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表題作 言ノ葉ノ世界

仮原眞也 → 三木眞一郎

藤野幸孝 → 平川大輔

その他キャラ
占い師[神谷浩史]/ シュウ[小野大輔]

あらすじ

生まれつき人の心の声が聞ける仮原は、それを利用してずる賢く生きてきた。
ある日、車と接触してケガをする。その車に乗っていたのが大学准教授の藤野だった。
仮原が初めて出会った心の声と口で発する言葉が全く同じ人間。
まるで輪唱のように響く藤野の“声”と言葉を心地よく感じ、
そんな自分に苛立った仮原は、藤野がゲイであると知り、
偽りで彼に「好きだ」と告げるが……。
※前作「言ノ葉ノ花」のパラレル作品になります。

作品情報

作品名
言ノ葉ノ世界
著者
砂原糖子 
イラスト
三池ろむこ 
媒体
CD
作品演出・監督
阿部信行
音楽
オンリード
脚本
鈴木昌子
原画・イラスト
三池ろむこ
オリジナル媒体
小説
メーカー
Atis collection
シリーズ
言ノ葉ノ花
収録時間
152 分
枚数
2 枚
ふろく
版元予約特典:フリートークCD
発売日
JANコード
4560223560706
4.5

(62)

(45)

萌々

(10)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
18
得点
276
評価数
62
平均
4.5 / 5
神率
72.6%

レビュー投稿数18

作品は素晴らしい、ただ…

原作未読。
作品のクオリティーが凄いという言葉で失礼なくらい、素晴らしい。
もう、これ、BLCDとかの次元じゃないよ。
映画一本見終えたような達成感がある。
パッフェンベルのカノンが作中に度々登場する。心の声と発言が同じために輪唱のように聞こえてくる藤野をイメージしてかけてるんでしょうけど阿部さんのアイデアんですかね。
いい仕事しますね。相変わらずのこだわりを感じます。
いいですね。
ここまでクラシックの有名曲を多用するBLCD初めてでしたけど、作品にめちゃくちゃあってました。

作品自体はめちゃくちゃ辛い、重い、痛い。
皆さんおっしゃられてますけど三木さんの叫びの演技がもう迫力すごくて、あの瞬間はりつめていたものが割れて感情が一気に爆発するんですけど聞いていて思わず息するの忘れるくらい聞き入ってしまいました。
声に出して本当の気持ちを発言しなかった主人公が初めてむき出しにするシーン。
本当に映画みたいでした。

ただ主人公が本当に心が荒んでて聞いていて辛いです。
メンタル聞いてて病んできちゃう。
長尺だし、何度も繰り返し聞ける作品ではない。

0

設定がすごく効いてる

よく聞いてるBLCDの一つです。
三木さん目当てで購入しましたが、全てがすごく良かったです。
原作未読。前作未聴。でもしっかり話が分かります。

悪い攻めが本気で受けを好きになった矢先に攻めの悪いところがバレて嫌われたり距離取られたりして攻めが傷つく。テンプレですが、ほんとこうゆうの大好き。

特にこれは心の声が聞こえるって言うのがすごく効いてる。

平川さんの声すごくいいですね。癒される。
口に出してる声と心の声の重なりは素晴らしく
ほんと聞いてて気持ちよくて狩原君が惹かれる気持ちわかります。

そして三木さん得意な悪い攻め。最高。
いじわるだけど憎めないむしろかわいいし愛おしいと思う。
特に自分から離れていこうとする藤野さんを引き留めようとするシーンは声から必死さと不安がすごく伝わって何度聞いても心が動く。すごい

狩原君は心の声が聞こえることで大切なものを失った過去があり、そのためひねくれてるだけで、そんなに悪い人じゃないように思えて、わかってあげられるの藤野さんしかいないから!助けてあげてってすごく思って一緒になって苦しくなった。かなりのめりこめる素敵な作品。

原作読んでいないのですが、他のお気に入り上記テンプレ作品(しかもやっぱり悪い攻めは三木さんw)と同じ原作者さんだということに今気付きました。
そっちの原作最高だったので、こちらも原作も読んで他の話も手を出そうかなと思います。

