参ったな、兄さんは男を誘うのがうますぎる。

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表題作二人の弟

大学生の弟 白石直人・21歳 /明人・19歳
外資系企業に勤める養子の長男 白石圭・25歳

その他の収録作品

  • 兄のこと
  • あとがき

あらすじ

養子の圭には引き取られたあと生まれた実子の直人と明人という二人の弟がいる。彼らの誕生を喜び可愛がる圭だが母に疎まれてしまい、やがて家を出ることに。けれど、それが弟たちの圭に対する執着を煽ってしまい・・・!?
(出版社より)

作品情報

作品名
二人の弟
著者
水原とほる 
イラスト
麻生ミツ晃 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
ISBN
9784896018264
3.4

(19)

(3)

萌々

(5)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
63
評価数
19
平均
3.4 / 5
神率
15.8%

レビュー投稿数4

多いくらいの愛情がちょうどよい

2人の義兄弟からのがんじがらめの愛を一身に受ける受けが大変そうですが、愛があれば大丈夫でしょう 受けは幸せが薄かった分、2人からの愛くらいでちょうどいいんじゃないでしょうか!これからはドンドンと幸せになってもらいたいものです。やっぱり、こういった展開のものは攻めがいかに腹黒くてしっかりしているかに受けの幸せがかかっていると思います。攻め様は受けにだけ優しくてちょうどいいくらいですよ。一途じゃないと受けが不安になっちゃいますからね

0

兄弟モノ

弟2人×兄の兄弟モノ。

しかし読んでいて思った事は水原さんも随分丸い話を描く様になったなーっと。
以前なら無茶苦茶痛い展開になりそうなものですが、それ程痛さは無かったです。
水原さん作品の痛さが好きな自分としてはそこがちょっと物足りなかったかな。

企業の養子となったものの、その後に弟2人が生まれた為に実家で、特に母親に疎まれていた圭。
その彼は父親の会社ではなく別会社に入って一人の生活を始めるのですが、そこに弟2人達が自分達は会社を継ぎたくないと言ってやってきます。
そして自分達2人共が兄を好きだったという事も。

痛さを期待して読むとちょっと物足りないけど、普通に読む分には良かったんじゃないかな。

0

兄への叶わぬ思いが心に歪みを~

禁断もの義兄弟複数プレイのストーリーですね。
ただ、初めからベタベタした感じでの執着ではなくて、兄弟が離れて数年
たった頃に突然怒涛のように受け様を弟二人が翻弄するお話でした。
血のつながりが無い義兄弟から、受け様だけが知っているもっとも重い禁忌
前半では受け様が弟二人よりも禁忌の関係で苦しむ様子が描かれてます。

受け様は施設から貰われてきた養子なんですが、子供が出来なかった義母が
受け様を養子にして数年後に子供が出来、また2年後にも出来て挙句男の子だけ
事業を展開しているセレブなお家なので跡継ぎ問題の事もあるからなのか
実子が出来た頃から受け様は義母に冷たくされ、弟たちにも近づけないように
なるんです、でも受け様は4歳と6歳離れた弟が可愛かったけれど義母の態度で
次第に弟たちも受け様から距離を置くようになるんですよね。
それを寂しいと感じながらも、家族の為に自分は外で一人暮らしをして
養子先の実家とは半分縁を切るような形であまり係らないで済むように
弟たちの事を考えて家を出るんですよね。
それが逆に悲劇の始まりだったことを知るのは後半なのですが・・・

弟たちも受け様が大好きで、だから受け様と仲良くすると母が兄を苛めると
気が付いてからは距離を取っていたようなんです。
幼いなりに兄を守ろうとしたんですねぇ~
でもそんな大好きな兄を両親が病気療養で実家から出た途端にアパートまで
出向きいきなり襲ってしまう無茶ブリな末弟です。
そして困惑と混乱で受け様は4歳下の弟に末弟の事を何とかしてもらおうと・・・
しかぁ~し、寡黙なすぐ下の弟もそんな受け様を襲う&末弟も呼び出して
二人がかりで凌辱してしまうのです。
ゲイの受け様の素行調査もしていた執着ぶりですから半分は嫉妬もあるし
後は可愛さ余って憎さの世界もちょっぴりあったりしての行動
でも二人とも受け様が大好きなんです。
受け様が思うよりも禁忌の関係を悩みながらも諦める事が出来ないと
覚悟を決めているんですよね。
後半部分で受け様もあらためて知る事になるのです。
前半の禁忌と後半の禁忌では重みが違ってきますが兄弟だから離れなくて済むって
思いが切実に伝わるお話でしたね。なかなか面白かったです。

