• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作交渉人は嵌められる

兵頭寿悦、ヤクザの若頭
芽吹章、元検事&元弁護士の交渉人

あらすじ

大人気の交渉人シリーズ第4弾登場!! 今回は1冊同時発売!!
交渉人は嵌められる→上巻
交渉人は諦めない→下巻

下町は両国に芽吹ネゴオフィスとして事務所を構える芽吹章は、嫁姑問題以外ならなんでもござれの交渉人だ。そんな芽吹の恋人は泣く子も黙ると評判のヤクザ兵頭寿悦だ。仕事も恋も順調! のはずの毎日だったが、ひとりの男が現れたことにより、芽吹の過去が露になっていく。それはかつて自分を救ってくれた親友への罪悪感であり、芽吹の忘れることのできない傷でもある。俺を選ぶのか、それとも―― 芽吹と兵頭が選んだものは……!?
(出版社より)

作品情報

作品名
交渉人は嵌められる
著者
榎田尤利 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
交渉人は黙らない
発売日
ISBN
9784813012160
4.4

(140)

(95)

萌々

(24)

(14)

中立

(3)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
22
得点
616
評価数
140
平均
4.4 / 5
神率
67.9%

レビュー投稿数22

上下巻の上

二冊にまたがる続きもの。伏線の仕込みと構成が凄く上手い。

交渉人は嵌められる→上巻
交渉人は諦めない →下巻

芽吹に舞い込んだ依頼、結婚詐欺の詐欺師は、実は有名なスリのひ孫。
そこから展開する、過去と今を結ぶ人間模様が絡み合っていく。

芽吹の大学時代の友人、若林の事件に、天才詐欺師、環が絡んでいた
環は、兵藤の昔のセフレ、
環に二択を迫られて、兵藤はUSBの為に環を選ぶ。
承知していても、衝撃を受ける芽吹。

人生の節を迎える都度、自分を厳しく自戒する芽吹は
過去に自殺未遂を起こしている。
自宅に丁度いい鴨居がある、芽吹の自殺願望がまた膨らみだす。

伏線の回収は、次巻に続く。

0

これは苦しい…

え、ここで終わるの?っていうラストでした。
他の方のレビューによると当時次巻と同時発売だったようで納得。
こんな終わり方じゃ、続き読むまで寝られないよー。

シリーズ第4作目、色々な裏社会や裏家業と関わる交渉をしてきた交渉人の芽吹でしたが、本作では詐欺師やスリ師が登場します。

それから芽吹の過去。
シリーズ3作を通じて芽吹が誰かを殺めた、みたいな描写があり気になっていましたが、大学時代の友人の事だったんですね。
芽吹がこの過去に決着をつけるために、色々あって兵頭と対立してしまうことになります。
何やかんやで兵頭は芽吹の味方になってくれるだろう…って考えてた私は甘かった。

完膚なきまでに打ちのめされ、さらに兵頭にも去られた芽吹はどうなる⁉︎
続き読みます。

0

次巻へ続くー…っ!

すごいところで終わってしまった四冊目。コメディ要素は薄くなり、芽吹に影を落とす過去がガッツリ語られる。とはいえ暗くシリアスな雰囲気になりすぎることもなく、新キャラの志津がおばか要員として頑張ってくれていた。

シリーズ中ずっと続いていたのは、芽吹が人を信じられないという自己申告。これには最初から違和感があって、心から人を信じられない人間は自分も信用できず、芽吹のように用心深さに欠ける迂闊なことはあまりしない。行動だけ見れば、芽吹はほいほい人を信じて簡単に騙されるタイプなんじゃないかと。

自己暗示と前作でちょっと言われていたが、答え合わせのように出してこられた芽吹の過去を見ると、今までのあちこちに矛盾が生まれるようで、芽吹のキャラが逆によく分からなくなった。自分を偽るにも限度があり、引っ張り過ぎというか。しかしそんな自己矛盾を深く書こうとしている話でもない。

この何か変、という感覚を説明するのは難しい。ストーリーを進めるために、主人公の性格設定に合わない動きをさせることで生まれる齟齬なのかなあ。下手な作家によくあるそれとは違う気がするが。
いろいろ複雑な構造なんだよ、とスルーすればいいと分かっていても、四冊分もこの主人公を追っていれば気になってしまう。コメディタッチな世界観の中では、今後しっくりくる回答が得られそうにないのでモヤモヤした。

芽吹と兵頭は、これで安定なのかな?兵頭がどんどんロマンチストになっていってる気がする。色恋の話をしたがるヤクザ……可愛い。兵頭は嫉妬深さを主張する攻めのノルマを果たし、芽吹は嫌がる受けのノルマを果たしていた。

