恋の終わらせ方は人それぞれ。さて、このふたりの場合は――?

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表題作地獄行きバス

必要最低限の無頓着 修
捨てられないこだわり派 カンちゃん

同時収録作品夜の女王/ひみつのはなし/未来には

貴志 従兄弟の輝をストーキング?
ヒラ デリヘル少年

その他の収録作品

  • あふれそうな家(表題作と同じCP)
  • 夏の夢(表題作と同じCP)
  • なにもいらない(表題作と同じCP)
  • あとがき

あらすじ

「6月に同僚と結婚する」

突然、同棲中の修から結婚報告されたカンちゃん。別れを切り出すと、修はカンちゃんと別れるつもりはないと言い出す。どうしても別れたいならば…と修がカンちゃんに出してきた条件は“一週間、ふたりで旅行に行く”だった――。

この幸せが消える前に何度も何度も愛し合おう。
感受性豊かな登場人物たちが織り成す大人気シリーズを収録!!

(出版社より)

作品情報

作品名
地獄行きバス
著者
明治カナ子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
ISBN
9784812474068
3.9

(69)

(26)

萌々

(23)

(15)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
19
得点
270
評価数
69
平均
3.9 / 5
神率
37.7%

レビュー投稿数19

タイトルに反して甘く温かい

◆地獄行きバス(表題作)
 シリアスな展開かと思いきや…。嬉しい方向へ進んでくれた作品でした。女性と結婚するのに男の愛人としてカンちゃんとの関係も切らないと宣う修に、最初こそどんな鈍感男なのかと呆れましたが、もちろんそれはちょっとした愛の駆け引きで。そこからは最初のしんみりした雰囲気が嘘のように、カンちゃん一筋な修と、なんだかんだいつも修に絆されてしまうカンちゃんの、ラブラブな日常が繰り広げられます。ものを捨ててばかりだった母親に育てられた修が、カンちゃんという大好きな人を手に入れ、カンちゃんが好きな雑多なものに囲まれて暮らす。人生、出会いがあればどんな風にも変わるものだなぁと改めて思いました。

◆夜の女王、他
 貴志と輝の話になっても、執着攻めの作品として十分楽しめそうでしたが、そういう展開にならなかったことがこの作品の魅力でしょうね。輝の代わりでしかなかったヒラに、本当に少しずつ情が芽生える貴志。輝への想いが減ったわけではないのだろうけれど、それぞれの好意の本質が徐々に見えてきたのかなと感じました。

0

寛ちゃんと修/貴志と輝とひら

エッチングのような線描で、味わいがある絵。
恋の終わらせ方についての2シリーズ。

寛ちゃんと修の恋愛日誌みたいな話。----
★地獄行のバス
「生粋のゲイ」と確認したのに、その恋人が女性の同僚と結婚することになった。
でも、カンちゃんとは別れない。
二股かけてほしくないなら、一週間旅行に一緒に行こう。
・・・と提案をうけて、二人で温泉に行くことに。修と初めての二人旅。
かんちゃんが女に恋人を奪われるのは、4回目。
・・バイと知らずに付き合って、同棲してすこしずつ家具をそろえていったのに、と泣くかんちゃん。
なんだか、修が奇妙な雰囲気。ひょっとしたら、サプライズがありそう、と思いながら読み進むと・・・
修の気持ち「インテリアよりも深く自分に執着してほしい」
かんちゃんの気持ちを確かめたかったのでした。
面白かった。

★あふれそうな家
修の親戚は裕福。貰った贈物は、質草になりそうな高価なブランドものばかり。
修の母親は、捨て魔。修も、物を置かない主義。だから物と思い出が結びつかない。
カンちゃんは、買い物好き、捨てられない性格で物が溢れている。
カンちゃんが、別れた元カレと遭遇して・・

★夏の夢
かんちゃんが高額品を購入した日は、いつもと違う。
犯っちゃいましたという顔。

★なにもいらない
修は料理好きで上手。
かんちゃんは、修になにかいいものをあげたい。
と努力したら、「物欲にまみれないかんちゃんはおかしい」と心配されて・・

貴志と輝とひらくん----
★夜の女王
朝起きたら、貴志の両親は消えていた。
貴志のお母さんが作った絵本「夜の女王」
貴志が、一人暮らしを始めた。

★秘密のはなし
貴志は輝が好き。
アルバイトで雇ったヒラ君は貴志が好き。
輝は、誰かと付き合おうとしているけれど、まだ貴志が好き。
ヒラ君と輝は、同じ高校の生徒。

