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表題作白い朝に 下

正和,バーテンダー
まち,バーテンダー

同時収録作品白い朝に 下

正和の兄
まち,バーテンダー

同時収録作品白い朝に 下

正和の兄
正和

その他の収録作品

  • 後日談

あらすじ

兄のおしっこを浴びる

卑屈で厭世的な不器用者と
傍若無人な快楽主義者
痛々しいラブストーリー完結

限定小冊子80P付き


壮絶すぎる過去
常軌を逸した兄弟

性的虐待 強姦 監視 抑圧  
ドラッグセックス 身体改造

自分勝手な行動ばかりする正和に振り回されるまち。
束縛し、支配する正和の歪んだ愛情表現に疲れ果てたまちは、
距離を置くことにする。
ある日、正和が風邪で寝込んでいると知らされる。
離れていても、恋心が薄れないまちは見舞いに行く。
そこで正和の兄・譲と出会う。
容姿端麗・品行方正で、素行の悪い正和とは正反対の完ペキな兄。
しかし、正和の心を壊したのは、兄だった……。
心を突き刺すボーイズラブ、堂々完結。

作品情報

作品名
白い朝に 下
著者
森世 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
シリーズ
白い朝に
発売日
電子発売日
ISBN
9784865896756
4.5

(89)

(59)

萌々

(22)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
16
得点
404
評価数
89
平均
4.5 / 5
神率
66.3%

レビュー投稿数16

上巻の印象が全く変わる

予想が合ったってた!! 気持ちいぃ~ (๑˃̵ᴗ˂̵)و

しかし あのクソサイコ兄貴、一生刑務所から出られなくした方が良いのでは?
いつか仕返しに来るんじゃないかって、ちょっと心配…
最後にまちくんが警察に電話してたけど、昔の虐待の証拠も出せば上手くいくと思うんだけど。

ともかく、ものすっっっごく面白かったです!
先生の細かい心理描写が本当に天才的で、エンディングも夜明けの民として大満足でした!

一生忘れられないストーリーをありがとうございます!

1

無理矢理なハッピーエンド

鬱になる。すごく辛いとお薦めされて購入しましたが、あまりハマりませんでした。正和がまちくんにしている行為は刺さるものでしたが、お兄ちゃんとの関係に納得が行きませんでした。私は兄弟の執着愛が大好きでお兄ちゃんが絡んできたときにお兄ちゃんと正和くんを応援しそう、心配だ、公式カプを好きになれない!とまで思っていたのですがお兄ちゃんは弟のことを好きではなく道具として見ていたと言うのにすごく気分が下がってしまって…。本当に個人の意見なんですけど、兄弟には相思相愛クソデカ感情でいて欲しかったという願望が打ち砕かれてしまって…。
あと、最後のシーンでは無理にハッピーエンドに近づけようとしていて解釈違いでがっかりしてしまいました。

0

衝撃の上巻からの大どんでん返し!

上巻では義兄にせまるところをまちが目撃してしまい、まちが流石に愛想をつかすという衝撃のラストでどうなる事やらと思いましたが、下巻は大どんでん返し。

上巻はまち目線だったので、自由奔放で性的倒錯した正和が何を考えてるのか分からずヤキモキしましたが、下巻は正和目線がだんだん増えていき、義兄の本性や正和の本心がどんどん暴かれていきます。

正和の自傷癖に見えた行為が実は義兄によるものだと分かった後に、上巻を読むとやり切れない思いがこみ上げて泣けました。

こんだけ酷い目にあっても愛するまちを守るために、自ら離れようとする正和の姿が切なくて泣きました。

ずっと逆らえなかった義兄に反抗して2人で去るラスト、本当に良かったです。

こんだけ過激なストーリーを綺麗にまとめ上げる森世先生は天才。
けっして人にはオススメできる作品ではないですが名作です。

2

白い朝、とは何か

兄のおしっこを浴びる
とは何ぞや。
下巻は兄と正和の、家族としての過去が大きく語られる。
まぁ〜〜…この兄!
コワイわ。
自分だってまだ小さいのに、義弟としてやってきたもっと小さな正和をあんな風にして。
その年月があの正和のゆがみを生んだんだ。
兄は生まれつきのサイコ野郎なのかな…
こんなのに洗脳されたらもう一生オワリみたいな。
このまま救いの無いエンドなのか、どう打開するのか?
…と思ったら、まちが立ち上がったね!
光展開になって、強烈兄ザマァが痛快でしたが。
途中の緊迫から緊張感が解けるから、この展開は賛否あるのかな…私は昔だったらバッドエンドが好きだったけど、今ではすっかりハピエン派なのでホッとしました。

1

支配との決別

はあ〜っ……稀に見るゲス!

