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以前に姫君の輿入れをBLCDで聴いて、そのスピンオフである今作も読んでみようと思いましたが…。
二段組で平安風情の漂う文章。
貧乏公家で書物バカな朝家に帝の弟だけど親友の実親。
そして嵯峨野の姫君。
うんうんいいですね、と読んでましたが…。
なんと!朝家が間違えて違う家に夜這いに行ってしまい、そこの男主人に逆にいただかれてしまう!珍味であったと。
まずここで、ガーン。真っ暗で何も見えないのにいきなり知らない男のアソコを…。そして最後まで…。蘇芳殿、ひえ〜。
そしてまあ書物を通じて交流は続き。
朝家の書物バカぶりと素直さや飾らなさもいいですね。書物のためなら体くらいって…。
恋を知らない朝家ともう恋なんてしないよ絶対?な蘇芳殿と。
あんなけやってきたのに?緩やか〜にお互いの気持ちが進んでいくのですが、やること散々やってるんですよ?
薫物合わせの泊まり込み特訓のあたりで脱落。ここまで読むのに何日もかかりました。このゆっくりさ。いいんですよ、逆にえ?いつのまに?なお話が多い中ゆっくりゆっくり気持ちが育っていく描写が読めて。せめて体の方もゆっくりだったらなあ。
主人公が美形でなく平凡だけど心意気や気持ちの持ち方が素晴らしく、きっと朝家のそんなところが見つかったらさらわれてしまう!と焦る蘇芳殿もよし。
ただ緩やかすぎて…。引っ張るだけの掴みも弱く。ごめんなさいです。手元に残していつか続きを読みます多分。
平安時代BL、「姫君の輿入れ」スピンオフ。
こちらのCPは、藤原将久(名家に生まれた殿上人にして古今東西の知識に秀で、その上「鬼神すら惑わす」という当代一の美男、源実親を凌駕するほどの魅力) x 小野朝家(家柄は一段低い学者一族出身で、書物だけを偏愛し頭はいいが出世欲はまるでない、冴えない貧乏公家)。
前作では、あどけない年下の受けが陵辱される展開が痛かったけど、本作は受けがしっかりした大人であって、無理やりHの展開の部分もあるけれど、書物や学問の深い話を共有できる間柄であったり、仕事での悩み事を相談して一緒に解決策を探ろうとするところなどが心の対等性があって良かったと思います。
また、書物のことばかり考えてあまり仕事には熱心でなかった朝家が、恋をすることで自分に出来る事、やるべき事を考えて誠実に取り組み始める、という成長譚でもある。
身分は将久が圧倒的に高いのだけど、朝家の飾らぬ人柄、表裏のない率直さ、素直さ等に心から惹かれて。(朝家に対する独占欲も感じられる。)
本名も身分も隠していた将久、朝家に何もかもを知られ別れの危機が訪れます。ここで動いてくれたのが前作CPの実親x狭霧。
想い乱れて出家せんとする朝家を牛車からさらう将久!
騙すようなことをしていて悪かった、と許しと愛を乞う将久!
そして…『私が妻だ』と。『求婚してくれ』と。
将久が無冠であり容姿が麗しいことを気にしすぎて気後れしている朝家に事もなげに告げる彼は、やはり当代一の切れ者でありましょう。
「姫君の余情」
前作CP、実親x狭霧のその後。
遠縁の少年を養子にした、という体で暮らし始めて2年。
実親は友の朝家の家を訪れる。すると中では藤原将久と朝家がイチャついているではありませんか。
当てられて、速攻家に帰って狭霧を抱く実親でした。益々仲睦まじい二人です。
「姫の輿入れ」のスピンオフらしく未読でしたが、作中でさりげなく説明が入っているので読まなくても大丈夫でした。
冴えない主人公が読みたかっただけなので、平安物に期待はなかったのですが、思っていたよりも情熱的な恋愛模様でとっても楽しめました。
平安時代の風流さにドタバタ感が加わり、ほどよく砕けた雰囲気で読みやすかったです。
書物がお友達の冴えない君、小野朝家(ともいえ)と、完全無欠なスーパー攻め様、藤原将久(ゆきひさ)との恋です。
朝家は妻を娶るために夜這いを試みますが、間違えて男の寝所に侵入してしまうというおとぼけ君真骨頂な出会いでした。
真相はどうであれ、受けからのモーションというのが新鮮でした。
そしてノリノリな将久w
初めは表紙や挿絵のイメージから、攻め様に押され押されてやっと恋心を自覚するという堅物流され受けなのかなと思っていました。
確かに流され受けなのですが、しっかりと恋に身を焦がしているんですよね。
知らないうちに恋人に染まっている朝家に萌えたし、恋愛事になったとたん自分に引け目を感じたりあたふたしてる所が可愛かった。
淡々と日々過ごしてきた草食系が、恋愛の情熱に翻弄される姿に滾ります。
草食系=恋愛ができない、じゃないんですよね…
人生何があるか分からない。
将久も百戦錬磨とはいえ、隠遁した身で今更恋に本気になるとは思っていなかったため彼なりに四苦八苦します。
どこか可愛らしさのある2人に愛着がわいてくる作品でした。
厚めの二段組で、平安ロマンにどっぷりひたれます。
派手さはないけど、地味に面白かったです。
平安時代で宮廷が出てきて、攻めも華やかなのに、なぜ派手さがないのか!?