★みらいには
貴志の添い寝をするために、輝が泊りにくるようになった
ひらくんは、売りを辞めて学校に真面目に通うことに。
輝がひらくんをさがして、貴志は借りを返しに会いに行く
その後は謎。

0

人間の滑稽さ

目次を見ると短編集っぽいですが、単行本の半分は表題のCPです。

◾︎修(おさむ)×カンちゃん
幼少期の母の影響か、モノの執着が薄い修。一方で服マニアでモノへの執着が強いカンちゃん。修が、モノより自分に構ってほしがったりしつつも、真逆な2人は足りない部分を補い合って支え合って生きています。

明治カナ子先生は人間のどうしようもなく滑稽なところを描くのが本当にお上手。エッチシーンが生々しくもあり、また動物的でもあるところが、現実味を帯びていてとても好きです。キラキラした絵柄でないからこその良さ。
同時収録作も、人間の優柔不断で醜悪なところが静かに、かつギラギラ描かれていて大変好き。ひょっとしたら万人ウケするのはこちらの作品かな?

神寄りの萌2
※電子書籍ひかり 白抜き
裏表紙、カバー下無し

1

読んでよかったー

これもよかったー
読後、ため息が出ちゃう。
悪い意味ではなく、良い意味でのため息です。

「地獄行きバス」は、修とカンちゃんの日常的なお話です。
この2人、くっつくまでの経過が明らかにされていないんだけど、友人の紹介みたいですね。
もっとじっくり描いて欲しいなー。
洋服に執着していたカンちゃんが、洋服よりも?修のことを大事にしていく過程がよかったです。

そして、何より同時収録作の「夜の女王」他2編がよかった!
すごく良かったです!!
従兄弟の輝を監視?している貴志とデリヘル・ヒラとのお話。
貴志は輝の事が好きなのかと思いきや、そういう好きではないみたい…。
最後は、バラのアーチをくぐってヒラを迎えに行くところがすごく良かった!
胸が熱くなりました。

とにかく、読んでよかった一冊です!!

0

地獄行きからsweetな日常へ

表紙を一目見たときは左の黒いジャケットの男子が幼く見えて、ショタとの破滅的な話なのかと思いきや、大人男子二人の素敵ラブ。修(右)とカンちゃん(左)に超萌えました。
カンちゃんは根っからの服好きなアパレルのバイヤー、ガタイのいい修は割とイケメンだけど服には無頓着な整体師。二人はゲイで、同棲していて、うまくいっていたようなのに突然、修は結婚すると言い出した。
「結婚するけどカンちゃんとは別れない、別れたいなら一週間俺と旅行して」
修は上機嫌でもカンちゃんの気分は最悪、こんなふうに表題作「地獄行きバス」は始まります。いきなり結論を言うと修の結婚は嘘。「服だけじゃなく、もっと俺にも執着してよ」と、要するに愛情の再確認のような感じなのですが、短い話にも関わらず私は異様に惹きつけられました。
 続く「あふれそうな家」と「夏の夢」、「なにもいらない」が修とカンちゃんの話。
読んでいく毎に二人の魅力が増していきます。カンちゃんの服好きなあまりに捨てられないエピソードはかなり面白く、修は男らしくい上に育ち良さ気な感じなところも何気に伝わってきて。
特に劇的な出来事は起こらない、一組のゲイカップルの日常を描いたものですが、読んでいて気分がふわふわしてくる感じでした。この萌えは何なのだろう?
後半半分は「夜の女王」編。こちらは少し落ち着いた感じで、貴志とヒロ君が良かったです。

1

甘々な二人。

「地獄行きバス」電子書籍の立ち読み版を見て続きが気になりレビューを見てから購入しました。

しかしタイトルから受ける印象と全く違うのでレビューを見なかった方が意外性を楽しめたかもしれません。
一話目は結末がわかっていてもかんちゃんが可哀想で読むのがきつかったです。
修は「結婚する」って嘘が冗談だったらしくすぐに突っ込みが入るだろうと思ったらしいですが言っちゃダメな嘘ですよね。
かんちゃんが洋服やインテリアにばかり執着していて自分にも執着してほしい気持ちはわかりますけどね。
ただ今回の喧嘩があったからより絆が深まったようで二人の関係を振り返るいい機会になったのかもしれません。

