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表題作この胸の秘めごと

渉外課長 宇津木航 / 双子の弟で俳優 蓮・30歳
銀行渉外課主任 汐崎晴人・25歳

あらすじ

上司に恋をし苦悩していた晴人に、アドバイスをくれた舞台役者の蓮。彼のおかげで想い人と結ばれた晴人だったが、その幸せも束の間、結ばれた相手が同じ顔の別人と知り……!? 混迷の恋愛関係。(出版社より)

作品情報

作品名
この胸の秘めごと
著者
結城一美 
イラスト
ヤマダサクラコ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592876052
2.9

(11)

(1)

萌々

(0)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
30
評価数
11
平均
2.9 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数7

コレはぜひ花丸黒ヴァージョンで読みたいですなw

今月は描写・構成キッチリ、ぬかりなしの結城一美強化月間であります!

文章があさっての彼方に飛んでしまうBLも多い中、結城センセイ、なかなか堅実な書き手だと思います。いわゆる美文ですし、ディテールもきっちり、次のページをめくらせる力もあるわけで。
さらに、読み手が「へぇそうだったんだ」とちょっとかしこくなるトリビアサービスもキッチリ。
えー、そういう手堅い作家さんが「劇中劇」モノを書いたと聞いて、購入。
この「劇中劇」って成功率がヒッジョーに低い。
BLで劇中劇が出てくるのっていったら、まずは剛しいら「顔のない男」、さらに秀香穂里「3シェイク」あたりか?
ですが、かの剛しいらセンセイでも成功したとは言いがたい。
案外、ディテールをキメるのがうまい結城センセイなら…という淡い期待もあったわけですが(ノ´∀`*)

それはさておき、シアトリカルな会話で始まる冒頭から、日常への引っ張り
ヨシヨシ、掴みはオッケー牧場。
宇津木が年の割にじじくさい会話してないか?というツッコミがないでもないが、そこはさっくりスルーするとして…
なんてんですかね、ノンケの男がコクられて抵抗なく受け入れちゃう、こっちのほうがひっかかるわけですよ!
もーー、もうちょっと葛藤してもいいんでないかい?
あ、それは主題じゃないと。なるほど。エンタメですからな。湿っぽくするなと。

しかししかし、最大の「えぇぇぇぇー!?」は、顔そっくりだけど性格真逆な二人から言い寄られて、3Pないとか…。
ウーン。そういうオイシイ設定ひっぱってくるなら、黒でガキゴキの3Pにしてもよかったかなぁと。表紙見た瞬間に1%ぐらいそんな期待はしてしもたわけですが、中身を読み進めるにつれ、「これ、3Pモノにすればよかったのにーーーっ!」とハゲシク思った。
布陣は面白いのに、ここぞ!という決め手に欠ける…。少々惜しい作品でした。

2

双子とのトライアングルラブ

たまたま平行して読んでたマンガも双子モノで、
さらに双子が入れ替わって想い人とは別の人と体の関係を持つ
ってとこまで一緒でデジャヴしまくり。
でも、個人的にはこっちの方が納得いく結末で良かったです♪

双子モノの入れ替わりは定番ですが、
そこまで完璧にダマされるものかってナゾです。
それとも、恋は盲目って言うぐらいだから、顔と声と口調が似てたら
一卵性双生児の場合見分けつかないもんだろうか??
まぁ、そこらへんは深くツッコんじゃいけないとこですよね。

晴人が恋した上司の宇津木には双子の弟がいた。
その弟は兄のフリをして晴人と関係を持ったため、
その責任を取ろうと航(兄)は晴人と付き合うことに...
ノーマルの男の責任の取り方が男と付き合うことって結論になるのが
唐突過ぎておかしな話だとは思うんですが、
そこをツッコんじゃぁ話が進まないもので...
しかも、あっさりエッチしてるしなぁ~
おまけに晴人のこと好きになってラブラブ、めでたしめでたし★
ってことになるはずが、先に体の関係を持った蓮(弟)が
気になって仕方ない晴人。
実は蓮が航のトラウマ克服のために晴人をけしかけるために
航のフリをしたって経緯があるからでもあるんですが...

