• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作ラブシッター

小中の幼馴染で人気モデル 椚優治・26歳
元行員のペットシッター 霧島陽斗・26歳

その他の収録作品

  • 椚優治の独白
  • あとがき

あらすじ

動物好きだが、人への関心が薄いペットシッターの陽斗は、人気モデルで昔馴染みの椚と再会し、突然問題犬の世話を頼まれる。
昔から冷たかったり優しかったりと、謎の行動で振り回す椚。
いまだに何を考えているのか分からない尊大な態度の彼を敬遠し離れようとするが、それを察し激昂した椚にいきなり、犯される。
陽斗だけに見せる椚の激しい執着から逃げ出そうとするが、「なかったことにはするな」と狂おしい眼差しと共に甘苦しく口づけられ…。

(出版社より)

作品情報

作品名
ラブシッター
著者
夜光花 
イラスト
周防佑未 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784799712160
3.4

(56)

(9)

萌々

(16)

(26)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
16
得点
190
評価数
56
平均
3.4 / 5
神率
16.1%

レビュー投稿数16

最悪最低な男が最高過ぎる


まず攻めの紹介をさせてください。

初っ端から強引なレ〇プをしてしまう、一歩間違えれば性犯罪者の暴君。
イライラするとまず手が出てしまい、攻めの頬を叩く。
お前が俺を好きじゃないのが気に入らない。
そんなジ〇イアンのような俺様攻め。

どう考えても理不尽!受け可哀想!

…そう、とんでもない攻めだと思いました。

でもこの攻め、不器用と片想いを拗らせまくってます。
子共みたいに、めちゃくちゃ執着してます。
普段はワガママで自信満々なのに受けに拒否られた時の、しょぼんと落ち込んだ姿のギャップが凄まじいです。

不覚にも、私はこの姿が最高だと思ってしまいました…。

結局は受けのために改めようと努力する姿や、好きだと言えて吹っ切れた潔さに絆されてしまう受け。
でも読み終わるとこれは受けもなかなかの性格だったのでは…?と、先生のあとがきで答え合わせ。

ラストの書き下ろしに攻め視点が入っいたのも最高でした。
惚れた理由や、二人のその後もありスッキリ。

いや~~最高でしたやっぱりハズレのない夜光花先生!

0

破れ鍋綴じ蓋カプ

狂犬っぽい攻め、レイプありということを把握した上で読んでみたけど……。
小中時代から、攻めは何かと受けに付きまとっては暴力してたそうで……。
(同級生からみると「いじめ」と思われていたくらいの)

暴力的な男は嫌だわ……。
なのに受けときたら「いじめられていた感覚なし」だし、そんな男そういえばいたっけね……程度なもんで、これは破れ鍋に綴じ蓋カプのお話でしたね!
この受けにしてこの攻めあり!って感じの。
ちなみにレイプは、裂けて流血という痛そうなやつでした。

暴力的な攻めということで攻めへの好感度はめちゃ低からのスタートでしたが、受けのあまりの鈍感力、人間に興味がなさすぎて、攻めがいくら波風起こしても無関心みたいな態度もなかなか酷いものがあり、同情を禁じ得なかったです。
いつしか攻めを応援していたわ。

最後まで、受けはラブラブになってなかったし……。
受けの中での最大限って感じではありましたが……。


ちなみに受け限定で暴力的になったりイかれた態度を取るだけで、周囲の人からはまとも&好青年と思われているんですよね。
どんだけ二重人格なの?っていうくらいの変わりよう。

そして攻めの元嫁の害悪っぷりは目を見張るものがありました。

0

ひねたガキと犬が好きな方、必見の書

2012年刊行の本作。
あらすじ&今まで書かれたレビューを読むと、私のイメージの『夜光さんのお話』とはちょっと違う感じ。なので期待して読んだんです。
……この本、面白いよ!

