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表題作嫌いな男

向居真也,キャリア採用された同僚
南千裕,制御機器販売メーカー勤務,商品開発部の販促担当者

その他の収録作品

  • 勝てない相手(書き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

千裕の部署にキャリア採用で新しく人が入ってきた。彼、向居は千裕と同い年、爽やかで人当たりもよく、人事が太鼓判を押すほどの優秀な人材だった。そんな向居に淡い敵愾心を感じつつ、まともに勝負するのを避けていた千裕だが、あるとき彼の眼差しに潜む熱に気付いてしまう。向居は自分が好きなのだ。仕事では敵わない向居が千裕にだけ甘くなる。それを心地よく感じていたところ……? 甘く切ない、大人の恋。

作品情報

作品名
嫌いな男
著者
安西リカ 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525506
4.4

(163)

(101)

萌々

(42)

(12)

中立

(1)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
27
得点
710
評価数
163
平均
4.4 / 5
神率
62%

レビュー投稿数27

嫌いが好きになる瞬間

会社員同士の恋愛もの。
そこそこ優秀で期待どおりの働きが出来ていると自負している主人公の前に、超ハイスペックな男が中途採用で配属され、それまで一人で切り回していた業務を二人で行うことになるところから始まります。
会社に入って5年目くらいだと、こういう勘違いも起こしそうだし、主人公目線でずっと語られていくので、性格が悪いと本人が言うほどには普通の感情に振り回されているだけとも言えて、嫌悪感などは抱かずに最後まで読めました。
著者のお名前だけは知っていたのですが、読むのは初めて。とても読みやすく、主人公が相手の一言にぐさっと傷ついてそこから色々変わっていくのですが、その一言がこちらにも刺さりました。
冷たく厳しい言葉であると同時に、物語の根幹を為す一言であり、ちょうどここで物語の半分なんだな、と分かる見事な区切りっぷり。
主人公が終始浮いたり沈んだりかき乱されている様子もよかったです。
表題作のお話は本の3分の2くらいで、残りの3分の1は続編であり視点変えの「勝てない相手」というお話でした。
こちらは、惚れた方が負けなんだなとよく分かるお話で、攻めの男がもう切られるんじゃないかと心配しているのが可愛かったです。ベタ甘でよかった。
執着とまでは行かないと思うけど、そういう独占欲とかをむき出しにされるのは、読む方は楽しいですね。

0

リーマンものの完全メシがここにあります

はーーー…大変良質で栄養価の高いリーマン萌えが詰まっていました。おいしかったです。
なぜもっと早く読まなかったのかと、最高の読後感に包まれながらこのレビューを書いています。
その辺に居そうで居ないごくごく普通のサラリーマンの恋って本当に最高ですよね。

適度に仕事が出来て、適度に手を抜いて卒なく立ち回り、適度にちっちゃなプライドがある南。
少しでも人よりも優位に立っていたそうな感じがするというかなんというか、自分よりも出来る新たな同僚・向居に対してしょうもない嫉妬心を見せるちょっぴり幼稚な憎めない姿を生暖かく追っていたのです。
こんな人と仕事が出来たのなら楽だろうなと思えるほど、効率よく円滑かつ丁寧な仕事ぶりに細やかな気配りまで当たり前のように嫌味なく出来てしまう向居という人。
彼はどうも南に対して気がありそうで…?と、自身への好意を感じ取った南は試し行動のようなものをし始めるわけです。それもまたイライラしない絶妙な塩梅の試し行動なんですよね。
女に嫌われるタイプの上手い女のやり口みたいだなと感じるところもありつつ、やはりこういう甘ちゃんな部分がある男はぴょんと伸びた鼻がポキっと折れた瞬間がすごくおいしいじゃないですか。
なので、どう見ても南に好意を持っているのが分かる向居がどう動いてくれるのかを私は楽しみにしていたんです。

いやもう、76Pで一気に持って行かれました。
これですこれ!向居の本音が予想を上回る気持ち良さで両手を挙げました。安西先生ありがとうございます。
そして、ここから流れるようにどんどんと展開が面白くなっていくではありませんか…!
南の仕事への意識の変化も向居への恋愛感情が募る様も本当に良くて、大人の成長ものとしても男同士の恋愛ものとしてもすごく楽しめました。ああー、わくわくした。好きです。

前半が受け視点とくれば、あの時攻めはどう思っていたのかが分かる攻め視点も読みたいなあなんてわがままな気持ちも後半で叶えてくれる親切設計がうれしい。
南のことが好きで好きで仕方がない向居視点がなんだか妙にかわいらしくてたまりません。
自分のことをSっ気があると言っていた人はどこへ?というくらい尽くしまくる溺愛系健気攻め。それにプラスして若干拗らせているのも人間くさくてすごく良かった。
ゲイとノンケの恋愛意識の差にも触れていたりと、向居の複雑な心情がぐるぐるしている中、前半で成長した南が後半でさらっと良い彼氏力を見せてくるのもずるいんです。
たった2文字の一言が大の大人をこんなにかわいくて初心にさせてしまうのかと思うと…2人ともかわいいやらなんやらでこんなの萌えざるを得ません。最高のカップルでした。

破れ鍋に綴じ蓋なんて言葉がぴったりな2人が心地良く、終始楽しくきっちり萌えさせてくれる良質なリーマンものが読めてうれしいです。
前半後半で攻め受けどちらも印象が変化していくのがあとを引く面白さでした。
スピンオフもあるようなので、余韻に浸りつつそちらも追いかけたいと思います。