それは、受けの朝家が地味だからです。十人並みな容姿に色気ゼロな朴念仁。でも可愛い。なんか超可愛いんです。
まず、物語の序盤から朝家の可愛さにやられました。
とにかく書物が大好きで、それ以外には興味なし。収入は書物に消えるので、とっても貧乏だけど、本人は危機感もなくのほほんとしている天然さん。
天然とはいっても、無能で自立できてないかんじではなくて、不器用で欲がないタイプのひとで応援したくなります。人を悪く言わず、悪意を向けられても気づきません。
あまりに貧乏すぎて、乳兄弟に「このままじゃお金なくてどうにもなりません!お金持ちの姫君と結婚してきてください!じゃないと書物を燃やす!」と脅され、とぼとぼと条件に見合う姫君の住む嵯峨野に向かうのですが、なんと忍ぶ家を間違えて、男に夜這いをかけてしまうのです。
え、なんで男!?間違えた!!と混乱する朝家を、男は美味しく頂いてしまいます。
男は自分の本名を明かさず、最初はさえない朝家を手の中で転がして楽しんでいたものの、だんだん本気になり…というお話です。
じっくり丁寧に描かれているので、恋に無縁で無粋な朝家が攻めに惹かれていく過程がゆったり楽しめます。
めらめら激しいラブではなく、どこか微笑ましい温かいラブってかんじでしょうか。
攻めは、作者曰わく「孔雀攻め」。華やかな元遊び人で風流人。
本気になってからは朝家と実親の仲の良さを勘違いしてヤキモチを焼いたりもしますが、朝家の幸せを第一におもいやって行動してくれる包容力たっぷりな大人です。
最初、攻めは朝家を「珍味」と評しますが、だんだん可愛くてしょうがないな~とデレていく展開が読んでいて幸せでした。
それにしても、珍味って(笑)
記憶に残るご感想で、素晴らしいです。
『姫君の輿入れ』のスピンオフなんですね。
今作では前作でのカップル、実親×狭霧も出てくるのですが、とても幸せそうでした。
なんかスピンオフって、無理やり良いところに前作キャラ盛り込んだよ!みたいなのもあるなか、実親と狭霧はなかなか自然に活躍してくれました。
実を言えば、『姫君の輿入れ』は可もなく不可もなくといった印象だったのですが、今作でその後の二人を読んだことでちょっと評価が上がりました。
両カップルとも、いつまでもお幸せに♪
このシリーズの、しっとりとした平安な世界観が好きです。
適度に和歌や源氏物語からの引用があったりで、ちょっと優雅な気持ちになれて萌えもいただける。ありがたいです♪
そして、前作はCD化していて、朝家が神谷さんだったとか…!
やばい、神谷さんの朝家絶対かわいい!!
こちらもCD化していただけないかしら…。切望します。。
堅物で天然な朝家(受)が可愛いのですが、滴るような大人の色気を持つ将久(攻)も魅力的でした。と言っても、こんな受いただろうか、と思う位、ガツンと頭をやられました。
可愛すぎて。
王道ではない作品だと思っていましたが、何も知らない朝家を体込みで色々と将久が教えていく過程は、王道かもしれません。
何度も何度も読み返したくなる作品です。