以下、私が面白いと思った部分を。
面白い所①
私、2017年から始まった『眷愛隷属』のシリーズを先に読んでいたんですけれども……
あれ?この本に『リトル弐式有生』がいるーっ。
攻めの椚優治の『小学生の様に好きな子を虐め倒す』感じがとっても似ているんですよ。あそこまで訳が解らなくないのですけれども。
他のことはちゃんと出来るのに恋を表現することだけ不器用で、その相手に対してだけ子ども(って言うより『ガキ』)になっちゃうんです、椚って人は。
やっていることがとんでもないので、最初はこっちが当て馬なのかと思っちゃった位の酷いことをやっているんですけれども、読んでいるうちにどんどん憎めなくなってくる。これがとっても面白かった。

面白い所②
対する受けの陽斗も、BLの登場人物としてはあり得ないほどの『恋愛低体温』保持者。恋愛が成立した後も、彼が告げた一番甘い言葉が「だいぶ好きになった」なんですよ?椚の熱愛ぶりと比べてちょっと酷いんじゃないかと。
彼は人より犬が、動物が好きなんです。
最初に勤めた銀行でパワハラに遭ってから、この傾向は加速しています。
ちなみに、椚は動物が苦手。
椚がどんなに陽斗を好きでも、陽斗の方から椚に惹かれる理由がないんですね。
こんな感じなのに、陽斗が椚のある性質に気づいてから、一気に変わっていくんです。
私も大の『犬馬鹿』なんですけれど、これがね、よーく解るんですよ。
確かに、確かにそうなんです。
犬を愛する人なら、陽斗の気持ちはとっても共感出来るはず。
だから、説得力がある。
ここの大転換が非常に面白かった。

捻くれた愛情表現と、犬が好きな姐さま方にお薦めです。
「うわーぁ♡」って思っていただきたい。

1

どんどんワンコ攻に

あらすじを読むと攻の椚が変人かと思ったのですが、実は逆で、主人公の陽斗こそが掴みどころのないキャラクターです。陽斗にずっと想いを寄せているのにちっとも報われない椚の言動が切なく、たまに可笑しく、陽斗視点で書かれているのに椚を応援したくなる物語でした。

夜光花さんの作品にしてはダークな展開があまり無く、登場するワンちゃん達も可愛いので(私は特段ワンコ好きではないですが)、さらっと読みやすいお話だと思います。

登場シーンでは確かに威圧的で傲慢な俺様だったのにどんどんワンコ攻と化していく椚が愛おしかったです笑

0

こじらせ愛

夜光花さんにしては珍しくミステリー要素薄めの作品。
とはいえ、やはり一捻りあって、基本的に他人に興味がない受けの性格は、攻めからすると長きに渡って片想いに苦しんできたんだなと、最終的には同情的になりました。
だからといって暴力は宜しくないですが。。
他の方のクチコミにあるように攻めの元妻のパンチが効き過ぎてました。
執着攻め大好きですが、こじらせてしまった愛の行方って感じでした。
淡々としてる?鈍感な受け視点だとどうも萌えきれず、攻め視点の最後の小話がもっと読みたかったです。

0

受けに対してだけ不器用な俺様ワンコ攻め

電子書籍版を購入。
表題作の「ラブシッター」と二人の出会いから表題作のその後を攻め視点で描いた「椚優治の独白」が収録されています。
挿絵アリ、あとがきナシでした。

あらすじを読んで、ペットシッターと芸能人のラブ話か……たいして萌えないなって思ってました。

ですが、もうね、ものすごく好みでした。
超ド真ん中です。
神です。神!

俺様、ワンコの攻めに、超鈍くて、人間自体に興味がない受けの取り合わせに、ものすごーく萌えました。

攻めの受けを思う気持ち&受けの気持ちを自分に向けさせようと一生懸命な様子が、読み手の私たちには丸見え。
なのに、なのに、鈍い受けにはちっとも伝わらない。
攻めは、器用でかっこいいのに、受けに対してだけは、不器用でかっこ悪い態度ばかりとってしまう。

これに萌えなくて、何に萌えましょう!!
神評価です!!

