本当に好きだから「すき」とは言えない

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表題作君に触れたら

藤居貴尚,25歳,学校の先輩でバーのオーナー 
新堂真咲,20歳,ずっと片想いしていた大学生

同時収録作品忠明の受難

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大学生の真咲は、艶やかな笑みを浮かべ夜の街を歩く小悪魔。
ある日入ったバーで、中学時代から想いを寄せていた貴尚に出逢う。
思わせぶりな態度で彼を誘う真咲。
貴尚が自分に興味を持つのはわかっていた。
今の真咲は、彼の心に棲む「あの人」のコピーだから。
本当の自分では絶対に好きになってはもらえない。
貴尚に愛されるたびに悲鳴を上げる自分の心に真咲はそう言い聞かせた。
しかし、仮初めの幸せも長くは続かない。
「あの人」が帰ってきてしまったから……。

(出版社より)

作品情報

作品名
君に触れたら
著者
松幸かほ 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773086058
3.9

(95)

(35)

萌々

(35)

(14)

中立

(5)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
24
得点
362
評価数
95
平均
3.9 / 5
神率
36.8%

レビュー投稿数24

もっと攻めザマァになればよかったのΨ( ̄∇ ̄)Ψ

定期的に読み返している好きなお話の一つ。

中高一貫校に入学してすぐ、危ないところを生徒会長藤居に助けられ、憧れが初恋となった真咲。
でも、藤居の隣には、既に女王様のような存在のお似合いの恋人碧がいた。
中学時代、あっけなくひっそりと失恋したの真咲は、いつか藤居の目に留まればいい、と碧の仕草や表情を真似るようになる。
藤居達が卒業しても、そのまま"碧のように"を目指し、気付けば小悪魔的魅力のお姫様ポジションに。

そんな真咲と藤居の再会モノです。

大学生の真咲がたまたま入ったバーにて、オーナー兼バーテンの藤居と遭遇。
もちろん、藤居は真咲の事は覚えてない。
中高以来の友人忠明に相談しながら、碧の雰囲気を保って親しくなり、ついに藤居から付き合って欲しいと告白される。
その時、脳内で大玉花火が打ち上がっている真咲、かわいいなぁ。

しかしだ、この時の藤居が、真咲なら不要な嫉妬はしないだろ、なんてのたまう。
そんなん言われたら、嫉妬できないじゃん。
なんだよ〜藤居先輩(# ̄З ̄)

めでたく恋人同士となり、付き合い始めるのだけど、ちょいちょい藤居には『は!?』ってさせられちゃうんだよなぁ。

幸せ有頂天の真咲だけど、自分が好きになってもらったのは、碧に似てるから、と本当の自分を出せず、苦しくなってくる。
本来、小心者でネガティブ思考な真咲なので、一人で悩んでるのがかわいそうで。
藤居の隣にいれるだけで嬉しいってかわいい真咲を、碧が現れてもうお払い箱なんだって、泣いてる真咲を、見せてやりたい。
こんなにかわいくて藤居大好きな真咲を、もっと見てやれよ\(-_-)
もったいないことしてんぞ!藤居!!

元カレに泊めてって言われて、今カレの真咲の前でOK出すって、デリカシーとか気遣いとか皆無じゃね!?
胸ぐら掴んでガクガクさせたい(*`Д´)ノ!!!

真咲から避けられても、自分からは動こうとしないのもグーパンもの(ノ`△´)ノ

なので、攻め様の藤居の魅力が私にはイマイチだっのですが、真咲が好きって言うなら仕方ない。
これからは、溺愛全開で真咲を可愛がっておくれよ。

真咲は健気でかわいくて、藤居にはもっと慌てるがいい、とせせら笑い、なんだかんだで、何度も読み返す大好きなお話です。

2

処女なのに、魔性の小悪魔を演じて

トピは忘れちゃいましたが答姐で「健気な処女受け」作品だと知り、面白そうだなぁと読んでみたのですが、この受けの真咲が本当に必死で健気でかわいかった。

セックスどころかキスもした事がない純情な子が、遊び慣れた気ままな猫(それも女王様気質の)を演じたおかげで見事憧れの人から告白されるも、素の自分と演じてる仮面とのギャップに悩む……というお話です。

