ボタンを押すと即立ち読みできます!
タイトルが「優等生」でなく「優・等・生」がミソです。読み進めるにつれ、登場人物の誰が優等生なのか…悩む作品でした(笑)プロローグで大まかな顛末が出てきますが、そこに至るまでの過程が想像ができない展開でした。なかなか読後感があり、最後まで読んで涙が溢れました。
表紙から見るとsweetな学園LOVEものに見えますが、五百香先生らしく、普通では終わらない話でした。大好きな先輩と恋が成就して幸せなはずの主人公の良に暗い陰をおとす元寮の同室の結城という存在。読み進めるにつれ??の部分が多くなり、やがて読者も二人の関係性を誤解をしていた事に気づきます。
このくらいの年の子にはアリなのか、当事者間でしか理解できない世界があって。二人の共通項は人知れず闇を抱えている部分と汚れのない世界(光)を求める潔癖性。共感しつつも同族嫌悪もあり、かなり複雑な関係性。それは恋人ですら踏み込めない領域で、、。
同調性に引きずられる怖さと結城という存在が妙にリアル感があり不気味で恐ろしかったです。良の好きな先輩の匳は過去の女性関係が生々しくて余りBL萌えは無かったです。そこに重きは置かれていないと思います。
一見明るく見える人でも闇を抱えている事もあり、人の内面は計り知れなく、人と深く関わる事の難しさを感じます。寮生活ってランダムに同室者が決められるので、同室ガチャってあるんだなーと思いました。
現代人は只でさえストレスフルな社会生活に晒されているし、狭い密室内での人間関係が余計に難しそう。
初期の頃の作品なので、荒削りの部分のある作品でしたが、心に残るストーリーでした。磁石の同じ極同士は引き離される方がいいんだね。。
そう実感する話でした。
あとがきにあるように、初期に書かれた作品のようで、最初は少しもってまわったような書き方が気になります。
男子校の寮が舞台。先輩が好きだけどいいだせず、乙女チックな良が主人公。イケメンでモテモテの先輩は女子と付き合ったりしている。が、良の気持ちに気付き、あまり本気でなかった他校のマドンナと別れ、くっつくまでの話。
最初良の同室だった結城は、プレッシャーのため精神を病んでおり、良のストーカーと化している。このブラックな感じは作者さんの個性。
かわいい、と思う先輩の気持ちに寄り添えれば面白いのだと思いますが、良がやや乙女過ぎてあまり萌えられなかった。
思春期特有の「誰もわかってくれない」を盛大に拗らせてしまった感じの作品でした。
正直なところ趣味じゃない作品です。ですが、「萌」評価にしました…
それは、攻めでもなく受けでもない、受けのルームメイトである結城があまりにも不気味で怪異なキャラが緻密に表現されていたから。結城のような頭のネジが10本がぐらい外れてしまったような第三者キャラが出てくると地味に刺さるのです。あと、受けの良のブチ切れシーンなどもすごく良かったです。
コバコ(攻)の愛情がもう少し分かりやすければ神評価となっていたかもしれません。
暴力シーンがあるので、苦手な方は要注意作品です。
電子書籍版を購入。
表題作の「優・等・生」とその後の二人を描いた「ホントの願い」、番外編ペーパーの「優等生のお買い物」が収録されています。
挿し絵あり、あとがきあり。
「神」評価です。
ぐっと、胸にきました。
でも、BLとはちょっと違うかな。
よくあるBLの萌えは、この作品からは感じることは出来ませんでした。
なんというか、青春小説を読んだ後のような読後感。
とにかく、青い。
青すぎる!
今となっては、なんでそんな小さなことに悩まされていたのか、首をかしげるような、そんな遠い昔の感覚がくすぐられます。
思春期特有のぐるぐると堂々巡りで、閉塞感あふれる雰囲気。
それが、とてつもなく良かった。
皆さん、レビューされていますが、受けと攻めのラブな話じゃないのです。
受けの良と、ルームメイトの結城の成長物語なのです。
まるで、攻めが当て馬……。
あ、そうか、だから萌えなかったんだ。
でも、とっても心に残る素敵なお話でした。
96年に発行された作品の文庫版です。
まさかそんな前の物だとは思わず、ただたんに寮もの大好きなために手にとったものだったので、ひじょうに驚きました。
読んでる間も、違和感なかったですし。
受けは、明るく誰からも好かれる美術部員の良。
先輩(コバコ)へ報われない片想いを続けます。
寮生活をしており、ルームメイトは同級生の結城。
攻めは美術部の先輩、コバコ(スマホで漢字が見つからず)。
良にひかれてはいるものの、校外の女子とつきあったりと交友関係は派手。
結城が部屋で良に対して、言葉と体の暴力を毎日毎日繰り返します。
それに対して良は誰かに相談するでなく、自分ひとりで抱え込み、それがいつしか良自身も壊していくという感じのお話。
表紙の可愛らしさとは、まったく真逆の作品です。
『結城の暴力→良、傷つく→コバコ、優しく抱擁』といったセオリー通りではありません。
良もこういうシュチュエーションでよくいるメソメソ傷ついて泣いちゃうような女々しさがなく、コバコもただの甘やかしというキャラでない為でしょうか。
結城の所業に対して、とうとう切れた良はそれはかなりのものでした。
手がつけられません。
この子も壊れ始めてるなという感じです。
コバコと良が通じ合った後も、結城からの執拗なストーキング行為(盗聴など)は続き、それらへの対応を見ても良がおかしいなと感じられます。
なんと言いますか、良とコバコのラブストーリーという色はかなり薄く、結城と良の壊れた精神色が濃く、読み進めるのがかなり苦痛でした。
話の序章部分が良の入院シーンから始まるのは、ひじょうに先を気になる仕様でうまいです。
五百香さんの作品はまだこちらしか読んでいませんが、昔の作品なのにこれかあと、驚きました。
他の作品を読むのが楽しみです。