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表題作君といたい明日もいたい

仲里章介,会社社長で恵多の叔父,34才
恵多,大学生で甥,21才

あらすじ

唯一の家族である父を水没事故で亡くした大学生の恵多。そのショックから部分的な記憶を失い、水たまりを見ると時々、身体が動かなくなる発作を起こしていた。
そんな恵多を優しく見守る、叔父の章介の愛情を恵多は嬉しく感じていたが、ある時、それが全て父の会社を乗っ取る策略であると知る。
詰る恵多の口を封じるかのように、静かな激情を漂わせ、無理やり身体をなぶる章介。
いけないと思いながらも身も心も焼き尽くす、強い快感に支配され…。

作品情報

作品名
君といたい明日もいたい
著者
沙野風結子 
イラスト
あじみね朔生 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044550011
3.4

(32)

(7)

萌々

(8)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
7
得点
105
評価数
32
平均
3.4 / 5
神率
21.9%

レビュー投稿数7

読み辛い

新装版が出ましたね。そちらの方が評価が高いですね。

作者さんの作品は好きで何冊も読んでいるのですが、この作品はとても読み辛かったです。
文章がわざとそうなのか、主人公が記憶障害があるからなのか、不安定さを表現したいからなのか。

物語は恵多、章介、須藤がメインで進むのですが、ずっとわけがわからないモヤのかかったような表現で。エピソードもモノローグも読み辛くわかりにくく。

謎解きほどにはヒントもなく、おそらく恵多と章介がカップルなんだろうけど須藤が嘘を吹き込み騙すし、章介も恵多のために本当の事を言わず隠しているのでこっちは迷路にいるようです。

こりゃあ新装版を読むべきだったかなと。

最後の最後にやっと恵多が記憶を取り戻し、これまでのモヤモヤが晴れこれまでの章介の態度の意味もわかってきますし甘い部分もありますが、父に反対されたまま亡くなったのでいつまでも痛みとして二人の間に残ります。

お風呂とセックスがトラウマな理由もやっとわかります。

章介が恵多の危機を必ず救いにくるのがいいですね。謎が解けた後では章介の気持ちを考えるともう一度読み直したくなります。が、疲れました。

2

読んでいてずっと気になっていた事があとがきに!

表紙のあじみねさんの絵で目に留まった作品です。
13歳の年の差で叔父x甥モノです。
主人公の恵多視点で物語が語られているのですが、この恵多がある事が原因で中学と高校時代の一部の記憶を失っています。
今まで何作か記憶喪失モノは読んだことがあるのですが、恵多のように特定の条件が重なると強烈な頭痛が起こり、体も麻痺して動けなくなってしまう、という設定は初めて読んだ気がします。
その事が叔父の章介と恵多の関係に深く関わっていて、そのシーンは読んでいてドキドキしました。
恵多が過去を思い出せないせいで何が真実なのか嘘なのか判断がつかなかったのも早く先を読みたいという気持ちにされて、一気に読めました(ある程度予想は付くのですが)。
恵多の亡くなった父親の会社の元顧問弁護士だった須藤を絡めた3人の関係はかなりドロドロに近いものがあるのではないかと思います。
章介はかなり執着が強い攻め様で、かなり危ないと思うくらいなのですが、恵多の危機には拒まれても助けに来てくれる頼もしい男前でした。
それにしても…この章介に関して序盤から気になっていることがあったのですが、本編ではその真相が明かされずモヤモヤしていたところ、なんとあとがきで種明かしがされていて、思わずやった!と喜んでしまいました。

2

記憶喪失もの

今まで読んだ沙野さんの作品の中でこれは甘めな作品だな~という印象。
記憶喪失ものには付き物のトラウマ。そしてある瞬間に浮かび上がってくる記憶の断片。
最初はわくわくしていたのですが、須藤の存在が出てきた時点でちょっと展開が予測できてしまい楽しみが半減してしまいました。なんというか、須藤の胡散臭さが全開なんですよ(笑)

あとあらすじを読む限りでは、詰る恵多を前に章介が豹変して嫌な男になるのを想像していたのですが、全然違いましたね。
無理やりなぶるなんてとんでもない!恵多に対する抑えきれない愛しか感じられませんでした。
最後まで読んだ後にこのシーンを読み返すと、章介が我慢できなかったのも頷ける!むしろよく3年も我慢したよ…
もっと辛いのは恵多と須藤が章介の目の前でキスをする所。
恵多の腕を握る描写では視点は恵多でありながらも、章介の辛さが痛いほど伝わってきます。
愛する恵多が目の前で他の男とキスする姿を見せられるなんてキツイな。
しかもこの時の章介はこの行為に憤慨するのではなく涙を流すんですよ。それがまた切なくて!
でもこの作品の中で一番好きなシーンです。

何はともあれ恵多が記憶を取り戻せて本当に良かった!元々、恋人同士だったという事もあってラストは甘々です。
まあ全体通してみても結構甘めかと思いましたけどね。
読む前に想像していたよりも全然ヘビーじゃなかった!須藤が小物すぎるからか焦燥感もあまり湧かなくて(笑)
でも面白かったです。章介の過保護さにも萌えさせられましたし、満足!

3

叔父×甥

実の叔父×甥で、沙野さんお得意のシリアス。記憶ソーシツもの。
水とセックスに関係するものを見ると動けなくなる発作を持つ恵多ですが、意識も感覚もあるけれど動けないという特殊な状況でのエロスはさすがです。じゅるり。

攻の章介の執着が光っていた。
こんなに大好きなのに離れようとするなんて……切ないです。
彼に関してはここまで執着攻なのに、ちょっと抜けているというか策士になりきれないところが面白い。
香水のくだりとか(笑)

これから二人で幸せになれるといいよね。

3

いろいろ無理だった

叔父と甥という関係が微妙。
これ、絶対に肉親じゃないとダメだったのかな?
ダメだという設定上の理由はあるのかもしれないけど、その禁忌感があまり生きていないかも。

いろいろ、おいしいシーンがあって、設定や展開も謎めいていいんだけど、なんとなく乗り切れなかった。噛み合いそうで噛み合わないかんじ。攻めである叔父のキャラクターも好きになれなかったせい?

ラストも、ハッピーエンドでいいんだろうか?
どうも、しっくりこない。

沙野さんは、初期は好きだったんだけど、最近、手に取るものすべて全滅。
でも、おそらく最近のほうが自由に書いている気がするので、出始めのBLという枠組みの中になんとか収めていたようなかんじは、無理をしていたのかも、と思うので、もう合わない作家さんなのかなと思う。
残念。

4

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