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赦されない関係ゆえに追いつめられていくふたりは!?
本屋でたまたま目に付き、兄弟モノ大好き!なので買いました。
後で知りましたが、これは続編だったのですね。
でも最後まで続きモノだとは気が付かずに読み切りとして読めました。
兄弟モノが大好きなので、これの前に「堕ちる花」シリーズを読んでいましたが、巻数を重ねるごとに兄弟モノの醍醐味から大きく逸れて行って、私が嫌いなジャンルSMとか恥辱色が濃くなっていきガッカリしました。
でもこの「神花異聞」は2作品目なのに最後まで禁忌とか秘密が薄れず良かったです。
ところで夜行花さんに限らずBL作家さん、それと他のジャンルのエロありは読まないので知らないのですが、もしかしてエロいシーンを書く作家さんの殆ど多くが露出プレイが好きなんですかね?
「見られちゃう!」「聞かれちゃう!」とかいうのがエロシーンの定番で出てきますが。
私はそういうのが大嫌いなのでことのほか違和感を感じるのかもしれません。
本人たちはそれで盛り上がるのかもしれませんが、強制的にそんなモン見せられたり聞かされたりしたら、私はケーサツに速攻公然わいせつで通報するか、「キモッ!粗末なモン見ちゃった!サイテー!」と聞こえるように言うし、壁を殴りまくるかドアを蹴りまくるか、不動産屋に苦情を入れる。
他人の生々しい下半身行為なんか知りたくないです。
お互いのプライベートタイムは尊重しましょうよ。
どうしても見せたかったり聞かせたかったりしたら同じ趣味の人同士でやってください。
一般人への強制参加は罪に問われます。(私が問います)
「鬼花異聞」続編です。
読み終わっての感想は「異色だった〜…!」の一言に尽きる感じです。
「ファンタジー系」の括りになるのだと思いますが、単純に妖怪ものとも言えず、なんというか非常に土俗的というか、フォークロア、村の言い伝えと現代が地続きのような世界観というか…
「鬼花異聞」に引き続き、弟との禁断の肉体関係が柱にはなっています。
本作では、幼馴染の洋平に衛との関係がバレる展開。
同時に、より怪異のモノたちが泰正に近しくて、山で妖狐の子狐を託されたり(里では犬に変身する)。この辺りは、もうBLというより民話を読む感じで楽しむのがいいような気がします。
中盤にはお山のヒトならざるものの世界で、自分の居場所、家族への想い、衛への想いを再確認する泰正の姿。
そして前作にも出てきた編集者の長峰の力を借りてまたこちらの世界に戻り、衛も家族もお山も全て大切だというほのぼの的なラストへ…………
と思いきや!の最終章。
泰正のモノローグが来て、物語の色が一変しました…ゾクゾクゾク〜っ
オチとかそういうのとは別に民話の怪異譚としての薄暗さがきて、この作品の異色さが際立ちました。
相変わらず病んでる弟攻めですが、今回はプラス幼馴染みや村民も病んでおります。
そのせいか弟が少しまともに(笑
序章はその幼馴染み、洋介の一人称です。
本編自体は三人称受け視点。
『鬼花異聞』の続きとなります。
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前作同様に、受けは26歳の泰正。
神童と言われていた7歳の頃神隠しにあい、その後知能や思考が子供並みに。
攻めは泰正の弟、衛25歳。
作家となり東京で一人暮らしをしていて、泰正を偏愛しています。
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前巻で体の関係を持ったふたりでしたが、当たり前ですが衛は心までも求め、泰正は肉親としての愛おしさはあってもそれ以上はないという状態でした。
この曖昧な関係を続けているところに、先の幼馴染みが波乱を起こします。
神隠しにあってから、異界の者と関わるようになった泰正。
この原因というか理由が今回書かれていて、しっかり二冊でまとめられていました。
泰正が行き過ぎなほど家族というものに必死になっていたのも、理解できましたし。
あることが原因で泰正は家を出て山へ帰ってしまうのですが、その後の家族の焦燥とやり切れない思いが伝わって、涙を誘いました。
気になったのは、泰正が衛たちの元へ戻るために狐が力を貸すのですが、この狐、泰正を村から連れ出そうとした衛に牙をむいたことがあったんですよね。
そんな狐が人間の世界へ積極的に泰正を返すものなの?というのがね。
泰正に世話になった恩返しみたいなもの?
村から出ないなら良いのよというスタンスなのでしょうか。
泰正の言動は色々ヘンテコではありますご、全体的にシリアス風味のこの作品。
なので、衛の誕生日プレゼントとして泰正がプレゼントを、考える序盤は可愛かった!
選んだものは消耗品のアレですが、わたしはコンドーム選んじゃったかと思ってました(笑
最終巻である次作は、サブキャラ(と言っても今作では重要なキーパーソン)として登場していた長峰ですね。
この長峰は、泰正とは根本的な力は違うものの、色々なものが見える人。
そんな異質な力を持つにも関わらず常識人で、わたしはこのシリーズでも一番好きなので、嬉しいですねえ。
兄弟の花シリーズ(ラブ度?は本編の方が高いですかね、重いですが)のスピンオフ作品ではありますが、今作と前作の二冊は独立しているとも言えるのでこれだけ読んでも大丈夫です。
本編の『堕ちる花』の三部作は重いので読む人を選びますが、こちらはそれよりは読みやすいと思います。
やはり読み進むにつれ、面白くなりました。ゆっくりとお話が転がり始めるので、それまでは忍耐。転がりだしたら存分に楽しむ作品だと思いました。
もともと好きなのもあって、ファンタジー設定がツボにはまり、途中からはラブそっちのけになりました。受けがものすごーく変わったキャラで、言葉尻もどこかおかしいし最後まで不思議ちゃんだったのに、だんだん可愛くなってくるから不思議。周りの人たちに愛されるのも分かる気がしてきました。
異世界のパートは昔話や百鬼夜行抄、夏目友人帳、雨柳堂奇譚などを思い出してほのぼのとなごみました。
鬼沢村の兄弟とは反対に、なごやかなラストだったのは鬼と神との対比のためでしょうか。萌え度としては鬼沢兄弟に軍配ですが、神谷兄弟(というか兄)もなかなかだったと思います。
BLとしての萌えはどうしても兄のキャラで打ち砕かれてしまい(笑)今一つだったんですが、ほのぼの好きだし兄が可愛かったので評価は萌えです。
次の主人公となる長峰がすごくいい人でした。長峰読みたさに次も読んでしまうと思います。
受け様が突き抜けたセリフを言うたびにシリアスムードから一気に力抜けたぞ。
BL的にはイマイチでしたが、愉快な妖怪の仲間たちや、家族愛、受け様の言動が意表をついて面白かったぞ。
脇キャラの峰っちも良かったけど、私はようちゃんが好きだぞ。
東京でいい人見つけて幸せになってほしいぞ。
じいちゃんも良かったぞ。受け様と二人で合い言葉作ってるとか!笑っちゃったぞ!