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偶然の出逢いが二人の心を揺り動かす───「私は性懲りもなく、君を好きだと感じている」
短髪メガネを描かせたら右に出る者はいない いやどんな男も草間さかえ先生ほど魅了的に描く先生はいない もう夢中。
地下鉄の犬と自分を重ね合わせる離婚直後のサラリーマンの恋模様がたまらない。本当にそこらへんにいそうなサラリーマン。ひょんなことから出会ったタバコ&骨董屋(この人も本当にそこら辺にいそう)との彼とが少しずつ近づいて、この二人の11歳という歳の差が醸し出す妙がいい…金継ぎの茶碗がいい もう全てが良すぎてため息しか出ません。
作者さん買いしている草間さかえさんの作品です。
煙草屋兼骨董品屋の店主智紀と離婚したばかりの篠田の出会いからのお話で、一冊まるまる二人のストーリーです。
この二人の大人の男たちがですね、可愛いんです。
「私はこれが好きだ」という意味で可愛い。
例えるなら天然人懐っこ大型犬と、穏やかで優しいクール大型犬。
眼鏡×眼鏡は私の本棚にはまだあまりないので、新鮮で良かったです。
受け攻めが、えっそっち⁉︎となりました。良い意味で裏切られ、かえって萌えました。
同人誌ではリバだとか?…むっちゃ見たい!
とにかく絵がすばらしく好き。
篠田さんがタイプ。
黒髪短髪メガネ天然無口やわらかい堅物おり目正しい実は美形。
実はモテる(無自覚)。
自分のことを「私」相手のことを「君」と呼ぶ。
普段スーツの人の無頓着私服姿がさりげにかっこよす。
不器用で繊細。
つまり、かわいい(ヨネダ先生と草間先生の対談を思い出す)
篠田さんの独白もいい。
ひとつひとつ自分の中の変化を律儀に確認する過程、相手に伝えようと努力する姿もかわいい。
「可愛い」という言葉の使い方がおしゃれ。「可愛い」だけでなく他の言葉もタイトルも小道具の活かし方が秀逸(他作品も)
受け攻めが予想と逆だったw それもまたいいと思われ。
1冊丸々1CPのお話…大人な二人のやりとりが楽しく読み応えありとても好きな作品になった。
智紀が自分の愛が「重い」と言った時の篠田さんのセリフが最高に好き。
本作もあとがき&カバー下漫画が楽しい。先生のあとがきおもしろくて好き。
草間さかえ先生は短編集が多いので、丸っと一冊表題作なのは拝みたくなるほど嬉しいです。
この作品でいっとう好きな表現は、篠田(離婚直後の会社員)がお弁当のおかずを2人分作るときに、朝倉(ゲイ 煙草屋兼骨董屋)へ真ん中をあげるってところですね。それに気づいている篠田課長の部下の女性。言葉ではない愛の表現を、作品のこの位置にこの描写の仕方でもってくる草間さん、最高です。
表紙もとっても好き。"可愛い"ってやつです。
皆さんの感想を見ていてダブル眼鏡に気づきました。ほんとだ…!
終始穏やかな雰囲気の漂った作品でした。受けの篠田は妻と離婚したばかりで、若干自暴自棄にもなっているくたびれたサラリーマン。そんな彼が偶然攻めの朝倉がやっている古物店に引き込まれていくわけですが、その店の空間や朝倉という存在が、篠田の中で徐々に心の拠り所になっていく過程が丁寧に描かれていたと思います。何か劇的な展開があるわけではないけれども、互いに酸いも甘いも経験して少し臆病になりがちな大人の男達の、面倒でロマンチックな恋愛でした。側から見ればやきもきしてしまいそうな、でも本人達にとっては1つひとつの言葉や行動が至って真剣な恋愛。いい歳した男性同士の恋愛を楽しみたいという方にはオススメです。ただ、正直そこまで深い余韻の残る作品ではなかったかなと思います。