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表題作恋愛犯 Love holic

日永望,受けのストーカーだった過去を持つバイト
勢田春人,落下事故で記憶喪失になる攻めの元級友

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ある日、日永は偶然に勢田と再会する。だが彼は事故で記憶を失っていた。実は日永には勢田をストーカーしたという過去があった。過去を隠したまま日永は自分のマンションに勢田を引き取り…!?
出版社より

作品情報

作品名
恋愛犯 Love holic
著者
凪良ゆう 
イラスト
サクラサクヤ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
発売日
ISBN
9784592850229
3.7

(147)

(56)

萌々

(32)

(39)

中立

(9)

趣味じゃない

(11)

レビュー数
25
得点
534
評価数
147
平均
3.7 / 5
神率
38.1%

レビュー投稿数25

不器用な正直者

「流浪の月」と似た型の構成。
人間関係構築が下手で、どんどん悪い方に行く流れを変えられない、
弁明できない受け身の日永君。

日永望は、自分の気持ちを偽れない、感情をストレートに行動に表す性格。
それが、悪いほうにばかり展開してしまう。

バイオリンを練習していたら、知らない同級生が褒めてくれた。
それから気になって、勢田春人を意識するうちに好きになる。

好きな子をただ見て居たいだけの観察が、
付き纏い=ストーカーとして勢田の家族が怯えて通報。
補導されて、からかう同級生に怒り、日永は蹴る。
暴力事件を、弁護士の父親が示談に抑え込み、転校することになる。
・・・本当は、両成敗で済むことなのに。

その後、偶然勢田に会い、呼びかけたら勢田が階段から転落、頭部打撲で記憶喪失。
記憶を失った勢田と同居する日永。
記憶を取り戻した勢田と話し合い、やっと意思疎通が叶う。・・ここまで続く緊張、とても長かった。

人付き合いが下手で、自分の気持ちに正直な日永は、誤解されやすい。
そんな不器用な日永をやっと勢田が理解してくれて、良かった。

読んで辛い展開だったけど、結末が明るいのでほっとした。
苦痛な展開だったので、再読はしないと思う。

0

攻めと一緒にLet's!神聖視!

凪良先生の執着攻めが好きで拝読。
第一印象は、こちらの作品の攻めがアップデートして「美しい彼」になったなぁといった感じでした。

どちらの攻めも受けを神聖視しつつ、どこか危うさを秘めていて自分勝手で…それでいて、愛が重い部分が似ているなぁと思いました。
違うとすれば、日永の方がいい意味でも悪い意味でも行動力あります。
より恐ろしさを感じるのは日永の方です。

物語は攻め視点。
これも美しい彼と同じです。
攻め視点だと異常だとも思える行動の心理を垣間見ることができるので、また違った面白さがありました。

記憶喪失となった受けに嘘をついて囲い、共に生活する中で幸せを噛み締める攻め。
記憶喪失は非日常なのですが、その他の生活がリアルなだけに、どこにでも居そうな雰囲気がとても素敵でした。
受けを一途に思うが故に暴走してしまって、親とも友人とも縁を切った攻めに同情しながら、それでもすれ違いともどかしさがあり、心が揺さぶられます。

攻めのやっていることは常軌を逸していて理解こそできませんが、受けを思うその気持ちは理解できます。
攻め視点なので、どうしても攻めの味方になってしまいます。

それでも愚図で身勝手で「君がいないと死んでしまうlという危な気な攻めを、男前な受けは受け入れてくれます。

最後はしっかりハピエン。
やってることはぶっ飛んでるし子供のようだけれど、読み終わると「日永」という人間に愛着が湧いています。

0

綺麗な空気が流れていますが本当のストーカーでした。

良くある、執着とは全然違う、本当のストーカー執着でした。

しかし作品全体に流れている空気はとても綺麗で感動しました。

学生時代に受に出会ってから、受の家の下でずっと受の部屋を眺めたり…大人になって再会してからは記憶喪失なのをいいことに身分証ですべて隠して受の身元を引き受けます。

途中無理やり襲ってしまったりもしますがそんなことがあっても受もだんだんと心開いて行く所が丁寧にえがかれてます。

受も攻も心が綺麗でストーカーというテーマもありますがこの2人が両思いになって本当に良かったと思いました。

攻が生きずらそうで、最初は運送仕事などしていて可哀想でしたが、最後はしっかりした所に就職できていたので良かったです!

