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表題作蜜家族

鴛海勝将,43歳,同級生の父親で大企業会長
倉科暁生,父親に虐待されている高校2年生

同時収録作品蜜家族

鴛海康将,同級生
倉科暁生,父親に虐待されている高校2年生

同時収録作品にがい蜜

鴛海勝将,養父
鴛海暁生,養子

同時収録作品にがい蜜

鴛海康将,兄となった同級生
鴛海暁生,義弟

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

父の暴力に耐え、奨学金で学校に通う暁生。纏わり付く大企業の子息・康将に辟易していたが、倒れた時に助けられて友人となる。彼の父である勝将も優しく、理想の父を持つ康将が羨ましかった。ところが突然、暁生は父の不祥事の代償として勝将の養子となることに。寝室に軟禁されて、勝将から溢れんばかりの“愛情”を注がれる暁生。兄となった康将もまた、そんな姿を目にして……。

〈編集部より〉
義父と義兄の愛情に浸りきる、幸せな家族図がここに!?
WEB連載作ヶ大量の書き下ろしを加えエロスも倍増で、待望の文庫化!

作品情報

作品名
蜜家族
著者
宮緒葵 
イラスト
青山十三 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829625439
2.9

(81)

(17)

萌々

(14)

(16)

中立

(13)

趣味じゃない

(21)

レビュー数
20
得点
202
評価数
81
平均
2.9 / 5
神率
21%

レビュー投稿数20

倫理感なんて狂気で吹っ飛ばせ☆


ヤバい父親+ヤバい息子×いたいけな受け=歪な家族の完成~!

いや~~宮緒葵先生らしい狂った攻め達を前に、これだよ、これ~!と序盤でワクワクしました。

最初に登場する息子が俺様ツンデレで純愛系を思わせるのですが、次に登場した父親が、まぁ~~様子がおかしい。
紳士な顔して腹黒で、息子の友人を我が子にしたくて戦略を立てて強引に養子にしてしまうやばい攻めです。

対する息子は純愛…のはずなのに、この父親によって歪められてしまいます。
健気な受けがド淫乱になってしまったのも、常軌を逸した家族になってしまったのもすべてはこの父親のせいです。

実の父から虐待を受けていたり、その父親から解放されて幸せになれるかと養子になったら勝将にとんでもないことをされたり…。

この受け、とにかく父運が悪い。

受けも中盤では別人かと思うくらい「パパぁ」と猫なで声で話したり、とにかくいい意味で全員狂っているので、好き嫌いも分かれそうです。

あと個人的には康将の純愛ver.が見てみたかった…ッ!!
父に狂わされることのなかった二人のifのお話もすごく良かったんだろうなぁと読了後に妄想しています。

それから父の勝将もどちらかというと受けに全部の愛情が偏っているというよりは、息子二人を愛しています。
あくまで父という立場で最後まで二人を…という描写で、リバになってしまわないかソワソワしながら読みました。

そしてエロがかなり多めで二輪挿しあり。
エロが多すぎてストーリー重視の方はちょっと合わないかもしれません。

とはいえ、ここまでぶっ飛んだ人たちを書ける作者様は貴重です。

0

異常すぎる家族

作品によって印象変わるものだな。
同じ作者の「掌の檻」は楽しめましたがこちらとは相性悪かったみたいです。

庶民とお金持ちカプ…というのは本当に序盤だけです。
友達とその父親に性的な目で見られる可哀想な受け…かと思いきや初セックスで(薬を使われていたとはいえ)パパぁ♡キモチイイよぉ♡♡で萎え萎えでした(笑)
陥落早すぎだよぉ~(即堕ちよりじわじわ派)
心痛める暇なんてなかった。

受けに惹かれたわけはちまちま語られるのですが行動の凄まじさの割にその中身が薄すぎて感情移入できませんでした。
テレビつけたら番組がこれしか放送していなくて目にいれていたかんじ。


新しい父親から淫らな愛情を注がれ幼児化したんかとしか思えない受けの姿は今まで一度も得られなかった父の優しさ、家族の愛の形を知り己を守ることで精一杯だった殻が破れたゆえ…みたいな説明もありましたが別人が生まれてきたとしか思えないキャラ崩壊ぶりです。
家族になった途端のトロトロな甘え方には狂気すら感じました。

