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表題作蝶よりも 華よりも

蘇芳湊
ソラ

同時収録作品蝶よりも 華よりも

楼主 
花魁 紫織

あらすじ

孤児院で育ったソラは、ある事情から幼なじみの湊への想いを断ち切り、「胡蝶楼」という遊廓で働くことになる。紫織太夫の見習い遊女として、閨事を学び、楼主に仕込みをされながらも、花魁となりお金を稼ぐ為に耐える日々を送っていた。
そこへ、幼なじみの湊が現れるが、ソラには港を受け入れることの出来ない理由があり・・・・・・・。
どんなことがあっても逃げ出そうとせず、自分は自分でありたいと願うソラと愛する人のために自分の全てを捨ててまで追いかけてくる湊たちに起こる結末とは?!

作品情報

作品名
蝶よりも 華よりも
著者
犬飼のの 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576070629
3.2

(21)

(6)

萌々

(2)

(7)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
9
得点
63
評価数
21
平均
3.2 / 5
神率
28.6%

レビュー投稿数9

デビュー作

この著書が最初の商用本と知って、読みました。
彩さんのイラストが素敵です。

原点になるデビュー作。スタイルは、今も変わらない。
前向きな戦うヒロイン(受)ソラと、ひたすら愛する人・ソラを溺愛して追うヒーロー(攻)湊のコンビで展開していくスタイル。

SF要素のBL。女性が生まれなくなった未来世界。
女子が生まれると政府が管理するシステム。
男性同士の婚姻が認められている。
宇宙飛行士だった父の死後、伯父の奸計に嵌り、無実の罪で刑務所に入れられ、財産相続が不能になってしまった湊。
湊が刑務所を出る場面から、物語が始まります。
近未来の遊郭に居るソラ。
色々な困難を超えて、結末、湊は宇宙飛行士養成学校へ入学することになり、父から相続した資産で、ソラを遊郭から身請けする。
湊は、宇宙飛行士に任用された後、ソラを妻として同行するつもり。

・・という事で、昔からサービス精神旺盛な方だったんだな、と感心。
多くのことが、粗筋が蛇行するようにギューギューに詰め込まれていて、話がこんがらがっている印象を受けました。
説明を入れすぎ。枝葉を切り取ってスッキリさせたらいいと思うくらい。
この一冊は、多分今の書き方だと4冊ぐらいに分けて仕上げるのじゃないかと思った。
面白いとは思わなかったけど、著者の原点を知ることが出来る一冊だったので、読んだ意味は深いです。

1

美しいです

扉絵のソラがめちゃめちゃ美麗です。
これだけでも買って良かったと思えるほど。
遊郭ものですが近代SFっぽい世界観です。
ありきたりな遊郭BLものに飽きた方には新鮮かも知れません。
彩さんのイラスト目当てで買った気がしますが、
存外重厚なお話だったので気に入ってます。

0

少年同士の身分差一途愛。

犬飼のの先生のイメージはファンタジー。初めて読んだ作品でしたが、とっても新鮮でした。あとがきによりますと、作家さまがかねてから描きたかったという「近未来遊郭モノ」。先生のパッション溢れる、少年達の純愛ストーリーでした。少年同士のカップリングは大好きです。

時代設定が未来の日本なのですが、読んでいていつの時代なのかあやふやになってくるのがちょっと戸惑いました。「第五次世界大戦の百年後」とか「ソーラーカー」などが出てくればわたしの頭の中ではかなりの未来感バリバリなのに、突然「吉原」が出てきて、なんでや!と思ってしまうわけです。しかも入場料千円って…。湊のために三百万円貯めて返すとか、物価の設定が現代の感覚とそう変わらないのもしっくりこず…。せめて通貨単位を架空のものにするとかしてもらったら入り込めたかもしれません。セクシュアリティーに関する部分は昨今のオメガバース設定を彷彿とさせました。遊郭での遊女と客の関係がメインでしたので、未来のテーマパーク仕様に変換されたものではなくて、いっそストレートに時代物だった方が個人的には楽しめたような気がします。コミックのSFは全く気にならないんですけど、文字情報だけだと想像力が貧困なせいか、おいてきぼり感が拭えませんでした…。

でも、十四、五歳くらいの少年同士の狂おしい純愛を描くには、これくらいの非日常感がないとなかなかドラマティックに盛り上がらないのかもしれません。湊とソラもよかったけれど、楼主と紫織の関係も萌えました。犬飼ののさん、たくさん人気作があるので、読むのが楽しみです。