0

人生で一度は聴いてほしい超名作

これは本物の神作品。人生で一度は聴くべき名作。個人的に言ノ葉ノ花より好きでした。もちろん前作も大好きなんですけど。
これはほんと、やばいです。大号泣しました。前作とともに、片方が心の声が聞こえる、そのせいで人とうまく関われない、でも相手がそれを受け入れる、という話しがせつない。ただこの言ノ葉ノ世界は、CV平川大輔さんの藤野が清らかで素晴らしすぎる。みきしんの酷い振る舞いに前半は心を痛めて聞いていたのですが、後半のもどかしい部分は、本当に切なかった。言ノ葉ノ花と違って、前半の辛さと後半の甘切なさの落差が大きいのがこのCDの魅力かもしれません。
あとはもう役者さんたちの演技が最高過ぎる。個人的に三木さんの演技はちょっと好みに合わないなーと思っていたのですが、この作品の三木さんはとっても好きでした。非人道的なことをするし、嘘つきだけど、人間の一番の軸?の部分はきっと温かい人だった筈なんだと伝わって来ました。それだけに「もういちど俺を好きだと言ってくれ」のところは本当に涙が止まらなかった。心の声が聞こえるせいで愛がもらえず、歪まざるを得なかった悲しい男をとてもリアルに演じられていました。マジで藤野に出会えて良かったねって心から思った。
そして平川大輔さん!この方には「流石のクオリティ」という称賛は合わない気がします。毎回毎回全然違う。声は変わっていないのに、面白いくらいに雰囲気が違っていて、私が一番尊敬している役者さんの一人なんですが、今回の藤野も、平川さんよりすてきに演じられる方はいないと思います。清らかで優しくて、まさに「奇跡のように優しく美しい男」でした!一言一言、全てのセリフに切なさ愛しさがぎゅうっと詰まってるように感じて、濃くないセリフが無い、というか、もうほんとに切なくて心が抉られました。カリハラに愛されて良かったね。最後の方の、「もしかして、嫉妬!?」のところ本当に好き。可愛い。

1

共に傷付きながら・・・・

原作は未読です。全作「言ノ葉ノ花」の原作も未読です
平川さんと三木さんのお声目当てで聴きました。
原作は未読でも、ストーリーに迷子になることはありませんでした。分かりやすいお話だったともいます。

しかし、攻め様・・・本当に酷い・・・むごいお方です。でも、攻め様がこうなってしまったのも分からなくもない部分もあったりで、憎み切れないキャラでした。でも、聴いていて本当に辛くて、受け様がかわいそう過ぎて、途中くじけそうになった瞬間もありました。攻め様や受け様と一緒に傷つきながら聴いたという感じです。
それだけ、お二人の演技が秀逸だったのだと思います。いや~、本当にお二人とも凄かったです。

素敵な演技なのですが、私的にはお話はヘヴィーなので、なかなか簡単にはリピートできませんが(聴く前に覚悟みたいのや、主人公達のダメージを受け入れられるエネルギーが必要)、それでも時々じっくり聴きたくなる・・・そんな作品です。


1

嫌な奴だけど‥わかる

原作未読。
「言ノ葉ノ花」は原作、ドラマCD共に既読。

心の声が読める仮原(攻様)。
「言ノ葉ノ花」の余村より、彼はさらにしたたかで。
世の中をなめ腐ってる感じ。
三木さんが憎たらしく思えるほどぴったりです。←褒めてる
でも、仮原はホントに藤野が好きなんかなぁ。
自分を想ってくれているから、無自覚に依存している気がして
もやもやしました。

パラレルの象徴として登場する「占い師」。
(想い)人を心から信じられなかった末路かと思うと、
なんだか「道徳」の時間のようにも思えますが←斜に構えててすみません
その後の結末に仮原が一役かっているので、
ろくでなし仮原も許してやるかって気になります。

