE」全2巻にその後同人誌で描いてこられた続編を足して話順を再編した上で、2007年に新装版として出されたものらしい。
ただし、これもまた完結しているわけではなく、全4巻で読めるのは【第1部・完】まで。第2部も同人誌で描かれている?ようですが、それ以上のことは分からずです。


関西一の指定暴力団「室生組」の若頭補佐をつとめる〔加賀〕と、加賀が想いを寄せる組の「坊」、加賀に魅了される幾人かの男達の物語。
ひとつひとつのお話が独立したエピソードで描かれているので1巻読了時点では何がどう繋がっているのか分からなかったのですが、本巻から徐々に登場人物達の相関図が繋がり始めます。
2巻に入っているのは「FLASH」「RISKY」「ANGEL」3つのエピソード。

「FLASH」
加賀と大阪府警南署二課に配属されたキャリア刑事〔島津〕のお話。
1985年、加賀がまだ室生組のチンピラだった時代に自分のSとして使おうと接触した島津視点のエピソードで、このお話が時系列的には一番古い時間軸のもの。
これを読むとようやく加賀という人間が解ってきます。そして加賀が大事にする人間とそうでない人間の線引きも解ってきます。
4巻まで読み終わった時にもう一度このエピソードに戻ってみてほしい。
3〜4巻の加賀を見て加賀の弱さに戸惑い「あんなに強かった男がどうして?」となったならその答えはここにあるから。
加賀が坊に傾倒していく理由も、このエピソードを読めば難なく理解出来るでしょう。
この次のエピソードが1巻冒頭の「SNOW」(1986年)になります。

「RISKY」
加賀と大阪府警曾根崎署四課(マル暴)配属刑事〔滝澤〕のお話。
1995年のエピソード。滝澤はこの2巻の表紙になっている男。
滝澤の加賀に対する妄執と、滝澤がそこから解放され健全さを取り戻していく様子が描かれています。
滝澤と擬似親子の関係にある〔愛(なるみ)〕という女子高生が登場するのですが、この子もまた加賀に想いを寄せており、滝澤となるみは実らない恋をお互いの存在で慰めあっている関係でもあります。
加賀は罪な男よのう。
なるみが巻き込まれる結末がまたもやショッキングすぎて呆然としました。

「ANGEL」
ここから加賀ではなく、坊側のお話になります。
中学2年で正式に室生組の跡目を継ぐことを決めた坊は、将来のためにも加賀から離れる道を選び、大阪を離れて東京に移り住んでいます。
ここで坊は中学校の保健教諭〔菅野〕に初めての恋をするのです。
そしてこの菅野が実は───というかなり個人的に予想外の展開に突入していきます。
(以降がっつりネタバレ含んでます。注意)
坊は過去に一度加賀を受け入れている(1巻「MAGMA」)のですが、あのお話の中では坊の加賀に対する気持ちは描かれなかったんですよね。それは坊がまだ12歳の子どもで、これから徐々に気づいていくのだろうと私は勝手に思っていたのです。
でもどうやら坊の恋心の矢印は加賀ではなく菅野に向いたようで、そしてこの菅野というのは1巻の「NOISE」で榎本が加賀の性のはけ口に与えた少年のその後。
あの少年はあの出来事のあと榎本によって性器を切られ海に捨てられたから死んだと思っていたのですが、九死に一生を得てなんとか生き残ったのですね。
だけどこの時性器の他に脚の腱も切られていて、当時ハイジャンの選手として期待されていた菅野の将来は潰されてしまった。そんな中であの時レイプながらも優しく抱いてくれた加賀のことだけがその後の菅野の心の支えとなっていたと。
そんな男に、よりによって坊は恋をしてしまうのです。
なんというトライアングル化・・・!
三角関係は大好物ですが、予期せぬとこでとんでもない三角関係きたなーーーー汗汗汗
あんなに無邪気で可愛らしかった坊もまた、この物語の激しい情の絡まり合いの1ピースとなるのか。。