イラストがとても美しく素晴らしかった。彩さんを知ることができたのも大きな収穫でした。

1

普通の遊郭ものに飽きた方に

犬飼さんのデビュー作。
同人時代から活躍されていた作家さんなので、この時点で文章はもう十分に熟れています。
内容は近未来の遊郭もの。

肝心の内容については……個人的には好きです。
が、感情面で支離滅裂な点が多くて、ラストの展開に心が追いつきませんでした。
湊がどうしてソラを好きになったのか、ソラがあそこまで拘ったわりに、
あっさり湊の手を取ったのは?
楼主のソラへの執着も不可解で、その辺にもうちょっとページ割いてくれたらよかったかな、と。
特殊な設定なので世界観の説明にどうしてもページを取られ、肝心の恋愛面が疎かになってしまったという印象があります。
主人公2人が離れている時間が長すぎて、最後がもうたたみ掛けるような怒涛の展開になったので、それが凄く残念でした。
人物設定が魅力的なだけに、それぞれが中途半端になってしまっていたのが勿体なくて勿体なくて。
楼主様とかもの凄くツボなんですけど。

結局、最後まで主人公ふたりに感情移入できませんでした。
イラストは彩さんなので、超美麗です。
この挿絵だけのために購入してもいいくらい。

2

心がモヨモヨ、SF遊郭

作者さんが好きで読んでみました。

モヨモヨ悩むカップル。
不器用で融通が利かないので、しなくていいでしょうという苦労をやたらしてしまうという…。

SFで、ちょっと暗い世界観でした。
社会構造がこうで貧富の差がこうだとか、女性が少なくなっているとか、遊郭はこういうシステムだとか、設定の説明が色々あります。
そういうのが好きな人は楽しめると思います。

この作者さんの作品の中では実験的というか結構読者を選ぶ話なんではないかと思いました。

苦労性の2人、我慢して我慢して、最後は自分なりの筋をキッチリ通して幸せになれてああよかったと思いました。

0

で、結局何がしたいの?

何故か公共図書館に配架されていた本。犬飼作品は未読でしたが、遊郭ものが好きなので借りました。

舞台は近未来。戦争の影響で女子の出生数が減って、女性と結婚できるのは「ファースト」と呼ばれる一部の特権階級のみ。大多数の男性は同性同士で結婚する世界です。
「ファースト」であった蘇芳湊は父の死によって階級を転落し、孤児院に入ります。その孤児院で出会ったのが日本人でありながら金髪に紫の瞳を持つソラでした。やがて恋心を通わせた二人ですが、ある事件を機に湊は刑務所行きに。一方のソラは湊の手術代のため、自ら吉原に乗り込み男娼になることを決意して…。

物語の骨格となる舞台設定が杜撰だなあ、と読み始めてすぐに思いました。この世界では女役の男は見下されていたり、女の代替品としか見られていないのです。だから女言葉を話したり、なよなよしていて、過剰に女を演出しています。両性同士で結婚するのが普通になって100年以上が経つ設定なのに、登場人物の意識は男女間の恋愛を基準として、旧態依然のまま。もう少し設定を詰めるべきだと思います。

登場人物の性格や行動にしても、詰めるべきだと思いました。読者としては納得できない部分が多数ありました。
たとえばソラが働く「胡蝶楼」の楼主。ラストで突然、今まで顧みなかった花魁・紫織に指輪をプレゼントするんです。嬉しい紫織…。新しいカップル誕生でハッピーエンド!ですが、私は「ちょっと待てよ」と…。
紫織が楼主に好意を持っていることは描かれましたが、楼主が紫織に対してどのような感情を持っているかは作中で明示されていません。行間で想像すればいいのでしょうが、あまりにも急すぎて頭が追い付けませんでした。その前のシーンで、楼主はソラに振られているので、仕方がなく紫織を新しい慰め者(楼主とソラには肉体関係がありました)にしたのかなと勘ぐりたくなります。
描写が多ければ、楼主の行動に納得できるんですが…。

受けのソラも謎でした。
強気な性格で湊を拒否していたと思えば、健気に尽くしたり…。
湊が迎えに来るのを待っていると言いながら、いざ迎えが来ると「まだやり遂げていないから」と断ったり…。いらいらしました。

設定も登場人物の行動も理解できないこのお話。読後の感想は「結局何がしたいの?」でした。

1

遊廓モノとしては◎

 湊は、元々は特別階級である「レア」だったが、父が亡くなったことにより、その生い立ちの複雑さから、その地位から追い出され、孤児院へ身を寄せることになる。
 そこにいたのがソラ。
 ソラは、金髪に紫の瞳、という見た目から仲間たちからいじめを受けていた。
 けれど決して折れようとしないそのソラの心行きに、湊は徐々に惹かれていく。
 しかし、自分の見た目へのコンプレックスから、決して湊の気持ちを受け入れようとしなかったらソラは、ある日、新しい所長に襲われかけてしまう。
 何とかそこから逃れようと抵抗したソラだったが、そこに現れた湊がソラを守るために所長を殺しかけてしまう。