0

性格悪いしょうもない男とお人よしの恋

前作と違って生まれつき人の心の声が聞こえてしまう性格の悪い男が主役。
相手は正直で生真面目なちょっと天然系なお人好しな学者。

仮原はいい加減に開店させている雑貨店を経営している。
人の心の声が聞こえてしまうことで家庭が崩壊しこんな人生しか生きられないことに倦んでいる。
適当に稼いで人の気持ちを弄ぶことに躊躇がない。
偶然出会った藤野の心の声が口に出した声と全く同じことから興味を持つが、藤野のことも面白半分にからかって暇つぶし程度に思って遊んでいるようなろくでなし。
けどそんな、彼に初めて訪れた初めての本当の恋。
好きを自覚したときに自分の能力をますます疎ましくなる。
今までどうでもいいと思っていたことだけど、人に好かれたいとか大事なものをなくしたくないとか他人の気持ちを慮ることすらする。
藤野がいままでいい恋をしてこなかったせいで、人とまともに向き合わないままだったのに、仮原と出会って強く求める思いを知ったのだと思います。
そんな恋愛初心者な二人のジタバタする姿に本気の想いが伝わりました。
でも本気だからこそ悩んだり迷ったり道端で怒鳴りあったりしてしまうんでしょうね。

もう一人登場する心の声が聞こえる占い師さんは1作目の余村さんが違う選択をして別れてしまったとしたら…のパラレルな世界の『もう一つの言ノ葉ノ花』です。
恋人のもとから逃げ出して10年たって、諦観していながら繋がらない携帯を大事に持ち未練たらたら。
不遇な占い師さんは仮原に意地悪やら八つ当たりで酷いことをされるかわいそうな扱いで『言ノ葉ノ花』のハピエンを思うと別の話だとしても涙を禁じえませんでした。
でも、あんな非道な男も優しい恋人ができたおかげでしょうか、ちゃんと占い師の想い人を探し出して対面の機会を作ってあげた様です。
これからは人として真っ当に育っていくことと思います。
よかった、これで安心です。

2

ろくでなしが恋に落ちると……

原作既読。
言ノ葉シリーズ2作目です。
今度は攻の仮原(三木さん)が心の声が聞こえるという設定です。
それも生まれたときからので筋金入りで、前作の余村よりも性格が捻くれていて、三木さんの斜に構えた感じなんか本当にお上手だと思いました。
藤野(平川さん)も優しくて落ち着いた感じの、全てを包み込んでしまうような柔らかいお声がイメージとぴったりで、すんなりと話に入っていくことができました。

そんな藤野の大人包容力でもって、ひねた年下男を虜にしていく様は見事としか言いようがありません。
最初のころは強気だった仮原が、途中から形振り構わず藤野に縋る姿はせつなく、泣きながら互いの気持ち訴えるシーンが痛々しく、引き摺られて一緒に泣いてしまいました。
そしてBGMにパッヘルベルのカノンを使用しているのですが、これがもの凄い効果を生んでいてまた涙。
三木さんの泣き演技がとにかく秀逸です。

ただ個人的には前作のCPの方が好きだったため、占い師(神谷さん)に全部持ってかれた感は否めない。
最後は原作を少し膨らませた感じになっているんですが、その演出がすごく良かったです。
「世界」だけでも十分に満足できるかとは思いますが、「花」を聴いて頂くともっと満足できると思います。

2

きれいな作品です

クズ男×お人よしといったようなカップリングなんですが、三木さんの演じられるクズ男ってどうしてこんなに萌えるのでしょう・・・
そして平川さんが頼まれると断れないタイプのお人よし受けを演じられているのですが、つけこまれて迫られた際の戸惑い、動揺の声がとってもエロい・・・!!戸惑っているんだけど感じてしまう演技、やっぱり平川さんの受けは絶品ですね。
ストーリーがしっかりしていてとても引き込まれる作品です。引き込まれる分エチシーンも死ぬほど萌えるんですよね・・・!!!
心の声が聞こえてしまう攻め仮原の葛藤、付き合いだしてから「心の声は聴かないこともできる」とウソをついて受けの藤野を気遣う様子、心情を三木さんが見事に演じてくださっています。クズ男が誠実になろうとするその姿に泣かされました・・・
自分だったら・・・と考えると藤野が仮原を受け入れた覚悟は相当のものだと感じますね。この二人には本当に幸せになってほしい。
最後に前作の二人がパラレル的な感じで出てきます。いいとこ取りって感じでしたw
前作もこの作品同様素晴らしい出来となっておりますので、そちらを聴いてからこっちを聴くとさらに楽しめるかと。