1

いびつ

チョット萌えたとかすごく萌えたとか、萌えなかったとか……そういう基準で評価することがそぐわないおはなし。ボーイズのラブの話だと言うよりは、家族関係の話だよなぁ…という気がしてなりません。

日永と勢田の二人とも、性格形成に家族との微妙な関係が影響を及ぼしすぎていますよね。勢田の場合、ストーリーの後半まで何不自由ない家庭で育った青年とミスリードされるように書かれていますけど。

行われていることの多くはまぎれもない犯罪行為で、勢田が酷いことばかりされているのに何故日永を愛してしまうんだろう?と一見感じてしまいますが。そう言う場合、往々にして当人同士にしか分からない気持ちの歪みがあるもので、勢田が客観的には飛び抜けた美形というわけでもないという設定からも妙なリアリティと怖さが泌みだしています。

彼らの今後はちょっと考えても、前途多難にも程がある…という具合で波乱だらけなのでしょう。しかし、いつか穏やかに…穏やかに過ごせる日が来るといいな、と思います。

1

濃い恋

こんなに愛されてみたい!けど実際やったら恐いだろうなぁ!

もうこの言葉がグルグル廻りながらもう一度読んでみたい。となるような作品です。

1

愛情あふれる変質者

ごめん、私はこの作品「神」です。BLだからこそのファンタジーが描かれていると思う。

確かにこの攻は、犯罪者です。不器用を通り越して、変質者の域にいっちゃってると思う。例え、背が高く顔もよく、バイオリンがうまくても、現実にはダメでしょう。

でもねえ、幼い頃、誰もが持っていたはずの、子どもじみた独占欲とか、愛されたい気持ち。それを、この攻は、心の奥からえぐり出して、癒して、読者に戻してくれる、そんな存在な気がする。私は好きだ。

また、凪良さんの作品に泣かされちゃったよ。一番泣けたのは、配送センターの主任が、仕事を辞める攻を追いかけてきて「お疲れさま。長い間、真面目に働いてくれてありがとう」っていうシーン。なぜか、ここ。
社会性皆無だった攻も、優しい上司とかに恵まれ、だんだん成長してくんじゃないかなって思えたシーンだったからかな。

「勢田だけが好きだ」とか、ガチガチに頑なだった考え方もいつかほぐれ、いつか別の人間も(色々な意味で)好きになったりするんじゃないかなあ、なんて思っちゃったよ。

3

攻め視点

身勝手なレビューなのは承知ですが、同じような人がいた時のためにレビューしました。ストーリーは確かに執着攻めのお話で、最後もハッピーエンドで二人の会話には萌えるところがありました。

しかし好きな執着攻めでも、最初から最後まで攻め視点なのが思った以上に苦痛でした。ここに書かれているレビューから攻め視点のお話ということは知っていましたが、普段全部攻め視点の話を読まないせいか最後までうけつけなかったです。これに受けの心理描写がもうちょっと深く書いてあれば違ったかもしれません。
自分は受けに自己投影してBLを読んでいるのかなとは思っていましたが、これを読んでそれがはっきりしました。
受け視点と攻め視点がバランスよく書いてある話が私にはあっていると思わせてくれる本でした。

3

果たして、これで本当によかったの?

凪良さんの小説を最近の物からさかのぼって読んでいますが、これ「美しい彼」の攻めが行動的だったら!みたいな話でした。
受けの賛美が「美しい彼」の攻めと同じ系統で、行き過ぎると警察のお世話になってしまうのですね(汗)
ストーカーとはいえ、コミュ障気味なところ以外は云うほど電波だったりはしなかったので、そこまで抵抗なく読めました。
挿絵の受けが地味で、「え?何で攻めのがイケメンに描かれてるの?受けって美人なんだよね?」と思ったら、実際攻めの目が可笑しいだけで受けは普通の子なんですね。正しい挿絵でした(笑)

しかしちょっと受けが攻めの所業を許しすぎてて、現実味ないです。かなり酷いことされているのに、何故か大団円。
幸せそうでいいですし、きっと攻めはもう何か問題ごとは起こさないでしょうけれど、「果たして、これで本当によかったの?」と思わずにはいられない読後感でした。うっすら怖いです。