こちらの作品の続きは「ギフト」で見られます。二人のラブラブっぷりがパワーアップしていてそちらも大好きな作品です。

「夜の女王」 こちらも予想外な展開でした。明治さんらしい独特な仄暗い印象のお話です。
親から捨てられてしまった貴志、引き取られた親戚の家の従兄弟輝、デリボーイのヒラが主な登場人物ですがてっきり輝とくっつくと思っていたのでヒラを選んだラストでよかったです。
ただもう少し最後の方をじっくり読みたかったです。 ちゃんとヒラが幸せになれるって安心したかとかなと思いました。

1

笑っちゃうくらいお似合いな二人☆

いや~、いい意味で騙された(笑)
「地獄行バス」シリーズは、価値観も性格もまったく違う二人の恋愛模様を短編で読み進める作品です。
これ…一話目が許せるか許せないかで、今後の作品を楽しめるかどうかが変わってきそうな気もします。
修サイテーという印象から抜け出せない方もいるかもしれません…。
お話事態は一話目以外どれもクスッとしたり、あるある~とか解る
わ~と共感できるような日常のお話。
明治さんの作品には凄く痛いお話もあるので、出だし…実は覚悟しました(笑)
コイツ(修)最低だな!と、カンちゃんが可哀想でプンスカしたもんですが、最後(4編読後)には…なんだよバカップルかよ!可愛いな!!(笑)と私は楽しませてもらいました。
お互いが本当に大好きなんだな~と感じられて幸せな気分にさせてくれるシリーズです。
(エッチがね、本当エッチィですので苦手な方はご注意を☆個人的には幸せそうなエッチで大変満足でした(笑)カバー裏も見てね☆)


「夜の女王」(3編)…評価 萌
“目が覚めたら誰もいない恐怖”
幼少期に親に眠剤を飲まされ、眠っている間に夜逃げされ捨てられた貴志は、それ以来目覚めた時に人がいないことを恐れるようになる。
叔父夫婦に引き取られるも捨てられまいと必死にいい子でいた貴志を思うとツライのですが、内容は凄く重いはずなのにそんなに暗くならずに読める不思議な作品です。
一番症状が酷かった時期に引き取られた先にいた、まだ小さな子供・輝が貴志の発作を抑える薬のような存在になってしまったんでしょう。
執着から輝の成長が嬉しくなかったり複雑な感情を抱えている。
大人になり家を出たけど、相変わらず悪夢を見る為、週末はデリヘルを呼び人肌に安眠を求める貴志。
そんな彼に恋心を抱いてしまったデリヘルボーイのヒラくん。
このヒラくんがまたセツナイ…。
三角関係?それぞれにそれぞれの思いがあります。
最後はそう悪くない未来が待っていそうな、そんなラスト…
私はこの話好きでした(笑)
キーワードはトラウマ・デリヘル・家族愛

1

バカップルとトライアングルラブの二本立て

eBookJapanの無料の販促アンソロ(どえろ男爵号)にこれの第1話が載っていて続きが読みたくなった作品です。
明治カナ子さん初読みで、これと他にもう一冊「惑溺趣味」を併読したのですが、どちらもすごく好きな感じでした。
明るすぎず暗すぎずな独特のトーンも好みです。

こちらには二つのお話が入っています。

『地獄行きバス』シリーズ(全4話)
“地獄行き”なんて物騒なタイトルが付けられてるから仄暗いストーリーなのかと思いましたが、実際はあまあま時々すれ違いのバカップルものでした。
服や家具など物に対する執着心の強い〔カンちゃん〕と、逆に物欲がなくて物へのこだわりも薄い〔修〕の、正反対な二人のお話。
もう少し分かりやすく言うと、カンちゃんは恋人と別れたら貰ったものを全て捨てるタイプ(=物に思い出が結び付いてるから)、修は気にせず使い続けるタイプ(=物に思い出が結び付いてないから)です。
考え方が違うから時々は食い違ったりしつつも相手の気持ちを尊重し合って、尊重するばかりにまた食い違って…みたいな、でも最終的にはやっぱりラブラブ。
理想的な恋人像で羨ましくなっちゃいます。
大きい買い物をすると致した直後みたいなトロンとした表情になって修にそれがバレちゃってるカンちゃんが可愛い。
で、そんなカンちゃんに嫉妬してエッチで更にトロットロな表情引き出して満足げにしてる修も可愛い。
最後の1ページを読み終わって思わず出た感想は、「勝手にやってろ~」でした(笑)

