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普段レビューは書かないのですがかなりモヤモヤしたので自分の思いをまとめてみようかと思います。
受けの夏生がとっても可愛いんですよ。
不思議なちからとそれによる弊害から、人と関わらないようにする、嫌われるのも別にいい、そんな風に他人と距離をとってきたナツが出会った金色の作倉くんはまさに運命でしょうね。
コミュニケーション能力が壊滅的なナツの正直で素直でストレートな物言いがすごく可愛いんです。
そりゃ作倉もかなわね~ってなりますよね。
前半の初々しい初恋がすごく可愛くて楽しく読んでいました。
ドライのお話にもほろりときました。
で、ページ数がまだまだ半分は残っててそのボリュームがすごく嬉しかったんですが、後半はひたすらモヤモヤしました…。
脅されて付き合うって一昔前のBLにはあるあるで見慣れたもんですが本っっ当に意味がわからないんです。
一番最初の「相談にのる」のを何度も断ってるのにナツにしつこく話しかけてくるのがね……飲食店ですからね、そんなんじゃろくに食事とれないしこれはもう店長呼んで何とかしてもらうでしょうね私だったら…。
そういう少し現実的なことを考えてしまいました。
菊池のことを心底嫌っていることを作倉がたしなめるなのもなんというかね……そのくせしてラストでは浮気はしないと「信じてる」ってどういうことよと思ってしまいます。
「信じる」のベクトル違くない?
そんなことを言うなら最初からナツのことを信じるべきだったでしょうに。
言うべきことを言わずに拗れていくのってこれまたBLでよく見かけるんですがモヤモヤするしイライラしますね。
ファミレスでの話し合いも兄弟の態度が酷くてもうほぼ読み飛ばす勢いでした。
前半がすごく良かっただけに残念。
好きな部分とモヤモヤ部分あわせて中立かなぁ。
視界いっぱいの金色に溶けだす藍色、その美しい描写がとても好きでした。
2010年刊。
この本、約360ページあって従来のキャラ文庫と比べるとボリュームのある一冊となっている。
にも関わらず、出逢いから両想い、その後の甘々なムードや当て馬が絡んできてのハプニングも楽しく読めたのは、主人公・夏生の個性の強さが自分の好みのツボに嵌ったからだと思う。
普段の自分ならばお互いが恋心を意識する過程を気にするのだが、この話に関しては夏生と作倉がすごく自然に好きな相手に馴染んでいる様子を受け入れていたのだった。
メインは不思議系ではなく初々しい初恋成就ものだが、全体的にほっこりした話だった。
周囲にいる人物の認識方法が通常とは違う夏生は、顔ではなくオーラの色で相手を覚えるといった風変わりな男だ。
夏生にしか見えていない動物のエピソードにホロリとする場面がある一方で、彼自身の逞しさ天然さの妙が何とも面白かった。
思ったままの事をずけずけと言えて、自身がどう見られようがてんで構わないが、その反面、作倉が傍に居ないと途端に寂しがったり好きって言葉が自然に出る辺り、素で天然なんだなって感じる。
夏生の天然具合は特に後半の『飼い主は騙されない』にて遺憾無く発揮されていて、当て馬となるはずのキャラが夏生に振り回されて横恋慕どころではなくなっている(笑)
当の夏生は「二人の関係をばらすぞ」と脅された為、作倉を庇うのに懸命だった訳だが。
人付き合いと縁の無かった夏生だが、作倉に絆されていくのを通して周囲の人達とも馴染んでいっている様子が伺えてほっこりする。
高校生である作倉の友人、宇佐美と有為子もおおらかで、年下の彼らに世話を焼いて貰っているのを素直に受け入れている姿は可愛い。
夏生が単に繊細系ってだけに終わらず、案外パキッとした一面も見せてくれたからこそ最後まで飽きずに読めた。
菱沢九月さんの作品では『小説家は懺悔する』のシリーズ以来久々に萌える作品に出合いました。
悪くないけどそこまで萌えないと言う感じだったのでご無沙汰してしまいましたが、不思議設定が気になって読んでみました。
浅井はオーラや死者の姿が見えてしまうというだけで、悪霊と戦うとか悪の組織に狙われるとかファンタジー設定は無しです。
だけどそんな変わったありがたくもない能力を持ってしまったことから人間不信になり家族からも受け入れられず孤独でいることに慣れた人です。
遊んでいた友達や話しかけられた相手が誰からも見えない人だったり人がみな色や光で縁どられていたら怖くて見たくないし、ほんとに人なのかを確認しないと反応できなくなってしまうだろうな。