4

ストーカー

どうなんだろう。記憶なくした勢田の身元を隠して引き取り、勢田の家族の連絡先はわかるのに勢田を装って嘘のメールで誤魔化す。日永のしてることは犯罪で悪いことだよね。

それを知った時の勢田の反応がどうなるのかハラハラした。

記憶がない間、勢田の不安などがほとんどなくて家族探したいとか今の状況が変だとか思わなかったんだろうか。

見知らぬ男と最初は名前もわからなかった記憶喪失の自分。
日永が優しくても、恐怖とかいっさいなかったんだろうか。

で、記憶が戻ったあと記憶がなかった時のことを身元を知ってて隠してたわけだから勢田はその事について1回は怒ったほうが良いと思う。

勢田本人が自分は犬で勢田はご主人様だと言っていたんで、躾は大事です。

2

恋愛犯

がっつり凪良さんらしい攻だなと読み終えて思いました。
最後のまとまりがよく、ハッピーエンドおめでとうと叫びたい!

さて、今回はストーカー攻ですね。
受が好きすぎて執着しまくる攻です。大好物っ!
「うまいじゃん」何気なくかけた言葉が嬉しくて。
もらった甘酸っぱい飴玉の味が忘れられなくて。
それで世界がすべて受一色になってしまう。
自分の世界はすべて受で回ってて、どんなことでもしてあげたい。
自分が与えられるものはすべて与えたい。
一途といえば聞こえはいいですがはたから見ればまぁ狂気ですわな。
そんな攻が今回の主軸w
残念ながら、攻と性格があまりに違いすぎるせいなのか
感情移入して読むことができなかったのが少々心残りではあるのですが
最後のまとめ方が好きでした。

対局にあると思っていた二人は実は近い。
明るくて友達も多くて素直で。そんな風に思っていた受がホントウは。
誰よりも~を欲していた。そんな受に~なエピソードに
思わずキュンとしてしまいました。
贅沢を言えばもうすこしラブから後の甘いエピソードも読めたらよかったかなーとも思ってみたり。

2

物凄く感情移入してしまった。

執着攻めが読みたいと思い、こちらでいろいろ探していたらこの作品に当たりました。

執着攻めというと受け視点で、無敵な攻め様からの執着にうふふとなっていましたが、今作はそのような執着攻めとは趣きが全く違います。
まず攻め視点だし、無敵ではないし、思っていたよりもストーカーでした。
ストーカー特有の盲目的な思い込みの激しさにゾクっときてしまったほど。

初めは引き気味でしたが、読んでいくうちに日永にどんどん感情移入してしまうのですよね。
最終的には彼の半端ない不器用さが素晴らしいとすら思いました。
いくら長身のイケメンでも、中身がストーカーだと普通は気味が悪いと思います。(挿絵にだいぶ助けられました。)
でも気付いたら日永を応援してしまっているのです。
なぜかって、好きだけど苦しいっていう切ない気持ちがめちゃくちゃ伝わっきて心を揺さぶられまくるからです。
あと他の方も書かれていましたが、自分はちょっとおかしいという自覚がある所。
それらの気持ちをうまく表現も処理もできず、常にいっぱいいっぱいで不器用な所がかわいそうで…(; ;)

前半は勢田をバイオリンと同列に置き、人として見ていなかったと思います。
嫌われていく悪循環に入ったとしか思えなくてハラハラしました。
しかし後半になるにつれて勢田のことを一生懸命考えるようになってからは、とにかく日永が可哀そうでいじらしくてそれだけで涙が出ました。

2人がくっついて本当に良かったです。
その気持ち以上に、日永には人と接する温もりをいろんな人から感じられるようになって、彼の世界が少しでも広がったらいいと思いました。
その片鱗を後半で伺うことができてとても嬉しかったです。
頼むぞ勢田君という感じで、なんだか母親とか父親になったような心境になりました(笑)
日永の一生懸命さと彼なりの成長に心がとても潤いました。