ラストはえぇぇ!?ってとこで終わっている。次作も用意した状態で読み始めるのが良い本だと思った。

0

芽吹を嫌いになりそうな話でした

どうしよう涙出そう。
生きてる兵頭と死んだ親友どっちが大切か。
兵頭を選んで欲しい。でもそうならないのが芽吹なんだろうな。
兵頭の辛い気持ちが伝わって、本当にしんどい。
もう芽吹のこと嫌いになりそう。
・゚・(。>д<。)・゚・

1

無理

この作品と、次の諦めない、でセットになっていますので、ご注意。
この前半だけだとかなりつらい展開なので、ネトラレ嫌な方は読まない方が。。。かくいう私もダメでした。嫌な気持ちをなんとか翻して欲しくて頑張って最後まで読みましたが。。

天才詐欺師にやられっぱなしになってしまう芽吹。しかも、兵頭も取られてしまうのです。兵藤は組のためとはいえ、あっさり芽吹を切って、詐欺師、そして元彼の環とくっつき、何度も抱くことに。

これが我慢できなかった。いや、コミックスなんかでネトラレは美味しいと思って読んだリモするのですが、今作はなんか全く無理でした。後半に続く。

2

次巻に続く・・・

シリーズ第四弾。
冒頭不穏なプロローグからいつもの和気藹々な芽吹オフィスの面々。
お雑煮美味しそう~。と思ってたらどんどん怪しい気配が濃厚に。

受の周りに死が付き纏ってるのって魚住君でもあったけど、こちらはどうなっていくのか・・・。
芽吹がずっと人を信じたいという事に拘っていた理由が明らかに。
過去はどうにもできないよね・・・。

兵頭と芽吹のターニングポイントになりそうなところで、次巻に続く・・・。

キヨが意外に武闘派だった!
恋する男は違うなっ!
三流詐欺師で天才掏摸師の志津とお祖父ちゃんとの関係が好き。
愛されて育ったんだな~と。
だから悪には染まり切れなかったと。
やっぱし愛情って大切だよねと実感した巻でした。

1

誰を選ぶのか

交渉人シリーズ第4弾。
ついに芽吹が背負っている悩みが判明します。
自分を変えてくれた友人を信じきれなかったという後悔。
芽吹がいつも相手を信じることにこだわる理由はこれだったのですね。
真面目な芽吹だからこと辛かったと思います。

そして、その原因となった友人家族の事件に黒幕がいたかもしれないという新たな情報。
真実を知りたい芽吹は七五三野にも協力を頼み解明に動こうとしますが、運悪く鵜沢・兵頭の邪魔が入ります。

「生きている俺より、死んだダチが大切ってわけか」
言った兵頭の気持ちを思うと切なくて痛すぎます。
そして言われた芽吹の身動き取れない心も同じくらい痛い。
兵頭と芽吹どうなっちゃうの~。
5巻すぐ読みます。。。

1

人の最も弱くやわらかいところ

シリーズ4作目。
今までは1冊で軸になるひとつの案件が完結していましたが、
今回は次作「~諦めない」と前後編(?)扱いです。

ドカーンときましたね。芽吹の過去。
自己暗示とキヨに揶揄されながらも、
芽吹が頑ななまでに人を信じようとする理由が明らかになってきます。

環の本性を知っている志津との出会いや、
環が兵頭と知り合いだったなど、
いくらなんでも、世の中狭すぎだろっっと
ツッコみたくなるところもありますが、
絶妙なところで終わっているので、読みますよ、次も。

前述のツッコみどころにちょっと萎えたので、
☆-1にしようと思ったのですが、
次作の展開に期待して、評価はそのまま「萌×2」で。

2

芽吹さん過去編

交渉人シリーズ第4弾★再読。

芽吹さん過去編。
これ…同時発売じゃなかったら精神的に宜しくないわっ(´;ω;`)

大学時代の殻に閉じこもっていた芽吹さんをゆっくりと外に出した親友の若林さん。
そんな彼を助けたかったのに…自分が最後まで信じ切ることが出来なかった事で失って…。
4年前の事件直後の七五三野さんとのやりとりにも凹んだ。
今はもう年頃の娘を持つ父親ですか?と突っ込みたくなるような七五三野さんの言動ですがw

1

諦めきれない過去の傷のために

シリーズもいよいよ4作目。
今回は、白とグレー、二本のペン型USBメモリを巡る中で、
芽吹が深く囚われている過去の事件が、明らかになっていきます。

ある結婚詐欺事件で知り合った三流詐欺師の志津(実は伝説の摺師の曾孫)を
改心させるべく依頼を引き受けたことがきっかけで、
芽吹はストーカー女性の亜鶴からグレーのペン型USBメモリを預かります。
ところがそれは、真和会から流出した薬物関係のデータだったのです。