虐待を受けて育つと虐待しちゃう、と言いますが、、まさにそんな感じ。良くないこととわかっていても、自分のこれまでを正当化するために、間違っているとは言えない。

お互いに恵まれない環境で育ちながらも、コントロールされて抜け出せなくなっていた正和と、ネグレクトされ変わりたいと願っていたまちが、エンカウントして、色々あったけど!本当に色々あったけど!やっと道が開けた…!

上巻のあまりに真っ暗さに、ラストどうなることかと思いましたが、、勧善懲悪?エンドです。下巻はちょっとストーリー走ったかも?メリバを期待していた方もいると思うので評価分かれそうですが、ハピエン厨にとっては、ギリギリ救われた感。

正直萌えるまえに終わってしまいます。決別して、やっと、ほっと一息ついた感じ。闇とか重めが好きなかたは萌えられるのかな??

0

Vanilla dawn

電子は限定小冊子付きは売ってないかもしれません

先達のレビューを読んでたので、ストーリーはなんとなく想像ついてたけど、それでも意外な見せ場がありました。

メインのキャラ同士でお互い振り回して振り回されて。儘ならなくて読んでいて楽しかったw

他には正和のアレは故意ってのは新鮮に感じました。それをふまえて読み返すとガソスタのタレ込みは誰がやったか考えてしまうね。

帯で普通の兄弟じゃない事は判ってましたが、60ページくらい使って過去をたっぷり。
モノローグに壊れていく過程がよく現れてる。読んでいる自分も頭おかしくなりそうだった。

最後の方でサンドイッチのフタがGJ。名バイプレイヤーじゃね?

最後はですね、とにかくムカムカ来てたからスカッとしたよ!

後日談が少しありまして、なぜか微妙にモヤモヤ。赴任先でやらかして捕まればいいのに!!!
そう言う意味で後日談は要らなかったかも。

本編に不満はないので上下とも神です。

1

毒で凝り固まった関係性にメスを

 ストーリーは星4つ、萌えたかどうかを忠実に評価して萌評価という感じです。大好きな森世先生の新作ということでとても期待して読んだ作品でしたが、さすがの展開で読み応えがありました。上巻ではまちを振り回し続けていた正和が、この下巻で実は彼自身も兄である譲に振り回され続けた人生だったのだと分かり、今の彼へと繋がる歪められた子供時代に胸が痛みました。

 もう少し掘り下げて欲しかったのは、譲について。なぜ正和だったのか。義兄弟という支配しやすい関係にあり、初期のまちのように御しやすい性格だったからでしょうけれど、そんな風に他人を支配したがるようになったのはなぜか。親のせいだったんでしょうか。孤独を埋めるために他人の心をコントロールしたがる感情と、相手の体に無機物を刻み込むような虚しい行為を好む感情もいまいち繋がっているように思えず、個人的には少し描き方がぶれているように感じました。まちにきっかけを与えられながらも最終的には自力で譲から己を解放した正和と、自分のしたいように行動できるようになったまちが、健全な関係性を築いていけそうな結末だったのはとても嬉しいです。

3

森世先生だからこそ

一言で言うと最高の終わり方!!!でした
このような言葉で括っていいか分かりませんが夜明けの腐女子にはぶっ刺さること間違いなしです

地雷マシマシと思う方もいると思います
私も個人的には暴力や痛々しいのは得意ではありませんが森世先生だと何故か読めるので不思議…
作画はもちろん、心情描写や過去がいつも丁寧に描かれているからだと思います。
今回上巻で気になっていた兄の真相が分かります
兄に洗脳されていた正和がまちによって救われるシーンは感動…
上ではまちが正和によって救われていましたが、今度はまちが正和を救う番!!!!!
親父のようになりたくないと惚れてる人のために頑張っていてすごく成長したんだな…と
自分の殻を突き破る姿を見れました
共依存よりお互いを救い支えられる関係性が大好きなので嬉しかった

