海とヘビースモーカー

umi to heavy smorker

重度烟瘾者与海的约定

海とヘビースモーカー
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神31
  • 萌×230
  • 萌10
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
23
得点
305
評価数
74
平均
4.2 / 5
神率
41.9%
作画
峰島なわこ 

作家さんの新作発表
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原作
榎田尤利 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784799714034

あらすじ

榎田尤利が峰島なわことのコラボのために書き下ろした“海”シリーズが遂にコミックス化。
海がある町を舞台としたドラマティック長編作品、甘く苦く心に染みいる全3編。描き下ろし有り。

重病を告知された男が再会するかつての最愛の恋人とは…「海とヘビースモーカー」
新進気鋭バレエダンサーと冴えないバツイチ男のキセキの出会い「海と王子様」
故郷に戻りたくても戻れない男を救う幼なじみの10年愛「蜜柑の海」

榎田尤利ショート小説「海とヘビースモーカー」と「海と王子様」の後日譚を収録。

表題作海とヘビースモーカー

畠、プレイ肺癌を告知された男
和久井、大学時代の恋人

同時収録作品海と王子様

風間アンリ 自殺志願の王子様 26歳
田端 左遷された信金職員 46歳

同時収録作品蜜柑の海 前・中・後編

晃司 腐れ縁の幼なじみで農協職員 
継巳 上京して8年の地方出身者 

その他の収録作品

  • 開幕ベルが鳴る前に
  • 彼を待ちながら
  • 蜜柑の海 そのごのはなし(描き下ろし)

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数23

人を切なくさせる一方で、元気付けてもくれる海

◆海とヘビースモーカー(表題作)
 表題作でありがなら他の2作品よりも短かったのですが、冒頭で素晴らしい余韻を残してくれた作品でした。悲恋ものかと淡々と読み進めていたのですが、終盤でそう来たか!と唸らされましたね。畠が子供に素っ気なく接していた分、思わぬ展開が切なさを煽ります。人はいつ死ぬか分からないから後悔しないように毎日を生きたいけれど、本当に難しいんだよなぁと改めて胸に突き刺さります。最初から分かっていれば畠は子供にもっと違う接し方をしていたはず。そして、きっと和久井には昔も今も畠を責める気持ちは微塵もないんだろう、ということも分かるからより一層後悔が募る。呆気ない終わり方、でもこういう作品が私は好きです。

◆蜜柑の海
 受けの継巳が学生だった頃結構酷い目に遭っているんですが、狭い田舎で女性も多くない地域であれば、そう珍しい話でもないのかなぁと思いました。それで同性に目覚める子もいれば、重いトラウマになってしまう子もいる。どちらにしろあってはならないこと、大人は許してはならないこと。途中まで継巳がトラウマを抱えているようには見えなかったので驚きましたが、過去が明らかになってから、攻めの晃司がしっかりと継巳を支えてくれて、最後は継巳自身にトラウマの元凶を懲らしめさせたのはとても良かったですね。意外とこういう展開って少ないんじゃないかな。田舎に帰るのを嫌がっていた継巳が、何もかもを包んでくれる海に再び目を向けられるようになったのが嬉しかったです。

0

海が全てを包み込んでくれる

重い話なのかな?と敬遠していましたが、
やっぱり読んでみようと思い立って手に取りました。
海のある街を舞台に繰り広げられる3つの物語。
それぞれの登場人物たちのそれぞれの物語と結末があります。

なかでも印象深かったのが、
表題作【海とヘビースモーカー】なので、
こちらの作品を紹介させていただきます。

「海があるっていうことは、全てがあるってことなんだ。」

そう言ったのは畠のかつての恋人・和久井でした。
20年前に傷つけあって別れた恋人は、
故郷で結婚して子どもを作り、亡くなったそうです。
そして、今、畠も和久井と同じ癌を宣告されているのです。

20年間ずっと忘れられなかった和久井を思い、
ついに和久井の故郷の海へと降り立つ畠。
和久井を思いながらも会いに来られなかったことから、
畠が意地っ張りで、
和久井に対して罪悪感を持っていることが分かります。

そして、駅には和久井そっくりの女の子が!
その子に導かれ和久井家を訪れる畠は、
和久井の家で一枚の写真を見つけ、
泣き崩れるのです…

運命のいたずらか、和久井と同じ病になる畠に、
女の子は病気は治るというのです。
本当?と思いながら読んでいましたが、
最後にはきっと本当なんだろうと思いました。

現実とファンタジーが入り混じる本作、
短編ながらも深く心に残る作品です。
ハッピーエンド?バッドエンド?
それは読み手が決めることだと思います。
ただ、畠には幸せになってほしい…
それだけは切に願わずにはいられません。



