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僕は大和が好き、大和とキスしたい、大和に触りたい、ちゃんとわかってよ。
綺麗だけれどそんなに重くないタッチなのに、ストーリーはまるで小説のようというか、展開や台詞回しが非常に練られているなぁと感じました。めちゃくちゃシリアスで切ないというわけでもなく、どちらかというと淡々と進んでいく感じ。でも、その軽い雰囲気の中に、登場人物達の繊細な心情が丁寧に織り込んであって思わず引き込まれ、すいすい読んでしまいました。
楓にベタ惚れされている幼馴染の大和は、年上らしくかなり落ち着いていて、まさにお兄さんという感じなんです。楓が気を引きたくてわざと困らせるのも全部分かった上で、甘やかしていて。その時点で十分大和にも好意がありそうだけど、彼は現実的で、当然ゲイでもないし、彼女もいる。楓のことは可愛いし、大切で好きだけど、恋人にはなれないという彼。楓にいざ迫ってみたけど結局昂ぶれなくて、彼を帰した後、彼女とヤって柔らかい肌に安心する、そんな残酷な行動にも出てしまう。
楓と一旦距離を完全に置くことで、自分は本当は誰を愛しているのか気付く大和。こうしてレビューを書いていると、なんだかありがちなBLにも思えるのですが、本当に1つひとつのシーンに意味があって、感情を揺さぶられました。鴨川先生の何がそうさせるのか言語化するのは難しいですが、是非一度手に取って頂きたい作品ですね。大和の彼女のカナが、よくある嫌なモブ女性としてではなく、物語の中で丁寧に扱われ、彼女自身も最終的に2人に良い影響を与えていたところも良かったです。同時収録作はまた雰囲気ががらりと変わり、こちらもなかなかヘビーな余韻が残って楽しめました。
幼馴染の近所のお兄さん、大和を慕い続ける楓。
楓が幼いんですね。
愛情表現はストレート。でもどんなに伝えても、友情以上だと受け止めてもらえない。
大和に官女ができ、つらい楓だが、幼なじみ以上の扱いをする大和に、彼女も傷ついている。
とにかく大和がひどい、という関係。
楓が大和を諦め、離れて初めて、大和は自覚というか覚悟する。
楓の幼さ、大和の身勝手さが、あまりいい印象を残してくれなかった原因かな。
もう1つ、短編が入っています。
近代もの。
蔵で自慰していたところを見られた少年。
思わず投げつけた皿が割れて、右目をケガさせてしまう。しかし、喜久一郎は誰にも言わず成長する。
真面目で優等生の正ちゃん、少しぼんやりした喜久一郎。
それでいて、本当は、全部覚えているよ、と告げる喜久一郎。
ある日、正ちゃんはたまらず喜久一郎を部屋に連れ込み、喜久一郎の口に。。
忘れられないのは正ちゃんの方だったのか。
こちらはほのかにハッピーエンドを匂わせるところで終わっていて、本編よりも好印象でした。
もう、何度も読んでます。とても丁寧に描かれていて、何度よんでも飽きず、すごくいいお話です
大和(大学生)×楓(高校生)2歳差の幼馴染
大和が夏休み彼女を連れて田舎に帰ってきた所から始まります。
大和が大好きな楓。大和は楓に気持ちを打ち明けられても拒否らず、受け入れず、はぐらかす。残酷な優しさってやつです。面倒見はいいんですが。
後日大和の所に遊びに行った楓。異常な仲よさに敬遠し、釘をさす彼女。ですがなんとなくな感じで大和は楓にエロいことをしようとします。が、全くあそこは反応しません。その日に帰る楓を駅まで送った後、彼女が部屋の前で待っていてそのままエッチします。電車に乗り遅れた楓が大和の部屋へ。(鍵が空いてた為あけたら…覗いてしまった感じです)さっき自分とはできなかった後に彼女と致しているのを見てしまい、自分とは無理なんだな、と大和離れをする決心をする楓。逆に楓に距離を置かれてダメになっていく大和。彼女とも別れます。
とにかくもう、、切ない。。
読み初めは大和は心広くて優しい。楓は我儘で面倒、依存しすぎ?大丈夫かな?この子。と思ってたけど、読み進めると大和よりよっぽど楓はちゃんと考えてた。まさか大和の方がヘタレ気味だとは。。
後から読み返しても、終始楓の言葉はちゃんとわかっていて、考えてたいってたんだ。わがままに見えたけどちがった。それが分かるともう、すごく健気で可愛いい。そして切なくてギュンギュンです。
後、地雷があるかも、です。
大和は彼女と、楓は大和を忘れる為にバイトの先輩と致します。
ただ、本来地雷も地雷なんですが、私はこの本に関しては大丈夫だった。必要な場面でもあったからかな。個人的にバイトの先輩もなんかこの人も抱えてそうで嫌いになれないし、カナの気持ちも、楓の気持ちもすごく分かるし。カナもなかなか男前ないい女の子だったし。ただ、大和にはイラついたかな。大和さえしっかりしてれば!!とは思った。けど大和は大和で葛藤あって当たり前だとも思うしな。色々あったから幸せもあるわけだしな。