上巻ではお互いがお互いをダメにするズブズブ依存に堕ちるのかと思い、読み始める時は不安でした
しかし読み終えてやっぱり森世先生の作品が好きだなぁと強く思いました
ハッピーエンドでよかった!!
欲を言うと同棲編等いちゃらぶももっと拝みたい

また見落としそうになるカバー端にQRコードがあり描き下ろし漫画が読めるのでお早めに!!
(前回はTwitterの企画でDMで漫画を送って貰えましたが今回は今のところ無さそうです)

上だけ読まれて悩んでる方は是非読んで頂きたいです

5

近年稀にみる

ゲスい兄でした!笑

帯の「兄のおしっこを浴びる」を見た時点で、これ絶対やばいな~と思っていたのですが想像以上でした。
森世先生はいつも想像を越えてくださる…。

兄と正和が一緒に暮らしてからの洗脳していく展開がとにかくすごかったです。

まちくんが救い出してくれて、最後は正和も兄にスカっとする言葉を言っててよかった。

最後の終わり方も好きなんですが、ホっとして終わってしまったので、まちくんと正和のいちゃいちゃをもう少し見たかったな…。

小冊子は80ページほど有り大ボリュームでした。
過去の特典を集めたような内容なので他作品も読み直したくなりました。

2

相変わらずクズが良い

森世さんはクズな人間や執着がヤバい人の描き方が素晴らしいです!今回もそんな感じでした!

2

サイコ…

上下巻の下巻です。
完全に続きものなので、上巻から読むのをオススメします。

下巻は、サイコなクズでした。ここまでの人はなかなか見ないと思います。…何度「怖っ」と思ったか…。
でも、ハッピーエンドで綺麗に終わりますので安心。
まぁ、ハッピーエンドにたどり着くまでが凄いですが…。
お兄さんともガッツリ絡みますしね。苦手な人は苦手だろうと思いますが、私は好きです。
今回も多少流血していますが、上巻程ではないので血まみれ描写は大丈夫かと思います。

小冊子もボリュームたっぷりなのでオススメ。





















紙本購入
修正は白短冊です。

2

帯でネタバレしとるやないか〜い!

上巻を読み終えた瞬間から死ぬほど待ちわびていた下巻!ついに!ついに発売、、、って、エ?!帯?!

いやいや、、、引きは強いかもしれませんけど、帯でネタバレしちゃってるじゃないですか。え〜〜〜〜ん
上巻の時点ではお兄ちゃんは爽やかイケメンのはずだったのに〜〜
ちょっと、いや、結構ガックリきました。本編の中で「え!?」って思いたかった。

でもでも!
内容は森世先生節全開で大満足!!暗い!暗くて重いし狂ってる!でも、ちゃんと純愛。ちゃんと愛があり最後に救済がある。くせになります。
あと、ほんとに森世先生の絵柄が好き過ぎて、どんなコマでもキャラの表情の美麗さにうっとりしてしまいますね、、、

ほんとに好きです。森世先生はどんなテイストの話も全部おもしろい。
次回作が今から楽しみです!

5

森世先生の怪作!最高!!!!

上巻に引き続き読みました。
完結してから続けて読むの焦ったさがなくて最高だな。小冊子付きで購入。

常識人のエリートと思ってた正和兄がおやおや?違うの?
この義兄弟どんな関係なの?ってとこで終わってた上巻。
下巻は、種明かしと結末です。

正和と譲の過去から現在が描かれてます。
もう最強の、どクズ男です。譲。
頭いいし周りがよく見えてるからターゲットは
周到に陥れられる。
正和がこんな風になってしまったのは、全部譲のせい。心理描写と実際に譲が正和に施していくさまざまな事がリアル。
森世先生、いろんな書籍を読み込んで参考にして描かれてそうだわ。
正和可哀想です。
正和に好意を持ってる人間にちょっかいを出して自分を好きにさせて捨てる行為を繰り返してきた譲。
そんなこんなで正和は本気で人を好きにならないように自制するようになってたけど、まちくんは違った。
まちくんに対しては執着してしまう。

