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表題作宵星の憂い ~桃華異聞~

李藍珪・受様と通じた為に商人となった元武人
翡水・攻様と通じたために楼閣に売られた亡国の元王子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

亡国の王子・翡水は隣国に献上され王に美貌を寵愛されたが、誠実な衛兵の藍珪と通じてしまう。彼と後宮から逃れるのに失敗した翡水は、罰として遊郭・桃華郷に売られた。三年後、誰にも落ちぬ男妓と評される翡水の前に二人の客が現れる。慈しみ深く情熱的な恵明と、昔とは別人のように冷酷に翡水を攻め苛む藍珪だが、彼等は異母兄弟で――。

作品情報

作品名
宵星の憂い ~桃華異聞~
著者
和泉桂 
イラスト
佐々成美 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
宵待の戯れ~桃華異聞~
発売日
ISBN
9784344818163
3.3

(10)

(1)

萌々

(2)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
32
評価数
10
平均
3.3 / 5
神率
10%

レビュー投稿数6

すごく自分と相性悪い作家なだけです。ウン。

古代中国風で、兄弟に愛される美人というパターン。
ちょろっと3Pが出てきます。

いままで技術的にどうよ?って疑問を感じる作家とか、
文体がどうにもこうにも趣味じゃない作家はいたにしても、
ここまでギッシリ書いていて文句なしなのに、合わない作家がいるらしい
ということに今さら気づきましたw タハハッ。
やや凝った雅さのある文章は好きなんだけどね、和泉センセイ。

この人の繰り出すキャラってのが、
「ど、どうしてそうなる!!???」と疑問符の嵐なんでございます。

感情を失った人間をメインに据えているのはいいとしても、
感情がないという割に、客をえり好みしていたり、嫌味を感じたり
しているあたり、感情がないというには生臭すぎるんであります。

藍珪と恵明の兄弟も、弟の恵明が翡水を落籍させると決心するほど
愛しているにもかかわらず、兄弟で3Pをヤッたらあっさりあきらめるのってなんでー?
あとで、いろいろと言いわけはつくんだが、自分的に納得のいく話ではなかった。

優美な描写はあるんだが、和泉作品のキャラはパラドックスすぎて
どうも好きになれない…。

1

気持ちは初な男妓!

このお話は、4作目と思いますが、前2作は読んでいます、
どれも、イラストの佐々先生によて、異世界の遊廓が舞台で、
出てくる人物の美敬なこと、幻想的な世界が楽しめる作品で、

どれも、大好きです、つい続けて読んでしまうい話です。

内容は、恋というものを知らない可哀そうな、主人公が
男妓として売られる事件の、相手方が恨みを持って、
客としてくるのだけれど、その弟が主人公に惚れて客として、
通っていた。

やさしい弟と、酷い抱き方をする兄、まどう主人公、
とうとう、3人で抱き合うようになった、そして気持ちが、
兄にあると、自覚をしてしまう。

恋をしたら、遊廓をでるという、約束があったため、
主人公は、二人の住む所にいき、兄と気持ちを通じ合わすことが、
できた、でもなかなか理解しあうのに、いらいらするほど、
鈍い二人でした。

これを機会に、前作も読み直して、レビューを書きたいと思います。

0

怖さの理由

今回は受様の放蕩相手で精悍な印象をまとう商人と
寵姫となるも王に売られて男妓になった元王子のお話です。

二話構成で
受様視点で二人の出会いから桃華郷との別れまでと
攻様視点で二人の出会いからお互いの思いに気づくまで。

受様は小国ながら近隣に有名な農業国に
側室腹の第三王子として生まれますが、
その美貌故に鄙の地で隔離されて育てられます。

結果、
受様は感情の起伏の少ない子供のまま育ち、
叔父に他国の王に献上された後の王の後宮でも
王に様々な事をされても一向に関心を向けません。

そんな受様が
自分付となった一人の衛兵との出会いで
初めて人に感情を揺さぶられます。
この衛兵こそ今回の攻様になります♪

しかし、この当時の受様は
攻様と情を通じて出奔しようとしたにも関わらず
攻様への情を「怖さ」としてしか認識していません。

企みが潰えて王の悋気にふれた受様は
桃華郷の中でも特殊な店、
富裕層向けの『楼』ながら
嗜虐的な性向を持つ男達が集う『黄梅楼』に
男妓として売られる事になります。

元より心がない王子と言われた受様は
楼主に客を選ぶ権利を認めさせた意外、
男妓としての生活に否と言いませんでした。

楼主と因縁ありげな楼の馴染み客に
男妓としての手解きを受けた受様は
攻様との過去を記憶の底へと沈め、
桃華郷での暮らしを始めます。

そんな受様が再び
心を動かす出来事に遭遇するのは
男妓の仕事もそれなりに板についてきた
三年目の事でした。

己の借金にも先の暮らしにも関心の無い受様は
積極的に馴染み客をとる事もしませんでしたが、
そんな受様にもここ一年ばかり
熱心に通う若い商人のなじみ客がいました。
彼は受様に真摯に愛を囁いていました。

彼に無心に求められても
受様の心が波立つ事はありませんが
それでも穏やかで優しい彼は受様にとって
数少ない安らぎを与えてくれる存在でした。

しかし、
その彼が兄の反対で桃華郷から足を遠のき、
受様は彼の代わりとばかりに
楼主から新たな上客となるであろう男を
紹介されます。

そして迎えた客はなんと
情を交えた初めての男である攻様だったのです!!