1

気の強い美人受けってたまらない。

実は自分にとって初めて読んだBL小説が、こちら。
そして見事に沼落ち。今では小説を漁って読む人になってしまいました。

大好きで何度も読み返している作品です。
最近出たスピンオフの『隣の男』も読みましたが、個人的には断然こっちが好みです。

…なんでかな?どっちも美人受けが主人公なのにな…

多分、こちらの作品の方が受けの千裕の精神的な成長が描かれているから、な気がします。

自分より「できる男」に嫉妬していたら、その「できる男」が自分を熱い視線で見つめていることに気付き、優越感を抱く…

いわゆる”王道”の展開、ストーリーなんですが。
ストーリー運びが滑らかで、どうなってくの?というドキドキ感もあって、全く退屈する暇なく読み切れちゃいます。

攻めの向居が、できる男なのに恋をすると相手に甘〜くなったり、不安になったりする描写が刺さりました。
(千裕から手渡された資料に付いた付箋を、溜めてとっておくんですよ…できる攻め様なのに、可愛過ぎて悶えました。執着する一面も感じられ、いとよろし)、

そしてなんといっても、二人が初めて体を重ねる時の描写の官能的なこと…。

いきなり最後までは…と我慢する向居に対して千裕が放った一言。

究極にシンプルで、大好きな人にぶつけられたら、この上なく嬉しいであろう言葉。

何度も読み返して反芻しては、たまらない気持ちになります。

作者様があとがきで書かれている、「最近は現代を舞台にした普通のBLが減っている」という内容のお言葉。たしかに…

そんな”普通のBL”の供給不足に悶々としている方に、ぜひご一読いただきたい作品です。

4

対抗意識が恋に変わる 心理描写が面白い

新書館から「嫌いな男」スピンオフ・・「隣の男」が出るので再読

精神的に未熟な南は向井に勝てっこない。
突然退職した向井と仕事で再会 過去の行動を謝る場面から始まる、30代の恋
 

●㈱NITTA:制御機器トップメーカー 堅実でリスクを嫌う社風 
・・販促担当は、南と向井 二人きり

南 千裕:商品開発部販促担当 「美味しいとこだけ要領よく拾って 人生楽勝」
初対面で向井に負けを自覚・・「余りにも有能」
女子から「向井ゲイ疑惑」を聞き、動揺 
勝つために手段を択ばない幼稚な敗けず嫌いで部署を乱す前に、異動を決意
向井退社で心に穴・・


向井真也:キャリア採用 
S級逸材 ・・ R大在学中、SNS特化マーケを起業、E&Fに売却 売却資金で米留 
全体がお洒落で清潔な色気 押しが強そうでいて物腰ソフト 嫌味が無い 
仕事で南と圧倒的な差  南の様子を「可愛い」と表現  突然、退社 

0

よかった!おかわり!

タイトルからケンカップル系かな?と思いましたがレビューをみるとそうでもなさそうで購入。

結果とてもよかったんですけど、物語が簡潔明瞭というか特にこれといった何かがあるわけでなく綺麗にまとまって終わりってかんじでした

受けはノンケだけど同性を好いてるってことに気づいてからの切り替えが早くてもう少し気持ちの葛藤とかなかったのかな、と
攻めが不安になるのがわかるくらいすんなり受け入れられてたのが少し引っかかりました
ただ昨今様々なジェンダーがあるので千裕君は好きになった人が好きなタイプですんなりいけたのかな?と。ノンケと縛らずそうゆう気があったとゆうことにして読むと納得はいきました。
攻めはノンケと付き合うに当たっての不安だったり、接し方だったりがリアルでよかったし、ベタ惚れで完敗してるとこもよかった〜

よかったんですけど、なんだか足りなかったです
続編あったら面白そう

0

まさしく王道のサラリーマンラブ

ちょっとイケてる、手を抜いてもそれなりに成果を出して、見た目もいい男、、、、
そんな千裕が中途で入ってきた出来る男、真也に嫉妬を覚えたり負けを感じたりしながら、なぜか惹かれてしまったお話です。

惹かれるきっかけは、真也がゲイで、自分のことを「好き」だと知ったから。
男女間でも、一定の関係の中で、ふと相手からの恋愛感情を意識してしまった場合、鏡の法則で気になってきたり…というのはあると思うんですが、それに近いのかな。お話の中では、過去の学生時代の友人の話とかも出て来ますが、やはりイイ男が自分を好き、と言うことを意識して、自分も気になってきちゃったんではないかなと買い思っちゃいました。
さらにエッセンスとしての伊崎!彼がいてこその告白だったんじゃないかな。
彼にも幸せになってほしいです。

でもって、想いが通じてからの真也は、千裕を甘やかしまくってくれます(笑)
側から見てると、もうニマニマしちゃう。
でも、千裕は等身大で付き合いたいんですよね。
ラーメン屋や気軽なデートをしたい。
そんなささやかなすれ違いも、ちゃんと話をすることで(いきなりの「別れたくない」宣言はビックリだったろうけど)上手くやっていけそうな二人でした。

苦手や地雷の人もいるかもですが、この際、リアルなとこだと千裕攻め、もアリだよなぁて思っちゃいました。そのくらい千裕ってフラットというか、好きならイイじゃん、的で、どうしても人目を気にすることの多かった真也の心を掴んじゃったんだろうな。貴重な、ホントに自慢の彼氏ですね。

あとがきに書かれていましたが「現代のごく普通のBL小説が減っている」というお話は、本当にそうかも知れません。私の好みがそうだからかもですが、やはりド・ファンタジーよりも、身近なお話の方が好きだから、今回のお話はストライクゾーンのど真ん中でありました。

2

惚れた方が負け


ゲイ×ノンケ

表題作と書き下ろし「勝てない相手」の2編。
あらすじは他の方が詳しく書いてくださっているので感想だけ。

今まで要領よくやってきた千裕(受け)が明らかに実力が上の同僚・向居(攻め)が入ってきて、居心地の良かった居場所をすっかりとられてしまいやる気が失せてしまうのも、
向居が自分に気があり自分に甘いことに気が付き調子に乗っしまうのを、昔同じようなことをされていた友人を思い出すことで、相手に敵わないと思っているからこその行動だと自分でも分析していましたが、なんかわかるような気がします。
でも、結局その驕りが大失敗を招き、向居が責任を取ることになってしまいます。
向居は最後っ屁とばかりに普通なら思っててもいわない千裕の悪いところを貶めるように言い放って退職してしまうのですが、結局自分の首を絞めることになるのですから、悪いことはできないものですよね。
千裕はショックを受けますが、それをバネにまじめに職務につくようになり、元々ポテンシャルは高かったため優秀な人材となっていき、反対に向居は千裕を傷つけようと放った自分の言葉に後悔しきりで余計に千尋が忘れられなくなってしまうのですから、わからないものです。
再会してからは2人とも大人でちゃんとクライアントとして冷静に接していて、これちゃんとくっつくのかしらとちょっと不安に思うくらいでしたが、今度は千裕が頑張りました。


