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愁堂れなさんの作品は、シリーズものや、いわゆる「火サス」系の2時間ドラマな作品が安定していて好きだったんですが、この作品は全く違う作風で、びっくりしました。
清水は監禁されて快楽に溺れさせられるという体験をする。
その体験は、攻めである「鈴木と言っていた男」からの受けた関係。
だけれども、清水が日々抵抗から順応していくまでと、解放されてからの気持ちの不安定さ。
それが不穏な中で育っていく「鈴木と言っていた男」への恋情なのか、、、、
体調を壊し、心療内科を訪ねた時の担当医が何とその男で。
清水が転勤で大阪に住み出してからは上司にも同僚にも恵まれて普通の暮らしをしていける環境にあったのに、それでも忘れたくなかった男に向かってしまったシーンは切なくもあり、ここでちゃんと思いを吐き出さないと!って心配しちゃいました。
最後は、「鈴木と言っていた男」とドイツに渡るというハッピーエンド、ですよね、多分。その後の清水はちょっと心配でもありますが、彼らなりの幸せになってくれてるといいな。
これはネタバレなしで読まないと、もったいないと思います。
※以下、ネタバレを含みますご注意ください。
謎だらけの美形攻め×平凡受け。
登場人物の明記が分かりにくいと思いますが攻めも受けも同じ人物です。
攻めは受けと出会って即監禁。
調査と言って様子見の監禁。
攻めの鈴木が一体何者変わらないまま、前半はほぼエロ。
読み手の私も受けも訳が分からないまま愛情もなくたただヤッてる。
そして急に消えたと思ったら一年後に偶然にも再会。
ここでも会話するより先にヤッてます。
受けはすでに依存状態で始終、受けの事を考えています。
二度目の再会でも攻めの正体が分からず、諦めようとした一年半後にまた登場。またヤッてる。
最初の強姦まがいなものと正体を知られたくないからと目隠しされたもの以外は特殊なプレイもなく、とにかくエロは質より量でした。
2013年発刊からか、作者さんと合わないのか文が少し読みにくかったです。
一つの文節に「僕」が三回も入ってたり、たまに難しい言い回しや「否、それは~」といった、キャラにあっていなくて違和感がありました。
なかなか感情移入ができなくて、携帯小説っぽい印象を受けました。
ただ、ラストが良かったです。
このラストのために、わざと淡々とした文面にしているのだったら天才だと思います。
作者が某奇妙な番組を意識して作ったと言われて納得。
確かに不思議で後味がゾワッとするようなラストは面白かったです。
じわじわヤンデレっぽさがあるというよりは、いきなりバーン!と攻めの思惑が分かります。
私は前者が好きなので、今回はあまりヒットしませんでした。
イラストも別作品で読んでいる方なのですが、私はこちらの画風の方が断然タイプです。
「中立」の理由は、当て馬にされた受けの事を好きな上司が可哀想で仕方なかったからです。
とにかく受けに優しくて紳士で、付き合えると知った時は少年のように嬉しがったのにシャワー浴びている間に受けが鈴木会いたさに逃げて…。
鈴木より登場回数が遥かに多く、すごくいい人だっただけに上司のことを考えるとあまりにも可哀想で辛い…。
中盤はほとんど上司との絡みで、仕事の面でもプライベートでも受けを支えてくれたのに、思わせぶりな受けに散々振り回された男のよう。
上司が攻めの秘密を突き止めたのに結局、受けは仕事を辞めて攻めと一緒にラブラブでドイツへ…。
…上司、もう怒ってもいいと思う。
引き続き監禁ものをちょこちょこ読んでいるのですが、これは謎多き監禁!
10年以上ぶりに再会した同級生。
しかし攻めは自分を記憶していたことに驚き、受けは唐突に監禁される。
食事を与えられつつも、することといえば体を重ねるばかり。
その中で呟かれる『洗脳』などという不穏な言葉。
挿絵効果でミステリアスな空気もアップ!(攻めが黒魔術師か何かと言われても信じそうだった)
攻めは好意を伝えてくるが、そもそもお前は何者なんじゃい!という一風変わったお話です。
攻めはもはや人間じゃないと言われても受け入れられそうな謎さが楽しかった。
この話はどこに着地するんだという気持ちでスイスイ読み進めました。
セックスシーンもそんなに長くなく、場面が程良く分割されているので読みやすいです。
しかし残念ながら、スッキリするような種明かしはされません。
だからこそ奥行きがうまれているのもまた事実で…。
どこからどこまでが本当で、現実なのか。
まるで靄がかかったような空気感はよく出ていたと思います。
個人的には、攻めが受けに好意をもった理由にもっとパンチをきかせてほしかったですけども、なかなか出会いにくい奇妙なお話で純粋に面白かったです。
謎すぎても成立していた監禁部分…実に興味深かった。
b-boyスラッシュノベルズとしては2013年刊だが、巻末の初出一覧によると、『純愛』『忘却』は2002~2003年頃に愁堂さんの個人サイトにて掲載されていた話との事だ。
読み進めながら謎を追っていく展開の話が好きなので読んでみたのだけど…
う~ん…
読んだ直後は、受け・清水のエロ堕ちに期待したかったのか、攻めの正体を知りたかったのか、監禁されていた10日間の謎を追いたかったのか、何を目当てに読んでいたのだろうって頭の中で焦点が定まらなかった。
一体何に操られているのかって戸惑う清水に感情移入できなかったってのも要因だろうなとも思うが…
しかし、読度すぐにはピンとこなかったが、後になって何となくじわじわくるものはあるかな。
もしかしたら、主人公の清水が『一人占めしたくなるような独占欲』を煽るような色気滴る男だったならば、このような目に遭ってしまうってのも納得いったかも知れない。
攻め視点中心で清水に夢中で仕方がないって様子が読めたならば、もっとこの話に嵌っていた気がする。
謎かけ要素がある場合は、あれこれ推理して的外れになるよりはと話の流れに身を任せて読み進めていく、
とは言いながらも、此処は一つ、見当違いかも知れないが自分の考えも記しておこうかなと思う。
・二人が知り合ったきっかけについてはネタばれ伏せだが、清水の心を雁字搦めにするって攻めの目論見は成功してると思う。
・普通の恋愛の過程を踏もうとすると好きになってもらえない恐れがあるだろうし、両想いになっても心変わりして離れていく事だってありえるのを危惧して、ここまで手の込んだ手段を取ったのだろうか?
攻めについては謎も多いままだが、もしかして彼は相手に向けては酷く憶病なのかも知れない…なんて感じたのだった。
私は最後にモヤモヤ残るのがあまり好きではありません。だから、今回のこの終わり方にもモヤモヤしてましたが、最後の作者さまのあとがきに納得&モヤモヤ解消しました。
今回こちらは監禁モノとのことで、気になったことが1つ。
監禁されていた部屋にトイレはあったのかなと。
その描写がなかったので、そのことが気になって気になって。
まあ、フィクションなんで、そこまでリアリティ求めてもダメなんですが、気になりました。
このような話はあまり読まないので、楽しく読みました。