まるで、ウサギみたいで愛らしい

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表題作逃した魚

織田隆,31歳,元弁護士で市ヶ谷の補助者
市ヶ谷久義,41歳,地味な司法書士

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

枯れた生活を送る市ヶ谷の前に現れたのは、三つ揃いのスーツを着こなす漆黒の王子様…。 
エリート風味の年下×地味っ子オヤジ。大人の年の差ラブ?

男の恋人ができてしまった――趣味の釣りと、美味しいお茶と和菓子があれば幸せ。そんな冴えない中年司法書士・市ヶ谷のもとへやってきた新しい助手は、元弁護士の肩書きを持つ超ハイスペックな男・織田だった。有能すぎる部下を持て余し気味だった市ヶ谷だが、真っ向から好意を示されついに禁断の一線を越えてしまう。見た目はもちろん、仕事の面でも優秀すぎる織田に釣り合うとは思えない…そう思いながらも、年下の男に甘やかされ久々の恋に溺れる市ヶ谷だったが…
(出版社より)

作品情報

作品名
逃した魚
著者
中原一也 
イラスト
高階佑 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576110349
3

(40)

(4)

萌々

(10)

(14)

中立

(6)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
11
得点
108
評価数
40
平均
3 / 5
神率
10%

レビュー投稿数11

表紙に裏切られる。

ペンネームの感じとか作家さまの扱う設定やなんかのイメージから、シリアスで重めの作風なのかと思っていたんですよね。初めて読んだのは『極道は〜』シリーズですが、意外にカラッとした語り口にそのイメージは払拭されました。。

あらすじはほぼ読まないクチなので、高階先生のカバーイラストといいタイトルといい、なんとなく暗くてゾクッとするようなお話なのかなーと予想して読み始めたんですけど…、当ては外れて、ぷっすぷす笑わせてもらいました。

四十一歳、司法書士の冴えないオッサンの市ヶ谷と、元弁護士でデキる年下イケメン、織田のコメディタッチのラブストーリー。のんびりお仕事をして、合間に大好きな釣りに行って、仕事の大先輩(同業のおじーちゃん方)のお相手して…。このまま女性とご縁もなく一人でやっていくのかなぁ、なんて諦念にも似た達観をしつつあった市ヶ谷ところに、寿退社した補助者の後任として織田が事務所に入って来たことで、彼の人生は大きく変わるのであります…!

二人の掛け合いが可笑しかった。個人的にはツッコミ担当のようでいて実はボケ、っていう織田のキャラクターがツボで、二人の年の差が上手く効いてると思いました。あと、オフの時に見せる織田の私服姿を描写するシーンがあって、市ヶ谷が彼の露出した脚とくるぶしに注目しちゃっているところに思わずコーフン。わたしも、市ヶ谷=中原先生と同じ萌えだーっ!て。

中盤以降にちゃんと山場が設けられていてゴタつきますが、二人の誤解・すれ違いとしていい演出になっています。(結構物騒ですが。)オヤジ受けは好物なんですけど、市ヶ谷サンにはそこまで萌えは炸裂しなかったかな…。最後のエッチは気持ちが通いあったぶん萌えましたけども、なんたって普段のおっとりな彼の様子こそが魅力的なので、二人がお互いに惹かれ合うまでのやりとりをぜひ楽しんでいただければ、と。

先生によるあとがきも読んでて吹きました。

3

おじさん受け、につきる

中原作品ということで期待値があがりすぎてたかな。
かなりさらっと読めるあまあま定番ストーリーでした。

のんびりした法律事務所でおじいさん達に囲まれて暮らす市ヶ谷。41の純情・純粋なかわいいオジサン。そこへ助手としてやってきた弁護士経験もあるという織田。織田は若くてハンサムで有能、一見クールだが実は持ち物に名前をつけてかわいがっているお茶目な面もある実はいい人系。

こんなふたりがあっさり恋に落ちます。あっさりすぎて肩すかし。雰囲気も設定もとても好みですが、ゲイの攻めに対しておっさん受けがあまりにもすぐ流されるので、「えっ、惚れるきっかけあったっけ」と二度見してしまうくらい。