1

ふたりの温度差が不憫

夜光さんは作家買いしています。
他の作家さんにはない作品を書かれることもですが、単行本が書き下ろし作が多いというのが個人的にかなり魅力的です。
今回は珍しく、人外も殺人も不思議な世界もないお話。


受けの霧島陽斗は捨て猫、捨て犬を見つけてしまうという困惑する特技を持つ26歳。
良く言えば穏やか、悪く言えば動物以外には自分にも他人にも無関心な性格。

攻めの椚優治は、陽斗とは小〜中学まで一緒だったバツイチ同級生。
モデルをしており人目を惹く容姿ではありながら、昔から傲慢で不遜。
本人にその自覚は皆無です。


就職先をストレスで退社した陽斗は、実家のペットシッター会社で働いています。
椚が町内へ戻ってきたと聞いても対して気にもとめない、ある意味椚にはお気の毒な片想い相手。
陽斗は暖簾に腕押しといった感じの青年で、わたしは好きなタイプの受けさんでした。
攻めの椚も、執着+暴力男ですが不器用過ぎて可愛く思えてしまうから不思議です。
長ーーい片想いがやっと実を結んだ椚ですが、SSを読む限りではなかなか温度差の違いが大きくて苦労しそうですね。

最初のえっちは無理やりなので、嫌いな方はご注意下さい。
わたしもそういうのは好みではありませんが、夜光さんは痛い作品が多いので今更気にならないという(苦笑
それよりも女性キャラが痛かった!
夜光さんの作品であまり嫌な女性キャラというのは印象なかったのですが、さすが夜光さん、女性書いても突き抜けてましたね。

7

凶暴大型犬×ネコ型飼い主

いやいや、凶暴大型犬といっても人間だしね。
でも、そうとうひんまがった甘ったれ攻めなので受けの陽斗がかなり振り回されます。

動物がすきな陽斗は人間にはこれっぽっちも興味がないため子供の頃から友達もそんなにいない。
そんな陽斗に子供の頃から執着する椚は事あるごとに陽斗に近付いては全然自分に興味をしめしてくれずついつい手がでるというかなりDV気質な男(笑)
はたから見たらいじめなのに当の本人は「少々手のかかる友人」程度(笑)
それでも椚は頑張って話しかけたり遊ぼうとしたりしていてもう完全にかまってほしい駄犬にしか見えないです。
大人になり、椚が飼っているパピのお世話を仕事として引き受けてからまた二人の関係が再開するのですが大人になっても椚の陽斗への思いが全然伝わりづらい態度ばっかりとるのでもう見ていて痛々しいです。
しまいにはレイプしちゃうしね・・・恐ろしや。
椚も反省して態度で示そうと努力したりお料理披露したりかいがいしい椚が可愛いです。
レイプしたけど・・・。
椚の元嫁がかなりのスパイスになっていてこれがきっかけなのか人間に全然興味のなかった陽斗が椚をまるで手間のかかる犬のように見えてちょっと可愛いと思ったりしてちょっと普通の人のLOVEよりはるかに低いんですけど・・・・低いんですけど可愛いししかたないなぁと体を許すあたりがもう椚を犬としか見てないよね?
しゃべれる駄犬だよね。

椚と陽斗の出会いが書かれており、そこで椚の心の変化が垣間見れます。
付き合うことになった(陽斗は付き合うとか思ってなさそう)二人は陽斗の家で犬たちとくつろいでいる中でそろそろ同棲・・・と切り出すけど陽斗から「遠慮しておくよ」(笑)
遠慮って!!またもや怒る椚に「お前は家事だってこなせるし完璧にしようとして破滅するタイプだろ、俺は何もできないし」と椚を思いお断り(笑)
俺にしてはこんなに椚とあってるのになんで?という陽斗にほだされた椚はもう完全に掌で転がされております。
ちょっと感情の振り幅が小さい陽斗を好きになってしまった椚はこれからもそんなようなことでケンカしてはほだされて大人しく可愛がってもらうんだろうなーとほのぼのとしました。

椚の暴れたあとのしょんぼりと嫌い?と聞いてきたところはかなりきゅーんとしました。

4

無関心受けを振り向かせよう!と攻めが頑張るお話

夜光さんお得意のファンタジーとかサスペンスとかの世界観の中の濃いラブ話ではなく、こぢんまりとしたご近所内で繰り広げられる再会ラブでした。なんか新鮮ですね。
あ、もちろんラブは濃いっちゃ濃いんですが、それは攻めからの受けへの愛情が濃いのであって、受けの方はあまりに淡々としているので、ちょっと気が抜けちゃう仕様になってました。そこがちょっと楽しいw