0

海の気配に満ちた三つの作品

中身をすっかり忘れた状態での再読だったけど、こんなに沁みるお話ばかりだったっけ…と新鮮な気持ちで読めました。
三つのお話が収録されていて、どれも海がテーマになっています。
作品全体を通して海という大きなもので包まれているような不思議な穏やかさを感じます。

【海とヘビースモーカー】
癌宣告をされた男が、大学四年間付き合った亡き恋人の故郷を20年ぶりに訪ねる話。
「いつか一緒に故郷の海を見よう」という約束をしつつも、喧嘩別れをし、その後、元恋人は病でこの世を去ってしまいます。
永遠に叶わぬ願いだったはずが、このような形で叶えられるとは……と思わず涙腺を刺激されてしまうのだけど、死ネタが絡んでいるにも関わらずじめっとした湿っぽさがないのは、心地よい潮風が軽やかに舞う気配が作品に満ちているからかもしれません。

【海と王子様】
「海と王子様」というタイトルですが、「海とおじさん」というタイトルだと途中まで勘違いしていました……。
というのも、26歳の王子様然としたバレエダンサーと、46歳のしがないおっさんという組み合わせだから。
通常では交差することもないような二人がある奇特な出会いをするのですが、おじさんには是非幸せになっていただきたい。
「王子様にもキスが必要なときがあるの!」とキスをねだるダンサーがかわいい。

そして海を背にダンサーが大きな跳躍を決めるシーンの美しいことといったら!
このコミックスはコミカライズではなく、榎田尤利さんが峰島なわこさんとのコラボのために書き下ろした作品なのですが、この跳躍シーンは神々しいほどの美しさで漫画ならではの魅力・絵の力というものを感じました。

【蜜柑の海】前編&中編&後編
東京で暮らす受けの元へ、10年ぶりに田舎から幼馴染がやってきて……。
故郷へ帰るつもりはないと言っているけど、故郷を捨てたというよりも酷い出来事のせいで逃げるしかなかった受けの過去が何とも辛い。

「俺たちの海を取り返す」という言葉が印象的です。
太陽の輝きが詰まったような蜜柑、そして蜜柑畑から見下ろす瀬戸内海のきらめき、とろりと黄金色に染まった海のイメージが脳内に自然と広がります。
いつでも海はここにあるんだよ、ここで君が帰ってくるのを待っていたよ、そんな海のとっぷりとした懐の深さを感じました。

0

なわこ先生の絵で榎田先生節

榎田先生のお話がコミックだとどうなるんだろうと気になっていたのですが、ようやく手に取れました。最初読んだ時、ある部分がイタくて読めなくなったのですが、気を落ち着けて再読。榎田先生のお話に、なわこ先生の絵がプラスされて破壊力満点。パンチあるのに、都昆布のようなじわーと味もあるという奇跡の一冊でした。三作目に地雷と思われる箇所(無理やり系)があるのでご注意ください。

榎田先生のSSも加わって一番泣いたのは1作目。人生思う通りにはいかない。後悔先に立たず、人生やり直しはきかない。といった感じのお話で、ええ歳したおばはんなため、めちゃ心に沁みました。若い方には是非是非読んで、悔いのないようにしてほしいなと思います。人間関係もだけど、大事な身体面、がん検診も受けようね。

一番好きなのは、2作目。傷ついたバレエ王子と新橋にいそうなおっさん(笑)のお話。榎田先生のバレエ愛をなわこ先生の絵で見事に見せていただいて、感激です。絵ではグラン・ジュテ、最後にある榎田先生のSSの方ではジュテ・アントルラセ。王子がいつまでも輝いて心のままに踊れることを願います♡嬉しい気持ちをバレエで表せるなんて、やっぱバレエの神様に取りつかれてるのだ。

一番キツカッタのが3作目。キツすぎて書けない。頑張ればいつか無くしたと思っていたものでも取り戻せるというお話なのかな。でもキツかった・・・・その分、黒わんこのような晃司の想いに救われましたが。これから少しずつ人生取り戻していけるとよいです。頑張ろう、継巳。わんこが一緒にいるさ。

