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表題作ヒマワリのコトバ ― チュウイ

弁護士・伊勢逸見
カフェバーマスター・相馬昭生

同時収録作品ヒマワリのコトバ ― チュウイ

冲村功 専門学校ファッション科生
北史鶴 専門学校アニメ科生

同時収録作品ヒマワリのコトバ ― チュウイ

栢野志宏 デザイン系専門学校の講師
相馬朗 昭生の甥・専門学校生徒(20歳)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

カフェオーナー相馬昭生は、一見優しいが一筋縄ではいかない。友人で弁護士の伊勢逸見は昭生を見守っているが……!?
出版社より

作品情報

作品名
ヒマワリのコトバ ― チュウイ
著者
崎谷はるひ 
イラスト
ねこ田米蔵 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
アオゾラのキモチ ― ススメ
発売日
ISBN
9784344816350
3.7

(98)

(40)

萌々

(18)

(25)

中立

(7)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
27
得点
354
評価数
98
平均
3.7 / 5
神率
40.8%

レビュー投稿数27

こじれてこじれてこじらせまくった関係

「アオゾラのキモチ」「オンレジのココロ」に続く、大人なカップルの話。

 メインは、朗の叔父である相馬昭生と弁護士の伊勢逸見。
 二人は、高校の時にカップルになって以来、つかずはなれずの距離で恋人とは呼べない関係を続けてきた。

 そんな中、昭生の過去のいざこざから、朗が巻き込まれる事件が起こり、改めて、伊勢との関係も含め、自分の過去に向き合わされることになる。

 という話でした。
 続き物なので、前までの巻の話をきちんと知っておかないと、朗に何が起こったのか、志鶴に何が起こったのか、というあたりが全然わからず、読むことをオススメします。
 
 読んでいて思ったのですが、昭生が一番、成長できておらず、精神年齢も低いんじゃないかと思ってしまう……
 まあ、トラウマを抱えた大人は、実は一番過去に引きずられやすいのだということがよくわかる話ではありました。
 こういう痛みは、共感ができるからちょっと辛いですよね。ここまでこじれることはないですが……

 なんにせよ、こじれにこじれてこじらせまくった関係を、二人がどう修復するかの話でした。

0

無理。

個人的にこのシリーズで一番嫌いな巻です。
受けの異常な家庭環境、クソみたいな攻め、メンヘラ真っ逆さまな受け、何から何まで気色が悪い。
CP的にはミントが(脇キャラがクソですが)好きで、それ以外はそれぞれ「この受けはクソだか」とか「この攻めはクソだか」とか「もう脇キャラが鬱陶しすぎるな」とか言いながらも読んだんですが、この巻だけは無理でした。

まず受けのメンヘラがすごいです。
これは異様な家庭環境が原因だとは思うので、同情の余地はありました。厨二病のまま大人になった可哀想なメンヘラなんだなぁ、と納得しました。
しかし攻め、テメーはダメだ。

最初の受けとのいざこざはまだ若さゆえ、で済ませられますが、猿でも分かりそうな決定的な失敗を犯し、それで発狂した受けを見て自分がしでかしたことの大きさを知り、その後罪悪感で何年も受けに付き纏い、最後は自分のメンヘラ加減を自覚して歩み寄る受けに「それじゃあ君はこの先どうしたいの?」
もうコイツなんなんだ?って感じでした。
メンヘラの受けに粘着しているところを見ると、多分精神的にはマトモではないのでしょうが、モラハラ臭さがすごいです。
受けを傷付けてしまい、謝罪を受け入れてもらえず、何年想い続けても叶わない。
確かに可哀想ですが、普通にストーカーです。

あと受けは早急にカウンセリングを受ける必要があるように思います。攻めのように「俺は謝ったし誠意を見せ続けた、それにお前だって悪かったんだから、誠意を見せろ。ん?謝ったら次はどうするんだ?ン?ンンー?」みたいな態度を取る奴といると精神を病むだけです。
恐らく共依存とかトラウマとかの関係で離れられなくなっている恐れがあるので距離を取って通院して欲しい。

そして受けの保護者(姉と義兄とその愛人)をまとめてボストンバッグに詰めて川に流したい。
クソみたいなメロドラマ演じる前に子供達を他所にやれ。子供にクソを見せるな……。
受け姉が後半に「攻め君と仲直りしなよ〜」と受けに説教をするシーンがあるんですが、ただでさえ自分の所為でクソ情緒不安定になってる弟のメンタルを穴ぼこ豆腐にした男と復縁させようとする神経に、読んでるだけでどうにかなりそうでした。
確かに受け姉も可哀想な生い立ちですが、子供に歪んだ家庭を押し付けるのは立派に虐待だと思います。「アタシも恋したぁい」とか言っている場合ではない。
受けが姉を指して「アイツは天使だ」って言ってるシーンがあるんですが、虐待児って本当に可哀想なんだなぁとしか思えませんでした。


多分受けは攻めと出会わなければただのメンヘラ、攻めは受けと出会わなければただのモラハラ野郎として一生を終えていたと思います。
でも出会ってしまったが故に、クソメンヘラとクソモラハラ野郎に育ってしまった哀れな共依存カップルと成り果てた感じしかしなくて「なぜ…どうして……」とぐるぐる考えてしまいました。

4

浮気や二股を許せないとキビしい

シリーズ3冊目なので、前2作品を読んでいた方がベストです。
未読の場合は、序盤の店に関係人物がどっとやってきた場面で語られるあれこれは軽く流しておいた方が読みやすい気がします。栢野や朗との関係、喜屋武との過去は後でも語られるので、そちらで理解した方が私には楽でした。