1

閉鎖的な内へこもる愛

読んで字のごとく、二人の弟に執着されるお兄さん。
兄弟の執着モノでドロドロめいた作者さん作品にはたしか「春の泥」があったと思いますが、どうにも作者さんの傾向としてその執着の表現がありじごく的に絡め取るというか、内へ内へと囲いこんで縛ろうとするような、
まるで蕾から花の開花を定点撮影したフィルムを、逆回転で見せられたような閉塞感と窒息感を感じて、イライラと居心地の悪さを感じる。
そして、彼等に全ての登場人物に不快感を感じるのです。
でも、かといってそれがこの作品が気に入らない!とかそういうのじゃなくて、それが味だと思うので、そういった不快感を感じさせたらこの作品はある意味成功なんでは?と思う、隠れキワモノの雰囲気を持ったお話なんじゃないかな?なんても思うのです。

白石圭は母親に捨てられ施設にいたのを、子供のできない白石の両親に引き取らますが、直後子供ができ、その生まれの事情により養母から疎んじられて、自ら身を引く様な生活をしてきました。
白石の家の会社経営は下の弟二人が継ぐからと、本人は家と縁を切ったつもりでいましたが、
恋人の女性との浮気から別れた直後に、3男の明人が圭の元にやってきて、彼を脅すような言葉を口にして圭を犯す。
折しも父親からこの弟達が会社を継がないと言いだしているので何とか口添えをしてほしいような話しをされていた圭は、明人のこともあり、次男の直人と会うことにするのだが、直人にも犯されてしまう。
直人の言う「復讐でもあり、意趣返しでもある」という言葉に、自らも悪いのかと思い知らされ、その血の繋がりの禁忌感から弟達を避けようとするが、どうしても避け切れず、また別れた恋人からは未練を口にされ、双方から追い込まれる圭。

この圭という主人公、一見普通の良い人のような気がしますが、何だか弱いんです。
色んな事に強く言い切って押すことができない。
恋人と別れた理由も彼がゲイであるからこそ、女性も大丈夫な人は・・・と言う部分わかりますが、ほんとうに別れるならという優柔不断さ、優しさが裏目裏目に出てしまう。
弟達に関しても、それはまあ、兄弟として暮らしていたし戸籍上はまだ義理とはいえ兄弟でもあるし、愛情を持っているのはわかるのですが、やっぱり強く出ることができない。
家の為、家族の為と思ってることが裏目に出ているような感じがするんですよね。
それは、彼の父親が一番悪いんです!
圭へのモノ言いだって、難かイイ人な感じで肝心な事はあれだけ母に疎んじられた圭なのに、きちんと話会ってなさそうだし、トラブルが家庭内にあっても隠してる。
彼がはっきり、しっかりしないから、家族がそうなってしまったということをはっきりと見せる人として描かれていたので、この父親へのむかつきはふつふつと自分の中でもわきあがります。

一方三男の明人。
彼は末っ子で、一番やんちゃで直情的な人間かな?という性格が見てとれます。
その分容赦ない残酷さも裏に見せるような気がします。
彼は純粋にお兄ちゃんとして圭を好きだったとは思うんだけど、欲情を持って圭を好きだった次男の直人に巻き込まれるようにして(刷り込みもある?)圭を好きになったんじゃないかな?
そう言う意味ではある意味、御しやすい性格なのかも?
彼は、末っ子で母親扱いが上手かったのでとりなしの役をになった結果、グレて手に負えなくなった時期があったようです。

直人は一番の策士で腹黒で、そして一番執着の強い怖い人です。
本編中でも彼の断片的な言葉によっても明かされますが、後半短編「兄のこと」において彼の用意周到な罠が明かされますので、やっぱり、、、という感じで彼が一番の魔の手だったのだということが証明されるんですね。
家の事、明人の事を逆手にとって、圭が逆らえないようにしてしまう。
明人の執着でさえも、直人がたきつけたものだったなんて!!

この二人の弟に流されるように、閉じ込められるように、絡め取られるように、ズブズブと圭は、それでも自らの選択でそちらの世界へいってしまうんですから。
多分、攻めの性格や描写にはさほどイラつかなくても、この圭には沸騰するほどのイライラをもよおされました。
間違っても、圭がかわいそうとかとは思いません。
そうなってしまったのも仕方ないとも思えません。
どっか甘いんですよ。
純粋な恋愛ではないけど、これも家族愛を含む歪んだ閉鎖的な愛の形ですよね。

麻生さんのイラストは本当に痛そうで、話にピッタリ。
扉のカラーイラスト、、、ほんとうに痛そうなんだもん!!

3

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