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表題作風と木の詩(1)

セルジュ
究極のツンデレ・ジルベール

あらすじ

両親の愛に育まれ、素直に育ったセルジュと、愛を知らずに育ったジルベール。学校の寄宿舎で同室になった2人は、まったく対照的のように見えながら、奥底でつながるものがあった。反発しあいながら、お互いの気持ちを確かなものにしていく。
耽美漫画の最高峰にして、ボーイズラブの礎を築いたジーザスな作品。

作品情報

作品名
風と木の詩(1)
著者
竹宮恵子 
作画
竹宮恵子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
白泉社文庫【非BL】
シリーズ
風と木の詩
発売日
ISBN
9784592881513
5

(33)

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萌々

(0)

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中立

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趣味じゃない

(0)

レビュー数
11
得点
165
評価数
33
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数11

私史上最高の終わり方です。

正反対のふたりが一緒に生きていき、心が通じあったにも関わらず、最後にはジルベールが死んでしまう。
途中で死んでしまうのではないかとハラハラさせられて、絶対にそうはならないでくれと願いながら、迎えた最期。
起きてほしくないことが起きて、薬中になり馬車で轢かれジルベールは死んでしまいます。
本気で1ヶ月くらいジルベールロスで病みました笑
でもふたりにとっては、いい終わり方だったのではないかと思います。最高の作品ありがとうございます。

0

オーギュストが一番好きです

そう言えば昔はストーリーの萩尾、キャラクターの竹宮という感じの言葉があったそうです。
同じ耽美系のジャンルを同時期に書かれていたおふた方ですが
萩尾先生は半神などに代表されるように、話作りがピカイチなのに対し、
竹宮先生ほどキャラに読者を入れ込ませる作家はいかったとかなんとか。
実際に今見てもジルベールのキャラ造形は一級品だと思います
とにかく心理描写が卓越しているので読んでいて楽しい、行間を考えて楽しい、彼や彼とのイフを想像して楽しいっていうね。
オタの素質がある人にはもうたまらないと思いますよ
脚本の構成能力も凄まじいの一言
無駄なところが(続編の伏線と思われるとある一コマ二コマを除いて)全くありませんから。

0

忘れられない運命

たぶん今でも熱狂的なファンがおられる作品
完結から何年もあとに竹宮さんがジルベールのイラストを商業誌に描かれたとき、
作者であっても自由には描けない(もちろん権利の話ではない)ようにコメントを付されていたのを憶えている

非BLタグだが、BLの源流であるのは確か。それでもBLではなく、強いて言えばJune、ほんとうには少年愛の物語だと思う。主人公は少年でなければならなかったからである

じつはわたしはこの長いお話の中で、主人公の一人セルジュの父母の運命の恋とその幸福を描いたパートがとくに好きだ。愛し合う両親から愛を受けて育ったセルジュがジルベールに愛をそそぐ姿を思うと涙ぐみそうになる

CHIHIROCK☆さんがお示しのとおり、
『神の子羊』(のりす・はーぜ著)までお読みになることをすすめたいが、
作者がはっきりと続編として示しておられるし、
もともとの構想に含まれていたストーリーが描かれているからだが、
この漫画だけで十二分にすばらしい

本作とモチーフが類似する、作者の『変奏曲』が現代のBL読者的には知られざる傑作かもしれない。クラシック音楽を描いた漫画として今でも他にはない、天才少年二人のせつなく、うつくしい物語だと思う。未完ではあるが、その子ども世代のお話もまた、愛されない子どもが本作を思わせてせつない

竹宮作品では他に、『ファラオの墓』もおすすめしたい
こちらは非BL、でもニアBLと言ってもいいかもしれない。古代エジプトを題材にした架空戦記が語られるなかで、王家に生まれた少年二人の宿命的な出会いと別れが、官能的でせつなくてたまらない
『天は赤い河のほとり』(篠原千絵作)などがお好きな方に