2

言葉と言うキーワード

生まれつき人の心の声が分かる、本当の気持ちが分かるからこそ、怖いものがある、声なんかが聞こえたら、聞きたくない言葉を聞いてしまう、仮原はそんな日常が付きまとってそりゃ、嫌気がさしてグレたくもなりますよね。
そんな仮原の前に言ってる事と思っている事が同じな藤野が現れて、けれども荒みまくっていた仮原には心の声を通してでも信じきれなくて、すれ違ってしまう、言葉を交わしても、心の声を通しても交わらない二人にやきもきして、この二人は果たしてハッピーエンドになるのかと途中まで悲恋を覚悟で聞いてました。
仮原が藤野の本当の気持ちを知るのが怖いとそれは本気で藤野を好きだからこそとても怖くて、三木さんの迫真の演技に心が震えました、切なくて、悲しくて、どうしようもない感じに泣きそうになりました。
仮原は本編中で人の善意を食い物にしていましたが、私は割りと自分でもそうなるなと共感めいて聞けました。
占い師の携帯を川に放り投げた時なんかは絶対捨ててないなと核心してました、荒みさが前面に出されてますが優しさを捨てきれてない、そういう部分を藤野も感じて惹かれたのかなと原作を読んでもいないのに思ってました。
それにしても心の声が聞こえるとHシーンって数百倍にエロいですよね、平川さんの喘ぎのエロさも加わって一撃必殺でした!
最後、占い師、これは前作のキャラパラレルその後みたいで、十年越しに十年かかってしまったけど、また二人が再会して思いを通わせたのが良かったです、(前作も読んでません(笑))
このサプライズ企画は仮原発案ですよね?最後に憎いことしたな(笑)
フリトでは、役づくりで難しかったと平川さんが話しておられました、言葉を交わして、言葉で物語を造る、平川さんは演技力に定評があります、私も平川さんの演技には心惹かれ、凄い人だなと思います、ベテランと呼ばれる人だと思います、しかし、演技の方向性を試行錯誤する姿に一過性のものとしていない所が伝わり、演技に妥協しない姿勢にとても感動しました。
三木さんとの呼吸もバッチリで、平川さんもアドバイスを貰い、余計な肩の力を抜いて、キャラを魅せ、物語を魅せてらっしゃいました。

言葉に思いを載せる、簡単な様でとても難しい、声優と言う仕事の大変さ難しいさを改めて知り得た作品です。

2

美しい世界

原作未読で前作を聞いてません。

三木さん演じる仮原は斜に構えたクズっぽい男、なんだが、彼に共感出来るか否かで評価は分かれると思う。
効果的に流れるBGMのカノン(曲)と平川さん演じる藤野の言葉が奏でるカノンが美しい。
濡れ場も特に最後の濡れ場は心の声との二重奏がエロ美しくて印象的だった。

個人的には世界観が好き。
ただ、原作と前作を聞いてないと占い師とシュウは余分に感じるかも。
それを差し引いても繰り返し聞きたい作品。

2

頭が混乱

原作が有名小説です。
私は 小説もしゅみじゃないです。
読んでも読んでも意味がわかりませんでした。
同じ事を延々と引っ張っていくので途中で飽きてしまいました。
CDを聴けば原作小説の意味ががわかると思ったのですが
頭が混乱してしまい『心の声』が行ったり来たりして聴くのが困難でした。
わかり難かったです。
受けがオドオドしていたので余計にイライラして
CD聴くのを途中で投げ出したくなりました。
声優達はすごく役に合っていたと思います。
三木さんと平川さんのコンビは安定しています。
でも ダメだった。
話の面白さがつかめなくて残念です。
全体的に暗い話なのでジメジメ感はよかったと思いました。

2

BLCDは消えないで欲しい

原作既読です。

「心の声が聞こえる」

これこそ、ドラマCDのための作品。
オーディオドラマのための設定。
この物語世界に入り込むには、音だけで表現されるオーディオドラマが一番。
文字で読んでいた時より、断然、深く、陶酔できる。

カノンの曲にのせて、
心地よい音楽のように聞こえる藤野の声。
平川さんの演じる藤野の声が、
心の声と寸分違わず言葉に出している藤野の声が、
それだけでもう、原作を超える「神」決定。
藤野の声は、この声じゃなきゃ!
もちろん、仮原の三木さんもとってもいいし、占い師の神谷さんも、神谷さんだからこそ原作よりもずっとずっと影の主役。

こんな作品が出会えるから、BLCDにはいつまでも消えないで欲しい。

ところで、これも、仮原が三木さんだからちょっと忘れそうになっていたけど年下攻め。

7

カノンが聴こえる

 原作既読。

 平川さんだから成立した役なのかもしれないと思った。
 でないと、あざとくなったり、わざとらしくなったり。
 しかし平川さん演じる藤野というキャラクターの持つ、仮原しか聞こえないカノンが、私たちにも心地よくきこえてくる。
 その旋律の美しさ、眩しさに仮原と同じように癒されてくる。

 自分を偽らないからこそ他人が見えてくる藤野と、他人がよく見えすぎる(聞こえすぎる)からこそ、自分が見えない仮原の切ない話だ。
 それにもう一つの『言の葉の花』のアナザーワールドがリンクして素晴らしい世界をカノンとともに作り上げている。
 木原音瀬のCOLdシリーズと同じで、ヘビロテは辛くてできないけど、半年に一回くらいをずっと長い間聴きつづけるような素晴らしい名作。
 『言の葉の花』と同様、音楽や音の使い方が素晴らしいので、ドラマCDの醍醐味を十分満喫できる一枚。
 阿部さん、いい仕事してます。
 聴いたが最後、再び平川さんと三木さんと神谷さんを大好きになってしまうこと請け合いです!小野さんの出番が少なくて残念。

 きっと十数年後でも飽きずに聴ける作品ですので、絶版になる前にぜひ手に入れて頂いて、後悔のない名盤です。
 

7

小説より好き

小説はあんまり好きじゃなかったんですが、ドラマCDで聴くと、モニョモニョしてた部分がいい具合いにこそげ落とされてて、不思議なほどストーリーに入り込んで聴くことができました。
他人の心が聴こえてしまうことによる葛藤、孤独、人間不信。
それらを乗り越えて、はじめて出会った「心の中で思うことと、口に出して話すことがまったく同じ男」と結ばれる。
ちょっと泣きました。
三木さんと平川さんは神キャスティングだったと思います。

けどやはり私は、この受けがあまり好きじゃないなと思いました。てゆか絶対にいないと思う。心の中ですら、醜いことをまったく考えない人間なんてさ。
心を読む能力を持つ人間の相手役は、こういう人間離れして真正直なタイプじゃないとダメなのかな。
もしまた同じコンセプトで作品づくりをされるとしたら、日常の中で小さな嘘をついてしまったり、機嫌が悪いと心のなかで悪態をつくような、「ごくごく普通の人間」を相手役にしてほしいなァとか思いました。あるいはいっそ、凄まじい虚言癖のある人とか(笑)

2

前作CDと合わせて

原作既読。
CDはCDで原作とはまた別に独自の繋がりを持っている感があるので、出来れば前作の「言ノ葉ノ世界」を聞いておいた方がいいと思う。
あと持っている人は聞く前に再聞しておさらいしておくとよりグッと来るんじゃないかなーと。

2枚組で尺をたっぷりとって丁寧に世界観を展開してくれました。
仮原役の三木さんのロクデナシ演技っぷりが実にいいロクデナシで良いです。
平川さんは配役見た時からキャスティングぴったりだなーと思ってたので予想通り、そして予想以上。
そして前作の主役の余村役の神谷さんがいいー!!凄くいい!
これはまあ美味しい役所ってのもあるんですが実に印象的でした。
この作品単作でも楽しめるけど、前作と合わせて聞くのがおすすめです。

3

優越感なのか、劣等感なのか

原作も前作も未読ですが、CDだけで聴いても伝わる丁寧な作品でした。

仮原は生まれたときから人の心の声が聞こえる。
それゆえに荒んでいて、でもそれを利用してとても器用に生きている。
みんなの心の声が聞こえることで優越感のようなものを感じていながらも、本当は心の声が聞こえることで劣等感もあったりします。

そんな複雑なキャラクターを、三木さんは見事に演じ切っていました。
やさぐれた雰囲気が出ていて、やはりとても演技がうまいと改めて実感しました。


一方藤野は正直者は馬鹿を見るその典型で、仮原は最初はとても素直で純粋だけど不器用に生きている彼にとてもイラつきます。
でも今まで人間の心の声の醜さに辟易していた仮原が、心の声と口に出る言葉が一緒である素直で優しい彼に惹かれないわけがありません。

そんな藤野を演じた平川さんは、藤野の素直で優しいけど、ちょっと頼りない雰囲気がとても出ていました。


二人は仮原の心の声が聞こえることがネックになって何度もすれ違いますが、仮原はキーパーソンである占い師の存在によって色々と気付かされます。
うまくいかないのは心の声が聞こえるから、というのを言い訳にしてこと。
本当に大切なのは相手を信じることと、口に出して相手に伝えること。
親にすら信じてもらえなかった彼が、やっと藤野を信じるられるようになっていく姿にはとても感動しました。


占い師である神谷さんもとても存在感ありました。
ある意味一番痛々しいキャラクターで、後悔をしょっているやさぐれた演技がとてもうまかったです。
占い師も大切な相手を信じられなかった人ですが、10年経っても自分を探してくれた相手がいれば、今度こそ乗り越えていけるのではないでしょうか。

4

本当に大切なことを見極める勇気!

『言ノ葉ノ花』のパラレルワールドということで、ストーリーがどう展開されるのか楽しみでした!原作未読。
『~花』の時は受けの余村が心の声が聴こえる設定でしたが、今巻は攻めの仮原が聴こえる設定。

仮原役の三木さまは、仮原の擦れて捻くれた感じを、さすが違和感なく演じられてます。個人的に三木ボイスは聴けば聴くほど好きになってしまうぅぅ。藤野役の平川さまは、キーは高めでした。地声よりも高いラインをキープされてて大変な役だっただろうなぁと。すごくイイ人で、でもイイ人すぎてイラつく感じというのも理解できなくもない、ピッタリのトーンだと思いました!

他人の心の声が聴こえることで肉親にも疎まれてきた仮原は、ずる賢く人を利用して生きていた。
悪い印象で登場する仮原ですが、人を信じることを諦めるしかなかったんだと思いました。
でも。純粋すぎる藤野が騙されやすいことへの苛立ちや、騙す奴らに怒りを覚えるのは、仮原自身に良心が脈々と流れてるからだということを表していて、その相反しすぎるパラドックスが終始切ないです。
本当の優しさをどこかで諦めきれない辛さを持っているからこそ、悪くなり切れず、藤野の優しさに惹かれていく。

そして、あまりにまっすぐな藤野を汚してみたい衝動と、どこかで何かに縋りたい自身の虚無感から藤野に迫る仮原。
その時その想いが、恋ではなかったにしても。
仮原に芽生えた想いが、藤野を求めていることだけは確かだったんだなと感じました。

DISC1ラストトラックの三木さまの熱演が怖いくらい迫ってきて…。
切なくて苦しかった!!三木さま演じる、紛れもない裸の仮原でした(涙)演技幅さすが三木さま!泣けました(>_<)

DISC2からは仮原が藤野の心の声を聴くのが怖くなっていく。
相手を想ってこそついた嘘なのに、その嘘に苦しめられる。
仮原は心の声が聴こえるせいで、失ってきたものがあったのは確かで。
でも心の声が聴こえることで、失おうとする必要なんてなかった。
本当はどんなことも相手を大切に想うことの障害にはならないんだと、大切なことを改めて気付かされました(号泣)

自分とは何か。他人とは何か。
信じることはどういうことか。
いろいろな想いが心に浮かんでくる、考えさせられる深いお話でした。
前作の二人の恋を匂わせるエピソードを敢えてはめこむ、という粋な演出も素晴らしく、最後までしっかりとしたストーリー展開でした。人と人との本当の繋がりを問う…壮大なテーマを孕んだ素敵な2枚組です。
切なくも真摯なピュアラブ♪
恋の切なさが欲しいときにぜひに。

言ノ葉シリーズCDの醍醐味は、心の声がエチシーンにも効果的に表現されていること♪
平川さまの喘ぎが2倍増し♪w蕩けてる状態での台詞数が他CDより多い!
三木さまの攻め喘ぎもナイスクオリティー!\(^o^)/
エチシーンは1枚目で2回。
2枚目で1回♪
はぁ。エロかったぁぁ♪♪結構エロ指数高め。そして幸せぇ★

前作でもBGMは良かったですが、今作もバッチリ素敵♪阿部監督安心クオリティ☆すごい好きなメロディーだったので、再利用されていて今回も堪能できました。
そして仮原が藤野をイメージするときに流れるカノンが、とても効果的でした!
暖かで優しく穏やかに流れるメロディーが、藤野のへの憧れや尊敬を、甘やかに醸し出している。仮原が求める暖かい日向のイメージが流れ込んでくる印象的な場面の数々でした。

占い師として登場する神谷さまの演技がまたも神でした!最初から設定上キーマンなのは分かりますが、神谷さまの技巧がさらなる存在感をアップさせてます。
そして私はラストの小野さまの演技が大好きです!(ToT)/
優しいだけじゃない、諭すようにしっかりと噛みしめて話すシュウにやられました(涙)
ラスト感動(涙)小野さまの優しくも強く揺るがない口調が、涙線をキュンキュン刺激してきます。当たり前のことのようにいろんな作品に描かれている心理描写なのに、好きな人に優しい言ノ葉を紡いで貰えることが、こんなにも心温まることなんだと心の深部を掴まれるような想いがありました。大事なのは言葉そのものではなく、それを大切に紡ごうとする心なのだと。

前作ファンの方も聴いて欲しい!!お二人の存在感はすごい★
出番は少なくても、とてもとても大切なものを感じさせてくれます。
恋がしたい♪どんなに痛くても、また恋がしたくなるお話。

■巻末フリト(平川/三木)◇別録(神谷)(小野)
■特典フリト(23分)(司会:平川/三木)◇別録(神谷)(小野)
平川さまの役作りにアドバイスされたという三木さま!かっこよかった!!!
実はこの作品の主役は神谷くんだ!!という三木さまに同意する平川さまw
たしかに。そうかもですねw
結構フリトにしては皆さまシリアスに語ってらっしゃる素敵なトークでした。
どのキャストさまもやりがいある作品だったと評価されてました♪
心の声が三木さまはたまに聴こえるときがあると…サラっと言いましたよ?霊感とか強いのかな?す、すげー。。
神谷■キャラと共感する部分について、ご自身もひねくれ者だそうで共感まではいかずとも分かるなーという部分もあるそう。世捨て人的な役を対強大な三木さんと演るので大変だったようです。神谷さまのトークは一人でもいつも安定感。スラスラ言葉が出てくるのがすごい。そして本人居ずとも小野さまをイジるのも忘れない。巧い♪
小野■イイ声ラインで話すテンパり気味小野様w個人的に小野さまの一人しゃべりは心許ないヘタレっぷりが好きですwツッコミを求めてしまうMな姿が微笑ましいw神谷さまカモンw

4

嘘と声と本音と恋と。

「言ノ葉ノ花」のパラレル作品。
“人の心の声が聞こえる”という設定を使っての、「花」とはまた別の世界のお話。
仮原は自分に聞こえる声を利用して生きているずる賢い人間。
ちょっと見た感じではとてもいい人には思えず。
藤野に近付いたのもそんな声を感じ取ったからで。
今まで自分の周りにはいなかったタイプの心地良い感じへの好感と、人に利用されやすい性格への苛立ちのようなものと。
興味よりもはるかに好意的ではない気持ちを持ちつつ仮原は藤野と交際を始める。
もう、ホント悪い人間にしか思えない。
けれど、仮原の自覚的な部分はともかくとして、彼のそれからのちょっとした言動やら何やらには藤野への好意の表れと思えるような部分も多くて。
見ているこちらとしては惹かれているんだろうなぁと強く感じさせられる。
ずっとずっと自分に聞こえる声を利用してきた男がその声を聞きたくないと思ってしまう瞬間。
Disk1のラストトラックでのやりとりがこのCDで一番印象的でした。
真実を突きつけて、暴露して。
泣いて縋って、拒絶して。
自業自得の結果だとしても、「こわい」と思ってしまうほどに藤野のことを好きになってしまった仮原。
小説には小説の良さがあるのだとは思うのですが、このシーンの仮原の慟哭にも似た叫びがすごく印象的で。
そういうのはきっと音表現ならではの迫力なのでしょうね。
Disk2では上記のラストトラックで仮原がついてしまった嘘を元に話が展開していきます。
自分の嘘がまた藤野との距離のバランスを少しずつ狂わせていくのですが。
それでも、あの時点では仮原としてはそれは必要な嘘で。
嘘をついてでも藤野を失いたくなくて。
けれど、その嘘がまた2人の仲に影を落して。
好きな気持ちは同じなのに、心の声のせいでうまく付き合えない仮原。
藤野が言ってた「どうして君と僕が言い争わなきゃならないんですか」みたいなセリフがとても印象的でした。
心の声ばかりに囚われて藤野の本来の声に耳を傾けることもできなくなってしまった仮原。
それに必死で訴える藤野は、そんな仮原でも本当に好きなんだなと思いました。

仮原役の三木さんはとにかく似合ってました。
絵の雰囲気にも、自分の能力を悪用しようとする感じも。
ワルイ男。
でも、心根までワルイ男だとは思ってません。
仮原本人は自分のことをどうしようもない男だというように言いますが、それでも優しい部分も持ち合わせた人間だと思います。
たとえ、心の声が聞こえたところで、困ってる人間を助けるかどうかは仮原次第で。
その声が鬱陶しいから助けるだけなのかもしれませんが、それで仮原の世界から声が消えるわけでもないし。
やはり慟哭のシーンが印象的ではあるのですが、モノローグでのどこか冷めた感じというか後半のそういう感じにもグッと引き込まれました。
一方の藤野役平川さん。
平川さんのやさしい感じはいつもなのですが、思ったよりも声のトーンはたかかったです。
落ち着いた…というよりも、少し高め。
でも、基本的に喋ってる時は心地良い感じのトーンです。
えちシーンになると高めだなと感じるし、かわいくもあり、色っぽさもあるのですが。
仮原には心の声が聞こえるということで、えちシーンとかでも発せられる声と心の声とが二重で聞こえてきたりしてなかなかステキでした。

そして、三木さんに実は本当の主役は神谷だろうと言わしめた占い師。
もしもの未来の余村みたいな人。
この人がまぎれもなくキーパーソンで真の主役というのもよくわかる。
声が聞こえること、聞こえないこと。
その上で築かれる人間関係。
自分の歩んできた道と仮原の未来。
仮原に語られる言葉はどれも意味深で重みがあって。
久しぶりにBLで神谷くんの声を聞いたような気がしたのだが、フツーにやっぱこの人の演技力はスゲーなぁと改めて実感。
その相手となる小野さんのシュウはラストトラックにのみ登場。
あれ、いつ出てくるんだ?と原作未読のアタシはちょっと待ってしまいましたよ。
小野さん目的でこのCD買おうとしてる方は要注意!
このトラックでこの2人の物語にも決着がついて。
だからこそ、真の主役は占い師だろうってことになるのだろうな。

フリトは三木さんと平川さん。
間に神谷くん、小野さんそれぞれのコメントを挟んでました。
特典フリトも同じような形態だったんだけれど、どれもわりと真面目に語られていた気がします。

前作に出てくるBGMが使われている場面も要所要所にあって。
ケータイのメール音とか、それだけで「言ノ葉」の世界に入っていけるような。
そして、今回は藤野の声が歌のように聞こえるという表現としてパッヘルベルのカノンが使われていて。
それもとてもステキでした。

5

この作品が収納されている本棚

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