ただし、レイプ(一方的。攻めに愛はある)が地雷の方、エキセントリックな女性キャラが出てくる展開が嫌いな方はご注意を。

攻めの椚は、離婚歴アリの人気モデルです。
離婚歴アリって、受けしか目に入らない執着攻めばかりな気がする夜光作品の中では珍しい気がします。でもこの椚もちゃんと執着攻めだから大丈夫!

小学五年で出会った陽斗(受け)は動物好きだけど人には無関心。椚はそんな陽斗の気をなんとかして引きたくて、でも引けなくてイライラの学生時代を送ります。
陽斗のことも両親との関係もうまくいかなくて、鬱屈して陽斗を時にぶったりいじめたり。でも他の人が陽斗にちょかいかけるのは絶対に許さないし、陽斗と二人きりになると優しくなって物をくれたり奢ってくれたり。

しかし、陽斗はとにかく他人に無関心だし鈍感なので椚の気持ちに気づかない。
それどころか、高校が分かれ、大学から社会人となり、転職して実家の家業のペットシッターの仕事をしていた陽斗は、椚のことをあーいたね、そんな奴。程度の認識……。カワイソウな椚。あんなにアピールしてたのにね。
しかも、結婚するときに椚は陽斗に連絡してたのですが、陽斗はあれー結婚してたの?ああ、そういえばそうだったな電話かかってきたっけ、とやっと思い出す有様。。。不憫な椚。。。

そんな報われない椚は、それでも陽斗を諦められず、離婚後に陽斗のいる地元に帰ってきます。
それで椚の犬のパピヨンを通じて再会し、まー、やっぱりうまくいかなくて、激昂してレイプしちゃいます。
これ、何度も言うようですが地雷な方はご注意です。陽斗の方にはひとかけらも椚に愛情がない時の行為なので。

その後、椚は反省し、変わろうと努力したりもし、すったもんだで両想いなわけですが、陽斗がいきなり恋愛に熱い男になるわけでもなく、淡々と飄々と、熱い椚に応じてるってかんじで(笑)
椚が「これしか会えてない」でも、陽斗にしてみれば「こんなに会ってる」になるという、認識の違いに笑っちゃいました。
でも多分、陽斗は低い温度でも飽きるってことはしないタイプだろうし、椚は一途だし、うまくいくんじゃないでしょうか。喧嘩は絶えないでしょうが…

陽斗の恋人に昇格、というより、人間から犬レベルの好意を持ってもらえるようになった椚は幸せ者なんです、たぶん。

と、楽しいポイントはいろいろあるのですが、今回一番印象に残ったのは椚の元妻の恐ろしさです。
こここここ怖かった!人間として終わってる、すんごい女性でした。幽霊とかより、こういう悪意の塊みたいな人間が一番怖いです。
なんか彼女が出てきたことにより、そっちに毒気を抜かれてラスト肝心の主人公カップルの方に感情が入りづらくなっちゃったので・・・萌え評価で。

4

ダメ人間臭いキャラのオンパレード&最凶最悪の女キャラにびっくり!

この本、とにかく一般的には地雷となるキャラ・展開が多かったです。

受けの陽斗は「動物が好き。人間に興味ない」というよくある動物好き人間さん。
彼は人間に興味がないので人のことに頓着がなく、人の気持ちが理解できなかったり、そのせいでちょっと失礼な子だったりするんですが、でも人畜無害なのでダメ人間とまでは行かないです。心根は優しい子ですし。

攻めの椚。彼はイケメンですが残念な頭脳の持ち主で、受けだけに対して暴力的です。
DV男じゃないか!こやつはダメ人間認定しても良いかと。一応手加減はしていたみたいですが。
しかも愛情が暴走して受けさんをレイプという、BLではありがちだけれど地雷だという人も多いこの展開。
極悪非道意味不明な展開です。レイプ、だめ、絶対!