そもそも実父からの暴力などのシーンはあるものの受けの抱えた重さの割に心殴って来る書き込みではないので、変化に関しての感動もいまひとつなんですよね。
エッチのシーンは特に新鮮味なく同じ繰り返しでしんどかったです。

とんでもない話の割に文が淡々としていてそれっぽく進むので完全ギャグなノリでも読めないんですよね。


パパぁ♡だろうがおにいちゃん♡だろうがとにかく他はなんでもいいから二輪挿しと3Pが見たいんじゃいという方にはオススメできると思います。

2

何ですかこれは・・・

秀才だと・・・「パパ、お兄ちゃん」って何? 壊れた?
ともかくシュミじゃないですね途中で読むのやめました。

0

エロ満載

帯つきを購入したので、最初は気がつかなかったのですが、エロい表紙ですね…!

表題作と続編の中編2作品が収録されています。
主人公視点というより、3人ぞれぞれの視点で語られるので、それぞれの心情が分かるぶん迫力が増してます。

とにかく勝将(攻め1)がスゴイです。
息子の同級生である暁生(受け)に手を出してある意味壊してしまったのも、息子の勝将(攻め2)を試すのも、彼なりに二人を愛しているからだというのが心底怖いです。

レビューを書かれている皆さまと同様に、私も最初の自力で努力する暁生が好きだったので、壊されてしまったことは切なかったです。

ただ、魅力がある作品と言いますか…陵辱も3Pも苦手なのですが、妙に引き込まれて読み返してしまいました。エロがふんだんにあります。

今は勝将の掌の上で踊らされている康将ですが、執事の予言どおり勝将を追い越し、暁生を現在のいびつな関係から救い出すことができるかもしれないという含みのあるエンドも良かったです。勝将が洗脳したがんじがらめのエッチじゃなく自由奔放な愛あるエロになってほしいものです。
ただ、康将がアメリカの大学に行っている間、暁生もアメリカに行くのか、勝将の元に残されるのかが気になりました。

3P、セレブ親子攻め、鬼畜・強姦・媚薬がお好きな方にお勧めです。暁生が幼児化してしまうので、そういうのが苦手な方はご注意ください。

2

意地っ張り→庇護される者への変化

愛犬志願が面白かったので、作家買いしました。
冒頭ではツンツン気味で自分の足で踏ん張って生きてる感のあった受が
養父と義兄の尋常じゃない執着により
誰かに愛され守られないと生きて行けないような
愛玩動物になっていく様を見て
人間って弱い生き物というべきか順応性高いというべきか
と考えてしまい後味が悪い。
養父はサスペンスかホラー作品の登場人物でもいいくらいです。
怖いというかキモいというか気色悪さを演出してます。
これ義兄はどこかでこの異常な関係から醒めるんじゃないか・・・と
その時の親子3人を考えるとまたぞっとします。
怖いものが読みたい方にはおすすめです。

0

流れはいいけど・・・

エロエロで、流れも、まぁいいかなぁと思うのですが、
でも、受けの人格・キャラクターが最初の頃と変わりすぎなのがなぁ。なんとも。

おにいちゃんと呼び始めた時に、私の中で何かが崩れました。
奨学金のため学年10位以内の秀才だったんじゃないの?
優等生の頑張り屋さんだったんじゃないの?
「今は応用問題3のほうが怖い」・・あれ、秀逸だと思ったのになぁ。

ま、最後まで前半とは別物として、エロを楽しめて読めたのでよかったです。

0

怖いもの見たさ

初読み作家さんで、ここで一押しされてた方だったので購入したけど積み本となってたもの。
表紙。。。
レジでは気にもとめなかったけど…手が入ってる。
二人の手が受けの股間に。
気がつかずに家族ものに見えるかしらと油断していました。
内容がすごかった。
エロっていうのは中毒性をまして、麻痺させていくんだなぁと感心。
パラパラとめくって買っていたので、覚悟してはいたけど
気持ちとか理由とかどうでもいいところにあるエロって久しぶりだなぁと。
好きな人はものすごく好きだろうなぁ。
私は……文章は好きだし、受けの人格も言葉遣いも気にしなければ気にならないけど好きかと言われたら全くダメ。
多分、狂った家族。そんなものをみたい時には、この本を読み返すんだろうなぁと思いました。
ホラーって他の方も言われてたけど、怖いもの見たさですね。
評価が難しい。。。

