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新しい恋などいらない。この恋だけでいい
1冊丸ごと表題作です。光美の目線でストーリーは進んでいきます。
主な登場人物は、主人公の光美、年上の幼馴染である勝男、克己の三人です。光美には兄が二人もいるのですが、そちらの影は薄いです。
祖母のホテル「待宵」を、両親はラブホテルにし、それを売ろうとした克己を勝男は止め、光美をバイトに雇ってホテルを経営します。
光美は克己が好きなのですが、克己には弟のようだと受け入れてもらえません。それでも傍にいたい、抱いて欲しいと願って…健気でした。
克己の言動は光美を思ってのことなのですが、探していた「女」のこともあり、誤解と擦れ違いで終盤まで伝わらず、ようやく素直に気持ちを言えたと思ったらエッチに突入という王道なパターンです。
光美と勝男がホテルの営業のために、あれこれ策を考えるのが読んでいて面白かったです。二人の恋愛模様だけに終始していたら逆につまらなかったと思いました。
佐々木先生のイラストが秀逸でした。表紙の散らばった椿もですが、裏表紙にもなったカラー挿し絵の階段でキスする二人がエロくて素敵でした!
萌と中立の半々位かなー。
文庫版だったら萌だけど、新書版なので中立で(自分はどうしてもお値段を評価に含めてしまうのですよ)
最後にババーッと後出し感がありました。
設定は悪くないと思うんだけどなあ、なんかですねー、伏線なんだけど伏線ってより、単にわざとらしく感じてしまった。
でもまあ自分的に火崎さん作品って神も滅多にないけど趣味じゃないのも滅多にないというある意味安全パイな作家さんの一人で、どの作品もそれなりに読ませはするんですが。
年齢差のある幼馴染モノで、舞台はラブホテル、といっても元々は普通のホテルだったんだけれど立地条件もあって経営困難から、今はレトロ感があるラブホテルとして経営しています。
そのオーナーが克巳〔攻〕と、彼の年下の幼馴染でそのラブホテルで働いている光美〔受〕。
光美はずっと克巳の事が好きなんだけれど、克巳はどうやらある女の人を想い続けているらしい。
途中いかにもそれっぽい描写が出てきて、でも光美は克巳の事だけが好きで。
酔っ払いに絡まれて犯されそうになった光美を助けてくれた克巳に、好きだと告白したのだけれど誤解されたまま抱かれてしまう。
ただ1人の女性を追い求めているらしい克巳と、それでもまだ彼を好きな光美。
最後にその女性の謎が解けるのですが、そこがなんか自分的には後出し感に感じてしまったのですなー。何でだろう。あれかなあ、克巳が光美を好きって雰囲気が全く無かったからかなあ、え、好きだったの!みたいな。
あとがきでよく火崎さんは彼はこんなでこんなだったんですよーみたいな事を書かれるんですが、今回もそうで、ここで書くよりそれを作品内で書いてくれんか……とちょっと思っちゃいました。
絵師さん買い。
火崎さんは好きだったりそうでもなかったりと個人的に浮き沈みが激しい作家さんなのですが、残念ながら今回は後者でした。
ラブホの受付が舞台という変わった設定で期待して読み始めたけれど、それはそんなに重要じゃなかった。
雄弁ではないけれど優しくて少し過保護な年上の幼馴染みに片思いしている主人公。だけど、彼にはずっと忘れられない女性がいるらしい……そんな主人公の葛藤がメイン。なんだけど……
なによりも主人公の性格および語り(一人称なので)が女々しいというか、自己犠牲大好きなヒロインちっくで苦手で、何度か読むのを諦めそうになりました。
対する攻もクールかと思いきやただのヘタレというかなんというか、あれだけ主人公をつっぱねといて最後に手のひらを返したように思えるし……
お前は一体なんだったんだ!!
正直うーんという感じです。
男同士であることに対する葛藤もあるんだかないんだかでびみょーな感じだったしなあ。
こうゆうのが、年の差物って言うのかな、
「幼なじみ」で「弟のよう」
そんな呪いの言葉に、敢然と立ち向かう、年下の光美と、
駄々をこねる子どものように逃げ続ける、年上の克巳。
ありがちな設定ではある。
王道パターンの一つだ。
メインストーリーである、この二人のお話は、正直言って、克巳のせいで、痛いばっかり。つらいばっかり。
最後はちゃんとハッピーエンドになるけどね、
この作品、メインのストーリーより、舞台が、昔は贅を尽くした旅館で、今はラブホテルの『待宵』を、何とかホテルとして蘇らせたいと頑張っている、勝男のおかげで、ずいぶん点数を稼いでいると思う。
今回はとっても珍しく壊滅的?と言うか、我が侭?ともちょっと違うけど、自分の気持ちを優先する感じかな?これもちょっと違う?でも火崎さんには珍しい受けの光美とヘタレで、排他的な攻めの克巳のお話でした。
好きか嫌いかで言うと嫌いな部類に入るお話のはずなのですが、このお話は結構、引き込まれて、途中、というか何度も切なさにグッと来てしまいましたね~・・
なんかいつもの火崎さんとは違った作風だったような、気がするんですが、結構私にははまりました。
好きな相手に結構きつい?というか辛い言葉を投げられてましたね~・・頭ん中では諦めなければという気持ちと、相手を求めてしまう気持ちとのせめぎ合いの中どうしても、心が勝ってしまって、結構身勝手な事をしてます・・
でも、とっても嫌な感じはしないです。
攻めはかなりのヘタレなんですが、心の中ではいろいろあったのだろうとは理解出来ますね。
最後のHは結構切なかったかな~・・「好きになってごめん」みたいな光美の気持ちがとてもなんか切実で、今までの身勝手だった自分を後悔しているかのように・・とても心に響きました・・
そして、今回も恒例の妄想あとがきですが・・今回のあとがきはとっても気に入った妄想でしたね~・・
思わず想像して、それはいい!って思うくらい・・・良かったですね~
毎度毎度の事なので、続きは是非なんて思わない事にします!これも本編だと思って、自分で想像して納得行くという形に持って行こうと・・前向きに考えました!!