その後当て馬が登場したりと展開はあるものの、最後は仲直りしてめでたしめでたし、でした。
うーん、おっさん受けもっとがんがん振り回してほしかったなあ。

攻めが、脅されたにしても何度も浮気してたのももやっとしてしまった。弁護士をやめた理由とか、オジサンの過去とか、キャラの掘り下げがないのが、今ひとつのりきれなかった理由かな。

2

ダメでした。

高階佑先生のイラストが好きなので購入しましたが、
やっぱり、ダメでした。

表紙は可愛いらしい、おじさんだから大丈夫かなと思ってましたが……

高階佑先生のイラストも上手すぎて、
加齢臭のしそうなくたびれたおっさんがそこにいます(--;)
なんだか、しゃべり方もおっさん。

オヤジ受けokなのもありますが、これはおっさんです。
私はオヤジとおっさんじゃ感じ方がまったく違います。

いやー、もう、パラパラ読みで申し訳ないですが、すぐに手放しました。

1

癒し系オヤジ

オヤジ受好きには、逃せない作品と思い購入しました。

41歳司法書士の市ヶ谷と30歳の弁護士資格を有しつつも、
市ヶ谷の補助として働くことになった織田の物語。

市ヶ谷の枯れ具合というか、もうおじいちゃん!?と
思わせてくれるような具合がたまりません。
周りがおじいちゃんがいっぱいいる環境なので、
そうなるのも理解できるのですが、
その様子に、なんとも癒されました。

ただ、攻の織田の過去の男が現れるのですが、
オヤジならではというか、年上だからこその包容力が発揮されています。

ただ、今回は、織田の行動により「中立」とさせていただきましたが、
オヤジ好きには、お勧めの1冊です。

1

おっさん受け

おっさん受けばんざ~い
今回のおっさんも中々枯れてましたね~w
41歳とは思えない、年齢以上の枯れ様でした

できる美形×地味、は好きなカップリングのひとつ
受が、なんでこんな自分なんかにって戸惑ったり、つりあうかなって不安になったりするのが萌えるんですよね
おっさんはそんな地味という設定が言わずもがなついてくる
おっさん…最高だよっ(・∀・)

ていうか織田はとんだフケ専ですね
市ヶ谷が愛らしいってw
いや確かにそうだよ、そうなんだけどさ
愛らしいってww
いい大人になに言ってるんだよぅ、そんなに好きなんか~!!

…すみません
おっさん受け大好きすぎて、テンション上がりっぱなしです
もうふたりで隠居でもなんでもしてしまえばいいと思います

5

オヤジ受~

オヤジ受です、市ヶ谷〔受〕は41歳ですがいっそ51歳でも良かった気もするって位に、のんびりした生活を送ってる市ヶ谷です、この市ヶ谷の枯れっぷりがいい!
市ヶ谷は司法書士事務所を経営してるんですが、これが何というかのんびりしてます。
休み時間には釣りに行ったり、同じ建物内にある年寄り達の社交場になってたりと仕事場ではあるんだけど、のんびりとした時間が流れてるって感じ。
そんな市ヶ谷の元で、知り合いの孫であり弁護士でもある織田〔攻〕が働く事になります。
バリバリ一線で仕事をこなしそうなエリート系な織田なんですが、そのくせ自分の持ち物に愛称を付けてそれで呼んでいたりと可愛い部分も。

恋愛方面からはかなり長い間離れて、のんびりとした仕事生活をおくる市ヶ谷ですが、織田に可愛いと言われ更には好きだと口説かれてしまう。
織田に可愛い、可愛いと言われて照れる市ヶ谷が可愛い。

その後、過去の男である歌舞伎役者が現れてちょい何だかんだありますが、基本的に職場はやはりのんびりしてます。
勿論仕事は仕事としてちゃんとやってるんだろうけど、いいなー、こういう職場、バイトで雇ってくれんかなーとかちょっと思ってしまいましたですよ。