でも、兄とはどうしようもない関係で逃れられない。
まちくんには譲に手出しされたくないって思いから自己犠牲で我が身を差し出す正和。
どうする!!!ってクライマックス。

もう、ヘタレ彼氏が大成長する話私大好きだわー。
バッドエンド物に成りかねないストーリーだけど最後よかったなーと思わせてくれるオチにしてくれた森世先生に感謝。

下巻はとってもヒリヒリした内容でした。
やはり、読み手を選ぶ作品。

今回、カバー下ではなくカバー裏にカラー印刷されているイラストがあってとても凝ってるなと思いました。あと、期間限定特典(2022年2月24日まで)としてカバーにURLで1P漫画が読めるようになってたりしてサービス満点です。こちらは、かわいいほっこり日常話でした。

小冊子付きで買ったのですが、
分厚い!80Pとな?!
全部白い朝にではなくいろんな詰め合わせでした。
BL好きになったのが最近で基本リアルタイムではなく後追いなので、特典ペーパーをまとめた物や、雑誌掲載の短編は読む機会がないので有難かったです。
かわいい話と、森世先生らしいメリバ感あるお話が混ぜこぜになっています。
白い朝には、6Pでした。
たまにはタチやりたくない?入れていいよ♡の正和のお誘いに……ってお話。
ふーん、えっちやん。かわいいやん。

白い朝に[描き下ろし:後日談の後日談]
こぼれる[書店特典:コミコミスタジオ、とらのあな、アニメイト]
あいとまこと[書店特典:アニメイト]
ひとりぼっちの舞踏会[BLインワンダーランド掲載作]
恋するあさはか[書店特典:アニメイト、とらのあな]
ロマンティック上等[書店特典:とらのあな、アニメイト]
めざめた明日[ロックアップボーイ掲載作]
みっともない恋[書店特典:アニメイト、ヴィレッジヴァンガード、とらのあな]
そういうこと[BABY vol.25掲載作]
君は知らない[OSAKAラヴァーズ掲載作]

9

ハッピーエンド

リバやら血まみれフェラやら
ふつうのBL読みにはハードルが高そうに見えて
めちゃ面白かった「白い朝に」上巻。
気になる所で終わりましたが
森世先生のサイコパスやら共依存は大好物なので
めちゃくちゃ楽しみにしておりました下巻です。
てか帯、、
「兄のおしっこを浴びる…てね笑
いや読んでからそれ使う?って思いました笑
まあ下巻は思った通りの兄のクズ
マインドコントロール
性虐レイプと想像通りの犯罪てんこ盛り展開ではありました。
森世先生の絵じゃなきゃきつい展開ですが
先生の絵だと読めちゃうんですよね。
私的にはタトゥーをただただ面白半分で人の体に入れてるとことかゾッとしました。
ほんとにサイコパスで
弟の事好きでもなんでもないし
ただのおもちゃじゃんって胸糞野郎ですな。
下巻は正和の背景(兄のサイコ具合)とまちの覚醒かな。
正和に依存してたはずのまちくんが変わり最後に
読者にカタルシスを味わわせてくれます。
超ネタバレですが
作画崩壊してにいちゃん成敗?して
意外や意外にすっきり前向きなラストを
迎えるんですよね。
上巻の不穏さがかなり好みだったので
きれいに終わりすぎってくらいきれいな
光のハピエンを迎えるので
とてもよかったんですけど
肩透かしなくらいでした。
私は小冊子付きを買いましたが
白い朝にのその後が入ってたり
かなりのボリュームで過去作の特典ペーパーや
短編読み切りもありなので
森世先生好きなら絶対おススメです。
今作は確かに森世先生の傑作力作再生?ボーイミーツボーイ物語で
私は上巻が神で下巻が萌2て感じです。
また変わるかもだけど。
リバについては下巻はマチが受け固定ですが
多分この2人ならたまにリバってそうな感じします。
ちょっと攻めてる読み応えのあるのを
読みたい時におススメ。
私は大好きです。




