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表題作夏揺らぐキミをおう

武田 高校生、科学部の部員
榊淳 優等生の同級生

同時収録作品Ching-a-ling Ching-a-ling

相沢滋 事務所経営
圭介 カフェ店員

その他の収録作品

  • Pitter-Patter Pitter-Patter
  • 春迷う、ふたり
  • あとがき

あらすじ

クラスのムードメーカー的存在の武田と、優等生の榊。一度も喋ったことがない二人だったが、武田は榊が泣いているところを偶然目撃してしまう。
クラスメイトの意外な一面に驚きつつも、それが誰にむけた
涙だったのか気になりだしてしまいーーー。
(出版社より)

作品情報

作品名
夏揺らぐキミをおう
著者
梅松町江 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
ISBN
9784829685273
3.5

(23)

(5)

萌々

(6)

(9)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
78
評価数
23
平均
3.5 / 5
神率
21.7%

レビュー投稿数11

中編2つ

化学の先生と関係している同級生、榊が気になる武田。間違えて呼び止められ、それから目で追ってしまう。先生の方はどういうつもりだか分からないが、良く解釈してあげると、ゲイで悩む生徒のつかの間の相手、発散相手をしているという感じ。
武田が押しまくってハッピーエンドに。

もう1つのカフェ店員圭介と何かの事務所経営者、滋さんのお話の方が良かったかな。何となく付き合ってて、お互い口に出して好きとも言わないけど、思い合ってて、それが段々に伝え合うことができるようになるっていう、あったかい気持ちになれるお話でした。

0

なみだ、のち笑顔

大きく2つのお話が収録されています。

「夏揺らぐキミをおう」前編・後編
物静かで優等生のクラスメイト・榊がろくでもない教師に報われない恋をしている事を知った武田。
『先生を一生懸命好きな榊が好きになっちゃった』
しんどそうな顔は嫌だ、笑うとこ見たい。
そんな清潔で健気な想い。
教師との関係が切れたばかりでまだ時間はかかるけど、武田の優しさが榊に染みとおっていく予感。

「Ching-a-ling Ching-a-ling」
同じビル内の事務所に働いている滋さんとお付き合いしているカフェ店員の圭介。
圭介は滋さんにベタ惚れです。
でも自分の気持ちが滋さんにとって重すぎるのかも…と不安だったり、滋さんが無理して自分に合わせているんじゃ…と気にしたりで、ちょっと後退り気味になるが…
そんな不安は杞憂だったよ、というほんわかしたお話。

「Pitter-Patter Pitter-Patter」
↑の「Ching-a〜〜」の続き。
圭介の元カレが、圭介の勤めるカフェにしょっちゅう来るようになり余裕なく嫉妬祭りの滋さん。
でも結果、元カレを挟んで滋さんと圭介の本気で真剣な愛情がより深まります。
いつまでも仲良くね。

「春迷う、ふたり」
「夏揺らぐ〜」の続き。
あれから1年。武田と榊の間は相変わらずの曖昧な感じ(キスまではするんだって)。
でもよく笑うようになった榊がますます好きな武田です。
進路もそろそろ決めなきゃという季節、榊は話をしたい、と言ってきて…
大丈夫。ふたりはちゃんと恋人になりました。榊はまっすぐ愛されて、武田の恋心は報われて、優しいハッピーエンドです。良かった良かった。

あとがきにて、作者梅松先生はリバを描きたいとな……描いて描いて!描いて下さい〜!

