千晶
名作 英田サキ先生の”エス” 愛と復讐の狭間で・・・
英田先生のハードボイルド系のお話は本当に面白い!今作もストーリー、キャラクター、設定、すべてにおいて、とても興味をそそられるし、展開も早い。そして、CVです。神谷さん演じる椎葉(組対5課の刑事)はもとより、小西さん推しの私としては、小西さん演じる宗近(実業家、裏の顔は松倉組若頭補佐兼、後に椎葉の専属のS)が超絶にかっこよくて・・・一見、冷酷、非情そうに見えて、芯は情に厚い一面を持ち合わせる宗近を小西さんが好演、あの究極の低音ボイスは罪です、最強です!
エス(S)、組対5課のスパイ(内通者)、刑事とエスとの互いの揺るぎない強固な関係性、当初は架空の設定かと思いましたが、実在(暗黙の了解的な存在)する?エス。警察組織もヤクザな世界も特殊な男社会で独特な価値観、世界観なので、こういったジャンルのお話はとても好奇心をかき立てられます。
エス1~椎葉と宗近との出会い~プロローグ
椎葉が宗近を自らのエスに従えるために策略を練る。
”人生を変えるほどの特別な存在”
"俺のものになれ”
”男としての確固たるプライド”
”勝ち負けのこだわり"
”ときにエスの恋心までも利用し、自らの身体をエスに委ねる”
男同志の駆け引き、互いに譲らない問答、やりとりがたまらなく男臭くていい!
ツンデレで負けず嫌いで妙な色気がダダ漏れ?な魔性の男、椎葉にちょっぴり振り回されてる感がある宗近が可愛い。安東(CV杉田さん)を含め、椎葉の周りの男たちは皆、彼をほっとけないようです。そして、要所要所で椎葉の義兄の篠塚(CV三木真さん)と宗近の側近の鹿目(CV中村悠一さん)がいい味出しています。
お話全体は重くシリアスなのですが、重すぎず、お二人の絡みは甘い。BGMも素敵に演出されています。
この作品には不思議な魅力があります。その都度、自分の感じ方、目線が変わるとまた違った気付きがあったりで、何度聴いても(私の中でリピ数が最も高い)面白くて楽しめる作品です。シリーズ4までありますので、じっくり堪能していただければと思います。
最後に、小西さんの宗近の男臭い色気がダダ漏れのイケボを聴くと耳が痺れてきます。この小西さんの宗近がどれだけかっこいいか、このエスという作品がどれだけの逸品かをお伝えしたくてレビューをしたためました。小西さん推しにはたまらない作品となっております。
原作未読です。
古い作品ですが、作者のCDドラマ化作品を数多く聞いており、とても、面白いので気になっていたので聞いて見ました。
率直な感想は面白い!んだけどふるいがゆえ?の残念ポイントがいくつか。
モノローグと台詞を重ねないでください!
原作既読の方は気にならないかもだけど、
説明とか序盤、本編の大事な主人公の役どころを説明しているシーンでモノローグと台詞を重ねられると混乱してしまいます。
えー、聖徳太子でもないし、ただでさえ、理解の遅い馬鹿なので数回リピートしました。
基本的に小説系は二枚組でじっくりノーカットが、理想だけどまとまってはいました。
尺がなくても、モノローグと本編重ねてもキャストコメントは入ってるんですね(笑)
時代を感じます。
まだ、序章ですが十分引き込まれる内容で全部聞いてみたくなり、色褪せない名作。
このCDによって、原作もさらにかっこよく感じ、出演者もいつもよりかっこよく聞こえます。
本当に相乗効果です!
椎葉が宗近に体を引き換えに取り引きしようとした場面(オナニーショーのはちょっと前。笑)の、宗近の「つまらん」はむちゃくちゃかっこよかったです!