1

何故に…

「掌の檻」が良かったので、過去作品の方も読み始めることに。
あらすじを読んで面白そうだったので、まずはこの作品から。

「お、ねがい、パパぁっ!暁生のココ、いい子いい子して…いっぱいミルク、出させてえぇ……」

結構、どんなシチュエーションの作品でも受け入れられると思っていたのに、暁生のこの台詞がきた途端、ガクッと項垂れてしまった。
何故にいきなり幼児言葉??
そして、一気に冷めていく自分がいた。

徐々に暁生の言葉遣いが変わっていくのだったら許せたと思う。
でも、今までそんな片鱗を見せたことがないのに、突然のこの仕打ちは…無理!
この台詞が来るまでは、結構いい感じに読めてたのに…
ごめんなさい。いきなりの幼児言葉は受け入れられなかった。


2

やはりホラー…

やっぱり、宮緒先生の作品はホラーが多いですね…。
この作品も強烈でした。

親子と、養子縁組によって家族になった男の子とのお話なのですが、
少々こじれつつも絶妙なバランスで上手くいっています…今のところは(笑)

何と言っても、養父の勝将が怖すぎました。
「執着攻め」改め、「粘着攻め」という感じです。
精神面を徹底的に追い詰めていくタイプで、早々に養子の暁生の自尊心を崩壊させます´д` ;

唯一救いとなるのが、勝将の息子の康将の存在でしょう。
この3人の中では、割と真っ当なので…

4

みなさんの仰る通り

レヴューを読んだのと答えて姐さんを見て読んだのですが暁生の性格が前半と後半で同一人物とは思えないほど変えられちゃいましたね。
私も皆さんが言うように前半の性格の方がよかったです。なんだか暁生が小学生ぐらいに見えて苦手なショタ系を読んでるみたいでした。
前半の暁生の性格のままがよかったです。
でも、いつもなら途中で読むのやめるんですが、この作品は、どんどんハマっていって、なにか用事をしてても早く続きが読みたいって考えてました。
勝将の暁生の性格を変えていくのは、本当見事でした。でもあともう少しだけ暁生の葛藤が読みたかったです。
康将は、心の隅でこういうのはいけないんじゃないかと思いながらも今の関係のままズルズルしてしまちゃってます。暁生を今の状態を助け出されるのは君しかできないんだよって思って読んでましたが、勝将からは絶対に逃げられないでしょうね。逃げたとしても、勝将は最初から知っていて裏で自分のおもうがままに康将たちを操っていそうな感じです。

4

あまり考えてはいけない気がする・・・(怖)

いや~これ、すごいですね!H度エロエロになってますが、これは変態評価でいいんじゃないか、と。
濃厚エロは大好物の私でさえ、ちょっと食傷気味になるほどの、・・・いやまぁすごい。

そして設定もものすごい。
「悪夢のように幸せな」のような三角関係。要は策士(魔女)とナイトとお姫様のあの構図で、さらに変態度あげてそれぞれのレベルを上げたような感じ。
今度は策士とナイトは親子、しかも姫を取り合うんじゃなく共有。。。

物語は受け様が養子縁組される前後でがらりと変わります。養子縁組後、私の頭の中ではわたなべあじあさんの絵で自動再生されていました。受け様の幼児退行&淫乱度が半端なくて、ピッタリくるのがそれしかなかったんです(苦)
この禁断っぷりと近親相姦は、わたなべあじあさんの「Honeycomb child」みたい、と思うと止まりませんでした。

お話はというと、前半がパパが受け様を見初めてから周到に手を回し籠絡したのちにこれでもかと監禁・調教。程よく仕上がったところで息子までも引きずり込み見事3P環境整えるまで。後半は、夏休みのバカンスという名目で受け様の調教の仕上がり具合をテストし、ついでに共有相手として息子の力量もテスト。・・・夏期講習みたいですな。
かわいそうに子供二人はなかなかパパンの手のひらから脱出できなさそうでした。受け様に至っては、可愛く愛されていさえすればいい、って人格まるで無視。そういうのがお嫌いな方は絶対無理だと思います。
ただでさえお母さんとは死別、お父さんには虐待され不憫な受け様なのに、変態パパに買われて養子縁組させられたうえ、実父はこれたぶんパパの差し金で絶命必至だし、逃げ道完全にふさがれてる(怖)しかも、そこそこ頭もよく自立したしっかりした子だったのがあそこまで幼児退行するなんていったい何をされたんだろう・・・。やばそうな薬も使ってたみたいだし、パパのやり方えげつなさすぎてドン引きです。
・・・まぁファンタジーなので。ファンタジーですよ。うん。(それにしても怖)