8

やっぱり泣いた

内容が気になって、結構ネタバレした状態で読んだのですが全然面白かった!
さっと内容を書くと
1.主人公日永望は同級生で同性の勢田春人に突然恋をしてしまいます。
2.ですが、他人とコミュニケーションを取るのが極端に苦手(というか出来ない)日永は
  ストーカーと化してしまいます。
  そのせいで同じクラスの男子から苛められてしまいますが、本人はあまり痛手に思って
  おらず、淡々とかわしていきます。
3.それを面白く思わなかったのか、イジメの対象は日永から勢田へと変わってしまいます。
  自分はいいが大事な勢田を傷つけるのは許せない…!と相手をボコボコに。
4.転校せざるえなくなり、勢田にも勢田にも迷惑をかけないため近づかないと誓うも、
 4年後、姿を見かけ話しかけてしまいます。
5.転落し記憶を失ってしまった勢田。それをいいことに自分の家に連れてきてしまいますが
…というのが大まかな話の流れです。

頭のネジが飛んでいる主人公か…と覚悟して読んだのですが、それを一応
本人は自覚はしているのが救いでした。後先のことが考えられない、何にも興味を示さないという感じの主人公。けど悪いところばかりじゃないんです。
とにかく一途でキュンっ!
話しかけられて嬉し過ぎてパニクる。病んでるというか壊れちゃってるんですけどそこがいい…。
受けも男っぽくて、さらっとしてて好感が持てます。

中身は真面目で人のいい受けなので職場の同僚とすぐに仲良くなってある日べろんべろんに酔って帰ってくるんですよね。
するともう焦っちゃって、受けに手を出してしまいます。あちゃー
当然嫌がられ家を出てってしまわれますが、なんとか帰ってきてもらうともう…!
わたしの大好きな、攻めがワンコ下僕状態ですよおおぉ!!
実際そんな言いなりになったりとかじゃないんですが、気遣いが拒絶されるのにぎゅんぎゅんきちゃいます。攻めの不憫なところに思わず涙してしまいました。
ほんとにかわいそうで。
やっぱり恋愛小説って、うまくいかないところが最大の魅力にして面白いところなので
それが長めで楽しめました。
一途で愛情深い壊れ気味?の攻め…どうでしょうか?

4

チガウ世界二イルヨ

完全にイッチャッテル人。
この人に何を言っても無駄だから。
ストーカーをやる人って 脳の構造が普通の人と違うのだそうです。
だから 本人は犯罪だとは思っていません。
むしろ 好きな人の事でいっぱいだから幸せなのです。
ずーーーーっと好きな子の家の前で 好きな子を見ている事が
この人のライフワークだったのでしょう。
生活の一部。
怖いです。
されている方は恐怖のみのハズが・・・。
ところがどっこい!!
ほだされちゃうのです。
人間って不思議ですね。
頭が麻痺するのでしょうか。
このまま 本当に付き合っていくのか・・・?
辛いぞ。
どうしてもダメなら早いうちに別れなさい!!
殺されちゃうよ!

1

切なくて胸が痛かった・・・

切ない片思いのお話が読みたくて、検索で見つけた作品です。
サクラサクヤさんの挿絵も好きというのもあり、迷わず手に取りました。

高校生の時に出会った二人が、ある出来事がもとで攻めは受けから離れざるをえない状況になるのですが、4年後ばったりと出会ってしまうお話です。
もう、攻めの気持ちがとても強くて、切なくて何度も胸がキュンとしました。
体格も結構良くて男らしい外見なのに、人と接するのが苦手で内向的な攻め。
その攻めが受けにはワンコになるんですね~。それが可愛くて可愛くて仕方がありませんでした。
性格的に問題ありな攻めなんですが、それは受けに対する気持ちが強すぎてそうなっちゃうところとか、普通ならちょっと気持ち悪いと感じるんでしょうが、それが可愛いとしか思えない(笑)。
逆に、人を好きになればある程度そういうことになるのが理解できるので、「うんうん、あるよね~」と思いながら共感したりしてしまう(笑)。
ネタバレしないように書こうと思って、ちょっと分かりにくい説明になってますが、とにかくとても萌えた作品でした。