1

癒し系

素直で優しい癒し系オヤジが受け。
この癒し系オヤジ・市ヶ谷は、ガツガツしたところが全くなくて、人を疑うことも知らず、ちょっとつつくとすぐ赤くなったり、オタオタしたり。
弁護士として、人間の汚い面ばかりを見てきた織田がはまってしまうのは、もう自明の理。
市ヶ谷は、その素直な心のまま織田との恋に落ちてしまいます。
そんなある日、不動産取引の売り主として現れた歌舞伎役者の花沢は・・・

お話はとっても良かったです。
市ヶ谷がちゃんと報われて、罰を受けるべき人はちゃんと罰を受けるし。

高階さんの描く織田はとってもかっこいいです。
市ヶ谷の部屋に入り浸るじいさま達も素敵。
佐々木さんもカワイイ。
ただ、市ヶ谷がなぁ、、、
高階さん、絵がお上手すぎて、情けない顔がリアルよりになり過ぎ感が。
「41歳の取り立てて取り柄のないオヤジ」にしても、ちょっと、うーん。
この困り顔は、逆にちょっと生々しすぎて、引き気味。

3

逃げた魚と逃がした魚

受けのオヤジが可愛かった!
オヤジ受けは受け付けなかったはずなのに、不覚にも萌えてしまった。
神とまではいきませんが、なかなか好きな作品でしたので萌×2で。

マイペースでおっとりとしていて、恋もしばらくしていない。結婚に関しても無頓着で、釣りや和菓子があれば満足。そんな枯れてるオヤジ・市ヶ谷(受)。彼の元に、寿退社する助手の代わりとして入社してきたのが男前エリート・織田(攻)。彼らはだんだん距離を縮めていって…というお話。

文章が綺麗でキャラも素敵で、進み方に違和感がなく、読んでいて楽しかったです。
攻め様の言葉攻めは特に萌えました。
受けのほわわっとした雰囲気も滾る!いいコンビだなぁと。
横槍的キャラで花沢さんという方が出てくるんですが、彼もなかなか素敵な方で。
歌舞伎の女形で、独特な雰囲気を纏った男性。
まあ、作中ではフルボッコですが←
キャラがいいと読んでいて楽しいですよね。
中原さんのキャラはいつも素敵で大好きです。

挿絵も作品を引き立てていて、とてもよかったです。
市ヶ谷の冴えない感じがもうたまらんかったです。

3

枯れたおっさん!枯れすぎです(笑)

枯れてるってより、のんびりマイペースなのかもしれないですね。
市ヶ谷の枯れっぷりは実にほのぼの。
寿退社した女性もなんだかほわ~んとしていて、最初の数ページの2人の会話で、なんだかこの作品における市ヶ谷の雰囲気が決まった気がします。
すごい。技だな!と思います。

織田も、仕事においては完璧なんですが、それを鼻にかけるでもなく聞き分けもよく、ご近所の爺さんたちを何気に敬ってたりするのが見えるから、不思議な魅力でした。
カッコイイし仕事できるのに、「出来る男」って方向の魅力とは違うんですよね。

それに加えてヘンテコな癖が!
持ち物に名前を付けるとか、どこの小学生ですかっ!
可愛いんだよな~、カッコイイ男のこういう微妙にイケてないところが(笑)

お話の展開や、当て馬とのあれこれ、2人の距離の詰め方は、どちらかと言えば王道かな?
けど、この作品全体に漂う「まったり感」のおかげで、とても独特の作品に感じられた気がします。
中原さんのお話は、年寄りがとにかく元気で楽しいんだよっ!(笑)

そして個人的には、高階さんの描く「イケてない人」が初めて拝めて衝撃でした!
ホントにイケてないっ!!!
ぶっといハの字の眉!ちょぼっとした目!覇気の無い表情!
「なんぼイケてない設定でも、高階さんが描けば結局美麗でしょう」と思いましたが、まじでイケてなくて素敵でした♪

