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かわい先生のレアな?ファンタジー。
作者様的にはアラブ世界のイメージらしいのですが、個人的なビジュアルイメージ的には、なんとなく「DUNE-砂の惑星-」でした。文明の格差で支配をするものとされるもの、未来的なものと歴史的な雰囲気が混在しているっていうエモいSF感はとても好みでした。ファンタジー苦手なんですけど、これはとても佳き…。葛西先生のイラストも純度高すぎラブにぴったり!!後半は尊さが涙腺にガンガンささって、2回読んで2回泣きましたw
大国の名門貴族の長子として生まれながら先天的な欠陥のために疎外され孤独に生きてきた美しい執政官カレルと、貧しいけれど武勇を誇るアラヤ族出身の剣闘士ユーリスの年の差、格差ラブでした。
ユーリスの左目の横の刺青設定が萌え。一人前になったときに、右側にも入れるものを、カレルが”蛮習だ”といってやめさせ自分のもとに引き取るのが二人の出会いなのですが、他人に無関心な執政官が職務を逸脱するレベルで、少年の存在に心惹かれていたということは後々わかってきます。自分から他人に関わっていくことを知らないから、ユーリスの想いに戸惑いながら、自分の好意や執着に無自覚…。
格差ということで愛情表現がとても間接的になるんですけど、それがむしろ萌え。ふたりの何気ない日常が尊すぎ…ただただ傍にいることの大切さ!!そこに静かに流れる愛や穏やかな幸福感がじんわりと伝わってきます。
執政官主催の剣闘士の大会でユーリスが優勝するエピは、もうその一連の場面が!!愛の告白そのもののように見えてしまって、攻めの健気さと一途に悶えました。指輪の件とか、普通設定だったら”重っ”ってなるかもしれないんですがw、この物語では涙腺に響いてきます。
後半は急展開があって切なさが止まらん!のですが、その切なさが物語の美しさをいっそう引き立てていました。”銀色の雫”ってこれで、都ってあれのことか~!!とお耽美好きにはたまらない設定回収もあって、読後の余韻がなかなかおさまらなかったです。
今レビューを書いているのが出版されてから約8年前なんですね・・・
出版から時間が経っているにもかかわらず、色褪せることなくとても素敵な作品でした。
こちらの作品、個人的に大好きなファンタジー作品です。
表紙もイラストもとても美麗ですね・・・
どうやら電子はイラストがないサイトもあるみたいですので、どうにかして紙の本を手に入れて読んで欲しいな・・・と思います。
葛西リカコ先生の描かれる儚く美しいイラストはずっと見ていられます。
以下、重大ネタバレ含みます。
読んでいると中盤でなんとなく分かってきてしまうのですが、ネタバレは避けて読んだ方が楽しく読めるかと思います。
まず、受け様であるカレルについて。
なんといっても表紙からビジュアルが最高です。
この作品を読むと片眼鏡の虜になるに違いありません!(私の偏見)
そして、素敵な布多めの衣装に、美しい銀髪。
個人的好みがもりもりでした。
ありがとうございます。
キャラクター(性格)は侯爵の長子であるだけあって、美しい言葉に美しい所作で貴族らしい威厳を感じさせます。
でも心根はとっても優しくて、素敵な方なんです。
想いを伝えるのが下手で、でもそこがまた愛らしくって。
なんてかわいいんだろう・・・
そして、病気を患っていることもあり、余命はそう長くはありませんでした。
性交をすれば寿命を確実に縮めることになる、そう分かっていながら攻めさんの想いに自分も応えたいと、攻めさんのお部屋に訪れるんですね。
あ~・・・もうここ、、、好き。
カレルの最後の場面では自分のみっともない姿をユーリスに見せたくないと、最後の強がりを見せます。
こんな強がりが彼らしい最後だったなと思います。
私は普段、攻めさんか受けさんが亡くなる作品はあまり読みたくないのですが、この作品は最終的に再び二人が幸せになるというエンドだったので読めました。
(途中、とんでもなくつらい目を見ましたが・・・笑)
次に攻めさんのユーリスについて。
最初から最後までずっと(特に最後の場面では)カレルのことを尊敬し、大切にしていたという印象です。
今まで読んできたBLのなかでも5本の指に入る「静かに、でも激しく恋人を愛した」攻めだと感じました。
カレルの強がりを受け入れ、(というか、この人はこういう人なんだろうなと思っているんだと思います)いつも彼と大事に大事に接する様子はぐっときました。
そして、カレルが亡くなった後も、「みっともない姿をみられたくない」という彼の思いを尊重しています。
とっても素敵な攻めさんでした。
先ほどから「亡くなる」なんて物騒なことを書いていますが、終わり方はハッピーエンドですので!
安心して読んでいただければと思います。
レビューを書いているといつもまとまりのない文章になってしまいます・・・
最後に、この物語に出会えて良かった。
ひかりは挿絵がないです。本当はあるよね?大変残念。
◾️ユーリス(表紙右上)×カレル(表紙左)
静かで綺麗な話でした。海外の古典作品というか大人の御伽噺というか、そんな。
6割ぐらいまで波風なく淡々としていましたが、そういう作品だったんだな、という納得感。べったりするシーンはほぼなく、その点もそういう作品だったんだな、と腑に落ちて、むしろ好き。ユーリスとカレルの2人の間にしか築けない他にない関係性を読むことができた。
かわい先生の作品は「蒼穹の絆」「透過性恋愛装置」既読で、セクシーな作品が書けないからこういう方向性なのではないって分かってるからより良かった。
老けない容姿、胚を残している…などのSF設定は、2人が幸せに生きるために作られた舞台だな〜と冷静になったものの大人の御伽噺的ロマンチックさには、いいよね。
世界観のとてもきちんとしたファンタジーで、種族の違いによるふたりの寿命の問題などもあり、切なくてきれいなお話。
世界観がしっかりしているのはいいんだけど、説明的過ぎて、肝心のふたりの心情にうまく入り込めなかった。もっと言うと、お互いを大切に思う気持ちがいつ恋愛になったのかを読み取ることができなかった。
カレルというキャラクターの生き方、恋愛に対するスタンスのせいなのだろうけど、全体的に非常に淡々としていて、熱量が低い感じ…。敢えて重苦しいムードを避けたのだろうけど、亡くなる場面もなんだかさらっとしていて…、悲しいのは苦手だけど、どうせならもっとドラマチックさが欲しかったかなあ。
ラストもめでたしめでたし、な風に終わってるけど、蘇ったカレルは病気はどうなっているの? 寿命が長いなら、今度はユーリスが先に亡くなってしまって、カレルが1人遺されるってことはないの? それともうまいこと同じくらいのタイミングで、天寿を全うできるのかしら。最後までモヤモヤとしたものが残ってしまい、なんだか萌えそびれた。
かわい先生を読むのは久しぶり。
BL小説を読み始めたころに何冊か読み、合わないと感じたので、それから避けてきましたが、萩尾望都が好きなら読んで、と友人から勧められて読了。
あとがきで、かわい先生も萩尾望都の「マージナル」をあげていましたが、そちらとはさほど・・・むしろ、クローンを題材にした「A-A'」? これはパクリというより、リスペクト? かわい先生も萩尾望都が好きなのね、と感じました。そして、やはり自分の好みとは合わないと再確認。