1

LOVE HOLIC

副題のLOVE HOLICがまさに物語を表してますね。
本サイトの評価が高いのと、凪良さんの作品が好きということもあり、
手にとりました。

主人公(攻)は、昔ストーカした相手(受)に再会し、
その際、受は事故により、記憶をなくしてしまう。

攻は、身元引受人となり受と一緒に住むようになります。
その際、受の身元証明書に関するものは、攻がかくしてしまっているので、
受は行く先はないのです。

確かに、この攻は、病んでいるな~と思わされ、
受への愛し方も、執着という方が正しいのではないか?と思わされます。
この攻の性格も、生きてきた環境によるものであるだろうし、
実は受にも、似たような心の内があるのです。

ラストはハッピーエンドではあるのですが、
なんとなく、この2人には波乱が待っているんだろうと思わされてしまい、
幸せであってほしいの願ってしまう限りです。

2

ストーカー攻

過去にストーカーをした事がある攻っていうんで、どれだけ病み攻なのかー!と思ってたんですがストーカー行為自体は結構可愛いというかそんな迷惑をかけたりはしてなかった気がする。
まあでも本人にその自覚が無い部分はやっぱストーカー気質なんだろうけど。

しかし病んでないかというときっちり病んでる訳で。
日永〔攻〕は、かつてストーカー扱いされる程に好きだった相手、勢田〔受〕の姿を見つけ声をかけたところで、勢田は事故に合いその記憶を失ってしまいます。
日永は勢田の持ち物から身分の分かる物を全部盗み、そして人の良いふりで彼を病院から引き取り同居させちゃう。
やっぱり病んでましたーー!!!日永!!
日永としては勢田を自分のモノにして自分だけを見ていて欲しいんだけど、勢田は記憶が無くてもポジティブで自分で仕事を見つけてきてその職場でも上手く馴染んでしまう。

この2人は一体どうなるのかとストーリー展開にドキドキしつつ読みました。
勢田を好きな余りに一歩間違えばストーカーになってしまう程に好きな日永。
こんな2人の関係ですが、まとめ方が上手い~~!
凪良さんはやっぱ上手いなーーとつくづく再確認。

2

狂気的な彼氏

おバカなタイトルつけましたが、本編はいたってドシリアスです。
怖いし気持ち悪いやつなのに、必死に勢田を思う気持ちがかわいくて
切なくて...
この前『初恋姫』で萌え笑わせてもらった凪良さんですが、
今回はテレビドラマにでもなりそうなシリアスな展開に泣かされました。

日永は正直周りにいたら狂ってるとしか言いようのない人物です。
バイオリンと勢田以外に興味はなく、勢田の家の周りをうろついては
通報され、勢田をいじめたクラスメイトを殴っては転校する。
今まで読んできたBLの中でこんな気味悪い主人公っていなかったなぁ~
あらゆる意味で衝撃作でした。

でも、記憶を無くした勢田に必死に尽くす姿が健気で切なくて...
実際に自分がそこまで執着されると怖いだけなんだろうけど、
日永にとっては勢田の存在が全てなんです。
その執着が子供のように一途な思いからくるものだと思えば
かわいくすら思えてくる。
そう思いながらも凪良さんは何度も裏切ってくれて、
日永の執着が狂ったように加速していき勢田を追い詰める。
勢田は逃げ出すものの、記憶がない状態では他に行き場もなく
日永の元に戻るしかない。
二人の距離は縮まることなく広がるばかりで、もどかしくて仕方ない。

そんな中やっと勢田に受け入れられる日がくる。
雨の中、勢田が日永を迎えにきて、自分から日永に心も体も許して
抱かれようとする。
もう、もう、この場面切なくて、キュンキュンで涙ポロポロ。
そして運命の時、勢田の記憶が戻る日がくる...

ラストはハッピーエンドだとわかってても、記憶が戻ってからの
残ページ数が少なかったら、どうまとめるのかドキドキしました。
ちょっと駆け足感はありますが、焦らされて焦らされてやっと
心から想いを通じ合わせた感動はひとしお。
ツンデレな勢田にブンブン尻尾振ってひたすら尽くす日永が幸せそうで、
これからは勢田の言いなりになってるワンコ姿が目に浮かぶなぁ~ww

凪良さん、この本のプロフィール紹介で「大っきい攻×大っきい受」が
マイブームと書かれてますが、サクラサクヤさんのイラストは
それにピッタリでした★
エチの時のカットでも、しっかり男の体をした受になってます。
一方、凛々しい顔立ちとガッシリした体つきのわりに
泣くわ、土下座するわ、ヘタレまくりな攻。