中1の時、助けてもらった生徒会長の貴尚を好きになるも、貴尚には碧という学内でも公認の恋人がいることを知り、すぐ失恋。
寮の同室の忠明に、今は地味だけどどこか碧に似てるかもと言われて碧の仕草など全てをコツコツと研究した結果、魔性の小悪魔とまで呼ばれるほどになった真咲。

貴尚先輩はとっくに卒業しちゃったけど、いつかどこかで会えたら…という淡い期待を胸に抱いて7年間。
ある日、バーに入ったところそこは貴尚の店で……、ドキドキした顔は見せずに手慣れた感を演出した結果、貴尚とお付き合いできることになります。

貴尚の好みは元カレの碧先輩みたいな雰囲気の子だと思っている真咲は、全てが初めてだなんて知られたら重くて嫌われてしまう……と悩み、例の友人・忠明にSOS求めるところがおかしい。
「初めてなのに、初めてじゃないように見せる方法」について相談する真咲に対して
「バナナでもナガナスでもいいが、ゴーヤはやめとけ!」

吹きました。
素の真咲は地味の地味で、ネガティブスパイラルに陥っちゃう子で、何かあるとすぐに忠明にヘルプ!
その二人のやり取り、忠明のまたかよ!感が、どこかコミカルでクスッとできるので、この作品が切なさ一辺倒になるのを防いでます。

本当はイチャイチャしたいのに、望まれているキャラじゃないからと素っ気なく振る舞ったり、影で貴尚の好みをしっかり把握してそのおかげで貴尚が喜ぶ姿を見て、心の中では特大の花火が打ち上がるくらい嬉しいのに、あくまで何でもない様子を演じる真咲。

あぁ、一刻も早く健気なこの子の本当の姿を知ってほしい!!と読みながら願った矢先に、アメリカから帰国した碧が登場するのだけど、私はここから攻めに物申したい!!

碧に泊めてと言われて、何で即オーケーしちゃうかなぁ???
真咲が隣にいて、真咲は碧が元カレだと知ってるんだから、そこは「ゴメン、この子と付き合ってるからそれは出来ない」と断るべき。
しかも真咲の事を碧と二回も呼び間違えて、ただでさえ不安に陥れてるくせに。

もう碧の事は何でもないからこそ泊めたのかと思いきや、碧と再会して心が動いたとバカ正直に白状してるんです。
よりを戻すつもりはなかったと言ってるけど、なんか怪しい。
幸いにも碧自身が貴尚は過去の人だったから、何も起こらなかっただけで、もし碧になんらかモーションをかけられてたら、寝ちゃってた可能性はゼロとは言えなさそうなところがモヤモヤ。

そして真咲が着拒して連絡絶った後も、家や学校にでも押しかけて来ればいいのに、そこまでする必要はないとか言っててムカッ。
なにその余裕。
お前が来いや!!!と思ってしまったわ。

なんか攻めに対してモヤモヤ消化不良になってしまいましたが、仮面が剥がれた後の真咲を溺愛する様子ときたら凄い。
結局、貴尚も本当は束縛独占欲強いクセに、それを隠して付き合ってた訳で、何も隠す事のなくなった二人はただただ甘いイチャコラカプ化。

【忠明の受難】は、「碧先輩は綺麗だけどおっかない」と言っていた忠明が、まさかの碧先輩にロックオンされて食われちゃう話。

電子には【完全版】が収録されていて、中身はコミコミスタジオ限定特典と同じですが、忠明の受難が永遠確定みたいな終わりに、忠明にエールを送りたくなるし、主役カプすら霞みそうな碧女王様の存在感はさすがです。

2

恋のために本当の自分を偽る切なさ!

