ボタンを押すと即立ち読みできます!
明るい、前向きな末っ子気質な真っ直ぐな青年と、ちょっと家庭の問題を抱えている男の話。
真っ直ぐな男の子は、守られて育ったがために感情は真っ直ぐに出るし、隠し事は苦手……そのせいで、第一印象は最悪だった二人だが、でも、さりげなく相手の距離を測って言葉を選ぶなど、育ちのよさはうかがえる一夏は、あまり誰も寄せ付けまいとしていたバーテンダーの上川にするするっと入り込んでくる。
二人はそうやって距離を詰めていくのだけれど、実は上川が家を出て、一人で無理やり生活を成り立たせている原因の一つには、「好きな人」の存在があることを一夏が知ってから、二人の関係が徐々にぎこちなくなっていく。
自分の中に沸いた上川に対する気持ちはなんなのか……?
わかる気がするけれど、それを認められない一夏はますます堂々巡りになって……という話でした。
相変わらず、優しい気持ちがいっぱいな崎谷先生の話です。
ただ、最初の頃に書いた作品なので、優しさはたくさんありますが、胸のぎゅっと苦しくなる感じはちょっと物足りないかもしれません。
それでも充分に楽しめる作品だったので、この評価で。
早く、次の本が楽しみです。
1998年初版ノベルス「明日のために靴を磨こう」の文庫化です。
イラストを描かれた明神翼先生が体調を崩され、挿し絵の枚数をかなり抑えられたとあとがきで書かれておられましたが、その分インパクトを求められたのか、なんと見開きでイラストがどーんと使用されていてその迫力にビックリしました!2ページつながった挿し絵って初めて見ました。明神生先生の絵がお好きな方には必見ではと思います。
作品は、すれ違いもありますが、基本的には甘い展開で、文庫にはちょっと厚めに思えますがすんなりと読んで楽しめます。
ただ、川上(攻め)の片思い相手に義母の真純が登場するので、そういう話が苦手な方はご注意ください。私は、川上の気持ちを知っていながら家に帰って来いと何度も訪れる彼女がちょっと無神経に思えました。
一夏(受け)の家族関係はほのぼのとして良かったです!
受けの一夏は日向に咲く向日葵のような子で、それが嫌味じゃないところが良いです。
かたや攻めの上川さんは、長身イケメンじゃなければ特に惹かれる要素はないかな…
あくまで個人的な感想ですが( ̄▽ ̄;)
上川さんが義母に長い間恋い焦がれ、
想いを引きずったまま一夏に手を出すあたりが私のモヤモヤを増幅させました。
一夏に対する感情にまだ気付いていなかったとしてもダメだったな(~_~)
萌えポイントは、自分の想いを必死に隠そうとする一夏の健気さと、一夏の兄の春ちゃんの懐の深さ。
これにつきます!
両想いになったあとの二人のお話しはあまあまで、二人とも幸せになって良かったね、うん。という感じでしょーか。
特に大きな問題も事件もなく、身近にもありそうなそんなお話しでした。
ま、上川さんのようなイイオトコはそうそういないだろうけど(-_-)
なんだか崎谷さんにしては、爽やかさっぱり味だなあと思ったら、ごく初期の作品の文庫化だったのですね。
全体の雰囲気の若々しさ、特に主人公の二人の若々しさは、やっぱり初期作品だからこそなのでしょうか。
一夏の真っ直ぐ素直な健やかさ、
上川の鋭い外見に隠れた子供っぽさ、
二人とも無理に重い物を背負い込まされたりしていない。
そんな、どちらもそれまでゲイじゃなかった二人が、お互いに惹かれあって、恋を自覚するまでの思考の流れとかも、「初恋」って感じで初々しい。
初エチに至る所でも、すれ違いはすぐに解消されて変にこじれたりしない。
同時収録のバランスもいいです。
崎谷作品の導入作品にはちょっと向いてないかもですが、作者買い無しの単独のBL本としては読後感がよくてけっこうお勧めです。
読んでいて、「なんか読んだことあるな~」と
デジャブを感じながらも、楽しんで読んでいたのですが、
あとがきを読んで、軽くショック!
文庫化前の本を、当時読んでいましたよ・・・。
早く気づけよ、私・・・。
ついつい初めて読むかのように楽しんでしまいましたよ。
大学生の一夏は、実家の酒屋を手伝うことになるのですが、
配達先で、無愛想なバーテンダー上川と会います。
初対面で、未成年に見える一夏は、上川にあしらわれ、
一夏は上川に悪印象。
でも、だんだん距離が近づいて・・・というもの。
後日談の短編では、くっついた2人のクリスマスが読めます。
そこでは、上川の内面も知れて、何ともウハウハな気持ちになります。
それにしても、崎谷さんと明神さんのタッグで、貴重ですね