色々乗り越えてハピエンです。最後はちゃんと2人は結ばれます。ただ中々楓が力んで入らなかったんですが、ふとお互いの会話で笑いあって力が抜けた時、スルッと。あの時の楓がかわいくて好きです。同時にほんとよかったって思った。
健気で一途なかわいい楓をずっっと離さないでいてあげてほしい!!大和たのんだよ。
幼馴染もの。
大好きな幼馴染・大和が彼女を連れて地元へ帰省してきたところからお話はスタートします。
楓はそれを見てへそを曲げて拗ねるし、彼女を敵対視するし、大和に遠慮なく甘えるし、ねぇ、好きなんだよ、とも言う。恋愛感情をものすごく判りやすくベタに伝えているんです。
今まで読んできた幼馴染ものは「好き」を伝えるタイミングやら、そもそも「好き」でいていいのか?といった葛藤を描く作品が多くて、こんなにのっけから好きを表明する作品は初めてだったのでそこがまず新鮮でした。楓はゲイだけど、大和を好きだと認識するまでの過程や戸惑いなどは一切触れていない。
楓の大和に対する甘えっぷりが酷くて、しかも幼い。よくこんなにまとわりつかれて嫌にならないな…と思ったけど、これは大和のせいなんだと。大和がそうやって拒絶せず甘やし続けてきた結果、こんな甘ったれた楓が出来上がったわけで、そしてそれをお世話するのが好きな訳でして、二人の距離感がめちゃくちゃ近いです。
楓から好きと言われている大和は「うん、俺もだよ」「彼女ができても楓のことが好きなのは今までと同じだよ。」と返す。好きの意味が違うと楓に言われても、違わないよと言う。そういう受け答えに傷ついた楓が、もう僕のこと放っておいてよ!と言っても楓を放っておかず楓の我儘につきあってやる。楓は可能な限りひっついて大和もそれを拒まないけど、心は受け入れてくれない。これはもう生殺しそのもの。
受け入れる事もしない代わりに拒む事もしない。その優しい残酷さは、楓だけでなく彼女も同時に傷つけていくのでその過程を読んでいると心がじくじくしてきます。
中途半端に楓に手を出した挙句萎えてしまい、その後、お口直し的に彼女を抱くんですが、結局それが両者を決定的に傷つけてしまい、楓は大和の元を去った後、バイトを始め自立し始めます。
楓が女だったら何の問題もなかったんでしょうね。でも男だったので、楓の恋愛感情には応えることができないと思っているけど楓そのものは可愛くて手放したくないという自分勝手さ。
離れている間に大和が出した結論が、「楓の事が好きだからずっと傍にいて欲しい。傍にいたい。」という要求ではなく、「楓が本当に幸せになれるなら他の人のところへ行ってもいい、我慢する。」という楓の幸せを何よりも優先するものであった事に、大和の成長を感じました。そこがとても良かったです。多分楓の事だから「楓の事が好きだからずっと傍にいて欲しい。傍にいたい。」と言われても喜んだと思うんです。でもそれじゃダメなんだ、というところがこのお話の一番いいところだなと思いました。
この作家さんは初読みなのですが、当て馬である楓のバイト先の先輩はDV野郎だし、同時収録作の「式日」はより暗くて執着愛というか歪んだ共依存みたいな香りを漂わせる作品でして、少し痛みを感じさせるようなそういう路線がお好きなのかなと思いました。
ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのが、こちらの作品です。
大和の出した結論が自分の中で一番納得のいくものでして、大和のそれまでの行いを許せる気になりました。楓も少し自立した事により、ただの両思いになって終わるというだけでなく二人が少し成長したところがいいなぁと思いました。
教えてくださり本当にありがとうございました。
初読み作家さんです。
表題作だけで約200ページ、ラストに20ページ余りの短編が収録されています。
この単行本がこの作家さんの初作品集ということですが、初コミックスとは思えないほどのクオリティだと感じました。
画面の描き込みも丁寧だし、ストーリーも読ませてくれる作品でどんどん引き込まれました。
幼馴染モノなのですが、年が少し離れているため、年上の大和は実家を出て大学に通っていて彼女もいる。
高校生の楓は大和にべったり甘えたで恋愛感情として好きという事を大和にも告げているのですが、優しい大和ははっきり突き離すことも楓と付き合うとも言わない。
大和、楓、そして大和の彼女との三角関係が続くのですが、それが割とリアルな感じで描かれています。
大和と彼女とのラブシーンもあるので、そういうのが苦手な方は注意です。
彼女と一緒にいる大和を見ている楓が切なかったのですが、楓もなよなよしているように見えながら彼なりに精一杯のことをしているのが健気でした。
同時収録作品は従兄弟同士のお話。
時代が少し古くてみんな着物を着ています。
こちらは痛い切ない系。少し歪んだ愛情とも言える作品ですが、不思議なことにラストはなんだか少しホッコリしました。