しかも受様が彼を攻様と知ったのは
受様の拘束したままで身体を繋げた後で
受様は彼の欲望のままに凌辱されてしまいます。

攻様が受様を苛んだのは恨みから?!
それとも…

桃華異聞シリーズ4作目。
既刊のキャラもチラホラ登場しますが、
今回は単巻で読んでも全く問題なしです。

この後、
熱心に通う若い商人が攻様の義弟だと判り、
二人に凌辱された揚句に桃華郷から放逐され、
主役二人がまとまるまでに山も谷も有りますが、
最後まで一気に読ませられました♪

受様は王族と言う出時に加え
母に疎まれての雛育ちで
人と交わる術を知らずに育ちますが、

皮肉にも売られた先の桃華郷で
楼の人々や客等の他人と接する事で
初めて人としての情を知っていきます。

そして攻様と再会する事で
自分の心と対する事を余儀なくされ、
己の感情に目覚めていきます。

そして初めて
過去の帰路での選択に潜んでいた
自身の気持ちに気づくのですが、
その時には攻様に伝える術もなく…

物語の後半、
攻様視点になったら受様の健気さが
倍増しになりました♪

桃華異聞シリーズは
キャラがリンクして続いているので
次回は今回の楼主の恋物語を期待!!

今回は本作同様、
攻様と接する事で人らしくなる受様のお話で
神楽日夏さん『巫女姫の結末』などいかが?

0

この感情の本当の意味を教えて。

やばい、これ、超好きかもしれません。

最近よく思うのですが、好きになる作家さんていうのは結局は自分好みのお話を書いて下さる方ということで。
つまりは大きくみれば「趣味が合う」方ということで。
その中でもお話によって作家さんていうのはいろいろなキャラを作り出していかれるわけですが。
今回、この「桃華異聞」シリーズでは一番好きな作品となりました。
いや1作目は自分の趣味と離れてるので読んでないのですが。

王族に生まれながらその美貌ゆえに母親からさえ疎まれつつ育った翡水。
彼がある禁を犯した結果、残った選択肢は2つ。
自分の目を潰すか、男妓に身を堕とすか。
そして、男妓となることを選ぶ翡水。
その選択に揺らぎはなかったのだが…。

母親に感情を見せることさえ咎められていたせいか表情にも乏しく育った翡水。
そんな彼が唯一、最初から「こわい」と認識したのが藍珪。
それは胸が震えることの意味さえわからなかった翡水の感情の捉え方で。
ほかのものに対してそういった感情を抱かないところをみれば最初から「特別」だったことは容易に感じられる。
けれど、その意味を教えてくれる者は側になく。
ただ「こわい」という認識は2人が逢瀬を重ね王の寵姫であるということを犯してまで抱き合った後の展開に大きく響く。
その感情の意味を知らない翡水は妓楼に売られ、その身を男たちに委ねることになっても少しも厭わない。
そのことに対する汚らわしさや屈辱のようなものは見られない。
それなりに蔑まない相手を選べる立場にあったせいもあるのだろうが、普通なら王族から男妓へと貶められればそれなりの気持ちが生まれるはずで。
男妓として新しい生活を始め、新しい人間と出会い、触れあって。
癒しや安らぎのようなものも覚え。
徐々に「人間らしく」なっていく翡水。
穏やかに過ごせるかに見えた日々に水をさすように現れた藍珪。
過去に対する執着を見せない翡水に裏切られたような気さえ起こし乱暴に扱う藍珪。
そのやりように心からの拒絶を示す翡水。
なのに、身体の方は求めるようで。
それがどこから起因するものなのかやっぱり翡水にはわからないから、自分の心を乱す藍珪の存在はこわくて仕方ない。
ぶつけられる憎しみがひどく突き刺さる。
それがほかの人間から向けられたものならそこまで心に響かないことにも気付かない。
傷つけて、傷つけられて。
捨てられて、独りになって。
ようやく、「淋しい」と思う気持ちを、「孤独」を知って。
その先に進む方法は燼泉に教えられなければ知り得なかったかもしれないほどに何も知らない翡水だったけれども。
翡水が思ったことをなかなか口にできない口下手なせいで、藍珪とのやりとりは余計に遠回りというか擦れ違いが続いてて。
それがとにかくせつなくて歯痒くて。
藍珪も自分の激情の理由を本当はわかっているはずなのに、それをどこかで認めたくない部分があって。
相手の気持ちが読めない分、ひとりよがりな気持ちではないかと思う部分もあって最後の最後でようやく翡水の選択の真意に至るまで無体なことも数知れず。
最後まで物語に惹きつけられてしまいました。
ラストのえちシーンの翡水が自分で胸を弄って止まらなくなっちゃってるのに萌えてしまいましたv

