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藍染め工房を舞台に義兄弟の想いが巡る――えすとえむ待望の和テイストBL登場!
刺さる…セリフの1つも、セリフのないコマもとにかく刺さる。「藍」や「ズレちゃいけない」に込められた思いがびしびし伝わります。
・大青(藍染を営む実家の実子 兄)
・紺太(義理の弟)
大青の会社員時代に男性とホテルにいるシーンが妙に生々しくて好きでした。直接的描写はないのですが、あぁ大青はゲイなんだなぁというのが伝わってきて。
最終話のラスト、大青の穏やかな笑顔に胸が熱くなる。
BLらしいシーンはほんの少しですが、確かに愛がある事は伝わります。2人の今後の関係性は明確にされていませんが、きっと穏やかであってほしい。
久々に読み返して、幾分か自分も大人になったのかより好きな作品になっていました。仕事を辞める、職場を変えるって大きな決断ですよね。
藍染めを家業とする一家に生まれた大青と、そこの養子になった幼馴染の紺太。
義兄弟となった二人が、藍染を通して交わす思い……。
言葉少なく淡々と道を極める職人の世界が描かれていますが、言葉少なめな分、モノローグが光るんです。
「1mmでもズレたら 先には大きなズレとなる」という藍染の型紙制作の教えを自分たち義兄弟に当てはめている二人。
「兄弟」という枠から1mmでもはみ出さないようにしていたけれど、それに耐えきれなくなって家を出た大青と、家に残って藍染職人の修行を続けている紺太。
そして藍と愛がかかってるんです。
この気持ちは藍で紺太を染める事もないというところ、切ない。
長年藍染職人を続けてきて、爪だけではなく指や手のひらの皺にまで藍が染み込んでいる職人さんの手が登場しますが、かっこいい。
そんな職人である父が言う「手を見ろ 俺たちをつないでいるのは血よりも濃い藍だ」という言葉が染みます。
【泳ぐ、溺れる、泳ぐ、】
これはBLではないです。
夜に学校のプールに忍び込みこっそり泳ぐ14歳の中学生と、中学の警備員さんとのお話。
【しんしんと雪の降る】
野郎二人が誕生日に集まって鍋つつきあうとか、「寒くて寝付けないからそっちの布団入れろや」「やだよ、うわっおまえ足冷てぇなぁ!!」みたいな何気ない日常が描かれた短編。
カップルではないと思うけど、こんな二人がいたら「なんなのコイツら♡」的に限りなくニヤニヤしてしまうやり取りが描かれていて萌えます。
表題作の描き下ろし含め四つの話が収録されていますが『やがて、藍になる』のレビューだけさせて下さい。
繰り返し繰り返し読んで、体に馴染ませたくなるような物語。
藍染職人という特殊で限られた世界の中での人間ドラマが、硬質な印象と人の温かみも同時に感じられるタッチで描かれている。
職人だった実父が事故で亡くなり、身寄りのない紺太は大青の家に引き取られ彼と義兄弟になる。
大青の実家は伝統ある紺屋。
いつの頃からか、紺太といると「しんどい」と感じるようになっていた大青は大学進学を機に家を出て・・・
藍染の工程と大青の心情を見事なまでにリンクさせた必要最小限のモノローグが胸に刺さって離れない。
淡々と流れていくストーリーの中で稀に二人が激しい感情を見せることもあるが、兄弟からズレることは決してない…
表紙の大青と紺太のように二人の境目が いっそ曖昧になればいい。
兄弟にも他人にもなれない体なんてジャマなだけ。そんなことを思わず叫びたくなる。
感情の赴くままには突っ走れない、けれど少しずつ確実に何かが変わっていく・・・
二人の「これから」に しばらく思いを馳せよう。
非常に静かな和の世界。
職人さんが淡々と黙々と静寂の中、
一人でその何百年と継がれてきた技術を日々紡いでいくような、
そんな静かな世界が広がる世界でした。
お話自体は面白いと思うのですが、
あまり頭に入ってこない…。
すごく美しい世界だと思うし、
もっと心にじーんと響いてきてもおかしくないと思うのに、
なんでだろ。
ちょっと私には高尚な世界だったみたいです。
本当嫌いじゃないんですけどね。
登場人物達の静かに耐えてる?心情にこっちも引きずられちゃったみたい。
心を落ち着けたい時、
静かに読みたい時にぴったりな1冊だと思いました。
藍職人の義兄弟の話。
好きだ嫌いだというはっきりしたやり取りはなく、流れる静かな空気がたまらないです。
えすとえむさんの著作を初めて読んだのは「うどんの女」でしたが、絵は本当にとても大好きなのに話が入ってこなかった記憶があります。
この話も絵も雰囲気も好きだし、そこそこ盛り上がりもあるのですが、何故か入ってこない。自分にとって決定的な何かが足りないのだと思うのですが、それが分からずにおります。
絵はため息出る程好みなのに。