表題作は千裕視点で、書き下ろしは向居視点です。
向居視点では、ノンケばかり好きになってしまうため最後にはうまくいかなくなることの繰り返しを自嘲し、絶対無理だと思ってた好みど真ん中の千裕と付き合えることを喜ぶ反面、いつ千裕が我に返って振られてしまうかと心配してばかりの向居がなんとも気の毒になりました。千裕にまーったくそんな気ないのに。
女性がいいと言われたらいつでも身を引くつもりと言いながら、そうならないよう千裕を甘やかす向居に対し、遠慮なく甘えながらもそれに溺れず、向居が無理しないで一緒に肩を並べて歩こうと言える千裕は男前でした。


先のレビューで千裕も向居もそれぞれ好きになれないというのを見ていたのでどんな感じか恐々として読みはじめましたが、私のはどちらの気持ちもわかるなと思って読みましたし、とても楽しかった。ただ、仕事で大失敗するところだけは読んでいてお腹の辺りが冷たくなる感じがしてつらかった。

そして、向居以上に気の毒な向居の同僚兼友人の伊崎の今後が気になりました。スピンオフ出ませんかね。彼にも幸せになってほしい。

3

受けを甘やかす攻めが好き

とても良かった。
プライドが高くて負けず嫌いでちょっと性格の悪い受けと、キャリア採用で中途入社してきたデキる後輩(同い年)攻め。
序盤の、攻めがいけ好かない受けと、受けに片思いしている攻めの温度差が面白かった。
そして攻めの気持ちに気付いて優越感から調子に乗っていく受けと、そんな受けを甘やかすのが満更でもない攻めのギリギリの会話もスリルがあって面白かった。受けがくれた付箋メモを保管しているシーンが特に好き。

受けは確かに性格に難があるけど、そんな自分の幼稚さを自覚しているので「馬鹿だなあ」と思いつつもストレスなく読める。甘え上手で人に愛されて尽くされることにも慣れているので、好きな人には世話焼きでわがままを聞きたいタイプの攻めと相性バッチリなのも良かった。

後半は攻め視点の話で、ノンケは最後に女の方へ行くのが世の理だと思ってて拗らせてる。どうせ一時的な関係ならその時間をできるだけ引き伸ばして最大限楽しみたいと受けに気を使いまくって空回りしちゃう。ちょっとでも男と付き合うデメリットに気付かれたくなくて周りの目とかを気にしてる攻めの隣で、受けはのんびり構えてるのが対称的で面白かった。

3

性格悪くないと思う。

安西さんの作品は、自分の中で神かそうじゃないか、結構はっきりと分かれがち。

この作品は

(1)性格悪い受けらしいけど、許容範囲かどうか。
(2)受けがノンケなのに、男相手(しかも嫌いな男)に「抱かれることを許す」ようになるというBLファンタジーを、どれだけ違和感なく読めるか。

という二点が不安だったのでスルーするつもりだったのに、発売から3ヶ月ちかく経ってもまだランキング上位にあるじゃないですか。
なんか気になってしまい、ついに購入。

読んでみた感想としては

(1)の性格悪い点については、全然許容範囲でした。
大なり小なり人間ってこんなもんでしょーと。
本当に性格悪い人なら「新卒カードで〜」と言われた時に、逆ギレすると思うんですよね。
おまけに潔く負けを認めてきっぱり謝るとか、そうそうできるもんじゃないと思うので、特に性格悪いとは思いませんでした。

(2)受けがノンケなのに〜という点。
彼女途切れた事がないけど、初恋はまだで本気で好きになった事がなくて、向居が初めて好きになった人というBLあるあるだったので、あーこのパターンかぁと思ってスルーできました。
そもそも男と付き合える時点で、私はノンケではないと思うんですよね。
潜在的にバイだったのが開花しただけと思う。

それよりも気になったのは向居の好み。
「自分には見向きもしないストレートの美形がタイプで、そんな男を口説き落としてものにするのは、狩りと同じ面白さと快感があって」「異性愛者の男を組み敷いて、抱かれる側になったんだと思い知らせるのが向居の好きなシチュ」とのことだけど……。

難儀な男だし、趣味悪すぎ。
私は千裕よりも向居のほうに拗れて歪んだ何かを感じてしまって、いまいち萌えられなかった。

それに、そもそも「男に掘られる事を許すストレートの美形が多数存在する」そんな世界はどこにあるんだろ??と。
向居がいくら美形とはいえ……
「あの向居さんになら抱かれてもいいです〜」という信奉者じゃなくて「自分には見向きもしないストレートの美形」でしょ。。。。

受けがノンケなのに〜という点はスルーできたけど、向居のノンケ堕としが違和感ありまくりでBLファンタジーだなぁって思ってしまいました。
そこが残念……
そんな設定いらなかったです。


リーマン同士のお仕事描写はとってもいいし、大好きです。
萌萌か萌かで迷いましたが、読み返す可能性が低いので萌です。

4

ケンカップルかと思ったら純愛でした

ハイスペックで仕事できる攻めと勝手にライバル視して喧嘩腰で競う受けが、いつしかお互いの存在に別の思いを自覚していくというような展開を期待して手に取りました。

タイトルのイメージから、男たちがケンカしながら結局くっつまでのあれこれを楽しむのかなと思いましたが、全然違って甘い純愛もの系でした。

イラストは個人的にちょっと残念でした。
北沢きょうさんの絵は好きなのですがお話のイメージに合わないような気がします。
また、作中にある説明とイラストが一致してないのが気になって違和感がありました。