素直に胸の内を告白してたらこんな遠回りすることなかったのに、
勢田への執着愛がストーカーという手段に走らせ、
ずいぶんお互い傷付くことになってしまいました。
勢田は記憶を無くす前も後も本当の意味で家族の愛を受けられず、
日永の一途な気持ちが何よりうれしかったのだと思います。
もしかしたら、恋愛というより家族愛になっているのかもしれませんね。

9

多分、最初の出会いから、お互い恋に落ちているのよ。

これは電波って言うより、ちゃんと診断名がつく系の子の、一途な愛の物語。

親の無知と無理解から、する必要のない苦労を背負い込まされちゃった日永。
でも、日永は瀬田のことが、ただひたすらに好きなだけなので、苦労しているとか、つらいとかは思っていない。
自分がそばにいないことが、瀬田の平和と幸せになるのならと、たった一人で閉じた世界に生きている。

そんなところに、過去のしがらみが全くない、まっさらの瀬田が降ってきて、、、

記憶喪失ネタには、たいてい泣かされちゃうけど、この本の泣かされポイントは、むしろ、好きすぎてワンコすぎる瀬田の「犬でいい」告白のシーン。
こんなワンコに必死な目をされたら、記憶があろうがなかろうが、もう、一生添い遂げるしかないよね。

5

ヤンデレというより完全に病んでる攻め

私がまず思ったのは、「この攻めのやってることって、監禁レイプしちゃうイケメンの俺様攻めとかよりも実は電波度が低いんだよなー」と。
やったこと“だけ”を見るならだけどw
攻めのしてることが、きっちり「悪いこと」だと作中で認識できるストーリーにしてくれてたのが良かったです。
また過去のストカ行為によって、攻めが制裁を受けているという点も良かった。
「本気で好きだから」を免罪符にして、どんな犯罪的な行為でもok、最後はラブラブハッピーエンド!みたいなBLが多いなかで、これは新鮮でした。

しかしなんで泣かされるんだろな。
嫌いなんだけどな、こういう攻めって。リアルでこんな男がいたら(またこういう壊れ方してる人もたまにいるんだよね、実際)、正直キモくて絶対に近寄らないよ私。
なのに、いつの間にか彼を応援してたし、後半でポロポロ泣いてしまってました。
何故だろう、もしかしたらこんなふうに愛されたいのかも。いやいや、こんな重いのはヤダ。
よく分かんないや。
とりあえず凪良ゆうさんには、この調子でやられっぱなしです。

3

受けも攻めも読者にとって最悪の印象からスタートし、どこに着地するのか最後までハラハラしながら読んだ。

恋愛犯な攻め。
強烈に受けに惹かれその想いが空回りして後戻りができなくなるんですよ。
それをリセットするかのように受けの記憶喪失があり
またしても後戻りができない愛し方をしてしまう攻め。
不器用だとかでは済ませられないほどの病みっぷりです。

顔が良くってある意味純粋っていうぐらいしか攻めの良いところはありません。
家庭環境の悪さを考慮しても、許せる範囲かどうかはギリギリ。
かわいそうだなって思うけど、受けの気持ちの変化は
ちょっと尚早すぎるような気がした。
むしろ恋愛犯が受けだったみたいなオチのほうがよかったな。



3

恋愛犯…言い換えればそれはストーカー犯

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
瀬田へのストーカーで逮捕歴がある日永×記憶喪失になった元同級生・瀬田、嘘で固めた同居から始まるお話。

高校時代に瀬田へのストーカー問題を起こして以来絶縁状態の家族にも、ましてや他人にも全く興味がない、日永望21歳。
外見はそこそこ、頭は悪い、粘着気質、人とのコミュニケーションが極端に下手、取り柄はバイオリンと底が見えないほどの瀬田への恋情だけ。
そんな日永(攻め)が、記憶喪失になってしまった瀬田の身元引き受け人として名乗りでて、そのまま同居に持ち込むというヤバイお話です。
そして彼が主人公です!きゃあ~(嬉)