10

世界に引き込まれました。


サラッと読んだ感想です。
念の為、ネタバレにしてありますが、ほぼ感想です。

森世先生の作品はほとんど読んでいますが、唯一無二の胸クソ感です。

言葉はすごく悪いですが、めちゃくちゃ褒めてます。

この胸クソ感って、バックボーンがしっかりしてるから出てくるものなんですよね。なので、過去に攻めくんが何をされていたのかが、しっかり描かれています。ここは、だいぶキツかった、、。
上巻でリバだったので、何となく察している方も多いと思いますが、攻めくんの受け描写が、ガッツリあります。過去編でのことなので、相手は、、泣。

攻めくんの心を壊すために、受けくんも餌食になります。いやー、辛い。

ハッピーな雰囲気になるのは、最後のほんの数ページだけです。もっと2人のハッピーを見たかったのが本音です。

心がぐちゃぐちゃになるので、元気な時に読むのをオススメします!!

小冊子は、この2人の後日談(少し)の他、既刊のペーパー、単行本未収録作品があります。
この未収録作品は、既刊の話ではなく、読み切りの作品だと思います。数ページしかない話ですが、深みが凄いです。流石、森世先生。

感想は以上です!!
もう一度読み返してきます!!

8

絶望の中で見つけたものは

『白い朝に』の下巻にして完結編。
続きものなので上巻未読だと理解できません。上巻未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。






上巻で、歪んだ愛情をまちに与えていた正和。
正和と、彼の兄の譲との会話を聞いてしまったことで、まちと正和の間には大きな溝ができてしまい―。

というところから下巻はスタート。

正和のあの歪みっぷり、壊れっぷりがどこから来ているのか。
それが下巻で見えてくる。彼を壊したのは―、

と、壮大なネタバレになってしまうので正和を壊した人のお名前は書きません。どうぞ手に取って確認されてみてください。以下、「彼」という敬称で正和を追い詰めた人を書こうと思います。

上巻を読んだ時点で、なんとなくそうなんじゃないかな、と思っていました。正和を壊したのは、正和の傍にい続けた「彼」。「彼」と正和の出会い、幼少時代、そして今に至るまで。それがさらりと、けれどこってりとした密度をもって描かれていきます。

ありとあらゆる手を用いて、少しずつ、確実に、逃げ場のないように正和を追い詰め壊していく。狂気を孕んだ「彼」の姿は森世作品ならではか。正和の身体に入ったタトゥー、ピアス、スプリットタン。その数の多さと中途半端さが「彼」の怖さをこれでもかと読者に見せつける。

追い詰められ壊されきった正和が出会ったまちという存在が、どれほど正和の心を救ったのか。はじめはそうとは思わずに、けれど間違いなく、正和はまちに己を重ね、そして救いを求めていったんだろうな、と。

帯にも書かれていますが、「彼」が正和におしっこをかけるというシーンがあります。
精神的に追い詰め、マーキングし、そして汚す。支配下に置き、正和という少年を絶望の淵へと追い詰めていく。その行為一つで「彼」の正和への行為そのものを端的に表わす手法はさすが森世さんというべきか。

壊れ切った正和が、初めて大切にしたいと願った存在、それがまちだった。
まちのために正和がとった行動は―。

上巻を読んだときに、下巻でこんなに泣けるとは、萌えるとは、思いもしませんでした。世間からはじき出された孤独な男たちが出会い、そして生きなおしていく。上巻であまりの痛さに挫折された方も、もしかしたらいらっしゃるかも。でも、下巻も読んで欲しい。絶望と孤独の中で、二人の男たちが出会い、そして光を見つけていく。まさに魂の救済の物語です。

「彼」もねー、憐れでしたね。
彼にも救いの手が差し伸べられると良いんだけれど。

今作品は80Pというボリュームのある小冊子付きも同日発売になりました。別途385円(税込み)が必要な有償特典ですが、既刊の特典ペーパーだったり短編の漫画が収録されていてめちゃめちゃ読みごたえのある小冊子でした。

これから買われる方にはぜひとも小冊子付きの方をお勧めしたいです。

12

この作品が収納されている本棚

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