落ち着いて耳を傾けられる寝る前に聞いてみたところ、気持ちが高ぶって眠れないです。
登場人物もシャキッとした感じだし、声も非常に男前でシャキッとしゃべる人しか出てこないです。
がんばろうと思うときに聞くほうがいいと思いました。
「デコイ」は読んだしCDも聞いたし、「最果ての空」も読んだ。
けれど、「エス」は読んだこともなかったので聞いてみることにしました。
エス工作という形で特殊な絆を結んでいく刑事とエス。
椎葉のエスだった安東は椎葉のことが本当に好きで。
好きだから役に立ちたいと動いてたように感じられました。
それが杉田くんの演技からもとても感じられて「愛しい」気持ちが溢れてた。
この杉田くん好きvv
決して肉体関係はなくて言わば安東の片想いに近いんだけども、ちょっと緊張感の感じられたりする2人の関係はステキでした。
安東が髪に触れようとするシーンが好きです。
一方で、椎葉と宗近の関係は最初は椎葉の「なんだ、コイツ?」みたいな感情が先に立ってて。
宗近の方はどうも最初っから椎葉に興味を持ってるような言動が多々あるのですが。
それに気付かない椎葉に強く言い募ったりもせず。
結局、椎葉は宗近に助けられたりもして。
上司から言われてたこともあったけど、自分でも宗近を自分のエスとして欲しいと思うようになって。
そのためなら自分の身体も使うことを厭わない。
そこから始まったのか、それともそれ以上に何かを想ったのか。
関係を結ぶ椎葉がステキでした。
しかも、男とやったこともないのにかなり挑発的☆
やってくれるね、神谷くん!!
今回は魔性系じゃなかったけど、でもやっぱり神谷くんはステキでした。
やってる時よりも誘ってる(挑発してる)時の方が特に。
宗近コニタン(小西さん)は淡々と落ち着いてるっていうか大人な感じでした。
そして、三木さんの篠塚さん。
「デコイ」の時はかなり堅い感じの人だなーって思ったんだけども、このCDだとそれほど堅すぎもしませんでした。
子供と接してるシーンとか特に。
これからまだどんどん変わってくんでしょうか…。
ブックレットのSSで安東とのエピソードが語られててなんだかまた切なくなってしまいました。
原作未読。神谷受けCDの中でもかなりリピート率の高い、素晴らしい良作。
聞き終わったあと、これでCD一枚なのかと思わされる。
このCDが発売されたのは今から六年前。にも関わらず、色褪せない。
1では「エス」になるまでの椎葉と宗近を描いている。
お互いに一歩も引かない、譲らない、その心理描写における葛藤。馴れ合うことをしない二人を包む緊張感。
全編通してずっと息を潜めて聞き入ってしまった。
脇を固めるキャスティングも流石。
三木さん演じる篠塚は、飄々としている中にどこか影を感じさせる。裏では何をしているのか分からない不気味さにぞくぞくする。
安東は…可哀想な男だと思った。杉田さんの演技で安東に物凄く愛着がわいてしまって、本当に悲しかった。
シリアスというよりはサスペンス、硬派な刑事ものという感じ。キャラクターたちの姿だけでなく、話の軸となる事件の部分も隙のない作り。
この頃の神谷さんはまだBLに慣れていない気がした。濡れ場の声の出し方がつたなくて、そこが逆に良いといえばそうなんだろうけど、せっかく薬を使われたりするシーンがあるんだから、もう少し色気を感じさせて欲しかったかな。
椎葉は本当に魅力的なキャラクターですね。いつでも自分を精神的にぎりぎりの位置に追い詰めて、だけど誰にも助けを求めず一人で踏ん張ろうとする。
だから兄という位置に篠塚さんがいて、少しほっとした。
きっと宗近という男は、そんな椎葉を更に追い詰めて苦しくさせてしまう。それでも椎葉は「エス」として宗近を自分のものにしたいし、愛さずにはいられない。
そこの葛藤や駆け引きに、激しく滾った。
CDが終わっても「エス」の世界観から中々抜け出せなくて困った。それぐらい凄かった。ドラマCDとしても完成度は凄く高いと思う。