そして、脇役?も魅力的で。
藍珪と対比のように登場していた優しい翡水を労わる男・恵明。
実は藍珪とは義理の兄弟でもあったりするのですが、彼の優しさが翡水の心を安らかなものにしていたのも事実。
最終的には身を引く形にはなりましたが、彼と出会えたも翡水にとっては必要なことだったと思います。
それから、燼泉。
楼主である玉巵から頼まれて翡水の手解きをすることになる人物だけれども、この人は本当に父親のようなというか肉親のような存在であったと思います。
翡水の言葉からその真意を汲み取って彼にその意味を教えて。
彼がいなかったら翡水は自らの喪失の意味も知らずにいたかも、と思うとこの人がいてくれてよかった、と。

あと。
メインの翡水と藍珪の気持ちの擦れ違いや感情の意味の捉え方のせつなさがすごく好きなのですが。
もう1人気になった人物がいて。
それが楼主である玉巵なのですが。
佐々さんのステキなイラストを見て、この子にも誰かいればいいのにな~なんて思っていたのですが。
後半、「おや?」と思う言動があったかと思うと、その後の翡水と燼泉のやりとりの中でその真意が明かされていて。
玉巵もまたせつなく複雑な想いを抱えているのかと思うとこちらまですっごくせつなくなりました。
そして、ファンタジーなので結構何でもありな世界かと思っていたのに父子は禁忌なのか…とちょっと複雑な気持ちになったり。
玉巵も燼泉も互いに想いがあるのに、それを公然と交われない。
この2人についてはどうにもせつない妄想が広がっていけません。

和泉さんがHPの方で、燼泉のことは同人誌とかで書きたいなーとおっしゃっているので是非それを実現させていただきたい。
たとえ結ばれることがないにしても、もう少し燼泉と寄り添う玉巵も見てみたいものです。

2

ツンツンと誤解で最後までやきもき

作者さんお初の3Pだそうです。
攻め二人は兄弟なんですが、兄弟の間で受けちゃんが迷って迷ってなお話なのかしら、普通のパターンならそうよね、と思うところですが、何せファンタジー遊郭モノですから、そうは問屋がおろさない!
そうだろうなという安心は保証されているものの、結末をほんとうの最後の最後までもっていくあたり、お上手♪
作者様にやられました、ほんとう、やきもきさせられましたよ(トホホ、、)

翡水は、王位継承権に関係のない王子なんですが、あまりの美貌に母親から疎まれ、王子である為に人との触れ合いもなく、自分の感情すらよく解らない感情の乏しい人になってしまったのです。
それが人質のようにして隣国の王の寵妃として後宮に入るのですが、衛兵をたぶらかした罪で、桃華郷に娼妓として売られてしまうのです。

とにかく翡水の感情が乏しいのがミソ♪
でも客を取る条件は翡水の要望が通って、自分が選んだ客しか取らないという待遇だったのがラッキーだったのですよね。
最初に娼妓として手ほどきをした優しいおじさまによって、少し傷が癒されて、そして常連になった恵明の優しさに、癒しと優しい気持ちを教えられて、そして因縁の藍珪からは憎しみをぶつけられることで孤独を。
この桃華郷にいたことによって、人らしさを取り戻していくリハビリ期間だったのだなという展開になっているのでした。
娼館の主の珠巵だって、寵妃にした王だって、皆翡水の事をおもいやっていたんだなとわかるのですが、こんな性格の悪い翡水、ほんとうだったら憎まれて蔑まれてもいいくらいの人なんですがね。
あまりの不器用さに、みな憎しみより憐れを感じてしまうのでしょうか?

藍珪にしても、翡水を逃がすのを失敗して捕まった時に選択した翡水の選択を憎んで憎んで、でも憎み切れずに、冷たく酷くしてしまう。
でもそれは自分自身の迷いだったりするのです。
それが最後まで続くのですから精神的には針のムシロなんですが、体は反応してしまうので、エロイことこのうえない!
ちょっと閭辱めいた行為とか丁寧語攻めとか(和泉さん、丁寧語攻め好きなのか?)淫靡さを増すのですよね。
そこで、極めが弟恵明に翡水はこんな淫売なんだということを知らしめるために行われてしまった兄弟攻めの3P。
この辺りはいたって普通の3Pでしたが、これで恵明がよりのめり込まなくて、飲み込みよく翡水を諦めてしまうっていうのが、イイ人すぎるよ!
でも、こんなにイイ人だから後々に役に立っているのですがね。

翡水の天然不器用ツンツンぶりが見事で萌えツボでした。
この桃華郷シリーズでは二番目に好きに入る作品になりましたねww

1

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