1

海辺の情景 3編

榎田先生がストーリー、峰島先生がコミックのコラボ作品です。240ページ超えで分厚く、読み応えがありました☆
表題作の「海とヘビースモーカー」は、肺癌を宣告された男、畠が過去の恋人である和久井の、故郷の海辺の町を訪ねる話。
ケンカ別れした和久井は故郷で結婚し、子供もできましたがもう亡くなっています。
後悔と未練を引き摺る畠が出会うのは、子供時代の和久井という、少し不思議で切ない読後感でした。
次の「海の王子様」は、榎田先生のバレエ好きが滲み出てますね。
左遷されて海辺の支店に飛ばされた中年の田端と、踊れなくなった王子様の年の差ラブ。二十歳差です。
王子様のバレエダンサー、風間アンリが浜辺で踊っている場面がとても綺麗でした。
「蜜柑の海」が、前・中・後と続いて一番長く、読み応えがあったお話です。
幼馴染みの晃司と継巳。二人は海を見下ろす蜜柑畑に囲まれて育ちましたが、継巳は東京に出ていて、晃司は蜜柑を作ってます。
逞しい晃司がカッコイイ!
帰らない決心をしている継巳にも、親戚に暴行された故の事情があって、切ない感じです。
じいちゃんの葬儀でそいつをぶん殴るところが、スッキリするクライマックスでした。
以上、3編は皆どちらかが彼女がいたり、結婚していたり(離婚)するわけですが、そこがリアルな感じで色気があったかな。とはいっても男女のドロドロはないので、ご安心を。
ストーリーと絵が合っている、心に残る一冊でした。

2

海とは・・・

表紙に惹かれて購入しました。
3作品収録されています。その全てがアタリでした!
「海とヘビースモーカー」は嘗ての恋人(故人)を20年ぶりに訪ねる話。
「海と王子様」は入水に失敗したイケメンを拾う中年男の話。
「蜜柑の海」はトラウマ持ちの幼馴染同士の話でした。
漫画の順番で読むと「蜜柑の海」が最後になるので記憶に残るのですが、巻末にある榎田さんの後日譚小説を読むと、また「海と王子様」や「海とヘビースモーカー」の印象が強くなって、最初からもう一度読み返したくなるんです。
海を絡めて描かれた作品たち、何度読み返しても深いなぁと唸ってしまいます。
海って人によって持っているイメージが異なると思うんです。私なんかは波荒れる日本海のイメージなのですが、この作品は全てを包み込む大海原、母なる海、っていう感じですかね。
畠にとっての和久井、アンリにとっての田端、継巳にとっての晃司が海、なのかも。
すごく素敵な一冊です。オススメです。

1

じんわりBL

ホロリ系(?) 榎田尤利さんの良さが現れたストーリーで、本の雰囲気は表紙の印象そのままです。
峰島なわこさんは初体験の私でしたが、お話にあった絵で随所に素敵な表現がありました。

ただ、あともう少し、主要男性キャラの描き方がキレイであってほしい(苦笑)  全般に表紙より絵が落ちる気がしたので…
一番気になったのは表題作の主役の現在の顔…、
やさぐれ気味でやつれてても、そこはBL!
若い時分をしのばせる若干の疲れた色っぽさとか加えてほしいです。
漫画1コマ目~数ページの絵だけ見てたら買わなかったかも;;

超ハンサム設定のバレエ王子も、もう1段美しく描いてくれたら、他のキャラとのギャップに納得できる気がします。

2

海は優しく包み込む

タイトルと画に惹かれました。原作ありきのコミカライズ作品。海をモチーフにした三作品が収録されています。こういう作品に出会うとホッとする。

多分画なしの文章だけで読んでも、コミックとして読んでもそれぞれに持ち味が出ていて二度おいしい作品に仕上がっているのではないでしょうか。巻末に表題作の描き下ろしペーパーと、「海と王子様」のその後が原作者さんの文章で収録されています。メディア横断はあまり好まないのですが、原作者の方の小説を読んでみたくなった、大変上質な物語でした。(「蜜柑の海」はコミックでの後日談が収録。)

どの作品も、人生の途上で躓きを経験している男達にスポットライトを当てた切なすぎる物語。そして海。海が持つ癒しの力を、予めテーマに掲げながらこれほどさりげなく表現するのはなかなか難しかったのではないでしょうか。柔らかく細い線で描かれた絵柄も相まって、「人間」ってヤツが抱えている突如消え入りそうな儚さが繊細に描かれており、読後は心洗われるような気持になります。ドロドロした感情が生まれそうになった時やネガティブになりそうな時、こっそり読んでます。