1冊すべて表題作の長編です。昭生(受け)の視点でストーリーは進みます。

皆さまもレビューされていますが、大きなポイントは二つだと思いました。
昭生の姉・ひかりをどうとらえるか。
伊勢の浮気を許せるか。
私は両方とも無理でした…。

ひかりは夫に恋人をつくるように頼みますし、他の家族にも多大な影響を及ぼしている女性です。書きようによってはモンスターになる人物だと思いました。相手が断れないと知っての「お願い」は「命令」に等しいですよね…。

みんな愛し合っていてハッピーというラストですが、恋人(愛人)の亜由美の立場で考えてみたら、ひかりの死を望んだこともあったのではと複雑な気持ちになります。そんなにできた人間ばかりじゃないのは、昭生と伊勢で分かることですし。子供が生まれたとき、亜由美の存在ができたとき、父親が死んだとき、離婚のタイミングはあったでしょうに、妻の座は譲らないとか勝手すぎて怖いです。

ストーリーの肝となる伊勢の浮気ですが…高校時代のたった一度の過ちだしとは思うのですが、吐くほど動揺してた昭生が、一度裏切られたことで信じられなくなるのに非常に共感しました。一日に2人と寝て、比較してあっちを選んだなんて最低ですし、腹いせにそのことをあえて告げるのも酷いと思いました。昭生が他の男に抱かれたと教えられ殴りましたが、気持ちも寄せた自分の方がよほど酷い仕打ちをしたのを棚に上げてと腹立たしかったです。伊勢も反省しているから辛抱強く接していたんでしょうが、時々キレるのが読んでいてまた腹が立って…昭生より私の方が怒っていた気がします(笑)司法試験も昭生が言い出したわけでもないので単なる自己満足に過ぎないのに…と何もかも癇に障りました。

昭生の告白の後の、この十年「別れたつもりはなかった」という伊勢にカッコイイ!となるべきなんでしょうが、「先に別れを言いだしたのは自分じゃないか」と高校時代の場面を思い出して冷めてしまいました。撤回したら良いの?覆水盆に返らずって言葉もあるよと。結局、高校時代の意趣返しのように浮気したり、昭生の好きだからこその告白に「知るかよ」と返したのが本心で、伊勢もそう大人な人物じゃないんだなぁと感じました。終盤の昭生の告白に上から目線なのもムカつきまして…寛容そうで端々に無理が見える伊勢は好きなタイプじゃなかったです。昭生の弱さも丸ごと受けいれられるようなイイ男になろうとするなら素敵だったのですが、許して許してで鬱陶しかったです。

浮気や愛人という不確かな関係を好まないタイプには、素直に楽しみづらい作品だと思いました。ストーリーとしては素敵でした。すれちがいって大好きですし、泣いてしまった場面もひとつではないのですけれど、どうしたら許してくれるんだって許しを得る前提の伊勢がどうにも…許さなくてもいいから傍にいてくれとなぜ言えなんだ!!「やり直すことができる」を加害者の理屈だと一度感じてしまうともうどうにもダメでした。

意地っ張りで繊細な受け、弁護士の攻め、長い間膠着状態のカップル、すれ違い設定がお好きな方にお勧めです。ひかりの自分勝手だけど不思議な魅力や、伊勢の努力を素直に受け入れられる方にお勧めだと思います。私には合いませんでしたが、作品としては素晴らしいです!

4

許さないことは束縛すること!?

前2作品のドラマCDで、昭生(受様)の声を鳥さんがあてている上、
崎谷作品でレビュー高評価なので気になってはいたのですが、
レビューから、痛そう(精神的に)だったので、
なかなか手が出せずにいました。

結果は‥やっぱり痛かった><
複雑な(と簡単にいうにはあまりに複雑な)
家庭環境に育ったせいで他人と距離を置く昭生と、
同級生の伊勢逸見(攻様)。←どっちが苗字??とつっこみたい
歪ながら思いが通じたと思ったが…。

自分が傷つかないように壁を作ってきたのに、
心を許したと思った相手に裏切られてしまう。
それも、昭生が最も嫌うやり方で。
この辺りの描写は昭生に感情移入しすぎて辛かった。
10年もの間、二人はお互いの周りをぐるぐるまわっているだけ
のような気もしますが、ずっと隣にいた人と
ただ幸せになるのに10年もかかったのかと思うと、
ある意味壮大だな…と思います。

ちなみに、他のレビューではひかりが嫌いな方もずいぶん
いらっしゃるようですが、←実はそれもあってなかなか手が出せなかった
私はあまり嫌いじゃあなかったです。

1

十年越しのすれ違い

この前作は2つとも前向きの恋を描いたものという印象だったのですが…

いい意味で最後に重いのきたなーって感じです!

自分の周りの環境や気持ちに整理がつけられなくて素直じゃない受け、それを支えようとして勘違いから受けを裏切ってしまった攻め。

どっちも悪くないのに(いや、受けが素直になれば早く通じ合えたかもしれないけど…笑)どんどん悪い方向にすれ違いは進んでいき…切なすぎる!

この作品では、今まで明かされていなかった細かい部分を知ることができたり、なによりこのシリーズは攻めがメロメロなのが私の超好みなところなので…
とっても楽しく読みきれました!

それに、朗視点での家族の感じ方、昭生視点での家族の感じ方が全然違って…そこも見所ではないでしょうか?

とにかくこのシリーズを手にできて良かった\(^o^)/

この続きも出てるようなので、早い内にまた読み進めたいですね!

0

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