『夜の女王』シリーズ(全3話)
個人的にはこっちの方がお気に入り!
主人公の〔貴志〕と、従弟の〔輝〕と、デリヘルボーイ〔ヒラ〕のトライアングルラブです。
貴志は幼少時のトラウマから一人で寝ることができないので、ヒラをお金で買ってエッチしたついでに朝まで添い寝してもらい、暇さえあればお向かいの輝の家をベランダから覗く生活を送っています。
こう書くとなんだか怖いお話のような感じがしますが、実際のトーンも何が起こるんだろう…という得体の知れない不気味さを纏って進行するので怖いもの見たさの心理で引き込まれます。
ラストは予想外でしたが、結末が分かった上で読み返すと色々見えてくるものもありました。
貴志にとっての輝は精神安定剤みたいなものだったのかな?
輝の家を覗いていたのもストーキング的なものではなく、きっと不安を感じた時に出る無自覚の行動だったんじゃないかなと思います。

エッチシーンが自然体で気持ち良さそうで好みです。
無茶なことはしてないんだけどなんかエロい!

2

夜の女王の連作の方が好みでした。

初めて読んだ明治さんの話は暗くて怖かった記憶があります。そんなに露骨に怖いシーンがある訳でもないのに、うすら怖いのです。
この本もそうかと思って読み始めたら…………あれ?ただのバカップルな話でした。
表題作の連作は表題作以外はほんわかなんですが、出だしのイメージを引きずって何となく心からほんわか出来なかったのが残念。
「夜の女王」の連作が同時収録ですが、こっちの方が絵と話の雰囲気があっていたような気がします。
従兄弟同士の二人がどうこうなると思いきや、従兄弟の代わりに買っていた子と纏まるラストで、この不憫な子が一番好みだったのでよかったです。
幸せな未来があるかどうかはよく分からないですけれど。

1

甘くて驚き。

これは面白かったと。
明治先生のお話って独特だと思ってたけど
これは読みやすい部類だと思います。
BLらしくエロいシーンもそこそこありまして
バカっぷるぽくて甘いというか。

ただ現実味ない話というのではなく
そこはBLっぽい楽しさがありました。

未来にはでは、視点が色々変わるし
ハードな性描写とかもあったりして
いい意味で期待を裏切られたという感じですね。

絵は可愛らしいですが、甘いかつ時々
不思議ビターで萌えました。

3

暗いようで、実は楽天的な世界観なのかも

洋服命のカンちゃんがは、同棲している物欲0の恋人修から女性と結婚すると告げられる。
結婚はするけれどカンちゃんとは別れないという無茶を言う修。
そんなことできない、と拒否するカンちゃん。
どうしても別れたいなら自分と一週間温泉旅行をしろ!という条件を出され、
自分を捨てる男と一週間の旅行に出かける羽目に……

わがままで自己中心的で物が大事だった男が、別れを持ち出されて振り回されて初めて
自分が拘っていたことなんかより、側にいてくれた恋人が大切だった事に気がつく。
そんな風にまとめるとまるで教訓話みたいだけれど、正しくて幸せなだけじゃなく
それぞれが隠し持っている心の中の暗部みたいなものが滲み出ていて、
そこはかとなく不気味さが漂うのがいい。

大物ゲットして、トロ〜ンとエロっぽい顔をしているカンちゃんがおかしい。


同時収録の『夜の女王』の連作。
こちらは、最後が予想外の終わりで驚き且つ萌えました。

一緒の家で兄弟のように育った従兄弟同士の貴志と輝。
貴志は輝に特別な想いを抱いているのだが、敢えて距離を取ろうと道の向かい側に住んでいる。
彼が抱えている心の闇、それを埋める為にヒラくんを買って抱いているのだが……
黒髪萌えなので、ヒラくんを切なくて可哀想に思いながら、違うラストを想像して読んでいたのだが
最後あれよあれよという急展開で、置いてきぼりをくったような感じが面白い不思議な余韻。

もや〜っと仄暗い中を進んで行って、気がつくとほんわり明るいところに居たみたいな
そんなお話二編でした。



5

意外なバカップル話(笑)

明治さん作品で好きなところは、ほのぼのしててエロエロしくて切なくてちょっと不気味なとこ。
その中でもなにがいちばん気に入ってるかというと、不気味な部分なのです私の場合。
今回もタイトルからして、不気味度に期待しちゃったんですよね、それが間違いだったんだな。
こ、こんな終始ラブラブバカップルなお話だったなんて…
絶対なにか冷やっとするオチがあるはずと、しつこくハラハラしながら読んだのですが…ENDマーク二度見したりして。

明治さんお得意の、おかしな親に育てられた人が今回収録の2話共にいて、そこはホッとしました。
ただ、そこの部分もこれまでの作品と違うのは、子供の頃に親兄弟にされた仕打ちや、異常な環境で育ったせいで、性的趣向が歪んでしまうのではなく、今回は高額な買い物に快感を見出す人、物欲がない人、目覚めたとき誰かいないと極度に不安な人といった日常生活においての話でね、性的には関係ないのだった。
多少屈折してはいても、変態度は少なめなのです。
でももちろん面白かったですよ。ところどころ独特な笑えるシーンもあるし、なにやってんだかとニヤニヤしてしまう箇所も多いし。

あとですね、絵が、絵が、なんていうか、あの、濡れ場だけものすごく丁寧(笑)
輪郭が独特なデッザンみたいなタッチではなくて、一本線が多い気がしますが気のせいかな…。
ラブラブで可愛い作品も幸せな気持ちになれていいんだけど、やはり明治さん作品は平穏な世界では物足りないのです。
それと、もうちょっとせつない部分なんぞも盛りこんで欲しかったというのが、勝手な要望です。

5

た○舐めHあり。

明治先生は独特の味わいのある絵ですよね。
私はグロい部分に「うわ~」と思いながらも毎回読んでしまいます。
なんたる中毒性。
グロいというのは決して内蔵が飛び出てーとか、そういった描写があるという意味ではなく、
輪郭線が多くて、何となくホラーちっくに感じるタッチなのです。

今回の内容はラブラブあり、エロもありで、
純粋に内容だけなら割と人を選ばない内容なんじゃないかと思うんです。
ちなみに大きく分けて2作品入っています。
表題作の「地獄行きバス」と、「夜の女王」の2作品です。

表題作「地獄行きバス」は最初、重苦しい雰囲気の展開で話が進みます。
攻めに「結婚はするけどお前とは別れない」と言われます。
そこで二人が喧嘩になり、攻め(修)から「一週間一緒に旅行に行ってくれたら別れてあげる」と言われて受け(カンちゃん)はしぶしぶ了解します。
それから二人で出かけるわけですが、この先は悲しいお話なのかと思ったのですが、
実は超ラブラブの展開で。これなら二股設定が苦手な人にも安心の展開でした。

ところで、表題作にはエロシーンに、たま舐めHの描写があります。
攻めが受けのたまをチューチューしています。
ページ的にはそんなにないですが、お好きな人のために情報を書いておきます♪(どんな情報提供だw)

明治さんといえば受けがショタ臭い事が多いのですが、こちらは受けは青年風です。
もしかして規制が多い昨今事情なのか、そのあたりはよく分かりませんが、
私はショタはあまり好きではないので、むしろこっちの見た目の方が好きでした。


もうひとつの作品「夜の女王」のほうは、何となく暗い部分を持った攻め(貴志)が主人公。
攻め(貴志)は従弟の輝の家の近くに住み、輝の様子を双眼鏡を使って見ています。
かなりストーカー臭いです^^;;;

そして貴志は輝のことを好きなのですが、その事を本人に告げられないので、
アッチの処理をヒラという売りの青年を抱いて済ませています。
貴志とヒラは客と売りをする青年という、それ以上でもそれ以下でもない関係なのですが、
ヒラのほうが貴志を気に入り気味。けれど貴志のほうは「惚れるなよ」と言って突き放します。

輝は輝で、貴志が若い男(ヒラ)と一緒に居るのを見て、何となくヤキモチ。
貴志も輝が自分の胸に飛び込んできたので関係を進めようとするのですが・・・。

結局土壇場になって輝と貴志はお互いに恋愛対象同士ではないことを自覚します。

そこで、貴志はヒラを好きなんだということに気づくんですね。
この198Pからの展開が異常に早い!!ッ!!
うわーんもったいなぃぃぃ!!ここからが、神展開なのに・・・!
最後なんてもう、乙女の心鷲掴みの展開なのに・・・(゜´Д`゜)ウワーン

内容が好きだからいいんですけど、最後の高速展開がマイナス1評価でした・・・。
頼みますよ明治先生~ッッッ!!

8

独特なタッチのカナ子さん節全開

もしかしたら、苦手だと言う方もいらっしゃるかもしれない位、個性があると思います。
直接的なHシーンもあるし、昭和チックだし。
(私はそこも好きですけども)
線が硬めな印象もありますが(偉そうにごめんなさい;)
ハマればきっとクセになるんじゃないでしょうか。

『地獄行きバス』『あふれそうな家』『夏の夢』『なにもいらない』は
物欲がまるで無い男・修×物欲まみれの男・カンちゃん。
性格も趣味も正反対なのに、
お互いが他の人じゃ駄目なくらい愛し合っています。
修の「同僚の女性と結婚する」という最低な嘘は
カンちゃんをとても傷付けます。勿論、言われた方はたまったもんじゃない。
でも、言われたカンちゃんにも理由はありました。
服や小物程、自分を愛してくれていないんじゃないかと、
ずっと修を不安にさせていたのです。(でもやっぱりあんまりだ)
最終話の『なにもいらない』では、
コートを買うのを止めて、修と温泉へ行く事を決めたカンちゃんが可愛らしかった。
今まで言葉で表現するのが苦手で、レアものをプレゼントしてきても、
価値がわからない相手には無意味ですからね…。
素直な気持ちを伝えることが、まさにプライスレス!!
最後はラブラブな二人にあてられましたw

『夜の女王』『ひみつのはなし』『未来には』
金銭トラブルで幼い頃両親が蒸発し、
熟睡出来ない貴志(きし)×年齢詐称のデリヘルボーイのヒラくん。
こちらのお話は、最初どう展開していくのかわからずドキドキしました。
貴志の従兄弟、輝くんと結ばれるかと思いきや、
輝くんにはただ単に家族愛をいだいていただけで、
「好きになられると重い」とヒラくんを牽制したのに
会えなくなったら気が付いた恋心。
馴染んでいたのは躰だけじゃなく、ヒラくんとならぐっすり眠れる程
気持ちも穏やかになれていたんです。

どちらのカプも、苦しくなりながらハッピーエンドで
読んで良かったと思わせてくれます。
こういう綺麗事だけじゃないお話って、繰り返し読んで余韻を味わってしまいます。

ただ絵が可愛らしくて、ありがち過ぎるお話のBLより
深くて切なくて、ほんの少し笑えるところもある
素敵なコミックスだと私は思います。




3

対極的な2人

帯『この幸せが消える前に何度も何度も愛し合おう。』

カナ子さんは作家買いする好き作家さんの一人。
今作も期待を裏切らず凄い良かったー!
最初見た時はすんごいタイトル~と思いましたが内容読むとふむふむと納得。

洋服命で時計から家具まで物に拘るカンちゃん[受]と物に執着しない修[攻]のゲイカップル。
修が結婚する事となり、その前の一週間旅行にカンちゃんは修に引っ張り出されます。
過去に3度も女に恋人をとられたカンちゃんはウンザリとやり場のない怒りと喪失感とでぐるぐるしちゃってて、けれど修は至ってマイペースで。
タイプの違う2人がいちゃこらラブラブする可愛いけれど、どこか痛みを包んだ優しい話。
修は物に拘らない性格なんだけどそれには実は彼の生い立ちが関係している。
カンちゃんは物に想い出をしっかりこめるタイプ、この真逆な2人が互いに無いモノをそれぞれ持っていてそんな2人がもっそい良いのだなー。
もうラブラブしてろよ、お二人サン!って気分になりつつ最後はそんな感じ。

「夜の女王」
叔父の家で育った貴志と、義弟として育った従兄弟の輝。
そして貴志に買われる売りをやっている少年ヒラ。
過去のトラウマから一人寝に怯える貴志が本当に求める存在は誰なのか。
途中で答えが出たかと思ったんですがいい終わり方で良かった。
輝の方に執着し続けるのかなとも思ったんですが(それはそれで有りだけど)こっちのラストの方が好き。

カナ子さんは元々好きっていう土台があって更にやっぱおもろかったので、やっぱ自分内では神です。

6

いい話を読んだ~!という満足感に浸れました

実は初めてな明治さん。
こちらのレビューで好評だったので買わせていただいたのですが見事に当たりでした!