そしてここに〔保坂〕というキャラがでてくるのですが、こいつはちょいと注意しておかねばならない人物。こいつの話については次巻以降に持ち越しです。
物語の着地点が一気に見えなくなった2巻でした。

加賀と坊が一切絡まないまま、3巻へと続きます。

1

加賀と刑事と坊

ハード&バイオレンスラブ第2巻です。三話収録。
まず、加賀✖︎キャリア警官島津の話「flash」、夏の暑さと加賀の鋭いまなざしがグッと迫る一編。
島津が自身の出世のために、加賀に協力を頼むのですが、見返りにセックスを要求されてしまいます。
複雑な事情を背負ったエリートの島津と、ワイルドで男気ある加賀。
一夏の恋のハード版といった感じで、良かったです。
「risky」 これも、加賀と刑事の話。今回の刑事はマル暴の滝澤。
他に愛美という女子が登場します。滝澤と愛美が親子のようなカップルなのですが、実は滝澤は加賀が好きで、愛美を通して加賀と接触している具合になります。
滝澤はシブいおじさん刑事でカッコイイのに、加賀が口をつけた缶やタバコの吸い殻を持ち帰る、なかなかの変態さんで、そこが面白かった。
「angel」、こちらは坊が主人公になります。ヤクザの組長の息子であることを隠して、東京で学生してる坊。
坊は優しくて綺麗な保健室の先生、菅野を好きになります。加賀とはまた違って、男子っぽい感じが魅力の一作。
因みに、菅野は前巻の「noise」で、加賀への貢ぎものにされ、アソコを切られてしまった男子。坊が下宿してるお寿司屋さんの客、ライターの保坂が切った奴です。顔と名を変えてるんですね。
ハードさが増した2巻でした。

2

複雑になってきてカップル分けが出来ないです

主人公は加賀です(一応念のため)これは変わらずなんですが……
2巻の展開は刑事物ふたつ。

最初の刑事とは、エリートの刑事に同情し、一度は身を捨てて組長の殺害まで決心する話し。
けれど刑事は加賀への思いを考え直し、加賀もタイミング的に組長狙撃は諦めるという展開。 坊のお守り役になる前夜の話し。

続いての刑事の話が前半の話の続きかと思いきや、これまた別の刑事登場。
本当によく男を誘い寄せる男で……加賀というのは。
もしかして誘い受けなんじゃ?
加賀は攻めなんですが、若いときはヤられてたので、基本は受け体質なのかも。
それでもって誘い受け……総受け(笑)

二度目の刑事さんの話は壮絶で、この刑事さんストーカー? ひとつ間違えば気持ち悪い人です。
しかも加賀のことを好きな女の子を引き取って二人で加賀を(精神的に)共有して愛し合っているという。
女がらみはNGという人は絶対に読まないでください。
そして必ず血ぃなんです。ドバァと血ぃ出るシーンの続出で、哀しい。。。
女、血が駄目な人は絶対に駄目です。
それから加賀は坊一筋ですが、男や女とたくさんシーンがあるのでそう言うのも駄目な人はNGな作品です。

でも切なくてハードで先が気になるし。
後半はとうとう坊の東京での生活に描写が移ったんですが、坊の真実は加賀がとても大事で離すことは出来ないんだけれど、それは兄に対する気持ちと一緒なわけです。
でも12歳で自分で決めて、自分の身体を与えて、そのあと突き放したことを申し訳なく思っている。でも他に好きな人が出来てしまう。
養護教諭の菅野。菅野と後半思いが通じて加賀に対して後ろめたい気がする真実なのですが、実は菅野と加賀は知り合いで、しかも菅野が密かに名前も知らずに愛し続けた相手が加賀だった……とここまでが2巻。
まだ互いに(3人とも)真相は知りません。

これはもう続きが気にならないはずはないです(笑)
なかなか読むのに気合いがいる作品です(読んだあとけっこう疲れます(笑))

2

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