後半はキュンキュンでしたww
再び航のフリして晴人を呼び出し、感極まって晴人を抱きしめるシーン
なんて切なくてキュ~ンとなります。
晴人への思いを隠しながら、晴人と航の関係を応援しようと
決めた蓮ですが、劇中劇で今の状況をかぶらせて迫真の演技をした結果
それを見た晴人は蓮の本当の気持ちに気付いてしまう。

そこで航は悪役に徹して2人の本音を引き出し、立ち去って行く。
演技とは思えないSMプレイに航の本心を見た感じがして、
ノーマルの航の方が演技だったんじゃないか??なんてww
でも、蓮も航もホントに甲乙つけがたいイイ男なんです。
蓮とくっつくのがわかってても、航の優しさと隠されたトラウマに
ただの当て馬にするのがなんだかかわいそうになりますよね~
まぁ、こう言っちゃなんですが、早いもの勝ちって感じちゃったり...
一番おいしい思いをしたのは、もちろん晴人に違いないww

0

好きになるのはいつも。。。

言いえて妙ではありますが、100パーセント善意。
100パーセントいい人ばかりだと、こうもつまらないかな・・・というのが雑感。
もちろん、文章は面白いですし、設定もいい。
でも、こぉなにか一味足りないという気がしてしまいました。
ヤマダサクラコさんの挿絵がみたいがために読み始めたこの作品。
サラッと読むには面白い作品でした。

お話。ゲイの主人公(受)は、いけないと思いつつも、いつもノンケに恋をしてしまう。もちろんかなうはずもない恋。今回もノンケな上司に片思いをして半年。そんな折、ちゃらい男に声をかけられて、恋のアドバイスを受ける。そのとおりにしてみれば、なんと晴れての両想い!?
しかしその裏に隠された真実とは・・・!?
私みたいに、挿絵を先に~と見てしまうとかなり内容がバレてしまいますねw
ストーリーというか、ネタがあらかた解かってしまう。
勘のいい人なら最初の地点でばれてしまうのでは!?と思ってしまう。
のですが、好きな相手に~真実~本当の相手と~思い出が~
と、リンクし、言葉、行動がダブってしまうというつくりはすごく好きでした。

ただ問題は、メインの登場人物3人がこれまたみんな良い人といいますか、善意といいますか、みんな「○○のために~」と疑わないんだよ!!
悪人が見たいというわけではないの。だれしも、こぉね、ムラっとか、イラっとか、ジェラシーとか。ちょっとくらい暗いところがあってもよさそうなんだけど、「ジェラシーでいっぱいだぜ」とか良いながら、笑顔でお前にゆずるぜw的な部分が多いのです。
だから、せっかくの山場もそんなに盛り上がってこなかったような印象を受けてしまいました。もったいない。
弟がレイプされてるとおもって~のトラウマを経て、妙な兄弟愛への目覚め・・とかも面白いかも!と一人盛り上がってしまったのもまた然り。

受の気持ちの転換もちょっと急激でしたね。
結局ほのぼのラブはいいんだけど・・・ん~・・と思う部分もなきにしもあらず。
ま・・・二人、いや、三人が幸せならそれでいいんだけども。
追伸。挿絵から、ちょっぴり鬼畜兄貴を期待してたんですが、そんなでもなかったです。残念無念。妄想で補充いたします。

1

この先が気になるんですが、

「誰も見たことのない、100%善意の恋愛詐欺!」と帯にありましたが、読み終えてみてそれなりに納得できました。
他の人のレビューで、双子ものだということは知っていたのですが、あまり詳細を読んでしまうと面白さが半減してしまうので、それ以上の内容は知らないまま読みました。

真面目な上司に恋をした青年が、ゲイバーで恋の悩み相談をした相手が上司の双子の弟だったというわけです。
巧みに恋愛成就のノウハウを教えてくれていた弟に、実はコロリと騙されていて・・・

一般的にこういった展開だったら、騙されていたことに気付き本当の相手と付き合えるようになったら、そこでめでたしめでたしハッピーエンドが多いのではないかと思いますが、そこに一ひねり。
弟は兄のために身を引こうとし、兄もまた二人のために一旦身を引くのです。

大変なのは二人の間で小船のように揺れ動く晴人くんです。
真面目で優しい課長に思いを寄せていたはずなのに、弟には素の自分を出しても受け入れてもらえて・・・
確かに、何も飾らない自分を愛してくれる人といることが一番幸せだと思いますが、この先なんだか課長も砕けてきそうなので、また悩まなくちゃならない日が来るかもしれませんねぇ。

1

どっちにするの!?

晴人は大手銀行員でノンケばかり好きになってしまうゲイ。
好きになってしまったのは職場の課長、そしてやっぱりノンケ。
片思いをして半年、ままならない想いを抱えてハッテン場である
なじみのバーに訪れると、見知らぬ男 蓮に
恋愛アドバイスを受ける・・・

蓮の言うとおりに課長へアプローチすると
とんとん拍子にうまく運び!?