この方のイラスト、初めて読んだ時は失礼ながら鉛筆絵?と思ったのですが、エロシーンだけやたら気合が入ってるように感じてちょっと笑えました(笑)読み返せばこれも味があるな~と思いますが。

好きという言葉がないカンちゃん(受け)
修(攻め)が「女性と結婚する」と別れる前に最後の旅行に連れて行くが、カンちゃんは当然乗り気ではなく、修と別れたくないのに引きとめるそぶりも見せない。それは今まで恋人を女性に取られてきたから、引きとめてもまた裏切られたら立ち直れない…そんな思いから修を引き留めずにいた。
本当は自分に執着を見せないカンちゃんの気持ちが知りたいからこその修の嘘で、最終的に二人は仲直りしたんですが…カンちゃんの落ち込みっぷりを見ていて胸が痛くなったので、修の嘘には正直カチンときてしまいましたw

旅行後も変わらずラブラブで、服に執着していたカンちゃんが修への愛情をどんどん出していくところが非常に可愛くて(*´д`*)モエモエキュン…
表紙と帯から物凄いシリアスなのかな~?と思っていたのに、物凄いラブラブっぷりが見れていい意味で裏切られましたw

表題作以外では、親に置き去りにされたショックから一人で眠れない貴志と貴志に買わているゲイのヒラくんのお話です。
こちらのお話も凄くよくて、結構酷い男な貴志を健気に好きなヒラくんが貴志に振り回されながら、最後消えてしまったヒラくんを追いかけるお話です。
ずっと「惚れるな」とヒラくんに言い続けた貴志が最後ヒラくんを迎えに行くシーンは感慨深かったです。でも、結局貴志のヒラくんへの気持ちは話の中で語られてなかったのですが、迎えに行ったんだからきっと二人くっ付いたんだよね!?と信じてます。これでくっ付かなかったらヒラくんが可哀想すぎる…(´;ω;`)

両作品とも、キュンとしたり切なくなったりと心を動かされる作品でとても満足出来ました!余韻に浸りたくなりますね…

4

麗人のカナ子様は買いです!(・-・*)ヌフフ♪

麗人コミックスなのでカナ子様のは買わなくては!とwww
前作の惑溺趣味があまりにもwww
エロくて 魅惑的な話ばかりだったので
虜になりました。
カナ子様も集めていますが なかなか手に入らないんです。
結構 えぐぃのも描いていらっしゃるので
この方にはBL漫画の世界観を拡大してもらえてますね。
今回も表題の「地獄行きバス」編の方は4話ありましたが
ほんわかしつつも 隠れた猥褻さとゆぅのか
なんか ひきこまれるものが必ずあるんですよね。
メンタル部分に訴える話の作り方に感心してしまぃます。
そしてちょっと古い「夜の女王」編 3話
こちらは 最期 報われたので良かったです。
こちらもかなりひきこまれましたが
思ってたカップリングではなかったので
ちょっと驚きがありました。
でも どちらも ハッピーエンドだったので満足です。
他にも同時に新刊4冊買ったのですが3冊は続編で 
これだけ単巻でしたが、見劣りしない内容でした。さすがです。
カナ子様の漫画は、読んだ後でよく反芻してしまぃます。
何回読んでも 毎回なにか違う感覚が呼び起こされるんですよね。
不思議な漫画です。この人の話作りはかなり参考にしてぃます。
(て 漫画・・・ぅち描くのかなってwwwハナシですが(^▽^;)

2

やられたあ~!

ワタシ、マンガ・小説とも何が何でも順番通りに1番初めのページから読んでいくので、たぶん明治さんの考えてる以上に騙されました!しかもなんか表紙も帯も、別れの匂いがプンプンするような感じだったので、絶対せつな系なんだろうな~と思って読み始めたら・・・

超アマアマなカップルの話でした!しかもエッロ!!
1話目を途中まで読んでたときは修に怒り、カンちゃんに涙しましたとも。
1話目後半あたりでようやく「あれ?・・・」と気付いて私も心の中で修をボコボコにしてやりました。ほんとに笑えねーよ!!
単純な頭なので、マンガは普通の人の2、3倍は楽しんでると思います。

でも明治さんのお話はなんだか油断ならないというか、幸せなバカップルの話のはずなんだけど、ただよう空気感がなんかキンとしているようで、もしかして最後の最後に恐ろしい結末が待ってるんじゃないかと思わせられるのです。
幸せな話の合間合間にすっと挟み込まれる2人のトラウマっぽい背景とか。
なんとも「うまいなあ!」と感嘆します。
で、修とカンちゃんのお話は幸せ途中で終わり。あれ、これ続編とかありそう。どうなんだろう。あったら読みたいなあ。

後半はガラッと変わって「夜の女王」。これは昔の明治さんのお話に近いかも。ジリジリしてます。
一人で眠れない青年と、その親戚の少年と、青年に買われてるデリバリーボーイの少年のお話。
この売春少年の、恋に気付いてしまってからの心情が痛かった。こういうの描かせたら、明治さんの右に出るものはいない!と思っちゃうくらい。
しかもまたまた途中まで、青年と親戚の少年がくっつくもんだと思ってたから、もうやりきれね~!と思ってたら。
このラストの展開も予想外でした。やっぱりスゲー!明治さん!
そしてこのラストはもしかしたら恋とはちがうものかもしれないけど、こういう愛情もありでは?という提示をされたようで、それもまた深い!

むう!神です!

4

修みたいな人は、絶対彼氏にしたい・・・かな?

やっぱり明治カナ子はいい!
果てしなく神に近い萌えですよー!!
今回の表題のラブラブバカップル話も、その人物の設定も含め明治作品の特徴のエロ表現の見せ方も、どれをとっても自分の好みにドンピシャとはまって読後の満足感がすごく充実してるんですよね♪
以前作品でも、ボコられ顔がインパクトでしたが、今回もボコられ姿が登場して、大爆笑!!
「麗人」で読んだ時には気がつかなかったのですが、今回、特に最近の作品にみられる絵の変化・・・エロシーンの裸絡みの数ページ、明治作品のタッチの特徴、デッサンのような重なった線で描かれる人物のラインが、一本線できれいに描かれ、トーンの貼り具合もちょっと変わった?
そして、以前からあったのかな?タマ表現時のツヤ感テリ感、そんな違いが目を引きました。

『地獄行きバス』始め4編が、モノを買うことにこだわるカンちゃんと、物欲の薄い修カプのお話。
題名から、何かドロドロしたものを予想したのですが、フタを開けてみるとそれは見事に”破れ鍋に閉じ蓋”バカップル話。
今まで「結婚するな」って3人の元カレに行ったけど無駄だったから、今回の修の言葉に、引きとめる姿勢も言葉も見せないカンちゃん。
結局は、一緒に暮らしてもいるのに修に執着を見せないカンちゃんの気持ちを確かめる修のドッキリだったんですが・・・
カンちゃん、ものすごく愛されてるって話ですよねww
で、この修がモノに全然執着を見せない男で、洋服やらインテリアやらにこだわり執着して集めるのが趣味の(モノに執着する)カンちゃんをいう、見事に正反対の二人だから起きる日々の出来事が綴られていくわけです。
カンちゃんにも、修にも、執着するのにもしないのにも、それぞれ理由やトラウマがあり、という部分もさりげなく入り、でも二人がとても幸せだから全然重たくないんです。
カンちゃんにしか執着しない修へのプレゼントに悩むカンちゃんがかわいかったり、
カンちゃんの提案に素直に喜んだり、服を買わないというカンちゃんに何かあるのでは、と心配する修とか、この二人の特徴あってのやりとりが、思わずクスっとさせられて暖かいんですよね♪
作者さんが、描きたいものと読みたいものが一致した作品と、後書きで書かれている通りに、とても心に残るさりげない二人のやりとりが萌え心を刺激します。
修のカンちゃん一途な姿がいいんですよね~
この修も髪の毛が多いんですが、どうにも明治さんの毛の多い人の絵って、カツラみたい・・・!?(以前もニグマの頭が!?)

そしてもうあと3編が『夜の女王』シリーズ
子供の頃、寝ている間に両親がいなくなってしまったトラウマから夜一人でねむれなくなってしまった貴志が、叔父の家を出て一人立ち(?)しようとする姿。
そこに、売りの少年が絡んできます。
最初この少年の登場がどんな役割になるのだろう?と思っていたのですが、貴志と一緒に寝ていた従兄の輝への気持ちがどうだったのか?という確認の役割も担っていたんだな、と納得。
これも一見重そうなんですが、売りの少年がちょっと切ないけれど、でも全体的に前向きに進んだのでほっとしました。

そうですよね、明治さんの作品って一見痛そうに見せながら、その実ハッピーなんですよね。
とにかく、表題がよかったな☆

7

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