1

お話も設定もとても好きなのですが

攻めに受けの経験があります。
攻めに受けの経験のある設定が本当に苦手なので、同じような方の参考になればと…(細かな描写はでてきません)
自分のリサーチ力が足りなかったせいでこの評価になってしまって申し訳ないです。

13

硬派×あざとい♡

私は性格の悪い受けが好きなのですが、それを知ってくれている友人に紹介されたのがこの作品です。

普段は余り試し読みをせず買うのですが、あらすじの段階でとても気になってしまい試し読みをしましたことろ、何だこれ!面白いぞ!!と胸がときめいてしまい紙本をネットで購入。でも、その1時間後、いやだめた。もうこれは今読みたすぎる。我慢できない。もうだめだ!と深夜から項垂れてしまい明日も仕事だと言うのに電子で購入し夜更かし。笑

私は去年くらいからちょこちょこBL小説を読み始めているんですがBL小説って私の肌感ファンタジーが多いんですよね。ファンタジーが悪いとかそう言うことではないんですけど、小学生から成人になるまで読んできた作品ってほぼ現代日本の日常を切りとったものなのでやっぱり日常もののリーマン同士は馴染みがあってスルッと入ってきました。

受けキャラの南は要領がよく、実はプライドが高いけど素の性格は出さずにそつなくこなす会社員。一方の向井はまさに有能で仕事もプライベートもデキる男というタイプ。
そんな向井のスペックに劣等感を感じていた南がある日、向井が自分の事を好きだと言うことをわかってしまい、抱いていた劣等感が優越感に変わり、惚れた弱みをつついてやりすぎない程度に弄びます。

ここも正にオフィスラブの良さが出ていて良かったです。でもその後その仇がでてきてしまい向井は南と一緒に働いていた会社を辞職して2人は離れ離れになるんですけどね、、、。
でも大丈夫。その2年後ふたりは別会社の仕事相手として再開します。

ここも向井が辞職したプロジェクトに非があるのは自分だと思った南が仕事面の姿勢を入れかえ熱心に仕事に取り組むようになったのも読者として感動的でした。南の努力が向井のひとことで報われるシーンは目頭熱くなるので是非見てみてほしいです。


凄い長文だしまとまりないんですが、終わり方的にこれって続く感じですよね?
え?ここでおわるの?というとこでおわったので、、笑
話の流れ的に向井の親友兼ビジネスパートナーである伊崎が主人公のスピンオフとか今後できるんじゃないかなあ?と期待の予想をしています。


とても面白かったです。

10

主人公への共感の辛さを乗り越えると…!

一気読みでした!
前半まではあとがきにあるような、または向井が言ったような、千裕の人としての浅さ器の小ささ性格の悪さに読んでてソワソワしました。そんなことしてて大丈夫?痛い目みるよ〜!って。

そもそも同い年の出来る後輩がやってきて、めきめき頭角を表しすっかりリーダーになられるって、めちゃんこ共感しまくりで辛かったです。そこでやる気を無くして早々にリングを下りて…。

同い年でこんなけ差がついてて。でも千裕が手を抜いてきた結果ですもんね。

向井の退職の時の言動や千裕が自分の行いを反省するところドキドキしました。

そして向井を忘れられないまま、千裕は成長して後輩も育てていたところに二人は再会し…。

やっと向井に恥ずかしくない仕事が出来て良かったね!そして初めてこんなに誰かのことを好きになって。

まさか向井が!!
真摯に向き合って良かったね!

勝てない相手
向井視点なのですがまるで別人で。ゲイゆえか卑屈で悲観的で。
なにより向井を通して見える千裕がなんて魅力的なのか!
日向を歩いてきたマジョリティかあ。
こちらは本編の姑息さや性格の悪さ、腹の探り合いなどが嘘のようなお話でした。

前半で千裕にわかり味しかない!共感しようがしまいがこんな性格の悪い主人公でBLなんて珍しいなあと。しかし後半はすっかりみずみずしいBLに切り替わって、さすがです!

4

現代日本社会BLファンタジー

最高でした!

異世界でもなく歴史物でもなく未来ものでもない異能ものでもない
現代日本を舞台にしたお話しを書き続けてくださる安西先生の存在は本当に貴重で尊いんだと改めて思いますし
そんな作品を求めてる自分を改めて感じました
もしかしてこの二人が机を並べてる隣にいたら?隣のビルにいたら?と思える存在として描いてくださるのは本当に嬉しいものです
ただこんなイケメン私のそばにはいませんが…

同性だから仕事を前にするとライバルで男としての度量の差に苦しんで
同性だから恋を前にすると多数派じゃないから苦しむ
片方が苦しんでいる人に対して片方はそれを軽やかに飛び越えているあるいはそれを楽しんでいる
その相手方の導きによって自分の中のコンプレックスを乗り越えていく
二人がそれぞれの苦しみから一歩踏み出すまでが気持ち良く描かれていて二人とも本当にいい男だなと思いました



BLはファンタジーだからこそ伊崎さんにも幸せになってほしいです

9

受け攻めどちらが嫌いなタイプ?