と、いうお話なんです。

片思いの課長 宇津木航と、バーで知り合った男 逆瀬川蓮
ふたりの男に気持ちが揺れ動く晴人。

嘘が本当で、本当が本当で!?
ちょっとしたからくりがあるシナリオ。

航も蓮も、身体も繋げてしまったあとで
ずいぶん潔く身が引けるなって思いました。
晴人の半年にも及ぶ片思いって、結局そんなもん?とも思ったw
おもしろかったんだけども、航も蓮も魅力がどっちもどっち・・・
ベッドでのテク、ナニの形とかプレイとか
いろいろ差別化して書いてほしかったかも。
「ああぁん、やっぱり・・・違うっv」
みたいな書きおろし希望。

0

こんな双子ものだとは

表紙を見ていただいたらわかると思うんですが、攻めは二人、双子(航と蓮9です。
その二人の間に挟まって、本当に切なく心を揺れ動かされる晴人。
となると、いつもの3Pか?! となるわけですが、同時に二人一緒に付き合うことはないんです。
どちらかとしか付き合ってないという、ある意味変わった(いやいや、人として真っ当です)お話です。

半年前、異動でやって来た直属の上司・宇津木。お堅いイメージがあって、回りの同僚は宇津木を敬遠していましたが、悩んでいたときに優しく声をかけてくれたり、仕事で信用してもらっていたことやらで、いつしか宇津木に心惹かれていた晴人。

馴染みのバーで、上手くいかない恋愛をこぼしていたときに声をかけてきた蓮。舞台俳優をしているという蓮は、ノンケの落とし方を教えてくれるのです。
そしてそのレクチャー通りに実行すると、ある日個人的に晴人を誘って来た宇津木。付き合い始めた二人は、週末に密かにデートを繰り返し、愛し合うようになるんです。

ここまでは順調に進んでいくわけですが、航と蓮が双子だったことがわかり、身をひいた蓮と入れ替わるように航と付き合い始めた晴人ですが、どこかに本当の気持ちを置き忘れたような気になってしまって。

いや~、こんな展開が待っているとは予想外。
晴人じゃないけど、びっくりでした。
結局最後に結ばれる相手は……。

それそれが、ちゃんと真摯に恋愛をしていたし、流されることなくきちんと自分の気持ちに向き合っていたし、安易に3Pに流れなくてよかったなぁ~と思ったお話でした。

4

3Pでない双子ものですが、何かすごく、すごくよかったのです。

神に近い萌えか、神にするか、ものすごーく迷ったんですが、胸のキュンキュンの回数がタダものではなく頻繁に訪れてしまったので・・・
帯に「誰もみたことのない、100%善意の恋愛詐欺!」とありますが、確かにそうかもしれません。
双子ものなんですが、片われの蓮がすごーく切なくて、イイ人で、惚れました。
きっと「花丸ブラックレーベル」だったら3Pにもっていくところでしょうけど、ブラックではないので、ちゃんと決着をつけているところが、思わず少しウルっときてしまいました。

設定がお堅い職業の銀行で、渉外というとても重要なお仕事の部署。
主人公の晴人はそんな職場ですから、絶対ゲイであることを知られてはいけないと、課長の宇津木に恋していても、叶わないノンケへの恋心を抑え込むしかありません。
愚痴りに訪れた行きつけのバーで偶然出会ったのが、蓮と名乗る男性。
晴人の悩みを聞いて、アドバイスをしてくれるのですが、その通りにすると、課長と上手く接近することができるようになるのです。
それからが、自分を胸キュンにしていく出来事が起きていくのですよ。
課長と上手く相思相愛の仲になれたのですが、実はそれは課長ではなく・・・
バレたことで、本物の課長と付き合ってみることになるのですが、何かにつけデジャブのような感覚にとらわれ、幸せであるはずなのに胸にしこりが残る晴人。
そして、晴人が重大な決断をするきっかけになるのが・・・

晴人のよいところは、前向きで素直で、何事にも一生懸命取り組み、誠実なところです。
ただ翻弄されているだけではなく、受け様として、立派に男性の気をひく魅力的な青年だと思います。
また、課長もトラウマを持つことで恋愛が下手な性格、双子の蓮との違いが、まるで仰々しいくらいの生真面目な性格で設定されています。
蓮は、双子だけあって課長と本質が似ているのかもしれませんが、また俳優であることから演技が上手いのかもしれませんが、それでも人を思いやる心をもっていて、自分な好きな人には幸せになってほしいという気持ちで動いている点が、とてもイイ人を現しているようです。

晴人は最後、どちらかを選択することになるのですが、振られた片方もすっかり本当に好きになってしまったようですので、この晴人としてはそれぞれとはエッチしちゃってますから、複雑だろうなと、少しかわいそうに思ってみたりも。
それにしても、真面目な課長がいきなりお道具を出してSに走ることろは驚愕でした。鬼畜メガネだったのか!?

とにかく蓮の気持ちが切なくて、気持ちの持って生き方にも不自然さがなくて、素直に自分の中に入ってきましたので、読後の感じはとてもよいものでした。
ヤマダサクラコさんの絵がまたいいんだなー。

3

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