2

少なくとも、一週間は死人のようになっていました。

この作品が日本の少女漫画雑誌において初めて連載されたBLであり、BLの始祖と呼ばれるところはご周知のとおりである。私も一介の腐女子として”古典”を学ばねばと思い、購入した。
冒頭の衝撃的なエロティックなシーン。こんなことしていいのか。作者はどんな顔でこんなものを描いているのか。お嫁にマジでいけなくなるレベルである。正直「先生、大丈夫か」と思った。しかも、これが連載されたのは少女雑誌である。竹宮恵子先生の執筆した当時は、時代が時代だけに勇気がいったことだろうと思う。よくやってくださいました。
クラシック過ぎる絵に初めは抵抗があったものの、話が本当によくできていてどんどん次が読みたくなった。ちなみになぜか乳首がかなり写実的である笑。
過去編はセルジュ、ジルベール共に本当に心が引き絞られるようで、辛い。それでも主人公であるセルジュの頑張りによって何とかなるのだろうと信じて読み進めた。
ラストが衝撃過ぎてその部分は二度見三度見どころかおそらく十回は読み返した。ページを戻すことによって、何度も生き返るジルベールに、所詮は作り話なのだと思っても、涙が止まらなかった。初めて読み終えたときはぶつぶつと「ジルベール……」と一人呟いては彷徨っていた笑。今思うと当時の自分の姿は気持ち悪いが、本当に行き場のない哀しみが私の中で渦巻いていたのだった。
個人的な話になるが、私はハピエンが好きだ。バッドエンドは確かに美しいし、いつまでも心に残る。しかし、どんなに辛いことがあっても、最後は幸せになれると信じるからBLを読むのである。そうでなければ、BLなどただ悲しいだけである。風と木の詩を読んでから、”悲劇”というのがBLの究極の到達点なのかと悩んだ。しかし、「私は絶対に恋に落ちた二人を幸せにしてみせる」とBLに携わるものとして誓った。

4

中古で購入検討される際は番外編の収録有無にご注意。

色んな出版社から版違いで何種も出ていますが、現在はほとんどの版がすでに絶版で新品は文庫版か電子書籍でしか手に入らなくなっているため、中古も選択肢に交えて購入検討される方も少なくないと思います。
その際の参考になればと思い、ざっくりまとめてみました。

2017年現在、紙書籍が6バージョン、電子書籍が2バージョン出ています。
一番の大きな違いとして、番外編「幸福の鳩」の収録有無があります。
こちらは1991年に出版されたイラスト集『海の天使』に描き下ろされた作品のため、1990年以前の版には収録されていません。
その他は、イラスト収録、解説の有無、カラーページの収録等で少しずつ違いがあります。

◾︎紙書籍
小学館フラワーコミックス版(全17巻)1977年刊
└オリジナル
小学館ハードカバー豪華版(全9巻)1988年刊
└イラスト収録あり(カラー&モノクロ)
角川書店竹宮惠子全集29〜37 (全9巻)1990年刊
└表紙絵描き下ろし

↓↓ここから以降は番外編の収録あり↓↓

中央公論社愛蔵版(全4巻)1993年刊
└イラスト収録あり(カラー&モノクロ)、作者まえがきあり
白泉社文庫版(全10巻)1995年刊
└イラストなし、各巻に異なる解説者による解説あり
中央公論社文庫版(全8巻)2002年刊
└イラストなし、作者まえがきあり

◾︎電子書籍
eBookJapan Plus版(全16巻)
└ebjが直接作者の会社と電子化契約を締結してデータ作成された電子書籍
現存するカラー原稿56ページ分をカラーで復刻収録

まんがフリーク版(全8巻)
└中央公論社文庫版を元にデータ化された電子書籍


私は角川書店の全集で紙書籍を所持していたのですが、番外編がずっと読めていないままだったこともあり、今回eBookJapan Plus版の電子書籍で入手しなおしました。
カラー原稿に差し変わっているページは印象がやはりモノクロとはだいぶん違ってきますね…!初めて拝見したので、独特で美しい色使いにいたく感動しました。
愛蔵版等に収録されている口絵や扉絵イラスト等も収録されていれば嬉しかったですが、残念ながら本電子版には未収録です。

20年振りに読んでも当時となんら変わりなく揺さぶられる、まさに不朽の名作。その一方で、大人になったことでラストの感じ方が自分の中で当時とは大きく変わっていることにこのたび気付かされました。
読み返す機会をくれたebjの企画に感謝します。
これはまた改めてレビューしたいなぁ。まとめられるかなー。

11

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