でも攻めさんは愛しきダメ人間でもあって。
受けさんを愛するあまりの暴力行為でしたが、後にはちゃんと抑えることもできて・・・
というか抑えるというより暴力が性行為に変わっただけ・・・あれ・・・救いようが・・・w
でも、彼はおバカだけどどうしたら陽斗が自分を好きになってくれるだろう?とあの手この手で受けに迫って行く、一生懸命なところが可愛いヤツでもあります。
不器用さが愛おしいみたいな感じです。

いや本当にね、陽斗は陽斗で、徹底的に人間(椚)に無関心で。
椚はレイプまでしたのに、無視されてていっそ哀れでした。
レイプまでなかったことにしようとする陽斗。徹底的に心の壁を作る陽斗w
陽斗もかなりのツワモノと見た。
でも椚の一生懸命さが徐々に陽斗にも伝わって、陽斗も椚に対する意識が変化して行きます。

がしかし。
この小説の中で最凶のダメ人間がまだいるのです。
それは攻めさんの元妻、美和。

この子はダメ人間というかもはや人間を辞めた方がいいレベルのキャラでした。
いっそアッパレです。
見た目はモデルという職業柄、綺麗だしスタイルも良いんですが、中身が破壊的に酷い!

まず・言葉遣いが悪い。「チンカス野郎が!」とか「うぜーんだよ!」など常に攻撃的。
・気に食わない相手の手にタバコを押し付け根性焼きする。(どんだけ)
・ペットを世話するつもりがないのに飼い、飢え死にさせそうにする。
・しかもそのペットが元夫の椚のところにいるのを知って取り返そうと無駄に躍起になっている。(どうせ殺しちゃうくせに!)
・危険な薬品を振り回す。(危ないからやめて!)
・麻薬常習犯(色々終わっている・・・。)

こんな酷い女キャラ初めて見ました。
椚なんて、この子に比べたらダメでも何でもない!
ほかのキャラとのバランスを壊すほどの最低最悪の女キャラでした。
なんか、すごかったです。

色々BLファンタジーがかましてありますが、甘甘部分もちゃんとあって、萌部分もしっかりありました。
キャラが突き抜けすぎてて面白かったです(笑)

5

犬と同じ扱いでありがたいと思わねば(笑)

小学生~中学生までの幼馴染との再会もので、攻めの長年の片思いが実った(?)気がするお話です。受け視点のお話です。わんこも沢山出てきて可愛くて、面白かったです~♪

序盤は あらすじ通り、攻めの椚(クヌギ)が冷たかったり優しかったりと、謎の行動で陽斗を振りまわす感じがあるんですけど・・・読者からしてみれば、椚の行動は すごく分かりやすいです。
好きな子ほど構いたい、特別扱いしたい!というのが分かり易すぎるのに伝わらないです・゚・(ノД`;)・゚・ 椚は、自分勝手な部分があり、俺様攻めっぽいんですけど、ヘタレというか・・・不憫攻めでした。不憫攻め大好きなので、ありがたいです(笑)

そして受けの陽斗。彼が今まで読んできた本の中でもダントツで、淡白というか客観的な性格です。THE マイペース!!
なので椚はもちろんのこと(笑)相手のする物事に興味や関心を見せず、何かに執着することがなく、冷たい訳ではないのですけど、動物以外は興味が無い。
ラストで気づくのですが、陽斗のテンションの幅が狭っ!!!低っ!!!と笑ってしまうほど。でも、無理に周囲に合わせようとしない感じが、真っ直ぐで椚が救われたり・惹かれる理由がわかる気がします。

話は、ペットシッターをしている霧島家に椚が依頼を頼むことから始まります。
友人によると昔は、自分は椚にいじめられていたらしい。すっかり忘れていたけど、そういえば、たまにぶたれたり、変な言いがかりを付けられたりしたような~と記憶がぼんやりの陽斗(笑)

