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表題作あさってのジジョウ

平津 ボクサー
小田 ボクシングジムに通う自動車メカニック

その他の収録作品

  • あのあとのジョウジ
  • カバー下表紙1【表】~カバー下表紙4【裏】:作品デッサン集

あらすじ

ボクサーの平津は所属するジムに通ってくる小田が気になってしかたない。
人を殴ることができない小田がひたすらサンドバッグに怒りをぶつけているからだ。
ある日、ジムの会長から平津に至上命令がくだる。
「小田が殴りたくなるくらい嫌われろ」──と。
いやいや、小田に嫌われるのは無理! オレあいつちょっと好きなんで!
ホットな男とクールな男がくりひろげるやっかいな恋の物語☆

作品情報

作品名
あさってのジジョウ
著者
京山あつき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
ISBN
9784813030195
4

(44)

(17)

萌々

(13)

(11)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
173
評価数
44
平均
4 / 5
神率
38.6%

レビュー投稿数12

ぶつかり合って、自分を理解する

 小田の人を寄せ付けない雰囲気や、小田のリアクションによって喜怒哀楽が大きく左右される平津がリアルだなぁと思いました。あくまで職場でのストレス、怒りを発散しにジムに通っている小田は、クールなわけじゃないけれど近寄りがたく、平津がちょっと気を許してもらえたかも?と思っても、本人はいつもあっさり帰ってしまう。

 商業BLばかり読んでいるとだんだん感覚が麻痺してしまいますが、実際の大人の男性同士の関係性なんてこんなものでしょう。職場での自分を知らないのにそこに口を出されたら苛つくのも分かるし、一方で、親切心で言ったことを勢いよく跳ね除けられるのも腹が立ちますよね。そんな2人のすれ違いにはBLファンタジー要素が一切なく、京山先生の人間観察力の高さを感じました。平津が告白してから小田も恋愛的好意を感じるまでに時間がかかるところも、安直な展開ではなかったですね。個人的に萌えはあまり感じられませんでしたが、小田がもっと甘えるようになったりするのかなと想像の余地もある終わり方でした。

0

ボクシングと人間関係のたとえが◎

平津が小田のことを好きで、ずっと平津目線でしたね。
前半は平津が小田の距離を縮めるところを、心の声たっぷりに描かれていて。正直少し長いかなと思いましたがw

後半は、意外にも小田から「つき合ってみます?」との言葉があり、会えない時期はありましたが、サクサク進んだように思います。

小田が怒りを発散するためサンドバッグを殴るだけで、返りが怖いから人を殴らない、というのは人間関係を表していますよね。

他にも、ボクシングと人間関係を絡ませた、なるほどという描写が多く、おもしろかったです。

小田が先輩を殴った場面は、人に向き合えるようになる、ということでもあったのかなと解釈しました。

全体的に萌え場面が少なく、最後あっさり終わったなと思いましたが、平津が小田にメロメロなところは萌えでした。
描き下ろしも、萌えを補填して下さっていてよかったです。

0

ゴミ捨て場の

京山先生作品はショタ・スポーツ・変態の傾向がある。変態ってジャンルもどうかと思うけど。

◾︎平津(ボクサー)×小田(整備工場勤務) ボクシングジム仲間
平津の顔が、故意か意図せずか力石っぽく見えることがあります。あし◯のジョー、あさってのジジョウ

夜10時に変態のお客様のところに行く漫画も好きですが、京山先生の作品はそうじゃないよね笑
勝手に好きになって、期待して、思い通りにならなかったら嫌いになって、でもほんのちょっとの事でまた浮かれて、平津の恋愛が、地味なのに地味だからこそ面白い。これぞ京山先生です。

殴ったり殴られたりの世界で生きる男が思う「君が好きです」「嫌われたら死ぬ」…熱い。正直、平津がボクシングに仕事としてもう少し真面目に向き合ってる感じだとより好みでした。

小田のことはイケメンと設定づけているけれど、決して儚げないい子にしていないところも好きです。どこか捻くれていて、不器用で、でも電話のシーンや描き下ろしのよくしゃべる小田を見ると、可愛いって思われるのがわかる。

つなぎはけしからん※カバー裏より
萌〜萌2

0

ボクサーの無骨さ、不器用さがいい

「明日のジョー」にひっかけた「あさってのジジョウ」とは、なんとも上手いネーミング。

仕事ので生じた怒りをひたすらサンドバッグを打つ事によって解消している青年・小田とそれを傍らに眺めながら恋しちゃっている青年ボクサー平津のお話。

ジムの会長はボクサーの平津に対して、小田がサンドバック相手じゃなくて、リングに上がらせて人間相手に打ち合えるようにしろ、そのためにはお前(平津)が小田に嫌われて、あいつ殴りてぇと思われる程度に嫌われろ!と命令を下すんですけど、まずそこで躓いた・・・。

え?なんでサンドバッグ相手じゃダメなの?趣味なんでしょ?
ていうか、そもそも何故ボクシングって人間を殴るの?ボクシングの原動力ってなに?

今までボクシングのBL漫画って他作家さんの「gift」みたいにボクサーとトレーナーみたいな構図でしか読んだ事がなくて、それだとトレーナー通じてボクサーに感情移入しやすいのでボクシングについて何も考えなくても済んだんだけど、この漫画は、サンドバッグではなくて人に向かって来い!リングに上がって来い!とボクサーが青年に誘うお話なので、何故、会長とボクサーの平津が人間相手にそれ程拘るのかが少々理解しづらかったです。

それで色々、ボクシング 魅力 みたいなキーワードで検索したんだけどノーベル文学賞を受賞された方が分厚い本を書いている程、奥深いものらしくてちょいっと齧った程度では理解出来そうになかった・・・。

でも私の場合、難しい事を考えちゃいましたけど、そこに拘らず読めると思います。
ボクシングに絡めて自分の事を見てもらいたい、恋も進展させたいと思っている訳です。
小田がサンドバッグオンリーで人間を殴れない理由は、殴るとこっちに向かって来るから。返りが怖くて手が出ない。(サンドバッグを叩くのもボクシングの一種かと思ったんだけど、それはボクシングとは言わないようであくまで人間相手じゃないとボクシングとは言わないらしい。)平津はなんとかして人間相手にボクシングをするため小田をリングへ上らせたいと思っている。

「シャドウやらない?」とか聞いてつれない返事にガックリしているその姿とか可愛い。
平津なりに何とか頑張って小出しに恋のジャブ効かせているつもりなんだけど、相手にはちっとも響いておらず・・・。そしてびびる。恋に関して腰が引けちゃっていて、リングに上がれない、小田の返りが怖くて手が出せない・・・。

この青年ボクサー平津が男くさくて実直で無骨な感じでスマートじゃないところがいい。その不器用な距離の縮め方とか、訥々とした様子がなんだか読んでてガンバレ!って応援したくなってくる。
告白したときに震えているところや、抱き返す事ができず固まってしまっているところ、キスしたかったけど嫌われたら死ぬと思ってそのままじっと抱きついているところ、何とも彼らしくていい。

それに対して小田の背後から突然のほっぺチュは反則です!これは効くわー。
それと書き下ろしの「オレにはヒラツさんがいるから」と言う小田の言葉、自分を好きでいてくれる人の存在が支えになる、自信になるっていうところがいいなぁ。

描写が細かいので、とにかく先へ、先へと進めて読んでしまうせっかちな私は一度目では読み落としたところもあって、テンポを落として読み直した二度目、三度目でじわじわと心にきました。

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのが、こちらの作品。

あとがきで小田を「魔性」だと作者さんは書かれていたけど、私には魔性というほど惹かれるものが感じられなかったのと、レビュー冒頭のボクシング論について少しもやもやした点が残るので神ではなく、萌萌にしましたが、読み返すたびに味わいが出て来る作品だと思いました。

教えてくださり本当にありがとうございました。

0

可愛さ余って憎さ…

平津(攻め)にしろ、
小田(受け)の職場の先輩にしても、
小田に対して感じたのがこの感情だったのでは。

見た目は良いけど、
どこか無愛想で、
人との関わり方が上手でなさそうな小田は、
構いたくなるキャラです。

でも誰だって、人に見えている部分は
自分のすべてではなくて、一部分であって。
それなのに、わかったような顔をされて、
あーしたらいい、こーしたらいいと言われて腹が立つ。

小田にしてみたら、
人の価値観を押し付けられて、
「オレのようになれ」は
ホント苦手でうっとうしい訳です。

平津が、小田の先輩みたいにならなかったのは、
先輩の所業を目の当たりにして気づけたからでした。
自分の思いを分析して正せる平津はすごい。

平津や小田の心境やその変化が、
ボクシングと絡めて、
わかりやすく表現されていたし、
人へ向ける感情に共感できる部分が
たくさんありました。

ゆっくり進む二人の恋愛ジジョウは、
噛めば噛むほど味が出るような、
スルメのようだと思いました。

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