パパがあまりにも怖いので、だれも逆らえないよね。受け様救えそうなのはかろうじて息子だけど、何分器が違い過ぎて歯が立たないね。仕方ないね。とりあえず(怖いから)そっとしとこう。

そんな感じでした。宮緒さんのこっち方面、怖いw
い、犬のほうが好きだな、私は(汗)

4

甘過ぎる蜜は人に害があるか否か

宮緒さんの作風にはわたし合わないのかも…と思いながらも、イラストが素敵だったため購入いたしました。


受けの暁生は、父親に毟り取られ暴力を受けつつも、懸命に生きる高校生。

攻めは、同級生であり暁生に惹かれている康将と、康将の父親の勝将。
いわゆるセレブ親子です。


暁生に執着し、暁生の父親から買い受けるような形で彼を手に入れた勝将。
そして暁生を歪んだ愛情で支配・調教し、康将へも与えそのまま怒涛の3Pへ突入するえっち三昧のお話。

皆さんが書かれていた、「お兄ちゃぁん」だとか「パパぁ」だとか、あまり気にならない人間だとわたしは思っていたため読み始めたのですが、なんとも言えない気分にさせられました。
プレイ的なものでこういう言葉を言わされるのではなく、もう、暁生がぶっ壊れてて当たり前に言ってるあたりがまったく萌えられず、かえって冷めたという感じです。

とにかく暁生が前半と後半で、ここまで!?と驚愕するほど人が違う。
人格崩壊です。
あまりな幼児後退。
父親からは受けたことのない愛情を与えられ、それをなくすことを怯える暁生には、今まで父親の暴虐に耐え忍んだ強さは消えてしまいました。
環境が悪くともあれだけ頑張ってきた姿が書かれていただけに、それがひじょうに残念です。
それに、本来はそういう姿に康将は惹かれたと思っていたんだけどなあ。

後半はわたしは惰性で読んでいました(汗
もともと3Pものに興味の薄いわたしが手を出したのが、間違いでした。

5

なるほど、こういう展開だったのか。

皆さんのレビューを読んで気にはなっていたものの放置。
時間ができたのでやっと読破。

実の父親に虐待されてた暁生。
助けだされた同級生の父親に人格から変えられていくお話でした。
(もちろんエッチくね!)
そんな中、暁生の幼児退行での台詞「パパァ」や「お兄ちゃん」ですが
私はそんなに気にせず読んでいけましたね。
勝将の性格も、もっと凄いものを想像してたんですが範囲内でしたし。

はたから見たら歪な関係でも、
3人がそれぞれに幸せを手に入れてるようなお話に思えました。
何十年後、この3人の関係がどうなっているのか?
その辺が逆に気になるのですが…

2

ちょっとイタすぎないか!?主人公。

エロいです。エロエロです。
ひたすらやってます。喘いで我慢して白濁放出して褒められます。

だがしかしエロけりゃいいってもんじゃねえ!!!!

基本3Pなんですが、
つい最近まで同級生だった友達を急に「お兄ちゃん」と呼べちゃう感じ!
いくら父親的存在だからといって、その友達の父親を「パパあ」と呼んじゃう心境!
どんな不憫な背景があろうと、後半の幼児返りのインパクトが強すぎて
「!?」ってなりました。正直。
おいどうした、小1か!?ってくらい退化します。主人公のキャラが。
でもそれが満足なニューパパ、通称「ド変態」←

異常なまでの執着が混ぜ合わさって、異常な作品になってます。

エロシーンはごちそうさまだけど、素直に萌えられないので中立(´Д`)

2

3Pモノというにはあまりにホラー。

う~ん、なんつーか、宮緒葵先生、どうやら自分の趣味ベクトルとはことごとく合わないらしい。
筆力はあるんでしょうが、毎度、居心地の悪さを感じる。
準・近親相姦に3Pときたら、まあ自分のツボがダブルできたようなものですが
申し訳ないが萌えなかった。
もっとも近親相姦とか3Pでどストライクっていうのは、実は非常に難しい。
ちょっとしたズレが命取りになるのがこういう過激めな設定だから。

それはひとつには宮緒先生のトーンというのが、あまりに理路整然としていて
凄まじいリアリティに飛ぶわけでもなし、どうも観念的に感じてしまうわけですな。
ファンタジーというには無理があるし、心理小説というには壮絶さが中途半端
エロもすごくしたたる感じというわけでもなし、もちろんアマアマでもない。
ある意味、非常にBL的とも言えるかもしれませんが、うーーーん
どーーも、こういうのって生煮えな心理小説を読んでるみたいで、とっつきにくい。
ともすると、ネット小説でこういうのあるよなぁ、というタイプ。

3

これって

ホラー?

ホラーとかサイコサスペンス的な意味で楽しめばいいのかな?


エロ調教による人格改造物語。
でも、過去の虐待の痛みを、肉体の快楽で塗り替えられた暁生も、
初恋の相手を手に入れて、将来への覚悟が決まった康将も、
思う様肉欲を満たせる可愛い子供と、自分の後を任せるに足る後継者の両方を手に入れた勝将も、
みんな、とっても幸せそうだから、
ま、いいか。

みたいな。

それにしても、そろそろ宮緒さんの芸風を学習しようよ、私。
って、事で、迷いつつも「萌」ひとつ。

1

なんとも、まぁ・・・

凄い話でした。

「面白かった?面白くなかった?」そう感想を聞かれたら多分こう答えるかな、
うーん、凄かった!
・・・と。

既に詳しくレビューされている方々がおられますので、感じたことのみ書かせて頂きます。
皆さまも書かれてますが、エロエロでした。
内容が無いのかと言われるとそうでもないし、でもエロエロでした。
こんなエロエロなの久々に読んだなーこれに尽きます。

凄いなと感じた部分は、受けがぶっ壊れたことです。
精神的にどうこう(と言えなくもないが)というのではなく、別物に作り変えられたかのように、まるで人が変わってしまったこと。
出だしと最後とでは全くの別人です。
強く生きると、ひとりでもなんとかやる、やって来た受けが攻め父によって強制的ともいえる溺愛の中に落とされていく、初めは抵抗したものの敵の方が何枚も上手、絡め捕られあっという間に・・・

以前、どなたの作品か、タイトルも忘れてしまった(ショコラノベルだった筈)のですが、受けの事故による記憶喪失+一時的幼児退行という設定の盛り込まれた話を読んだ記憶があります。
体は大人、けれど精神は子供、表情はいとけなく信じる者は攻めだけ、甘えるのも懐くのも攻めだけ・・・という、これ非常に萌えました。
『蜜家族』を読んでいて真っ先に浮かんだのが昔読んだこの作品の受けです。
あの時の萌え再来か!?と思ったけれど、実際はそんなに可愛いものではなく、こちらの作品の方がドキツイものでした。
過度の性交と過度の溺愛によって「なんでも一人できる受け」が「愛されることしか甘えることしか出来ない受け」に様変わりさせられてしまった過程が凄かった。
言葉使いも行動も幼く、ほんと幼児退行してしまったかのよう。
いや、虐待された辛い幼児期を取り戻すための幼児退行ともとれるのか?
読んでいる間中私の中の『萌え』と『やり過ぎ』の狭間で針がぐらぐらしました。
イケル!、いやダメか!?
うーん・・・

攻め父がなんとも言えない人でした。
本当に、黒・黒・真っ黒!
受けのことを可愛がっているけれど、それは本当に本心からなの?という部分があった。
それは同時収録されている話を読んでいる時に感じたのだけど、ひょっとして息子を次のステージへ上げるためのカンフル剤のようなものとして、利用したのか?
うーん、底のしれないお父さんでした。
息子攻めは受けの初めては父親ということもあるのか、受けの中で優先順位が父親、自分、で低い。父親でなくもっと自分を見ろよ~と言う部分がヘタレっぽい。
そこ乗り越えなきゃだめでしょー!と思っていたら、後半で乗り越えようと頑張る部分がありました。
頑張れ息子!
が、当分あの父親の背中を乗り越えることは難しそう。

5

自分にはこの作品の推しポイントが分からない

読者それぞれ、いろんな好みがあるんだろうけど、この作品は自分が欲するものでは無かったというところです。
自分はエロエロが面倒とか言っていますが、決してダメではないんです。
萌えが堪能できるエロエロなら、そりゃ大好物ですよ!
それに犯罪や暴力も、話を面白くする要素として受け入れるのに、なんかなー、この作品に食指が動かなかった。
「パパァ・・・ン」がね、ダメだったのか?
「おにぃ・・ちゃ・・」・・・下卑てない?
(あじあ先生の受けキャラを思い浮かべた。こっちは全然平気なんだけど)

橘には、変身前の暁生の方が断然好きなキャラだったんです。
鴛海父子だってその暁生が好みだったはずなのに。
欲しかったら、洗脳や調教しなくたって手に入るよ、暁生の環境だったらさ。
なのに何で「くるくるパー」(差別用語だったらすみません)にしちゃったんだろうっていうのが、素朴な疑問です。
でも、鴛海勝将は一般常識は通じないからね、庶民で凡人の橘に分からんのは仕方ないことなんでしょうね。

康将の、父・勝将への反骨や常識に期待できる部分があったので「中立」で。

4

ワンコ(もしくは猫)を作り上げる蛇

宮緒作品といえば、激しい執着ものがほとんどだが、今回は「悪夢のように幸せな」に感じた蛇を大蛇にしたような、執着ももちろんなんだけど調教の様を呈し、人格を作り上げる、いや、洗脳?マインドコントロール?してしまう凄腕な奴が登場いたしました!
評価的に、多分この内容はブラックがあまりに濃いのでかなり好き嫌いの好みが分かれるでしょう。
自分的には、多少くどさを感じる面もあり、またWeb掲載小説に続編ということで、幾分かこの腹黒さに頼った展開があり、後追いしている部分を感じられなくもない、という構成の面でのアレ?な部分が目につくものの、それを圧倒する勢いが物語にあり、引き込まれることは確かなのです。
そしてイラストが青山十三さんなのもこんなエロエロに!?という以外もあって、注目してしまいます。

母親が自分を生んで亡くなってしまったことを理由に子供を虐待する父親を持つ倉科暁生。
彼は自分の面倒はすべて自分で見る、そのために頑張っている学生ですが、条件が合うために奨学生とした入学した高校は資産家の婦女子が集まる学校で、彼はただ勉学とバイトにいそしみ他と付き合うことは全くしてきませんでした。
そんな彼に2年のクラス変えで興味を持って近づいてきたのは、オシウミホールディングスの何もかもを兼ね持つ生徒・康将でした。
相手にしなくても、彼はなぜか気になるんだと暁生にまとわりつき、そんな彼がユニークだと暁生も手製のおにぎりを分けたりもした矢先、彼は父親の暴力と疲労によりダウンしてしまいます。
彼が気になった康将は、彼の家まで行き彼を保護します。
それから親しい付き合いが始まるのですが、暁生が惹かれたのは、力強く優しい理想の父親の存在たる、康将の父・勝将でした。
家に運び込まれた時に見せた暁生の涙を見た勝将は着々と、暁生を手に入れる準備をしていたのでした。

この勝将はなぜに暁生を手に入れたいと思ったのか?
精一杯虚勢を張って、張りつめてそれが限界まで来たときに見せた、庇護せざるを得ない欲求を掻き立てる存在
彼の意のままに仕立て上げる人形?ペット?
息子を変えた存在に対する興味と何か他に意図が?
とりあえず、この表題の話の中では、とにかく勝将が優しい顔を隠した蛇で、とてもしたたかで周到で腹黒で、食えない人物とだけしか読み取ることができません。
暁生は、それまで大人にならなければならずに親から与えられなかった愛情を、しかも溺愛という形で、体も含め作り変えられてしまったのです。
多分、そこが一番の見どころとして描かれているのでしょう。
それは、まるで幼児帰りです。
何日たったのか、時間もわからないほど監禁され、教え込まれ、でもふと外の世界にまだ逃げたい気持ちを持っている彼が完全に、勝将の手に落ちるのは、息子の康将を引き入れたときです。
こうして初めて、暁生の変化は完成したのです。

[にがい蜜]は、その後の夏休みの話で、試練編のような展開となりました。
夏休みを過ごす鎌倉の別荘に、康将の母方の伯父がやってきて、暁生をゆさぶり、そして陥れようとする。
そんな出来事を通して、康将が父親の付属でなく兄として、恋人として暁生に認識される、康将も自分の立場の認識を新たにして、父親の跡継ぎとして成長していく、
みたいなお話になっておりました。

勝将のキャラクターがトンデモ設定といえば設定だ。
彼を全くの正義として疑いもせずに絶対的な服従をする周囲の者たち。そのカリスマ性はいったいなぜに?
もっと彼のことが知りたいとおもわなくもないが、話自体がこの設定ありきなので、実は知りたいと思わないほうがいいのかもしれないwww
そしてタイトルにワンコを作り上げると書いたが、作中で親子は暁生をニャンコだの猫だのと呼んでいるが、どうみても愛玩犬を作り上げたような気がしてならない。
愛情をいっぱい注がれて、何不自由なく甘やかされて、服従して逆らわず、打たれ弱くすぐ泣いて、赤ん坊のような幼児のような、愛を注ぐものだけをまっすぐ見つめる、そしてすぐ腹を出すワンコ・・・
康将も、ある意味ワンコテイストをかもしていたのだが、彼はどちらかというと番犬タイプだった。
そして後半の話で彼は牙をむいて、龍の片鱗を見せたようなきがする。
暁生の特別な愛情を得て彼は父親のような大蛇になるのだろうか?それとも大蛇を超えた龍になるのだろうか?
小龍が大蛇に牙をむく、もしくは飲み込む姿を見てみたいようなきがする♪

6

パパっお兄ちゃん、もっと~~~~!!

エロ増量抽入してる3Pものなのですが、エロも濃いけど人間も怖いです。
それも攻め様の一人のパパ上様がヤクザなんて屁でもないくらい凄まじい怖いさ。
大企業の会長で帝王だけど、その上に闇とかブラックって冠が付いてそうな感じ。
そして受け様の180度人間性が変わってしまったのでは?なんて思えるくらいの
愛情のエロ調教で、本来受け様が背負っているトラウマ的な武装した殻を破り倒して
可愛い幼子にでもなってしまったかのように受けキャラが変わってしまう、ホントお見事。
それ故にこの手の作品は好き嫌いが出る予感もするのですが、私はこの執着系や、
一般には考えられないような犯罪の匂いまでする作品は好きです。

始めはセレブ高校の同級生同士の学園での出来事から始まって、もう一人の攻め様で、
大企業の御曹司の康将と苦学生で、家庭に問題がある受け様とのラブから始まり、
オレ様系の康将が受け様にワンコ状態でまとわりつく内容かと思えば、確かに康将は
受け様が気になって一目ぼれ状態ですが、受け様はツンツンしていて、相手にしてない。
自分の為に母親が亡くなったと父親に責められ暴力を振るわれ、バイト代を取られる。
そして、ぶられた後に動けなくなり風邪まで引いた受け様を助けてくれたのが康将くん。

お金が無いから病院にはいけないと言い張る受け様を自宅で看病して、そこで康将の
父親の勝将と出会い、理想の父親像を見出し憧れる。
単なる三角関係かと思ったらそれも大違い、受け様を一目で気に入った勝将は、
受け様を手に入れる為に、受け様の実父を罠にかけ、受け様を買い受ける感じで
手に入れ、息子の気持ちを知りながらも、受け様を部屋に監禁して調教しまくる。
でも、このお父様、かなり綿密に細部にわたって色々考えているのですよ。
決して息子を愛していない訳でもないけれど、妻との離婚も原因で、息子と距離がある。
そこに、受け様登場で、思わぬ形で新しい家族のありかたを作りあげる。

始めは受け様が可哀想かもなんて思ったけれど、ものすごく荒療治だけれど、
実父とのトラウマなんて、攻め様二人の愛と快感にかかったら些細な感じかも。
WEB連載作に、にがい蜜の書下ろしを付けて更に濃厚なエロ愛を堪能させてくれる作品。

9

この作品が収納されている本棚

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