でも他の人が陽斗にちょっかいを出すと怒って止めて、人前ではいじわるをしますが2人きりの時は、何かと物をくれたり奢りたがり、小学生の頃なのかな?秘蔵のシールをくれたり(←秘蔵のシールって・・・!!可愛い可愛い。ここが一番萌えた気がします(*ノノ))当時は、椚自身気づかない幼い恋心っぽいのです。でも陽斗からすれば、良く分からない友人だったなぁーくらいの気持ちです。なんせ関心ないので(笑)

椚がパピヨンを飼うことになって上手くいかず、陽斗に助けを求めて、2人の関係が近づきます。「この犬は凶暴で駄犬だ」と言い、相変わらずの自分勝手っぷりなんですけど、段々パピヨンのパピが可愛くなって、最後は「パピに何かあったら・・・」と溺愛ぶりに変化する流れは、陽斗との掛け合いも面白く、椚が可愛く見えてきます!

そして何より陽斗に好かれたい好かれたいがタダ漏れです。大人の振る舞いが出来るようになっても陽斗に関してだけは、大人になれず感情を爆発させて、思わず無理やり抱いてしまいます。その後怯えていた陽斗ですが、それすらも陽斗は段々と無かったことにしようとします・・・椚の気持ちを考えると、せ、せつなすぎる・・・!!

次第に「どうしたら陽斗は俺を好きになってくれる?」「自分のことすら執着しないなら、俺にそれ(陽斗)をくれよ・・・」みたいな、切羽つまる椚に、受け視点で読んでいるのに、いつの間にか攻めの気持ちで必死に椚の気持ちが届いて~~!っと応援しながら読んでいました。

後半出て来る、椚の元奥さん。見た目は綺麗ですけど・・・超怖いです。。。
離婚はしてますけど、どうして結婚したのかとか、理由は読むと椚に対して全く嫌な気分もなく納得出来ました。(個人的に攻めに彼女や奥さんがいると、苦手意識が先行しちゃうんですけど、これは良かったです!笑)話の流れは複雑ではないですけど、テンポが良くて面白く一気に読めました~♪

その後の、攻め視点【椚優治の独白】を読むと・・・椚の哀れさが一層増します!!陽斗が言う「俺、今マックスだよ(テンション的な意味で)」で、椚と一緒に「そ・れ・で??」と思って笑えてしまいます。

よくよく考えれば、陽斗は以前の職場での相手の思惑を図るような部分やパワハラには耐えれなかったけど、椚の言いたいことを言う部分も、昔の手を上げたことも気にならなかったってことは、好きな人だからかも・・・?と妄想で陽斗デレを脳内補完すると、クールな陽斗と二度楽しめます。という訳で椚よ。頑張れ!攻めの方が夢見がちだったりするのが、すっごい良かったです!

7

夜光さんにしては異色?

夜光さんの小説が好きで
いつもちょっと不思議な事があったり、
一ひねり、二ひねりあるという印象なんですが、
今回のラブシッターは結構ストレートな恋愛小説でした。

ご本人もあとがきで言っておられますが、犬が途中で話し出すとかなかったです。(笑)
陽斗が不思議といろいろなところで捨て動物と出会ってしまうという事だったので、最初はソッチ系かと思ったのですが・・・

椚はなんとも分かりやすいツンデレ?ワンコキャラでしたね。
陽斗が好きで好きでしょうがなくて、あまりにも淡白な陽斗にいつもイライラ。
尽くしているつもりでも陽斗には全く認識されていなくて
のれんに腕押し状態。なんとも可哀想な攻でした。
一緒に住みたいと言っても振られちゃうし。
恋人になっても犬とほぼ同列?扱い。

でもこのままうまくやっていくだろうと思われる二人でした。

4

犬好きさんなら、こちらはいかが?

ダメ犬を躾けます♪みたいなTV番組って、
気がついたら見入っちゃってた……という犬好きの方、多いんじゃないかしら?