一方、弁護士時代の知人橋本元刑事から、突然送られてきた白いペン型USBメモリー。
これは、芽吹の親友だった若林の養父が殺害された武蔵小山殺人事件に、
教唆犯の存在を示唆するものでした。

養父の殺害容疑をかけられた若林は、無実を訴え自殺します。
そして芽吹は、若林は自分が殺したようなものだと自責しつづけてきました。
それこそ、若林に微笑みながらロープ売り場に連れて行かれる夢を見る程・・・
自分が若林の無実を信じていたら、若林は自殺しなかったと、
芽吹はずっと強い後悔を持ち続けています。

固い殻に閉じこもっていた芽吹の、眼を開かせたという若林。
その大切な親友を信じ切れず、自殺に追い込んでしまった芽吹の後悔は、
いったいどれ程のものなのでしょうか・・・
きっと普通では想像もつかない程、根深く心に刺さっていると思います。
だからこそ、兵頭を絶望させてもなお、
白のUSBを手に入れて事件の真相を明らかにする事に拘ったのでしょう。
余りにも必死な芽吹が、本当に痛々しかったです。

組の為にどうしてもグレーのUSBが必要な兵頭。
鵜沢から白のUSBを取り返すために、どうしてもグレーのUSBを譲れない芽吹き。
「生きている俺より、死んだダチが大切ってわけか」
「どうやったら死人に勝てる?俺は何だって出来るのに・・・」
兵頭の、芽吹に対する想いが、胸がギュッとなる程痛くて切なかったです。

だけど芽吹の、若林の自殺に対する自責もまた痛々しく、
兵頭が立ち去った後の芽吹の姿が、本当に辛かったです。
――俺はなにをしているのだろう。
  俺はなにを・・・失おうとしているのだろう。
うずくまりそうになる自分を叱咤する芽吹に、泣きそうになりました。

結局は、白のUSBもグレーのUSBも、
橋本刑事の弟になりすまして芽吹を騙した天才詐欺師の環の手に渡ってしまいます。
過去に兵頭と付き合っていたという環。
そして環は、芽吹か、グレーのUSBを持った自分か、
どちらか選べと、芽吹の目の前で兵頭に迫るのです・・・


今回の話は、特に後半重い展開になってますが、
もちろんいつものストーリーのテンポは健在で笑いどころも多いです。
そして、芽吹と兵頭も本当にいい関係になってます。

冒頭の、芽吹のヤクザコスプレ(笑)場面の二人の会話は笑えます!
そしてなんともほのぼのとした雰囲気・・・二人の関係の心地よさが伺えます。

あと、ホテルで一夜を過ごした後の二人が良かった!
若林の夢を見て涙と鼻水だらけの芽吹にティッシュを渡す兵頭と、
兵頭の筋肉質な背中と寝癖のついた後頭部を好ましく思う芽吹。
若林との思い出を語り、その死の真相について触れようとした瞬間に、
芽吹の言葉を封じた兵頭の思いやりに、愛を感じました・・・


だからこそ、今巻最後の展開は、胸が痛いです。
この後いったい二人はどうなるんでしょうか・・・

7

シリーズ4作目

今回は詐欺師のお話。

どの本もそうですが、芽吹さんの気持ちがどんどん変化していっている過程が
しっかり見えますね。
自分の気持ちへの困惑や狼狽っぷり、キッチリ描かれています。

ただ今作は、複数のお話が代わる代わる出てくるという
手法?で、最初はちょっと掴みにくかったですが、
最期にはひとつになって全貌が明らかに!という作りで
これがまた楽しめました。

ミステリー小説を読んだ時に、犯人が誰だか解った時や
どんでん返しの驚愕といったら、これほど楽しいものはありませんが、
そういう驚きも有り、読み物としてとても面白かったです。

そして最後、ものすごーーーく気になるところで終わりましたw
これは次巻をもし用意せずに読んだ日にゃぁ、気絶するっww

1

見事に嵌められました


攻め様にだんだんと気持ちが傾いてきた主人公・芽吹とそんな芽吹がどんな人間であろうと手放すつもりのない攻め様・兵頭に降りかかる試練のお話。
の、序章。
はじめは愚かにも今回は詐欺のお話か~…あ?スリ?ああそっか~…なんて思ってました、わたしも。
今回も芽吹と兵頭がラブラブで、前作よりも兵頭の独占欲がアップしてるのかな、なんてことも考えてました。
だって見事にラブラブだったんですもの!
新しいプレイまで開拓してたんですもの!

――ああ。嵌められた。

この先この作品を読み返そうとするとき、わたしは1ページ目から挫折する自信があります。
物語の後半でぞわっとキタのは、(芽吹が)これから強敵と戦う武者震いでもなんでもなく、ものすごく純粋な恐怖でした。
正直、芽吹が嵌められたシーンよりも印象的で、ページを開くのが怖いほどです。

新しい登場人物であり、芽吹の親友でもあった若林は、もうすでに過去の人物だった。
芽吹が彼の無罪を信じられなかったことにより、死に至らしめてしまった、大切な大切な親友だ。
その親友が、明るい口調で、首を括るロープをすすめてくる。
ついに明かされた芽吹の過去とあわせて、あまりにもショッキングで…

その上立て続けに襲ってくるのは兵頭とのまさかの別離、手放さないって言ったのに!手放さないって言ったのに!!と何度心の中で叫んだことでしょう。
そして今さらになって名前を出しますが、天才詐欺師の環というヒトが兵頭を横からかっさらいます。
芽吹と兵頭の試練のはじまりです。

前半と後半の雰囲気が違いすぎて何といえばよいのか分かりませんが、トータルとしては切なさが勝っているかと。
ただ、ヤクザコスプレの芽吹サンやら、大人の玩具を使ってのイチャイチャシーンやら楽しい場面も盛りだくさんです~!

3

ちょっと苦しい展開ですが・・・

なんか、やっと本題に入ったというか、芽吹が精神的に追いつめられたりするあたりに榎田さんらしさを感じますがどうなんだろう?
他人に優しく自分に厳しい人って本当は隠された弱い部分を持っていて芽吹もそうだった。
芽吹の問題で外からどうしてあげることもできない。
さらには、今回は立場の違いが前面に出てきて兵頭も芽吹と対立します。
可哀想だけど芽吹が悪いと思う。
このお話は次巻へ続きます。
でも、心配はしていません。きっと芽吹の周りの人たちが力を貸してくれる。
まだ頑張れるでしょう。
ボールペン形のUSB欲しいかも♪

1

前作で少し触れられた芽吹の過去が

今回明らかになっていきます。
そして・・・芽吹と兵頭にとって痛い試練となります。

前半はいつものコミカルなテンポで進みます。
2人の漫才カップルも熟練夫婦となりつつありますね(笑)
後に「チーム芽吹」の新メンバーとなる自称結婚詐欺師の志津も登場、
かなりの天然キャラですが、実は伝説のスリ師の曾孫で天才的な腕の持ち主なのです。

ラブホのシーンは今巻での見せ場の一つでしょう。
2人がお互いに本当に想い合ってるのが伝わってくる。
芽吹が、兵頭の筋肉質な背中と寝癖のついた後頭部に見とれたりとか(笑)
兵頭が、芽吹が過去の自分の罪を話そうとするのを止めて
「俺はあんたの明日には関われても、あんたの昨日には関われない」
と芽吹を抱きしめ、こめかみに口づける。
(なんというか、こんなベタなラブシーン、私は悶えるほど好きで(笑))
兵頭の芽吹に対する気持ちが痛いほどです。

そして、芽吹と若林の過去の思い出、そして痛ましい事件も明らかに。
若林を自殺に追い込んだのは、自分が彼を信じ切れなかったからだと責め続ける芽吹。
そのあまりにも強い後悔が、このあと芽吹自身を追い詰めていきます。

今巻のキーアイテムは2つのUSBメモリ。
そこに、過去兵頭と関係のあった天才詐欺師の環が絡んできます。

芽吹、兵頭、鵜沢が2つのメモリを取り合いますが、
最終的には環がどちらも手に入れます。
そして、身近な者達に愛され兵頭の心まで捉えている、
「人を信じる」と言い切る芽吹がどうしても気に入らない環は、
そのUSBメモリを利用し、どんどん芽吹を追い詰め傷つけていきます。

後半、芽吹と兵頭がグレーのUSBを取り合う場面がありますが、
本当に2人の気持が切なかったです。
「生きている俺より、死んだダチが大切ってわけか」と言う兵頭、
そのあとに続く兵頭の言葉と行動に、私も胸が痛くなりました。
そして、立ち去った兵頭の残り香を探す芽吹も切なすぎて・・・
もうここは、私には泣きのシーンです。

・・・俺はなにを失おうとしているのだろう。
葛藤の中、気を抜くとその場にうずくまりそうになりながらも、
あの事件の真相を知りたい、俺の過去にけりをつけるべきだ、という一心で、
必死に頑張る芽吹は、痛々しいです。

そして最後、芽吹にとって最悪の形でこの巻は終了します。

今回は、他巻に比べギャグ要素は少なかったです。
過去の事件でぐるぐる悩む芽吹にイライラする人も多いかも・・・
でも、私はこの人間臭さが好きです。
悩んで悩んで、でもどうしても乗り越える事の出来ない後悔、自責の念。
強くなりたい、信じたいと願いながらも本当は許されたい弱さが見え隠れ。
完璧ではないからこそ、皆に愛されるのでしょうね。

3

なう(/ω\)

ガツンときました゚(゚´Д`゚)゚。
面白かった。帯に描かれた「選ぶのは恋人か、それとも親友か」
そういう意味だったんですね。
あまつさえ、もしかして親友~は死んでなかったの?なんて思った
ワタシはただのアホでしたw

今回は、芽吹の過去~なお話ですね。
落ちていた芽吹を根気良く拾い上げてくれた親友
彼の死にまつわる~、、心のしこりになっていた部分含めなお話でした。
最初の、ヘボ詐欺師から~少しずつ絡み合っていく事件と~なくだり。
難しくない書き口がこのシリーズ好きなのですが、
これも例外なく。読みやすく、すっと入ってくる物語が好きでした。
加えて、兵頭との絡みもどんどん濃くなっていきますね。
兵頭が大事であるということと、親友の事件を明確にしたい~ということの葛藤
面白かった。
上下巻ということもあり、深夜なのに続きをよまずには居られなかった。
再読には時間が掛かりそうです

1

積み本消化しました

スピンオフの「スウィパー~」を先に読んで、こっちはずっと後回し、積みにしていた本書をようやく消化しました。
一応タイトルは違うけど、実質的には「~嵌められる」と「~諦めない」で上下巻。
この「~嵌められる」だけだと、ほんとに導入部で、次々でてくる登場キャラの色んなエピソードが、バラバラのパズルのピースみたいに散らかって、まだ、いったい、どこへどう繋がるやら状態。
さらに、このシリーズの前の方の本、随分前に読んで結構記憶が薄れているので、「芽吹きのトラウマ」とか「過去の負い目」になっている「自殺してしまった親友」の登場自体が唐突な感じ。
おまけに、親友との大学時代のエピソードも今一共感できなくて、、、

というわけで、怒濤のように下巻に雪崩れ込んだ。

1

辛口です、すいません

絶賛レビューの中で辛口レビューするのはかなりドキドキするんですが、中立にしようかなと思ったほど期待はずれだった、というのが正直なところです。
面白かったのは確かなので萌え評価なのですが、そのあたりを中心にレビューするので、不快に感じる方は読まないでくださいね。

前三作(とくに最初の二冊)は大好きだったんですが、軽妙さのなくなっていくストーリーにかなりガッカリでした。
前三作でちらちらと示唆されてたから、そのうち芽吹の過去のトラウマ話に踏み込むだろうというのは分かってたんだけど、その中身が案の定ショボくてさ…。
事件そのものがショボいんじゃなく、「やっぱ芽吹は悪くなかった」というのが最初っからすんなり納得できるので、芽吹の感じてる罪悪感にまったく合点がいかないのですよ。読者に「芽吹、あんたは悪くないよ~!」って即座に思わせようとしてるのが見えて、私はそこにぬるさや逃げを感じました。中途半端だなァと。USBメモリにこだわることに説得力を感じない。
で、そのトラウマのために現恋人を傷つけるわけだけど、ここに至ってナンダカナァと。

三巻あたりから感じてた、信じる信じないのぐるぐるにはイライラしました。どっちでもよくね?って思いはじめたら止まらなくて。
それだけこだわってた「親友」についての過去話も紋切り型で、強い絆を感じることができなかったというのもある。
重要人物であるはずの亡くなった警察官との関わりについては、輪郭も見えず。さらに影がうすい。
このへんトラウマの軸となってる人物なんだから、もっときちんと体温を感じる描きかたをして欲しかったです。
登場人物を増やしすぎて、新しい登場人物の描写に掘り下げ不足が目立ち、結果的に散漫になってしまったんじゃないかなという印象でした。
あと「自分に厳しく他人に甘い」という芽吹の優しさというのも、「犯罪の見逃し」だったりするもんで、それってどうなのよ…と思ったり。それは「甘さ」じゃなく「甘やかし」じゃないのかなァ。

ただ、このラストの展開は大好きです。
この展開をもって地雷だと言われる方もいると思いますが、まぁラブラブ同士なのは変わらんしね。
シリアスなストーリーで唯一ニヤリとできた場所です。

あー、
でもでも若い女の子に鼻の下を伸ばしては兵藤に叱られたり、笑えないオヤジギャグ飛ばしてるオッサンな芽吹に会いたいよ。
夫婦漫才が読みたかったです。

4

・ハル・

ものすごく共感ができるレビューでした。交渉人シリーズは今まで読んだBL内でダントツで面白いですが、えぇ?と思う描写は私にもありました。おっさんギャグやってる芽吹についても激しく同感です。

上下巻同時購入をオススメします

下町で小さな事務所を構える交渉人の芽吹彰。
泣く子も黙るヤクザの兵頭とのおつきあいも順調だ。
そんな芽吹の前に現われたのは、兵頭の元彼だという一人の男。
彼の手によって芽吹の隠された過去が明らかになる。
かつて自分を救ってくれた親友を救えなかった罪悪感と傷。
しかも状況は芽吹と兵頭を引き離し……

相変わらずテンポの良い会話やヤクザコスプレの芽吹にほのぼのしていた前半とは打って変わって、中盤から一気に重くなる展開にびっくりした。
明かされる芽吹の過去に、なんだか強大でタチの悪そうな敵、環(兵頭の元彼)。
それぞれの立場や責任からどんどん対立していく二人が切なくて、胃やら心臓やらに悪い感じです。
これ上下巻同時発売で本当によかったな。

ああ、もう続き続き!!


1

胸をえぐられる…(駄文長文暗いのでご注意くださいw)

内蔵を直に握られる感覚という言葉が浮かんだけど、芽吹はそういう感覚だったのだろうか。
彼の過去に出来た大きな傷は炎症と膿みを繰り返し、痛み続けたまま、引きずるように生きてきた。なんとか塞がっていた傷を、掻きむしられ、また血が溢れ再燃する痛み。やっかいなのは過去の痛みのレベルを強力に思い出す強迫観念が、痛みを増幅させていくだろう。

涙が止まらない。本を読んでこんなに複雑な想いで涙を流したのは初めてかもと思う。
内側から胃がせり上がるくらい重い表現しにくい感情が渦巻いている。
まだ次巻を読んでいない。敢えて先に書こうと思う。

芽吹の強さの訳が痛烈に描かれた巻だった。
最後まで本のページを止まらせることなく読みきった。もはや本を読んでいるということすら忘れて、ラストの文を読み終えて閉じた瞬間に、自分の世界に帰ってきたんだと思う。
確かに芽吹ネゴオフィス界隈に私が存在してたと平気で確信できる。
そのくらい、このどこまでも惹き付けて縛るほどの圧倒的世界観。

情景が嫌というほど鮮明に浮かぶ。芽吹の息遣いまで聞こえてくる。
紙の上に印刷された文字の羅列とは思えない。
精神を持っていかれる魔術という表現のほうがしっくりくるかもしれない。


あるモノを何度も買いに行ってしまう芽吹の計り知れない孤独が、そのシーンが淡々と表現されていることもあり、あまりに痛い。明るくはつらつとしている顔の下にはこんなにも深い闇があったんだと恐ろしさを覚えた。彼の経験した大切な人の失くし方は、自分の形、心の在りかさえ見失うほどのものだったんだろう。

どんなに頭を巡らせても、芽吹が背負ってきたものの重さを言葉で紡ぐことはできそうにない。
どれだけ辛かったかなんて、察する行為すらおこがましい。


芽吹が人を信じることにこだわり続けるのは、彼が自分らしく生きていきたいと強く願うからだと、痛いほど理解できた。信じることを追及する信念は、親友の死によって裂かれた傷が親友が切りつけたものでは決してなく、自らが付けた傷だと自分に忘れさせないための戒めでもある。でもそこにこそ隘路があることを知っているからこそ、問い続ける。
自分が堕ちた闇の中からしか光を見いだせないことをよくわかっているから。そして親友こそが、芽吹に光の眩しさを教えてくれた存在だから。


自尊心を支えている唯一の交渉人としての目を環に欺かれたことは、今を生きるための糧をへし折られたに等しい。そして兵藤まで持っていかれる最悪な状況。
交渉術が生きる糧ならば、芽吹にとっての兵藤は魂ごと孤独を埋めてくれる存在なのだと思う。

生きて行くために、必要だと思うもの、物理的に絶対にないとダメなもの、どうしても欲しいものに区分したとして、結局もう芽吹の中で、兵藤はどうしても欲しいものに入るんだろう。
人間として生きるのにはどうしても欲しいものは無くても大丈夫だ。生きていける。
でも欲しいという強い衝動を持つことこそが最も人間的で、その人らしい所以だと思うのだ。芽吹はもう気付いているだろう。

1巻ではこんなに堕ちると思わせないほどの男に描かれていたのに、芽吹の闇の根の深さを知れば知るほど、目を離せるわけがない。
人の内情とは本当に上辺では解らないということ、芽吹を見ていると作者の意図を感じる。だから芽吹は人間くさい。読み手が彼に自分を投影してしまうくらい。
まさに転がるように文を辿るしかないただの読み手の私は、他の読み手の方と同じ道を転がっているのは確かだと感じる。


涙がまだ止まらない。
芽吹の闇は次巻にも持ち越される。とても深く濃い闇だけれど、私はどうしても彼を弱いと思えない。彼は何度も立ち向かってきた。
前巻レビューでも書いたが、弱さを受け入れられるのは強さだから。
そしていつも流動しているのが生きることだ。
弱いも強いも相反すると思われるものを両方持っていて、どっちも本当だと思う。
一度えぐられた傷は治らない。治そうとしている間はまったくの逆効果だ。治さなくてもいい。そう想えたときから少しずつかさぶたになっていく。

芽吹の生き様を見続けていきたいと思う。傷つくたびに、必ず活かされていく。
必ず雨はあがるように。芽吹の闇にも夜明けがくる。

こんな暗い文を書かせられるのも、こんなにも芽吹に感情移入してしまうのも、榎田先生の手腕だと思うとそれが一番こわい。。。。(苦笑)
今の私の救いは、『交渉人は諦めない』という次巻タイトルのありがたさ。芽吹にきっといつか揺るぎない太陽の光が射すと信じて、見届けてきます。
まとまりのない駄文かつ自己満足すぎてすみません。
レビューとしては最悪で完全に客観性を見失ってるけど、次巻に行くための一歩www
どんな芽吹も好きだけど、やっぱり笑顔でいてほしい★
チームネゴオフィスのみんなと同感です!!!私も一員だーーーっwww
喝!!!!!よし!芽吹を応援するぞっっ!!!!!!!!
勇敢なヒーローの復活あれ!!!!!!

5

危なっかしくて「芽吹~!」と叫びたくなる。

始まりは相変わらず軽快で「ぷぷっ」と笑えて、読み始めてすぐに「お~、久々の交渉人シリーズを読み始めたぞ~!」という気分になりました。
いつもですが、最初にぐっと掴まれて、それから一気にぐわ~っと読んじゃって、相変わらず榎田さんの手のひらの上で転がされてる感が満載です(笑)

芽吹の過去が今回明らかになりました。
これまで小出しにされてきたのでなんとなくかる~く外枠は分かっていた気がするのですが、ハッキリ事実を聞かされるとやっぱり胸に詰まりますね。

芽吹の大学の頃の回想に出てくる彼はひたすら太陽みたいで眩しくて、数年後にこの人が「死」を選択してしまうほどの絶望とはどのくらいの深さだろう……と、切なくなります。

で、今回のラスボス環!
彼との駆け引きは、実質駆け引きにもなってないんですね、この「嵌められる」では。
芽吹の信念「信じる」というものも、あくまでも事実を知ろうとすること、信じようとする自分、周りの仲間たち、などに向けられていて、その隙間に環がするっと入ってきた感じでした。
「信じる」以前に「疑われない」というスタンスで。

正直読者には奴の正体ははっきり書かれなくても分かるから、読んでいてヒヤヒヤします。
「あ~もうっ、芽吹!だからそいつがヤバイんだってばっ!!!」
と、何度叫んだことか。

USBに関しては、お互いにどっちも引けないよねぇ……。
芽吹も兵頭も「信念VS恋人」「仕事VS恋人」という決断を迫られますが、お互い恋人を選ばない2人で、ほんとうに良かった。というか、惚れ直しました、私が!

ラブはラブとして、「芽吹と愉快な仲間たち」は、今回も楽しそうで、めっちゃ和ませてくれました!
みんな凄く個性が強いのに、集まると「チーム芽吹」として大きなひとつの強烈な輪になるのが凄いなぁ。

この「嵌められる」は全部が「諦めない」への引きで、後半への期待てんこ盛りで読み終えました。
同時発売じゃなければ逆上してたところです(笑)

1

騙す人騙される人

おまけで神評価。
本来ならば続き物は完結するまで満点はつけない主義なのですが、今回は「交渉人は諦めない」と同時発売で、お話の最後まで読めたのでこのような評価にいたしました。
“おまけ”の理由は、USBにこだわりすぎるほどこだわる芽吹さんの気持ちがちょっと理解できなかったのと、笑えばいいのか泣けばいいのか感動すればいいのか、てんこ盛り過ぎたからです・・・

今回は、交渉人の芽吹さんが関わった詐欺師絡みの事件と、彼のトラウマとなっている過去の事件が絡み合い、さらに兵頭と鵜沢のやくざたちも巻き込まれて、いつにないすったもんだになっています。
相関図を書きたくなるほどあちらとこちらが繋がっていたりして複雑なのですが、その割りに善悪がハッキリしているためかこんがらがることも無く、大変読みやすかったです。