ふぅ~面白かったです。
どぎつい設定から結構覚悟をしていたのですが、読者に十分許容してもらえる電波君でしたね。
瀬田を傷つける者がいれば何をしですか分からない偏りまくった思考の日永ですが、その傷つける者の中にちゃんと自分も入っているっていう点が、その辺のストーカーさんとは違います。
電波には違いないんですが、勘違い野郎ではないというか。

とにかく瀬田を愛して愛して愛しまくっていて、最初は見ていたいだけ、傍にいたいだけ、触れたいだけ、そして好きになってもらいたい…どんどん欲張りになってつい暴走してしまいますが、最終的にはいつも瀬田の意志を尊重するのです。
受けの意志なんておかまいなしな攻めが溢れかえったこの世界なので、そういう意味ではまだまともだし可愛げがありました。
問答無用で縛り付けるのではなく、必死に縋り付く攻め。
電波なヘタレってなかなか貴重な存在かも。笑

そんなワンコ気質のおかげで、息も詰まるような病的な緊迫感はないので、ずっしりと重いお話が苦手な方でも大丈夫だと思います。
そして瀬田がちょっと出来過ぎな人間に見えたかな?
あるいは瀬田視点の掌編なんかあれば最高だったかも、と思いました。
でもお二人さん、将来が気になるなぁ。

2

高校時代、日永(攻)は好きになった勢田(受)の家の前に毎晩佇んでいて通報され、ストーカーとして警察沙汰になってしまいます。
家族から見放されていた日永はこの事件で更に孤独となり、学校ではイジメを受ける。

しかし自分の行為が勢田に迷惑をかけたことは悔やんだものの、級友の悪意に晒されることは、日永には大したことではなかったのです。
ところが、日永の無反応に焦れた周囲の矛先は、ある日、勢田に向かう。
そして日永はそれを知ると、首謀者の男子生徒に暴力を振るい重傷を負わせてしまいます。
事件は弁護士の父によって示談に収められたものの、日永は家からは勘当され、学校も転校。

そして勢田と離れて4年。
日永は、仕事帰りに勢田の姿を見かけます。
思わず声をかけてしまうのですが、驚いた勢田が歩道橋を落下。
病院で目覚めた勢田は、怪我はなかったものの自分や周囲について何も覚えておらず・・・つまり『記憶喪失』になってしまっていたのです。

すると日永は預かった勢田の鞄から、身元がわかるものを全て抜き、勢田が事故にあった時「たまたま側にいた」と、自分との関係を一切隠してしまいます。
そして“親切な人”として勢田の身元引受人となり、勢田を自分のマンションに住まわせる。
嘘と罪の上に成り立った同居生活に、日永は至上の喜びと幸せを感じるのですが・・・・・・。

最初は勢田を見つめていたくて、側にいると感じたいだけで起こした行動がストーカー事件となり、勢田を守りたいという気持ちが暴力事件となり、再会に、手放したくないと感じたことが、勢田の身分を隠し、勢田の家族から、世間から勢田を隠すという行為に及んでしまう。
日永が悪い事をしようとしているわけではないことがよく理解できます。
ただただ好きなだけなんですよね。
でも好きだからと言って普通なら思い留まるはずの行動に出てしまう所が、日永は確かに壊れた危険な人なのかもしれません。

ですが、語られる日永の気持ちからは、怖さとか危なさはあまり感じらません。
好きで好きでしょうがないのに、上手く事を運ぶことができずにただ必死にしがみついている。
悪い事をしているとわかっていても、勢田を手放したくなくて、それしか考えられない。
日永がもっと器用であれば事は簡単だったかもしれないんですがね。

そして確かに「危ない攻」ですが、お話には後ろ暗い雰囲気もあまりありません。
日永は行動は問題ありますが、どちらかというと精神的に成長していない可哀相な子供という感じで、また勢田に対して、気持ちは絶対服従の下僕、犬志願なのも、あまり重さを感じない理由かもしれません。
日永視点のため、勢田については見えにくい部分もありますが、日永の心理はわかりやすく丁寧で、面白かったと思います。
ラストが前向きなのもいい。