3

同時収録作・お付き合いしている二人を描いた作品が大変良い

【夏揺らぐキミをおう】
昼休みになると菊池先生のいる準備室へ通う優等生の榊。
この好青年風の菊池がとんだ喰わせもので既婚者なのに榊の好意を弄んで体の関係だけを続けている。
清々しいクズ教師っぷりがお見事でした。キクチ先生じゃなくて、キチク先生と呼びたい。
そしてその二人の秘密の関係を知ってしまった武田という組み合わせ。
こちらの作品は三人の登場人物のどれにもいまいち共感ができず。
半袖を着ているから夏だと解るけど、それ以外で夏を感じさせる描写がセミの鳴き声くらいしか無く、夏の空気感を感じられなかったのが残念。
わざわざ夏にした意味がないような……。

表題作よりもお付き合いしているカップルを描いた作品【Ching-a-ling Ching-a-ling】と【Pitter-Patter Pitter-Patter】がいい!
【Ching-a-ling Ching-a-ling】
カップル同士のお約束とか、仕事でお疲れの相手に対する気遣いが裏目に取られてしまう様子などが描かれていますが、お互い相手のことが大好きな様子をしっかりと見せつけてくれて読んでてニマニマが止まりません。
【Pitter-Patter Pitter-Patter】受けの元彼登場編。受けの元彼を見てメラメラしたり、心配したりする年上の攻めの様子が可愛い。
受けも元彼の登場で心揺らぐどころか、俺、さっさと別れてGJ!みたいな事言ってて、それを聞いた攻めがたまらなくなっちゃって
「あのー…ちょっと…抱かせてください 滋さんは安心したいの」と言うところなんか最高。
ごちそーさまでした!としか言いよう二人。この二人をもっと読みたいなぁ。

1

クズがいました


先生がクズ。
優しい顔してサイテーです。
奥さんもいるんです。

榊が先生を好きで科学準備室に通ってます。
そのシーンはありませんが、中で何が行われてるかは一目瞭然。
そのことが武田にバレると、ただ相談に乗っていただけ先生と生徒そんなことしていたらクビになると 榊に同意を求めます。

先生が好きだった榊が見ていて痛々しい。ただ頷くことしか出来ない感じです。

それに比べて武田は大人です。クズ先生の数倍大人です。(怒りがおさまらん)

榊が泣いてるのは可愛いんだけど、武田と榊で幸せになって欲しいです。

滋さんと圭介くんの話も好きです。こっちにもクズっぽいキャラがいます。

0

一生懸命誰かを好きなこと

まずタイトルに惹かれ。
頑なにも不安げにも取れる表情の少年の表紙に魅せられて購入しました。

高校が舞台の表題作に、社会人カップルの2作品収録。(表題作はその後の書き下ろし有り)


『夏揺らぐキミをおう』

クールで物静かな優等生のクラスメイトと化学教師との秘密の関係を偶然知ってしまった武田。
物語は彼視点で進んでいきます。


ゴミ捨てに来た白衣の武田の後ろ姿を菊地先生と間違えて呼び止めた榊。
人違いだったと去って行くも、呆然と立ち尽くす武田。(涙を浮かべて縋って来られては無理もないよね)

程なく化学準備室での二人の逢瀬を知る訳ですが。
つい行為を想像した自分を恥じて
「なんかゴメン榊…!」
などとひとり詫びたり焦ったりw
いいコなんだよね、武田。
で、それ以来何かと榊を意識してしまって。

菊地は部活の顧問でもあるので一方的な気まずさはあるものの、榊が大事にされていればいい…と。
でも、あの時泣いてた理由はまさにこの人で。


榊への想いを自覚してからも彼を見守るだけの武田でしたが、
菊地が既婚者と知ると初めて踏み込んだ行動に出ます。そりゃそうです。んな不毛な関係、幸せなハズがない!

だけど菊地は、男が好きなことを受け入れてくれた初めての人だった。
「それだけで救われた だからいいんだ」
榊のその言葉は、まるで自分に言い聞かせているかのようで…。

そんな榊の不器用さ、いじらしさを知るにつけ、仮にも教師なら、いや大人なら子どもを苦しめるような真似しちゃ駄目だろう菊地!!
と、非難せずにはいられない自分…。


結局、菊地は武田の榊への想いを知るとあっさり身を引くのですが、その言い草がまたズルイ大人の典型……。
他の方も仰るように、まぁサイテーですよ。ここまで悪役に徹してくれりゃいっそ清々しい。
こんな男に、未練引きずる事なかろうよ榊…。