あ~この犬はひどいわ~、これは飼い主が悪いわ~と、自分を棚に上げて笑ってみたり、
あ~~わかるわかる!と、思い切り感情移入してみたり。
で、最後まで目が離せなくなっちゃうw
こちらの本は、そんなテレビ番組を見るのと近い感覚で楽しめると思います☆

この本には、
誰に対しても狂ったように威嚇して吠えかかり、噛むことさえしていたパピヨンが、
ちゃんと愛される家庭犬になるまでが描かれています。
犬がメインですが、他にも動物が色々と登場します♪
というのも、この本の受けはペットシッターというお仕事をしているのです。

※ペットシッターとは:
 処分されてしまうのは、家庭で持て余されたペットであることが多いということで、
 世話ができなくなった人の代わりに、散歩や餌やりなどを請け負うお仕事。

ある程度お金はあっても、気持ちに余裕がなくなってペットと暮らせないという人、
残念ですが結構いるのかもしれないですね。
あとがきによると作者も、子犬を買って一緒に暮らしてみたら、
怪獣みたいな生き物でノイローゼ気味になり、それが元ネタとのこと。
(話にリアリティがあるわけです。ちなみに自分も経験アリ、犬飼ってぷちノイローゼw)


もちろん動物の話ばかりではなく、メインはあくまでもボーイズラプでございますw

人には関心がない、動物といるのが幸せな平和主義者なペットシッターの受けと、
現在はモデル、小中が同じ昔馴染みで、受けに執着し振り回す攻め。

最初は、攻めが自分勝手で暴力的で、なんて酷いタイプの人なんだ!と思いました。
しかも、最初はレイプまで……。
受けが結構淡々としているタイプなのと、犬の存在とで、悲壮感はあまりないのですが。
ところが読み進みていくと、
攻めの色んな面や過去が見えて、あれれ?そんなに最悪な奴じゃない??と。
そして最後まで読むと、
レイプされた受けより、レイプした攻めに同情し応援までしたくなる、不思議な現象がw
(多分わたしだけじゃないと思う…)

あまあまラブラブ~なCPとはちょっと違うのですが、
結局はずっと永く一緒にいそうなふたりに、ほのぼのとした温かさを感じました。
そして、結局は犬も人も、本質的に大事なことって同じなのかなぁと考えさせられたり。

犬が好きで、多少の痛いのはOKだよ~という方にお薦めの1冊です♪

10

対受け様だけにはガキのまま

気になる存在で好きだと自覚出来ない時は、独占欲から受け様の周りにいる輩を排除、
そして受け様に対するモヤモヤが暴力に繋がる。
好きだと言う事を認める事が出来ない思春期の葛藤と、家族への違和感、そんな思いが
全て受け様に向いていた学生時代。
まるっきりガキが好きな子を苛めて関心を惹きたい衝動そのもので、大人になっても
対、受け様相手だと、性懲りも無く繰り返してるダメ攻め様でした。

それに輪をかけているような受け様の人間に対する希薄した感情が攻め様を追い詰める。
淡々としすぎているし、他人への関心が希薄だから過去の出来事もスルーしちゃう。
こんな相手に惚れたらな絶対不安になってしまうだろうと思える受け様でした。
攻め様は相手への執着が激し過ぎてDVになってしまうタイプに見えるし。
受け様は、肉体的な怯えはあるけれど、それも時間が過ぎてしまえばあっさりスルー
しちゃう雰囲気があってかなり特異なタイプなんですよね。
攻め様が暴走しちゃうのも致し方ないなんて思えるから不思議。

同級生の再会もので、攻め様の長い片思いが一応叶っているラブなのですが、
受け様の性格のせいで、攻め様が思い描くようなラブラブには程遠い関係ですね。
書下ろし部分の攻め様の独白が長い苦悩を知る事が出来る内容で受け様無自覚で酷いかも
なんて思てしまうから不思議。
きっと攻め様が夢に描くような甘い関係には遠いけど、攻め様が妥協しながら、
受け様が自分基準の命一杯でこれからも一緒にいるんだろうなと思えるお話でした。

そして1番強烈だったのが、攻め様の別れた元妻っ!!ビックリ仰天しちゃうくらい
激しいやら最悪やら、一昔前のヤンキーかっ!?レディースかっ!?みたいなお方。
見た目は可愛いモデルさんなのに、やる事がえげつなさ過ぎで怖かった~~
これ程ハードな女性も珍しいと思いながら、対比の受け様が数倍可愛く感じます。

1

面白かった!