6

不器用な主人公をつい応援してしまう作品

勢田に恋焦がれ、ただ見ているだけでいいという日永の純粋さ。ただ、ただまっすぐで、ほかに何もいらないと、勢田だけをひたすら見つめています。
勢田が傷つけられることだけにおびえ、自分が勢田を傷つけることだけを嫌悪し、ひたすら犬のように勢田の笑顔を待ち続けます。
せつないです。見ていてかわいそうです。
何を考えているかわからないとか、ストーカーする気持ち悪い男と表現されても、憎めないです。日永のすべてのエネルギーが勢田に向かい、自分でもどうしようもない、止めることのできない恋焦がれる気持ちに翻弄される哀れな男です。
あまりに不憫で、勢田も、自分の気持ちが同情か恋愛か分からなくなります。
誰だって、悲しげに見上げる切ない瞳をみたら、「まあ、しかたない、つきあってやる」って気持ちになりますよ。日永の孤独な魂が救われるラストに、よく選んでくれた、この不器用で、頑固な日永をと、勢田に感謝をおくり、日永を応援していた自分に気付くことでしょう。

6

溢れても尚零れる程の愛を寄せる攻め

顔は美形でガタイもいいのに、中身や精神年齢はまるで子供並なヘタレ攻めです。
危害は加えず、ただ見ているだけなのですがストーカー気味な変質的な愛情を持っています。
攻めが変わっているのと無理矢理もあるので、苦手な方はご注意。

配送センターバイトでバイオリンが趣味・日永望(21)偏執執着ヘタレワンコ攻め×料理人で記憶喪失中・瀬田春人(21)芯の強い受け
ホモでもゲイでもなく、ただ瀬田が好きなだけ。
好きだからずっと瀬田のことを見ていたくて、ただ家を見ていただけ。
瀬田の家族には不審がられて、ストーカーとして高校生時代に補導されたこともあります。
他にも事件を起こした所為で家族とも絶縁し、一人で暮らしている日永の前に、瀬田が現れて。
記憶喪失になった瀬田を、自分の家に日永が引き取って……。

事件が発覚してからホモだと苛められるわ、家族とは絶縁されるわで、悲惨の一言です。
日永本人は、そのことを痛手とは思っていない事が救いでした。
それでもまだ瀬田を好きな日永の前に、記憶を失った瀬田が手に入る状況があったら、手を出さずにはいられないと思う。
身分を隠す物を必死に隠匿し、大事な宝物を隠すように自分の家に連れ込んで。
瀬田以外どうでもいいという日永はまともに人間関係がきづけていないし、顔が良くてガタイがよくなかったら、もっと苦労していた気がします。
傍にいるだけでは我慢が出来なくなって、平穏を壊してしまう。
年をとっても高校生の時と同じく不器用なままで、恋愛の器用な仕方なんてわからない。
日永にあるのは、ただ瀬田への絶対的な愛だけ。
純粋に好きで好きで、ただ見ているだけで。手に入る状況があったら、我慢が出来なくなって。
これで告白が出来たら変わったかもしれないのに、それさえも出来なかった日永の不器用さが切ない。
酷い事をされても、犬のような無垢な瞳で瀬田だけが好きだから捨てないでと見つめられたら、絆されずにはいられない。
同情勝ちなような気がします。
日永の溢れすぎな程の愛情もあれですが、瀬田の許容力の大きさに感心するべきかもしれません。
瀬田の性格の良さと包容力にも、注目です。
受けへの過剰すぎる程の愛から関連して、COLDシリーズの中に入っている木原さんの同窓会シリーズを思い出します。

エロ:★3 ねちっこい日永の攻めが必見です。
総合:★4 不器用で純粋な愛が痛い程、伝わってきます。

3

恋愛犯 ~LOVE HOLIC~

すごかった…!!
うわあ、ここまで攻めがイカれちゃってる作品て初めて読んだよーーー
あまりに衝撃的な作品すぎて頭ん中がいまだにごちゃごちゃしております。
受けのことが好きすぎて他はどうでもいいという!
ストーカーで警察のお世話になっちゃったり!
電波だ…これがリアルな電波なんだな…と噛み締めました。笑
そんな社会性に欠けまくった攻めが、受けが記憶喪失になったのをいいことに同棲するっていう話~
いやあ凪良さん初めて読んだけど色んな意味ですごかった!!
「花嫁~」も今度買ってこよう(>ω<)♪

3

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