ずっと読みたくて、でもあらすじが切なそうでなかなか読めませんでした。
やっと読み始めてもやっぱり切なくてなかなか進まず。
でも碧が現れてからは一気に読めました。

途中までは切なかった!真咲が本当の自分を碧の真似で隠して無理して。2度も碧と呼ばれて。
でも貴尚も仮面をかぶって付き合ってたんですね。
貴尚は真咲が碧と似てるからと碧が好みそうな態度を取ってたなんて。

真咲が貴尚一筋なのがすごいですね。その為の努力も。でもそのお陰で学生時代は良い部分もありましたね。

出来れば貴尚には本当の真咲を好きになって欲しかった。

でも送別会の後はやっと真咲も本音を言えて経験豊富だとの誤解も解けて、貴尚から可愛い可愛いと言われて。
その後も貴尚に溺愛されて。独占欲や束縛もぜひお願いしますですね。

とても良かったのですが、貴尚は仮面を被った真咲のどこを好きになったのか謎でした。
碧と似てるとひかれて、碧が帰ってきたら今度は真咲と違うと感じて。真似しきれてない部分があって少しは本当の真咲を見てくれたのでしょうか。

真咲が本当の自分はダメダメだから嫌われると言ったら自分好みに変えるとか。
素のままの真咲を見せて愛させてとか言って欲しかったなあ。

子ネズミがジタバタして念願の人と恋人になれましたね。

忠明の受難はまさか碧が!しかも最後は!この二人はどうなるんでしょう。碧はアメリカに帰るの止めちゃうし、忠明逃げられないよ!

3

ゴーヤは痛いだろ

ムク先生つながりでこの本をget。
あんまり期待とかなくさらりんと読み始めたら面白かった!
なにがってメインカプじゃなく、サブキャラの女王と、
受けさんの硬派?お友達!
硬派お友達は、なんであんないいやつなんですかねー。
いいやつだわ、ほんとに。
受けさんに 「ゴーヤはやめとけ」というあたりが、
まじめにアドバイスしてておかしすぎて大爆笑!
(いやコメディじゃないんですよ、ほんわりじんわり系だと思います)
ぜひお友達になりたい。
女王は強烈ー(笑)。最後、女王蜂の一刺しあります、お楽しみに。
他のお姉さま方も女王に興味津々みたい(笑)。

メインカプは一生懸命な臆病小動物でも演技は練習して上手し!な受けさんと
イケメン完璧金持ち男子(嫌味なところはなし)攻めさん。
けなげだねえー受けさん。
可愛くって、この子も頭ぐりぐりしたくなっちゃう。
キャラが4人ともたってて、めちゃ入れ込みやすかったです。

萌2と悩んだけどーうーん。ファンタジー好きなんで、神はファンタジー用スペシャル枠で
日本日常ものだったから、うーん。やっぱ萌どまりにしとく。

1

あたふた子ネズミ

憧れの人に好きになってもらいたい一心で擬態する真咲を可愛いと思うかどうかでストーリーの印象が変わってくると思う。私は可愛いと思った。
あたふた子ネズミが、一生懸命クールな女王様を装ってても、時々漏れる本来の姿、甘いもの好きだったり、好きな人に手作りの料理を食べてもらって喜んだり、そういうのが可愛かった。
貴尚も実は溺愛系で、本当は素の姿で相思相愛なのに、二人して擬態してたわけなんだけど、自分は碧の身代わりで、本当の自分に価値はないと思い込んでる真咲がせつなかった。
きっかけは擬態した姿だとしても、溺愛系の貴尚には、あたふた子ネズミの真咲がお似合いで、甘い雰囲気の後日談とか読めて嬉しかった。
友人の忠明が、そっけなくも的確な?アドバイスとか、最後の方の爆弾投下とか、いい仕事をしてて、番外編で碧に捕まってしまった後日談が気になる。忠明にはぜひ、真咲に頼られ、貴尚に睨まれ、碧に取り憑かれ、彼にとっては想定外であろうアクティブな人生を送ってほしい。

4

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