さて、お話の内容ですが、主軸は芽吹が信じてやれなかったせいで、親友・若林を自殺に追い込んでしまったという過去の事件に関係する物証が出てきたことと、そこに関わっていたとおぼしき詐欺師・環の登場です。

騙す人、騙される人ってどんなバランスなの?的なやりとりもあちこちに。

芽吹と環の頭脳戦が展開されるわけですが、芽吹が過去をめちゃくちゃ引きずっているので、いつものようなコメディになりそうでなかなかならない展開です。
挙句の果てに、冒頭から「意外にラブラブですよ」といった感じの兵頭と芽吹だったのに、環に振り回されて別れの危機に陥ってしまう始末です。

唯一救われるのが、脇役の皆さんの存在で、キヨを始めとして、智紀、さゆりさん、元詐欺師の志津といったネゴオフィスの面々や、大変頼りになる七五三野弁護士の登場場面です。
みんなが芽吹の力になろうと一生懸命になってくれるのです。
で、ちょっと笑いも誘ってくれるし。
若林や環の件で沈みがちの気分を浮上させてくれます。

いつもなら、ゴーイングマイウエイで芽吹を振り回す兵頭が、鳴りを潜めているのも不気味なまま、お話はつづくのです。

2

上巻にあたるわけなんですが…これがかなり辛い。

待望の交渉人シリーズの新刊です!
しかも今回は2冊同時発売!この「嵌められる」のほうが上巻にあたるわけなんですが…
今回は芽吹の過去がついに明らかになるんですが、これがかなり辛い。
今までも芽吹は「人を信じる」ことを信条とし、痛々しい姿を見せつけてきましたが
今回は本当に、芽吹の心がポッキリと折れてしまうんじゃないかというくらい、
見ていて本当に痛かった。
さゆりさんが後半、芽吹のことを「他人に優しく、自分には厳しい」というのですが、
まさにその通り。
他人の痛みを理解し、他人のことはすぐに許してしまうのに、
自分の罪はいつまでも許すことができないんですよね。
だからこそ、いまだに過去の自分の過ちを後悔し、引きずっている。
いつもオヤジギャグを言ったり、芽吹ネゴオフィスのムードメーカー的な役回りの芽吹の、こんな姿を見るのは本当に辛いです。

今回は詐欺師の志津という男が現れ、彼に騙された女性の以来を引き受けるところから始まります。
しかし、その男がなぜか今度は依頼人として登場し、芋づる方式に、芽吹の過去が明らかになっていきます。
前回までに、芽吹の家庭環境の話はすでに明らかになっていますが、そんな芽吹に追い打ちをかけるような内容です。
何故芽吹がここまで「人を信じる」ということに固執しているのかが明らかになります。
ここはこれ以上言うとネタバレになってしまうので、これ以上は何も言いません。

そして後半、物語は大きく動き出します。
芽吹が自分の過去と対峙する中、兵頭も自分の組を守るため、芽吹と対立することになります。
今まで芽吹に対して、結果的には下手に出ることになった兵頭ですが、今回ばかりはそうはいきません。
芽吹のことは本当に愛しているのですが、兵頭にとって、組や組長のことも、芽吹と同じくらい大切なものなんですよね。
でも芽吹にとっても、今回の過去の問題は重要なことです。
対立する二人はついに有り得ない展開を迎えて……
もうこのラストは本当に衝撃でした。
しかし何よりも衝撃を受けたのは芽吹でしょうね。
下巻のあらすじを見た方は何が起こるのか想像がつくでしょうが、私にとってはまさかの展開でした。
正直、下巻を読むのがかなり辛いです。
でもきっと榎田先生はなんとかしてくれる…!と信じています。
あぁ、2冊同時発売で本当によかった!
もしここで半年待って!っていう状況だったらもう…発狂しそうですよ!ww

あと、芽吹が闇から抜け出せたきっかけとなったシーン。
雨もいつか上がる。
このシーンに、グっときてしまいました。
この上巻を読み終えた今だから、芽吹にもう一度この言葉を思い出してほしいです。
でも、下巻のタイトルは「交渉人は諦めない」ですもんね、芽吹はきっと何があっても諦めずに頑張ってくれると信じています!

あと、ちょこちょこ出てくる脇役たちが本当に可愛くってw
キヨと智紀は次回のスピンオフで主役となって登場するようなのですが、
この二人がすっごく可愛くて可愛くてww
相変わらず智紀を溺愛しているキヨは、その気持ちが愛なのか友情なのか、はたまた家族愛のようなものなのか
もう気になって気になってたまりません!!
回を追うごとに仲良しになっていく姿をみるとニヤニヤが止まらない…w
さゆりさんと、今回新たに出てきた詐欺師の志津との交流も微笑ましいですねw

そんなわけで、神評価は下巻へと持ち越すことにしますw

5

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP