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クロスケ(猫神様 昼は黒猫、夜だけ人の姿になれる)×斎藤和(小説家 人と接するのが苦手)
小説家である和は自分の屋敷にグッタリとした黒猫が迷い込んでいるのを見つけます。介抱したことでなついたのか、その後黒猫は毎日屋敷を訪れるようになり、そのうち「クロスケ」という名前を付けられます。ある夜全裸に猫耳・尻尾姿の男が現れ、自分は黒猫の「クロスケ」で、猫神様なので夜の間だけ人間の姿になれるということを告げ、恩返しに気持ちいい事をしに来たと和に触れてきます。
猫耳・尻尾といったら可愛らしいイメージがあるのですが、この作品で猫耳・尻尾がついている「クロスケ」というのは、関西弁でマッチョな男です(笑)。そんなマッチョがいきなり全裸で屋敷に上がり込んで来て、「まいど、猫です」って自己紹介されても…。和にも最初は“変態”と散々怪しまれてます(笑)。でも飄々としつつもヤンチャなクロスケのキャラにものすごく愛着を感じました。
和は父親との関係により生じたトラウマで人づきあいが極端に苦手になってしまい、ほとんど引きこもりの様な生活を送っているのですが、クロスケと触れ合って行く中で温かさを知るようになり、ひょんなことで関わるようになった人達にも徐々に心を開き始めます。和が警戒心を解いていく過程では気の良い人達とのやり取りもあって、とてもほのぼのしており、読んでいて温かい気持ちになりました。でもそうやって和が立ち直っていく事で、今まで何をするにも頼られてたクロスケの存在意義が揺らいでしまうんですね…。
ただ和は独り立ちのつもりではなく、あくまでもクロスケに向き合うために頑張っている訳です。この辺のすれ違いが切ないのですが、さらにある状況からクロスケが動物の神様の掟を破り罰を受けることになってしまい、和の前からクロスケがいなくなってしまいます(涙)。一人残された和は悲しみますが、そこで立ち止まってしまわない強さに頼もしさを感じましたし、自分を犠牲にしてもいいからクロスケを戻してほしいと懇願する姿にホロリとしてしまいました。
本編後の二人を描いた短編では、和が猫神様であるクロスケと自分の未来を想像し不安になってしまう話で、二人の気持ちはちゃんと通じ合っていて全体的には温かい雰囲気なのですが、どこかその現実に切なさも感じてしまい、またまたホロリとしてしまいました。
猫神様×引きこもりの小説家のお話。
何度も転生を繰り返して猫神様になり、夜だけ人間に変身できるようになった黒猫(和命名:クロスケ)が、過去のトラウマによる対人恐怖症で家から出られず、古い日本家屋で一人暮らしをしている小説家・斎藤和の家にたまたま通ってくるようになります。
ある日全裸のいい男がやってきて、自分はクロスケ、恩返しに来たと言って和を押し倒し、気持ちいいことをされてしまうのですが・・・(突然意味無くではなく、クロスケに言わせれば必然のようなのです)
まずは一人の生活からクロスケとの生活、二人での外出、熱心なファンであり編集者でもある河合や「神」理解者の八柳との交流と、和が社会復帰するステップを追う仕組みになっています。
その中で大きく占めるのは、和の辛い過去をそのまま包み込む、クロスケの懐の深さだと思います。
最終的に自伝的小説を書きながら、病に倒れるのですが、その際クロスケが猫神様の掟を破ることになり、和の前から姿を消してしまいます。
ずっと一緒にいると約束したはずなのに・・・和の慟哭・・・でも、ハッピーエンドですよ。
人間不信を患ったことがある人にとったら、結構うなづける場面が多いのではないでしょうか?クロスケのように、何も裏が無い愛情を注いでくれる存在があったら、みんな幸せになれるんじゃないかなと思いました。まあ、それには和のように純真な心の持ち主じゃないとダメなんでしょうが…。
で、書き下ろしでは、死なない猫神様と嫌でもどこかで死ぬ自分を嘆く和のお話に涙します。もう、ラブラブすぎ!
マッチョ系関西弁ネコミミ兄さんって新しいかもしれない。
猫神さま×トラウマ持ちの小説家。
ファンタジー寄りでライトな世界観は椹野さんだなあという感じ。
さらっと読めます。
主人公の抱えているトラウマ(早くに亡くなった母を忘れられない画家の父親との確執。母親の代償)が正当派というかJUNEっぽいというか王道で重めな割にはさらっと克服してしまって、ちょっとあれ?という感じがしないでもない。
なんかこんなにあっさり乗り越えるならトラウマの内容ももうちょっとライトでよかったのかもしれません。例えば昔友達に裏切られたとか。
途中出てきた脇キャラの八柳さんと河合くんが妙にキャラが立っていて、作者の愛を感じた気がする。
シリーズ化するかスピンオフが出るか。続きの展開が楽しみです。
そしてあいかわらず食事の描写がおいしそうです。
八柳さんのホットケーキ食べたい!!
やっぱり私「人外ものって好きなんだ」と再認識した1冊となりました。
あれだけ人間が苦手で、話もまともに出来ないけれど、クロスケとだけは笑顔で会話が出来る和。
これはクロスケのキャラのせいなんでしょうねぇ。関西弁でしゃべるし、押しは強いし、でも、和の気持ちはちゃんと優先させて無理強いはしない。
だから、ふたりで夜の散歩に出掛け、対人恐怖症のリハビリをしたり、押しかけ編集者・里空を家に入れ、里空の友人兼喫茶店店主兼陶芸家の八柳とも親しくなり、だんだんといろんな人に心を開いていけるようになります。
クロスケと自分のことを小説に書こうと、新年早々執筆にかかりますが、書くことに夢中になり生活を疎かにした和の身は……。そして、和を見つけたクロスケがとった行動によって、大神様から下された罰とは。
大神様に取り上げられたクロスケを取り戻すために、和がホント頑張るんです。それが健気と言うか、なんというか。
でも、悲劇ではなく、コメディ風味になっているので、クスッと笑えて。関西弁がいい味出してるんですよねぇ。
心通わせたあと、ふたりは指切りをします。猫神様だからもう死なないクロスケと、寿命のある和。クロスケがどんなことを和と約束をするのか。
これはホント、泣けました。クロスケだからこそ出来る約束が、切ないやら感激するやら。
こういう設定は、女子は弱いんじゃないでしょうか?
「センチメンタルガーデンラバー」ではまった猫変化もの、その中でこれはちょっとウルっときたりしてお気に入りの一冊です。
大阪弁の猫、しかも猫神様。
主人公と一緒に癒されてください。
過去のトラウマでひきこもり生活をしている、他者とのコミュニケーションを全くの苦手としている小説家の和。
弱っている黒猫の面倒を見たことから、頻繁に家に通ってくるようになります。
そしてある晩、変質者のように全裸でネコミミ&尻尾つきの男がやってきた!
それが、通い野良猫の黒猫のクロスケ。
何度もの生まれ変わりの末、猫神様となり、夜の間だけ人間になることができたのです。
そんなクロスケとの交流の中で人との付き合いが全くダメだった和も、編集者の里空、妖の気を感じ取れる八柳との付き合いができるようになっていきます。
キスと軽い戯れはあるけど、何をするでもなく、側にいて、自分の背中を押してくれる、そんなクロスケの存在が和の中で大きくなっていくのは当然でしょう。
トラウマを乗り越えたお礼をクロスケの為に小説にしたいと、頑張る矢先病気で倒れる和。
猫神の禁忌を犯して和を助けるクロスケは、罰を受けるために和の前からいなくなります。
クロスケが罰を受けたと知った和は、小説を書きあげます。
そして、自分と引き換えにクロスケを戻してほしい、もうクロスケがいないのは辛くて寂しい、どんなにクロスケに助けられたか、涙ながらに訴えるシーンはホロリとさせます。
何気に編集の里空と八柳の関係も気になるところ、きっと作品にしてもらえるものと信じております。
「何度でも、その手を」
では、猫神のクロスケより自分は先に死んでしまうことを懸念する和に、何に生まれ変わろうと探して捕まえて見せるというクロスケにまたまたホロリ。
動物と一緒に生活しているものなら味わう、この愛情感覚、実に身につまされるお話で心に響きました。