人と距離を取って声をかけても無視されるのだから嫌われても仕方ないかもしれないんです。
そんな、寂しい人が光り輝く美しいオーラの持ち主に出会い恋をして、変わった能力も含めて理解して愛し合うまでの恋物語です。
高校生の作倉が17歳とは思えない包容力と優しさで出来た子なんです。
やっぱり自分が傷ついたり辛い目にあって痛みや悲しみを知っているからかもしれませんね。
心が通い合うときれいなオーラが混じり合い長年連れ添った夫婦は溶け合うというのが素敵だなと思いました。
浅井の上司 塚田さんがいい味してました。
変わり者の部下を普通に扱い、浅井も肩の力が抜けてラクに居られる職場なんだなと思いました。
分厚い本なのですが、面白くてスラスラ読めました。しかし、カップルの萌えとはちょっと違うな~と思ったので評価を迷いました。
ストーリーは面白かったです。
主人公のナツは変わり者です。
見えないものが見える能力を持っていて、そのために人間と関わらないようにしていて、普通の人間が認識できない。認識しないのかできないのか、人に声をかけられても立ち止まらない(生きてる人間じゃないかもしれないから)ということが小さいころから癖になっていて、態度も冷たい。理由の分からない回りの人からはただの冷徹な変わり者に見えてしまい、遠巻きにされるタイプの人間です。
お相手は喫茶店で出会った作倉で、まだ高校生です。
彼は金色のオーラを纏った稀有な人間で、非常に心の綺麗な子。
ナツは彼にだけ心を許し、作倉もナツに懐いて、佐倉がナツの部屋に入り浸るようになり…。
自然と距離を詰めていくお話でした。
このままなら、ちょっと変わった社会人と健気な高校生の歳の差ものなのですが、それがナツの持つ能力の説明、ナツがどう人間と関わらずに生きてきたか、佐倉の過去の傷などと絡んで丁寧に描かれているのがよかったです。かわいらしいお話でした。
ただ、全部がナツの持つ能力に依るお話になっていたので、純粋に恋愛部分だけ抜き出して見たときにあまりに綺麗にまとまりすぎてるというか、お互いいい歳の男性が会ってからすぐ互いを好きになって、好き好きと口にして、特に葛藤もなく結ばれているのがちょっと「物語的」過ぎるきもしました。
後半は佐倉のバイト先に現れた怪しげな男にナツが脅されてつきまとわれるというお話です。悪役(?)がいた分、ストーリー性はこちらのほうがある気がしました。
ナツは自分の能力から、彼が外見はいいのに中身はドロドロだとわかっています。この男、嫌な奴なんですが、どうしても憎み切れない人間でした。綺麗な人もドロドロした人も紐ほどいて裸にしていけばそれなりの理由があり、とても人間らしいと思えました。
しかし、ナツが奇妙な男に付きまとわれるのを作倉は浮気じゃないかと疑いつつ、「ナツを信じる」と言っていますが、ナツが「あの男は気持ち悪い、嫌い」と最初に訴えてるのに信じてあげなかったのが何だか不思議な気が。最初に信じてあげていたらあんなことにならなかったのではと思います。
ナツの能力を知ってるのに「人の事を悪く言うもんじゃない」とたしなめるのは、普通の人間相手ならともかくナツの力や性格からしてもうちょっと違った対応ができたのでは…。
作倉がとてもいい子で、困った人をほうっておけなくて、ナツのもそうしてほしいと言い、まさに金色のオーラを持つ人間。
あまりに欠点がない綺麗な子だったので、私は逆にどんどんこの子の存在感が薄く感じてしまいました。
ひねた言いかただけど、ここまで綺麗な人間だと面白みがない~^^;
この2人は本当に最初から最後まで互いを「好き」「可愛い」「優しい」「傷つけるものは許さない」「あなただけ」とう感じで障害も苦にしない感じですので、ふたりだけの世界が既に出来上がってる感じでした。
誰がどう入ってもきっとずっと2人で幸せにやっていくのだと思います。
その分、こちらはご馳走様でしたという感じでなんだかこの2人のラブストーリーそのものにはのりきれない感じでした。
お話は4、BLとしての萌えは2くらいだったので、間をとって星3にしました。
なんででしょう?
好きな作家さん、好きな年下攻め、好きなツンデレ受け、好きな展開なんだけど、なんかのりきれませんでした…。
嫌な感じとかは全然ないし、そんなに物語の破綻とかもないし、文章ももちろん上手です!萌えだってあります!
年下攻めが頑張ってる感じとか、耐えてるシーンなんてキュンっとします!
後半の話とかはラブラブシーンも多くて良い感じです!
でも多分最初のくっつくまでのところでのりそこねてしまったのかも…。
ちょっと時間おいてまた読んでみよう思います