3

お茶とお菓子があれば幸せ。

また来ました!おやじ受けです。それも、欲を欠き、枯れてるおやじです。
暇を見つければ仕事は後回しで釣りにいそしむ市ヶ谷。
補助員の女性が辞めるのと入れ替わりに入ってきたのは、容姿端麗、高学歴とハイレベルな肩書きを持つ年下の織田。
けして忙しいとはいえない司法事務所に何故?という市ヶ谷の疑問。
「もう弁護士としては働かない」と言い張る織田の過去には何があったのか。今までのんびりと仕事をしてきた市ヶ谷は、そんなハイスペックな男と働けるだろうかと不安を抱くが、2週間もたてばそれも杞憂に終わり―美味しいお茶とお菓子を用意してくれる織田に次第に慣れて行き・・・
仕事の合間にも釣りをする機会を窺う市ヶ谷だが、すぐ織田に見抜かれて止められてしまうのも度々。ふと口にした川釣りの話で、二人は一緒に釣りに行くことになり―と、そこが一つのターニングポイント。
恋人同士になったあと、織田の過去も徐々に解き明かされ、歌舞伎役者の花沢という男も絡みながら中々一筋縄ではいかないのですが、終着点はお互いの思いをより結びつけていると思います。
しかし、織田!市ヶ谷のことを思うのは分かるけどちょっと不誠実だよ・・
何でも完璧であれとは言わないですが。
高階さんの絵には雰囲気(色気)があって素敵です○
中原さんは今後もおやじ道を突き進むそうで。応援してます。

1

逃した魚は大きく見える?

今回のおやじは、とーっても人の良い釣り好きの昼行燈41歳の行政書士。
作者さん過去作品『よくある話』に30代にして縁側こぶ茶が夢の枯れたおやじが登場しますが、それ以上に枯れ果てている。
イケメンでもなければ、とにかく取り柄は人を疑わないまるで少女のような(?)初心さを持つ、本当!いい人。
片や、攻めになるイケメン男性はフケ専?ちょっと素直じゃなくてひねくれていて、確かに気が効いていて仕事も出るんだけど、その表情に似合わず良さ気な人なんだけど、実は・・・な、ちょっとクワセモノっぽい人物。
だから恋がうまくいかないんですね。
題名の『逃した魚』なんですが、なるほど!
登場する主人公達にとってもお互いはそうであり、アテ馬で登場する波瀾を起こす人物にもそうであったという、なんともトライアングルな意味を持つ題名だったのか!
と、読み終わって初めてわかったという・・・

この主人公市ヶ谷を取り巻く同業の面々が何と爺さまばかり!!
いったいいくつなんじゃー!?と叫びたくなるほどに爺ですww
市ヶ谷がのんびりしているから爺さま達が集まるのか、爺さま達の影響で爺臭くなったのかww
市ヶ谷の事務所に先輩爺さまの孫だという元弁護士の織田が紹介でやってくる。
あまりに汚い世界を見てうんざりして、未練もなく辞めたと言う織田。
のんびりの市ヶ谷の尻を丁度いい具合にせかして、市ヶ谷は織田との仕事が心地よいものになっていくのです。
よく市ヶ谷の事務所に遊びに来る爺さま達が、TVで盛り上がるのが歌舞伎役者の蝶十郎こと花沢。
この花沢が48歳にして男くせの悪い女形だったという、市ヶ谷と織田の関係にヒビを入れる人物になるのです。

別に攻めさまが格好いいからとスーパーヒーローを期待するわけではないですが、人間臭くて凡庸なのががっかりするか、それがいいと思うか、この話の印象を付けるわけ目でした。
しかし、一本筋はきちんと通っていて、織田が弁護士を辞めた理由が市ヶ谷に惹かれる理由にちゃんとなっている。
後半訪れる危機についても、彼なりの市ヶ谷を巻き込まないための考えた上での行動だったのです。
それも許せるかどうか、意見がわかれるところでしょう~
織田にとって市ヶ谷は癒しであり、人間らしく戻れる場所というのが結論かな?
市ヶ谷にとっては、織田は・・・嫁!?

いつも格好いいイケメンを描かれる高階さんが、実に味のあるイケてないおっさんを描いているのも見ものですv
エチシーンの市ヶ谷の顔、、情けなくて情けなくてwww
実は読むのにすごく時間がかかってしまった本なのではありますが、読み終わってもう一度読み返すと、味があるな~ということで萌えですv

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