リーマンもの、大好物です。カップリングもよかったなぁ。ということで、わたしは受け攻めどちらも好きでした。

南の職場に新しく配置された向居は、南と同い年でSランクの中途採用。

生え抜きの南が保守的な社風のせいにして見て見ぬふりをしていた慣例を向居は難なく打ち破り、仕事の効率化を実現していきます。

そこそこやる気があるのなら、同僚や連携相手の能力を意識してしまうのは自然なことです。その自意識をどう使うかはそれぞれだとしても…

要領がよくて器用貧乏な南は、向居の欠点を見つけて貶めることで無意識にプライドを保とうとします。幸か不幸か向居が自分に気があるらしいと勘づいた南。彼に甘えても多めに見てくれるのがわかると、優越感を覚えて増長していきます。

そこで南はなぜか、中学時代の友人が好きだった女の子から受けた仕打ちを思い出すんです。自分のしていることは友人を弄んだ女子と同じだ、と。南はアホじゃないんですよ笑

結局、南のミスをカバーできなかった向居は、南に本音をぶつけて退職してしまいます。残された南は責任感が欠如していたことを自覚し、向居による自分の評価を受けとめて反省。とともに、向居の仕事に対する姿勢に影響を受け、意識が変わっていくのです。 

こういうところがリーマンものの素敵なところ。仕事仲間に敬意を抱けるって、男同士だからこそより尊く感じられるんですよね〜。

南はめちゃめちゃ等身大で、個人的には性格が悪いとは思いませんでした。自分の非を認めてきちんと謝罪できるし、向居に抱いた気持ちを素直に伝えられる。必要以上に飾らない、ある意味正直な人だと感じました。

後半の向居視点では、向居がセクシュアリティによって繊細になっている部分を、今度は南が華麗にスルーしていきます。恋人と一緒にいる時間を無心に楽しんでいる南が、向居にとっては男前で眩しい…。ゲイとノンケの溝は確かに存在するかもしれないけれど、それにタチとネコの譲れない一線も存在するけれど…、全然こだわらない南に向居はますます撃ち抜かれてしまいます。

お互い惚れてしまった部分は異なりますが、特に南の方がしっかりと恋情を意識してから向居と対等に渡り合い、結ばれるまでがキュンキュン。

ダメな女王様をグズグズに甘やかしたい攻めなので、これは完璧に攻めの♡が重いカプだ…。南を抱きつつ、心は南に抱かれてますね向居は笑

伊崎はスピンキャラ濃厚なので、期待してしまいます。あんなに綺麗で有能な人を惚れさせている男は誰や〜!めちゃくちゃ気になります!

11

話に引き込まれました

高評価に納得。面白かったです。最初はお仕事BLというより、お仕事トレンディードラマという感じでラブがなく、前半は受けの千裕目線。仕事の内容にも詳しく触れていて、出来る同僚・向居(実はキャリア採用だったので収入も実力もレベル違い)の登場に焦る千裕が、本人が思い上がっていたとはいえ、精神的に色々打ちのめされるのが、ヒリヒリと痛いお話です。

優秀すぎる向居のいる職場から、いじけて逃げ出そうとする千裕。大人げないけど、凡人としてその心境もわかる気がする。仕事では敵わない向居が実はゲイで自分に気があるとわかって調子に乗る千裕…しかしそんな様子は向居にはお見通しで仕事で酷い失敗をした直後に厳しい暴言を吐かれ、向居の手の平で転がされていた事に気づく。

受けも攻めもなんとなく嫌な奴だった前半。でも特に向居の千裕に対する暴言が酷すぎて許せなかったのが、神評価にしなかった理由です。いくら本当の事だとしても人への言動で超えてはいけないラインってあると思う。ましてや好きだった人に向かってのアレ。あなたの好きって何?と向居に問いたい。

ハッピーエンド後の後半の話は向居目線で前半では仕事の出来なかった千裕も心を入れ替え出来る男に変わって、向居も後半では心情を吐露して、いい人っぽく生まれ変わったようですが、執念深い私は前半での暴言を許しません(笑)。あんな男を好きになる千裕って変わり者なのか器が小さいというより大きすぎるんじゃないか。

最近では少なくなった現代リーマン物を書いてくれる作家には感謝しかありませんが、その中でもちょっと風変わりで楽しめた作品でした。イラストも美しかった伊崎、スピンオフがありそうな雰囲気大です。

11

ジレジレを堪能できました

相手を勝手にライバル認定して最初は嫌いだったのに離れてから好きになる+傷つけた相手を忘れられなくてつい執着してしまう=最高!という話です。

あらすじにある通り甘く切ない大人の恋です。ざっくり二部構成になっていて、後半が特に面白いです。南があるきっかけを境にどんどん男前になっていきます。それがすごくいい。ぐいぐい感情移入させられました。受けの告白シーンも(くっつくって分かっているのに)つい「よく頑張った!」って言いながらウルウルしてました。
向井のほうもいろいろ拗らせているんですが、南に対する必死さが感じられて微笑ましくて仕方なかったです。
二人を壁になって見守りたくなる作品でした。

9

ツンツンからの‥♡

今回もすごく面白かった。大きな挫折もなく順調に人生を歩んできた千裕の、向居に出会ってからの挫折や成長、そして心の動きに揺さぶられました。
後半なんて向居は自分の為に予防線を張ってただけだけど、千裕の気持ちを思うと胸が痛くて痛くて。それでも前を向く千裕がかっこよかったです。すごく好きだったのが向居のターン「勝てない相手」。完璧な向居を可愛く感じました。
あとがきに安西先生の現代BLの考察が少しだけあり納得。安西先生は自分に厳しい方だと感じるけど、私は安西先生の書く現代BLに胸を掴まれる面白さで大好きです。

15

嫌いな男が好きな男になる( ˆωˆ )

雑誌掲載時に好きだなぁ、と思っていたので、文庫になるのを楽しみに待ってましたヽ(*^^*)ノ

受け様は、1人しかいない促販で、マイペースに要領よく仕事をしてきた南。
そこへキャリア採用されて同僚となったのが、攻め様である向居。

自分より見た目も能力も上等なのに、ゲイであり、もしかして自分の事が好きなのかも。

優越感を抱く南に、最初こそいけ好かない感もあったのですが。

仕事のミスの責任を取る形で辞める向居から、南は別れる際仕返しのようでありながらも、情熱的なキスをされる。
ここで「俺は謝る」と言った南の素直さと潔さに、向居同様ハッとさせられました。

ここから仕事に対するスタンスが変わる南の成長と、向居に再会してから育っていった恋情。

めっちゃ萌えてきゅんきゅんでした(*´ω`*)


雑誌掲載編は南視点で、書き下ろしはもちろん向居視点。
このカタチ、大好物ヽ(*^^*)ノ

向居の、ビックリする位の必死さですよ。
Sっ気のあるスマートな攻め様なのかと思っていたら、意外に健気。
もちろん南の事を大事に想い甘やかしてて、その溺愛さは嬉しいのだけど、その根底には不安があったなんて。
そんなの、南に失礼だよ~。
だもんで、南の誠実で男気のある彼氏力に、にまにまでした(*´꒳`*)


向居の友人の伊崎。
苦しい恋をしている彼のスピンオフも読んでみたいです。

イラストは北沢きょう先生。
リーマン姿の表紙を捲ったら、肌色率100%の口絵( ≖ᴗ≖​)
うふふ~( *´艸`)✧

20

読み進めて行くと評価がガラッと変わります

やはり安西リカ先生は上手いなぁと思ってしまいました。
表題作は千裕視点で進んで行くので、中盤までは千裕を何て嫌なヤツなんだろうって思ってしまうんですよ。

勝手に向井にライバル意識を持つし、プライドだけは高くて小狡くて、それでいて好かれていると分かった途端に優越感を抱く…。
これで仕事も一生懸命ならば救いようもあるんですが、移動希望を出して叶いそうになった途端に適当になるんです。
そんなんだから取り返しのつかない失敗をしてしまって…となります。

コレ、向井以外は誰も知らなくて向井が責任を取る形で退職してしまいます。
そして向井が退職してからが俄然面白くなって行きます。

辞める時に向井が千裕に取った言動や行動、千裕が向井に対して放った言葉がお互いを忘れる事の出来ない存在にするんです。


向井の言葉で真剣に仕事に向き合うようになって、それなりに千裕が仕事の成果を上げて行くのにワクワクしました。人間として真っ当になった千裕に好感を持つようになって行きます。
そんなタイミングで仕事を通して向井と再会するのですが…。
ここからの千裕の気持ちが切なくて、扉絵があるから大丈夫だと思ってたところに千裕の夢のシーンがあったりして、上手い演出だなぁと感心してしまいました。

向井視点の「勝てない相手」では、向井がどんなタイプが好きなのかが書かれていて、千裕が向井にとってどれだけ魅力的なのかが書いてありました。ちょっと情けない向井と自然体で愛情深くて可愛いらしい千裕が魅力的なお話になってました。

向井の友人の伊崎のスピンオフも是非お願いいたします。

8

リーマン

安西先生だしきょう先生だからマストバイ。ある部分が「つらっ」となってしまって、萌えるんだけどその部分は読み返したくないとなってしまったので、萌2よりの萌にしました。社会人、誰でも一度は思い返すのも辛い失敗ってあると思うのです。そんな事を最近やらかしてしまった方はご注意いただいた方がいいかも。雑誌掲載分150P弱+その続き70Pほど+あとがき。

メーカーの商品開発部で一人販促担当している千裕。中途採用で入社してきた同じ年の向居が優秀なので、ちょっとライバル心を持っています。社内で気になっていた女子も向居の方を向くようになってしまって・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
秦(一緒に仕事するプロモーション会社の担当)、七瀬(会社の♀)、伊崎(攻めの転職先の社長)、越智(受けの後輩)ぐらいかな。伊崎が気になるんですよね。スピンオフでないかな。

++攻め受けについて

受けがきゃんきゃん子犬ちゃん+器用貧乏?な印象。そこそこやっていたんですけど、優秀な攻めが来たもんだから、勝ち目無いわと仕事では逃げ腰。(わかるわー)でもそこから頑張って成長して、と頑張るところもある方なんですよね。

攻めは異性愛者を好きになることが多くてなかなか上手くいかないイケメン&S傾向あり&げろ甘溺愛囲いこみタイプと感じます。

攻め受けとも、めっちゃ珍しいキャラというのではないんですけど、仕事で、受けが大失敗やらかすシーンがあってですね。そこがもう胃酸がどわーって出て胸がきゅーって痛くなってしまうんです。うう。お仕事失敗はつらい。よくそこから這いあがったよなあ、えらいわ受け。

後半のお話の方では受けが男前なところを見せて、好感度爆上がり。攻めはもう受け大事大事で溺愛しまくっているので、読後感はさわやか~でした!

後半のお話はとても好きだったんですけど、前半のお仕事話が辛かったのが個人的に強烈だった一冊でした。社会人の皆様、頑張りましょう。

12

ライバル意識は恋のはじまり

めちゃくちゃハマりました。
三度の飯より大好きな”現代日本のリーマンもの”沼の民なのですが、最近ちょっと干上がりそうになっていたところを救済いただいたので、”神”です。

つか、これ小説D+掲載時も、めちゃくちゃ好きなんですけど!!!って思ってたので、待望の文庫化でした。もう書き下ろしの攻視点でさらに燃料追加されてて、読み終わるのがもったいないような気分で堪能させていただきました。

たぶんこれホントにキャラクター設定でハマるハマらない二分するんだろうなとは思ったんですけど、私はこういう、ちょっと性格に難アリな人達が大好きなのです。一見普通の人のえげつないくらいの欲望にゾクゾクしてしまうんですよねw。だから、南が、自分の天下だった職場に有能な向居が闖入してきて、”うぜー”と思いながら意識しまくって、その男がゲイで自分のことを好きとわかって、圧倒的な優越感にひたって翻弄してやるっていう姑息さが、たまらん!って思ってしまいました。その見え透いた姑息さすら可愛く思う向居のSっ気もまた然り…!そして、新卒カードで大企業に囲われる凡人・南は、会社員の上位互換でベンチャー気質な男・向居に”ぎゃふん”って言わされてしまう前半の顛末……が、その印象を徐々に覆していく後半に描かれる向居の心理描写の巧さは!さすがの安西先生!ぃよっ!!て心の大向こうが感嘆の声をあげてしまうくらい素晴らしかったです。

南が真性ゲイ・向居の超好みだったというところは全方位アドバンテージだとしても、やはり現代社会の男同士、一方はノンケってゆーシチュでなんでフォーリンラブするかというところに、互いの仕事に対してのリスペクトとか、それぞれの性格とか思考パターンがハマる背景っていうのが過不足なく説明されていて、そりゃファンタジーって言われるかもしれないけど、こういう互いの人生にプラスに働くような仕事の葛藤も絡めた恋愛関係があってもいいんじゃないのかな~と思わせる、現代日本舞台のBLの伸びしろを感じさせる作品だと思いました(希望的観測ですw)。

安西先生のシンプルな言葉で感情の高まりを表現する台詞がとても好きでした。「すごく、すごくすごく嬉しい」とか「大事にします」とかね。盛り上がる場面をぐっと引き立てるシンプルフレーズ。そうだよ、人間コーフンしてるときほど、語彙力貧困になるもんだよと説得力あるんですよね。あとそれぞれの何気ないクセ(ある状況で瞬きするとか、頬をこするとか)が会話にプラスで効いてるんですよね。この二人は出来上がってからの糖度がとにかく高くてニヤけが止まりませんでした。

次は、向居の盟友・伊崎の切ないラブでお願いしたいです!

(甘々の書き下ろしペーパーは将来的な同棲を匂わせるエピでしたが、そこは南から提案すればいいのに、経済的格差がネックなのかしら?と考えすぎてしまいました。)

18

嫌いが好きになるまで

今回はキャリア採用社員と
同僚となる販促担当者のお話です。

受視点で出会いから再会を経て恋が実るまでと
攻視点で恋人になった2人の続編を収録。

受様は新卒で就職したメーカーは
堅実な優良企業ながらも体質は古く
長く一般向け商品製造は受託に徹してきます。

しかし他社納入した防犯関連商品がヒットし
自社ブランドの新規事業が立ち上がる事となり
プロモーション会社との連絡役だった受様が
販促担当となります。

何もかもが初めて手探りな業務故に
受様はのんびりと仕事をしてきました。
そんな受様を変えたのが増員されてきた
キャリア採用入社の攻様でした。

負けず嫌いな受様は競争意識が湧きますが
受様を先輩として立て友好的に接してきて
受様はうまくやっていけそうだと思いますが

プロモーション会社の担当者によって
攻様は学生社長として名を馳せたほどの男で
敵に回すとえげつない噂を知ることとなります。

攻様の仕事ぶりは予想以上で
受様も表面上は助かっている態度をとりつつも
内心穏やかではありません。

しかも
受様が恋人未満の関係を続けてきた女性社員が
攻様への乗り換える態度をとられて
攻様が煙たい存在になっていきます。

受様が異動願いを出した矢先に
攻様が自分に好意を持っている事を
革新する事態に遭遇する事となり
受様は優越感を抱いていきます。

そしてそれが受様の仕事に影響していき・・・

雑誌掲載のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
順風蔓延な人生を送っていた受様と
中途採用者として入社してきた攻様との恋物語です♪

今までに大きな挫折も味わった事のない受様は
欲も悪くも仕事に恵まれていたために
自身の能力を過大評価しています。

対する攻様は起業したり留学や転職で常に
スキルアップを果している男で彼にとって受様は
対等な同僚ではないのです。

しかしながらゲイな攻様は
受様のような矜持持ちのノンケ男を
屈服させて押し倒したい性癖の持ち主で
受様はモロ好みの男だったのです。

攻様は自分の恋が実るはずもないと思っていて
受様の失態を己の退職で引き受けて去っていきます。

こんな2人がどうやったら恋仲になるのかと
ワクワクしながら読み続けたのですが

積み重ねられていく日常の中で変わっていくモノ、
変らないモノが丁寧に描かれていき
受様の恋が実るまで楽しく読ませて頂きました。

ただ受様が徐々に変わっていく様子を追う事で
再会した攻様との関係が変わっていくのは
納得できるものの、

失礼ながら受様同様
こんな受様のどこが良かったのかなぁ!?
って思ったのですよね (^-^A

今回続編で攻視点を読んでみて
攻様側の事情や性格の悪さが見えて初めて
互いの凸凹があった2人だったのだな
って納得できました。

出版社ペーパーまで読むとさらに
満足感がますのでご検討されている方は
ぜひ特典が付くうちの購入をお勧めします。

10

リスタートからの恋

仕事のできるカッコいいゲイ×ちょっとプライド高めなノンケのお仕事BL。
良かったです。

千裕の職場にキャリア入社して同僚となった向居。
仕事が出来てかっこよくて、何もかも自分より上な向居に嫉妬する千裕。
一緒に仕事をする中で、向居が自分を好きなのだと自覚していきます。

向居が自分を好きと気付いてからの千裕は性格悪めです。
ですが、そのことを自覚して自分自身に戸惑いながら劣等感と優越感に勝てない千裕を、何だか憎めなかったです。
ホントに悪い人ってそういう感情にすら気付かないと思うので、、、。
そのことでちゃんと頭打って反省して心を入れ替えて仕事に取り組むところまで成長できた千裕、すごく好きです。

そして、千裕が成長してから始まる向居との恋がすごく良かった。
千裕の気持ちの揺れや、向居にどのように惹かれていっているのかが分かりやすかったです。
切ないけど、読んでいてドキドキしました。

後半の『勝てない相手』は向居目線で、千裕と付合ってからのお話でした。
読んでいて終始ニヤニヤしっぱなしでした。
向居目線だからか、千裕が可愛い恋人になっていて微笑ましいカップルでした。
溺愛彼氏の向居。千裕が羨ましいです。

でも、ただあまいエピソードという訳ではなく
ゲイである向居がノンケの千裕と付き合う事の悩みもしっかり描かれています。
それを吹き飛ばす千裕もいい彼氏。
このカップルすごく好きです。2人のこれからも見てみたくなりました。

12

後半部分からが面白い!

久しぶりに現代ものBL小説読みました。飢えていたので有難いです。
「嫌いな男」は気になっていましたが…レビュー評価がここまで二極化しているのは珍しい。レビューも丁度、神としゅみじゃない評価を付けている読者の方々で、購入時に大変参考になりました。ありがとうございます。

私の評価は「神」評価。
久しぶりの現代ものに期待とワクワク値が高かったからかも知れませんが、とても面白かったです。


こちらの作品は二部構成。
前半部分は出会い〜告白・恋人同士編(南の視点)
後半部分は恋人期編(向居の視点)

確かに前半部分ですよね〜…。
南の会社に向居がキャリア採用で中途入社してくることから始まるストーリー。

南の性格が自尊心高くて卑屈です。それでいて負けず嫌いで、自分の能力が同僚の向居に劣ると分かったら異動願い出す始末。仕事も適当な感じだから、正直なところ応援したくないキャラでした。向居が自分に好意があることを知って優越感を持ち、向居を振り回すのもいただけませんでした。

向居も向居でわざと南に自分を意識させるような行動をとったり、どこまでが向居の策略なのか腹の内がよく分からない不気味さがありました。

仕事で大きなミスをして向居が退職するまで、あんまり読んでいて楽しくはないです。南がマイナス思考というか向居にずーーっと嫉妬心丸出しで、魅力的な要素ゼロでした。向居も南のどこに惚れたのかよく分からないし。南がドストライクのタイプだそうですが。


向居の退職後から一気に話が変わります。
ここから話が面白くなってきます!!

南の仕事に取り組む姿勢が真面目で謙虚で一生懸命になってました。この振り幅!!急に好感度高い青年になってどうしたの状態です。
そして向居とまた一緒に仕事をすることになって、向居のことが好きになっている自分に気付く南。恋人いるって言ってたけど気持ちにケリをつけるため玉砕覚悟で告って、でも向居に恋人は実はいなくて、向居はずっと南のことが好きだったから仕事のオファーを受けたんだ……ですって。
急にいい感じにまとまった両思い展開にビックリしましたが、この結末を期待していたので、おお〜!!とワクワクしました。南からの告白ってのが良かったです。告白シーンの挿絵も可愛かった。

ここからは不安要素なく安心して2人のラブを堪能できます。南の卑屈さもなりを潜め、素敵キャラで描かれています。南が可愛いです〜。後半部は、南と付き合うことの不安をものすごく感じる向居の心理描写がメイン。哀れにも可愛くも感じます。前半の強気の彼はどこへやら。

後半、すっかり毒気の取れた南が本当に良くて!南の明るさだったり前向きなところが、不安になっている向居を救います。向居は溺愛攻め。南を大好きすぎてネガティブ思考な向居視点はなかなか面白かったです。恋人同士の2人のデートやエッチのシーンも良かったですよ^ ^

ダミーに使われた向居の友人・伊崎の行く末が気になりました。彼のストーリーでスピンオフあるかもと思ったり。描いて欲しいです^ ^


読後感もよく、後半部分からのストーリー展開はテンポも良かったし読んでいてとても楽しかったです!2人の心理描写が良かった。おススメです。

11

完全に好みの問題です

作家買い。
全くもって個人的な感想なのですが、安西作品はドツボに突き刺さる作品と、全く刺さらない作品のどちらか、なんですね。で、今作品はどちらだ…?と思いつつ手に取りました。





商品開発部の販促担当として働く千裕が主人公。
綺麗なビジュアルに、仕事もできる、と自負している彼だが、そこに一人の男性が転職してやってくる。なんでもかなり優秀な男らしい。そう聞いていた千裕だったが、はたしてその男・向井は仕事もできるしかなりのイケメンだった。そんな向井にライバル心を抱く千裕ではあったが、人当たりの良い向井に少しずつ心開いていくが―?

というお話。

事件も起こらないし、異世界トリップもしないし、本当にごくごく普通のリーマンの日常を描いたお話。リーマンが主人公ということでお仕事BLの側面も兼ね備えていて興味深く読みましたけれども。

いやー。
んー。
本当に申し訳ない。
全然刺さらなかった…。

向井にしろ、千裕にしろ、BLではお決まりのナイスガイ、では全然ないんですよ。歪なところとか、若干難ありな青年たち。それが、おそらく等身大っていう感じがして良いんだと思うんです。その二人の男たちが仕事で、そしてプライベートで、ぶつかり、挫折しすれ違い、でも奮闘する、という。不器用ながらも少しずつ少しずつ心を繋げていく過程が安西さんらしい温かさをもって紡がれていくストーリーで、こういうお話がお好きな方は多いだろうなあ、と。共感はできるんです。

できるんだけれども。
おそらく「千裕」という青年が好きになれなかったのが敗因かと思われます。彼の可愛さとか、ガッツのあるところとか、向井に去られた後の頑張りとか。うんうん、可愛いよね。わかる。分かりはするけど、好きじゃない…。

安西さんらしい読みやすい文体に、温かなストーリー展開。
お好きな方は沢山いらっしゃると思います。

もう、完全に好みの問題です。「しゅみじゃない」なんです、ごめんなさい。
次回作に期待。

11

感情の表現がうますぎる

あ〜〜〜めちゃくちゃ好きです。
安西先生の作品の中で上位に入るくらい好き。
攻めも受けも男らしくて好き。
イケてる男たちの嫉妬とかマウントだとかを「過剰じゃない」表現で絶妙に読ませてくれて好き。
攻めも受けも若干性格が悪かったりで、どっか足りないリアルな人間らしさが好き。


あ〜〜好きです。

今回の本編はお仕事要素強め。
書き下ろしはその分恋愛してます。
わりとBL小説の書き下ろしって、読みながら「蛇足、、、」とガッカリすることが多いんですが、安西先生の作品は書き下ろしがマジでめちゃくちゃ面白いです。いっつも面白い。
今回も真也くんの不安が切なくて、思わず泣きそうになってしまいました。
こういう描写や表現が秀逸なんだよなぁ、、、


あっ!そうそう、今回の攻めくんも見事な溺愛攻めでしたよ!
安西先生の溺愛攻めは世界一

次回作が今から楽しみです!

11

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