 そのことが原因で湊は刑務所に入ることになると同時に、目に障害を負うことになった。
 湊は、父と同じ職業である航宙士になろうとしていたが、航宙士には目のよさも必要不可欠で、湊はその夢を諦めざるを得ない状況になる。
 そのことに責任を感じたソラは、湊の目の」治療費を稼ぐべく、色街へと向かった。

 そこで、大見世と呼ばれる「胡蝶楼」の楼主に引き取られたソラは紫織太夫の見習い遊女として、太夫の候補の一人として、躾けられていく――

 という話でした。
 その他にも何かいろいろな要素があったような気がしましたが、とりあえず、私の中ではこんな感じの話でした。

 結局、無事にソラはお金を稼ぎきって、それを湊に渡すけれど、出所した湊はその時の車をヒントに、胡蝶楼までお金を返すのと、一目ソラに会いたいと思っていた湊はソラを訪ねてくる。
 ソラは、何とか湊を追い返そうとするけれど、楼主に湊と会うように命じられ、太夫の胡蝶として、湊に会うことを余儀なくされる――

 という話でした。
 未来遊廓物語――というべきか何と言うか。
 今回の二人の話にはあまり関係なかったので、ざくっと割愛した設定とかもあったんですが、この世界には女の人が激減していて、男が男を嫁に取ることが当たり前の世界で、それゆえ男が遊廓にいても不思議じゃない、という感じでした。
 個人的には遊廓モノ大好きなので、これもかなり好きな部類の話になるんですが、どうもソラの性格がイマイチ一貫性がないような気がして、そこだけがとっても気になりました。
 自分の幸せよりも、人を優先してしまうようなところがあったと思えば、「いつかみ返してやる」という思いで因縁のある同じ見世の太夫を蹴落としてしまったり――

 挙句の果てに「迎えにきてほしい」と言ったのに、その迎えが実際に来たら「やっぱりいけない」とか言い出したりして、大分いらっとしました。
 もちろん、ソラが言い出したのには楼主が余計なことを言ったっていう理由がなくもないんですが、この楼主も楼主で、本当はいい人なのか、本当に悪い人なのか、さっぱりわからない。

 その辺りのブレがかなり気になってしまいました。

 二人の物語、というよりも、遊廓モノの雰囲気を味わいたい方にはオススメします。

0

初めての遊郭物は、素晴らしかった。

文章がとても文学っぽくて、綺麗なんですよ!
何と言っても、男同士で結婚できるとゆう素晴らしい話なんですが……。
それが危険なんです!
女役はソラなんですが、自分を女役と認めたくないんです。
それでも、湊に傷を負わせてしまった責任から、自ら女役として遊郭に足を運ぶんです。

当然何をするか分かっていたけれど、困惑するソラは初めてみる太夫のHしてるのを見て、興奮するんですが、それが湊ではないと分かると、熱が冷めていく……。

オススメなんですが、がっつりHが見たいとゆう方にはオススメ出来ません。
H度は少なめで、ちょっと凌/辱シーンなどありますから、好きなら買って見て下さい!

私は、終盤を学校で読んでいて思わずポロリと涙が溢れそうになりました。
号泣必須ですよ!
これで、犬飼さんを知って、同人誌とか出てるのを知って……。
アンソロ読んで、新刊があったので買っていきました!

それ以外でも、買いますけどちょっとためらうじゃないですか?
最終的にはハッピーエンドですよ!
BLでの女装キャラが好きだけど、全てが全て女っぽく描かれてしまうので
嫌いな方もいると思うんです。
だから、まずは中身を見て買いましょう!
私の場合は、表紙を見て買います!

だから、たまに2巻だったりするんで、その時は1巻を買ってから読みます!

3

1家に1冊とはいわないが

スバラシイ作品だとおもいます(*´∀`*)ポワワ
思い白い。というか、文芸ポイw←文芸の何たるかも解らんくせに

最初は、パッと目を引く表紙に惹かれたんです。
遊廓モノも好きですし。
しかし、ページを捲るごとに引き込まれました。
設定自体も、SFチックな、異世界なのか、現実なのか。

お互いに惹かれながらも、想い通じることなく
あんなに嫌っていた男に抱かれる道をえらんだ
二人の道は、再び重なって・・・
というところでしょうか。

男ばかりの世界。
男同士の結婚も普通。
どちらかが必ず女役に

ちょっとその世界覗いてみたいんじゃないのww
なんて想いつつ。
二人が抱えてきた想い。
何を想って、ソラは他人に身体を開いたのか
考えれば考えるほど深みに嵌っていく自分がおります。
やっぱりさぁ。
ねぇ。
うん。

面白いです。
久しぶりに読み返してみるかな~

3

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