夜光さんの作品は発売日に必ず買う位好きなのですが、今回も面白かった!
受けは動物を愛する心優しい青年かと思いきや、人間には全く興味のない、ある意味非常に冷たい青年で、対する攻めはそんな彼をずっと思ってアプローチしてるが、全く気づかれない。その温度差がすごく面白い。
夜光さんはこういうちょっひねってきたのを出してきてくれるから大好きです♩
出てくるワンちゃんも可愛くて、犬好きな私はほっこり。
おすすめ!

2

犬と思えばwww

争いごとが嫌いで、のんびりした性格、学生時代”仏のキリシマン”と呼ばれ、銀行に入社したものの、胃を壊し退職。
両親の経営するペットシッター派遣会社に入り、動物と関わっていることが何よりも好きで人間にほとんど関心がない(多分自分にも)主人公・陽斗。
こんな彼が主人公なので、最後まで行ってもこれって恋愛かな?と思いつつ、
いや、彼は多少なりとも彼なりに最大MAXの愛情を示しているらしいので(爆笑)これでいいのか。。。
終わってみると、彼基準で彼の恋人になった椚は犬だと思って~シリアスなトラブルというか事件もありながら、全体を通して犬のしつけ物語だったのか?
一応、主人公も成長があるよね?
と確認したくなる、なんとも摩訶不思議なおはなしでした。

実家の会社でペットシッターをしている陽斗の元に小中と同級生だった椚から犬のシッター依頼が来る。
実は、昔椚は陽斗をいじめていたらしく(本人忘れてるw)幼馴染の前島獣医の回想は嫌な奴評価なものであるが、でも陽斗にとっては人のいないところでは優しかったとか、ほかの子にはいじめさせないとか、そういう思い出のある人物だ。
彼の家に行ってみると、ダックスと言われていたのにそれは、糞まみれのなにもない部屋でうなっている人間を怖がって威嚇しているパピヨンがいるのでした。
問題犬は扱えないと断ろうとするが、どうしてもと頼み込まれ、その日からその問題行動は会社に届け出ずに、パピヨンのしつけに通うようになる陽斗。
相変わらず、強引な椚だが、陽斗が椚が何をしているかも知らなかった事をしると急に押し倒してレイプされてしまう。
椚が怖くなる陽斗だが、それでもパピヨンのことがあり、椚も反省の態度を見せることから、再び付き合いが始まります。
そんな時、椚の別れた元妻というのが押しかけてきて・・・それに陽斗が巻き込まれてしまうのです。

陽斗がまったくもって人間に関心がない人なのが見事です!
なんだか低反発クッションのような人かなw
ひどい目にあっても、椚の態度もあるけれど犬の為という気持ちが優先もするからじわじわ~と回復するw
恋愛もしたこともなければ執着もしたこともないし、友人もほとんどいないっていうから、疎いこと、疎いこと!
椚の行動の元に何があるのか考えが及ばないんですよ~

そんな椚ですが、本当はすごーくわかりやすい人。
陽斗をイジメるのは自分だけ、なのに二人だけだと優しい=独占欲ですね♪
その後の再会シーンでもw
ちょっと情緒がなくて直情的だけど、根本は優しい人なんでは?
パピヨンも、虐待されていてかわいそうだから連れてきたという経緯。
とんでもない妻と結婚しちゃったけど、騙されたのもあるけれど突き放せなかった理由もあるし、
そして大人になってちゃんと、自分を切り替えることが出来て目上の人と必要な場所では丁寧な態度も取れるし、モデルの仕事についても食事とか身体の維持にきちんと気を使っている。
やればデキる子?
また、彼も大型ワンコなんですよねwww
陽斗に躾けられるというより、陽斗に好かれる為に努力をするという部分が、まったくもって犬なのでは?

作中内容に於いて、作者さんが最近犬を飼い初めて苦労したのでこの話ができあがった、
ような事がかいてありますが、そういったしつけ部分もなるほど~って思える部分もあると思います。
最後の【椚優治の独白】において、かれの気持ちが語られていますから本編がこれで補完されますね。
それにしても陽斗の性格がーーーーこれはこれでいいのよねwww

5

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP