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表題作コメディアンブルー

福砂九介,若手芸人,24歳
北六花,若手芸人,福砂に片想い中,24歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし「板の下」
  • カバー下

あらすじ

隣に立っていてほしくて「俺も好きや」と嘘をついた


芸歴4年目の漫才コンビ・アオイ。
ツッコミの福砂とボケの六花は高校時代の同級生で、
一つ屋根の下で下積みの日々を送っている。
親友兼相方として六花のことが大好きな福砂だが、
芸人としての評価の差、賞レースで結果が出ない焦り、
そして高校時代、漫才コンビを組み続けるため
六花からの告白を受けたことに複雑な感情を抱えていた。
自分に向けられる六花の恋愛感情を利用してきた罪悪感と、
結果を出すことで頭がいっぱいになった福砂は
新人漫才賞の2回戦でネタを飛ばしてしまい――。

作品情報

作品名
コメディアンブルー
著者
時羽兼成 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リイド社
レーベル
SPコミックス mimosa
発売日
電子発売日
ISBN
9784845859856
4.6

(47)

(31)

萌々

(14)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
217
評価数
47
平均
4.6 / 5
神率
66%

レビュー投稿数6

この攻めを好きになれるかどうか

漫才の物語として面白く読んでいて楽しかったです。心理描写が丁寧だったので、話に厚みを持たせてくれるように感じました。

ただ恋に対する攻め側の感情だけは、どうしても理解することができませんでした。
受けの気持ちを利用するだけだった立場から、急に恋愛感情になるものなんでしょうか。受けの自慰シーンを目撃して、知らないふりをするくらいだったのに。

受けが自分の手元からいなくなってしまいそうに感じて、急に気持ちを自覚する。
そういう変化があることは理解できます。
でも、この攻めにはもっと漫才を切り離したところで、感情を爆発させて受けに向き合ってほしかったかなと思いました。

受けが一途に攻めを想っていて、あまりにいじらしく...
完全に彼に同情していたので、どうしても攻めに対しては冷ややかな目を向けてしまいます。


物語として完成されていて面白く展開も丁寧だっただけに、個人的にはこの部分がより際立って目立って見えてしまいました。

最後は受けが本当に幸せそうだったので、それだけで攻めの酷さがぶっとんでしまいました。彼が笑顔になれて良かったです。

3

甘くない

大きな気持ちと夢を抱えた漫才コンビの話。

ずっと胸が痛かった。表情の描き方が本当に上手で
ふたりが笑っている時嬉しくて、泣いている時悲しくて、凹んでしまった時は私まで落ち込んでしまいました。

"一緒に漫才をやる為"に告白を受けた福砂と、そのまま恋心を抱えている六花。甘くない世界でのふたりの葛藤を読めてよかった。

名前のセンスが毎回ぶっちぎりで好き。
なんにせよ今作も絵もストーリーも最高でした。

1

クズだけど

高校の同級生で現在は漫才コンビの相方として
一つ屋根の下で暮らしている福砂と六花。

そして、高校時代に六花からの告白を受け、
恋人同士でもある二人。

だけど、実は福砂はお笑いの相方としての六花を
手放したくなくて「俺も好きや」と嘘をついていて…。

福砂め…ひどい男です。
六花の気持ちを自分の夢のために利用し、
夜中に六花が隠れて一人慰めていることを知りながら、
知らんぷりをする福砂のクズたることや!

だけど、福砂がクズを自覚しているところはまだマシなのかも。
クズなりに親友の六花を騙していることに罪悪感を感じ、
苦しんではいるのです。

そして、そんな福砂の気持ちにうっすらと気付きながらも
変わることなく福砂一筋で自分の恋心は胸にしまい込み、
お笑いの相方として福砂の役に立とうと努力する
六花の健気さに終始心打たれまくりでした。
ほんとなんていい子なの…!

そんな六花を騙すどころか、ひどい言葉を突き付けたり、
解散ドッキリを仕掛けようとしたり、やることなすこと
六花を傷つけるばかりで福砂が本当に腹立たしい。

途中まではそんな福砂がとにかく嫌いだったけれど、
最後にはちゃんと六花の気持ちに向き合って、クズのままで
終えなくてよかったです。

自分の前から去った六花を焦って追いかけるところは
ちょっと攻めザマァですっとはするけれど、これまで
福砂が六花にしてきたことを思えば全然足りません。

福砂自身も六花に言っていますが、虫が良すぎるし、
今更好きとか言い出してもなんだか信じがたい。
だからこそ、これから先の態度で六花に愛情を
たくさん示していってほしいなと思いました。

最終話のお花を渡すエピソードは不覚にもキュンとしてしまいました。
案外好きになったら独占欲強めで尽くすタイプなのかな。
六花が嬉しそうでよかったです。

2

葛藤をこえて

コンビを組む漫才師同士の福砂と六花。
初めてみんなの前で漫才をした学校祭のステージから、プロになった現在まで。
微妙な気持ちのズレを抱えたふたりが様々な葛藤を乗り越えていくようなお話となっていました。

「漫才師として成功したい!」という目標は同じなのに、なんとなく噛み合っていないように見えるふたり。
六花の気持ちを利用しているのではないか?という福砂の後ろめたさがそうさせているのかなと思っていたけれど、六花もまた違うところで福砂との距離感やコンビとしての越えるべき壁の存在で葛藤していて…
そんな風に悩んでいる彼らの切なさにすごく引き込まれました。

笑いを作り上げる日々は楽しいことばかりではないというのもリアルで良かったし、長い時間はかかったけど福原の気持ちが六花に向いていく様子も素敵でした。

漫才師のお話というと明るめの作品が多いイメージですが、表に出ない部分がよく見えて新鮮で面白かったです。

2

愚図な攻めも嫌いじゃない めんどくさいけど

作家さまが読ませたい部分を根こそぎ見過ごす と言うか気づかずに通りすぎちゃって 不完全燃焼で燻ることが多々あります

気をつけて読んでるつもりなんですけどね



男同士 同じ舞台に立つ相方で ライバル

そんな関係かと思いきや
夢を追う男に惚れたのが悪いのか 夢を追うために利用したのが悪いのか

互いの中の願いはずっと同じで 一緒なのに



方言男子がだいすきです が どういうわけか関西弁は少々気後れしちゃって および腰発進
なのに こっちのへっぴり腰お構いなしでずんずんお話はすすむ さすが関西人の押しの強さか?


手放したくないがためついた嘘
決して恋愛ではないその 好き に感じる後ろめたさや どんなに努力しても追いつけないものへの劣等感  夢や憧れ 不安や焦り

そんなものをたっぷりと読ませにくるので へっぴり腰もギックリ腰もありゃしない
強制連行か?ってくらい あっと言う間にお話に引きずられのめり込みましたよ


たった1回の失敗が尾をひき それまで自信満々だった福砂を追い込む


自分の中にあるモヤモヤを自覚しながら 掛け違えたボタンのお陰でその理由に辿り着けない福砂の苛立ちが自滅を呼ぶんだけど 挫折までいってない中途半端なところでグズグズし続けるのがね

いや めんどくさい
めんどくさい めんどくさい めんどくさいぃ 福砂がめんどくさすぎる (ほめてます)

ごめん そのめんどくささがいいんだけど とにかくめんどくさいッ(っ絶賛褒め讃えちゅう?)!←どっちや



ただ単純に 純粋に福砂を想っての行動なのに疎ましく思ったり
自分の不安に押し潰されそうになって 六花を試す企画にのりかけたり

もうほんと だんだん陰気なっていく福砂がね じれったいとか通り越してめんどくさい ←何回目?


何時の世も笑わせたいのは 好き の証拠なのにねッ

一途すぎる六花がほんとよかった 
諦めきれない想いだけでしがみついてるのが時に寂しくて 時に哀しいけど

ひと一人の人生を潰した 足を引っ張ってるのはいつも自分
とにかく交わらない平行線な想いの端々に見える どこか安定の破れ鍋に綴じ蓋感ってのもよかったんだろうな



悩みに悩んで2ヶ月続けて時羽さん読んだけど 好みはどっちか聞かれたら こっち推しちゃうかな
いや 今まで読ませていただいた時羽さん作品のなかでもイチオシするかも?(読みやすさが決めてです)


ほんとに上手くまとめられてて不足があるなら 賞レースでの彼らの雄姿くらいかな? なんてカバー下めくれば至れり尽くせりな結末もあって あぁぁってなりはしたんだけど

お笑いだけしか見えてない福砂のダメンズぶりとか 六花の天然なのか健気が故なのかちょっとずれた感じ
漫才のネタより面白そうなふたりの日常のやり取りに イケずな先輩に同期 お話しのよさにまだまだこの先を読みたい ってやっぱり思ってしまう


ううううん あの朴念仁相手に六花が掴んだ幸せをもうちょっと見たかった てのが本音なんだが 欲はいかんよな欲は

8

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