ただ、この人の内実はどうだったのかと。榊との経緯が不明なので…。
妻帯者にもかかわらず生徒に手を出すダメ教師だけど。
出来れば先生側の事情も知りたいと思うのは、榊の慕った男がただの悪い大人で終わって欲しくないからかな。(でもスピンオフなんてないだろうなぁ…)


…と、榊が菊地先生と別れるまでが前編。
後編でようやく武田と榊の新たな関係を築く話になるのです。

高校生の二人が互いに対してすごく敏感で、それでいてゆっくりゆっくり交わっていく様子が丁寧に描かれていて。
ああ誰かを想うっていいなぁ…そう感じさせられます。

いやー武田、思いのほか真摯でキャパの広いイイ男だ…。
コイツを逃したら次はなかなかいないぞ榊!心して捕まえとかなきゃ!w
そして身の丈に合った恋愛をして、幸せになる事を願うよ。(巻末の書き下ろし『春迷う、ふたり』で結論が出ております)


『Ching-a-ling Ching-a-ling』

こちらは同じテナントビルで働く、個人事務所の事業主とカフェ店員のカップルのお話。
先程とはうって変わって明るいトーンで展開される恋バナ。
ホント言うとこっちのが好きなんですなー。(何せ甘々党なのでw)


カフェ店員の圭介は、心根の優しい、とってもイイ子。
恋人の滋がくれたベタな土産物のストラップを、口ではあれこれ言いつつも内心は嬉しくて早速携帯電話につけてて。
…でも、それをあげた当人から冷やかされてね。

相手はほんの軽口のつもりかも知れないけど、そんな時に互いの「好き」の度合いが違うのでは…と不安になる圭介。
好きな人から貰った物は全部大事にとってある…って別に重い事とは思いませんけど。

結局は互いが互いを好きなあまりの…要はラブラブなだけですけどね!w

「自分って重いかも」なんて全くの杞憂でした。
誘いを断られたのは距離を置かれてる?…振られかけてるのか自分!?とショック受けてるくらいだからあの人w

本当はいつも会っていたいのに、仕事で寝不足の彼を案じて、自分と会う時間を作るくらいならゆっくり休んで欲しいという圭介の細やかな優しさ…若いのに大したもんだよ!

しかし滋サンたらば、もっと会いたいとかずっと一緒にいたいとかワガママ言ってくれない方が寂しいんですってさ。
良かったね~圭介クン。へーへーごちそうさま♪

それと、圭介が同僚の女子・ミヤちゃんにとっくにカミングアウトしているのも、彼氏の事でガールズトークwしてるのもイイですね~。
彼女の意見に助けられて、結果的に滋との関係を一歩踏み出せた場面もありますしね。


『Pitter-Patter Pitter-Patter』

今度は圭介の元カレ登場で一悶着。(あるあるw)
しかしまたコイツが圭介の職場である店内で、自分と別れた後どうしてたとか平気で訊いてくるデリカシーの無さ!早々に別れて大正解だったよ全く。

それでも滋にあらぬ疑惑を持たれちゃって。(自分が初めてじゃなかったのか!?とか何とかw)

圭介も、2カ月付き合ったけど「ヤってない!」ってw
それどころかどんだけ自己チューでイヤな奴だったか力説するわ思い出し怒りするわw

その元カレに今カレアピールしたり、コトある毎に焦りまくる滋…。そういう意外と大人気ない所もカワイイ(笑)。

結局、元カレはただ二人の絆を深めただけの、とんだ役回りでした。将来自分の店を持ちたいという圭介に、経営コンサルタントとして相談に乗ってただけなのに…。(いや、少しは下心もあったらしいけどもw)

ところで冒頭のHシーン。
焦らす滋に恥じらいながらもおねだりさせられる圭介……。
かーーーッこのエロオヤジ!!ww(でも可愛くて仕方ない様子もわかるし、実際可愛いんですよねぇ…♪)


作品全体を通して、この作家さんの人物の心情の描き方がとても細やか。フキダシ外のセリフも含めてとても好きですね。

レビューの為おさらいしてましたら表題作もいいなと思えてきました。

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