※原作ありきと記しましたが、正しくはコラボのための描き下ろし、です。訂正して、お詫び申し上げます。

5

海と恋人たち

■【海とヘビースモーカー】
昔、けんか別れした男が死に、
遅くなったけれどお焼香に行く主人公。
その男は妻子があり、
幸せに生涯を送ったようであった。
主人公はけんか別れした事を謝りたかったが、
遅すぎたように思われたが…?
ファンタジーを挟んだ切ない話で、
少し目頭が熱くなりました。

■【海と王子様】
海で自殺しかけていた王子様を拾ったさえないメガネリーマンのお話。
二十六歳の王子と四十六歳のリーマン。
年の差カップルでした。
ちなみに王子は本当は王子ではかったです。
さえないリーマンって言ったらなんだけど、
こういう誠実な人が一番だと思う。
きゃっきゃっしてる時が過ぎたら、
最後にはこういう人と一緒の方が幸せですわね。

■【柑橘の海 前中後編】
幼馴染カップルの話。
攻めさんがずっと受けさんに片想いしていたのですが、
ある事情から受けさんに想いを打ち明けられずにいました。

受けさんが10代の頃、まだ故郷の田舎にいた時。
従兄からレイプをされていました。
攻めさんはその場面を見ていたのですが、
まだ非力な子供だったため受けさんを助けることができなかった。
それだけじゃなく、その場面を見て以来、
攻めさんは受けさんを想像して自慰をするようになってしまいます。
そんな自分を嫌悪し、受けさんを好きだと想う気持ちを封印します。
トラウマを抱えている受けさんを想うがために。

そして、おじいちゃんが死んだので田舎に帰ってきた時、
例の従兄が現れて…?

大人になってからトラウマを打ち破り、
そして始まりだす二人の恋が、
切なくもくすぐったい、キュンとするお話でした。

1

寄せてはかえす海のように…

失ったもの、得たもの。

『海があるってことは…』
表題作のラストページのモノローグにすべてが集約されている気がします。

榎田尤利さんが峰島なわこさんとのコラボのために書き下ろした作品だそうです。
海をモチーフした3作品、榎田さんによる後日談SSが巻末に収録されています。

どの作品も攻様が受様をすごく好きなのが伝わってくる、すれ違いやトラウマ含みの切ない展開でした。

【海とヘビースモーカー】
ガンを患った畠は昔の恋人和久井(故人)の故郷を訪ねます。
彼らはかつて好きという想いだけではどうする事もできなかった苦い別れを経験しています。
和久井の愛していた故郷にふれながら畠は若さゆえに結論を急いだ己の不器用な恋愛を振り返り、和久井を愛し続けていたことを再認識します。
過ぎ去った時間、輝いていたふたりの日々という取り戻せないものに直面し初めて嗚咽します。
悲しすぎて思い出したくもない出来事も忘れてしまった方が楽なのかもしれない出来事が20年経って畠を穏やかに包みます。

後日談は和久井目線の小説。
彼が畠と別れたあとに幸せだったこと、恋情とは変わってしまったかもしれないけれど、それでも畠を待ち続けてがわかって、そこに泣けてしまいました。
【泣けるBL】で読んだ当時は死にネタかぁ…と泣けませんでしたが、読み込むと泣けてきます。

【海と王子様】
膝を故障したダンサー:アンリと左遷された中年リーマン:田端(バツイチ)。
田端は海で死のうとしていた美しい青年を拾って自宅に連れ帰りますがダンサーの彼は膝を壊してしまったことに絶望して自殺を繰り返そうとします。

そんな彼を田端が怒鳴りつける場面がすごく好きです。
おとなしげな田端が胸のうちに抱える不満や悲しみや諸々を自分の不幸でいっぱいいっぱいなアンリにぶつける→アンリ目が覚める→アンリ田端に惚れるの図式はまさにお伽話。
童話でもワガママなお姫様が王子によって目覚める~って展開ありますよね。
狭い世界で走り続けていた『王子』が自分の知らない世界を知ります。
やるせなさを享受して生きる田端の強さ(本人自覚なしなのがいい)にアンリが惹かれたのはわかる気がします。

さえない46才が美貌の26才に押し倒されアワアワしながらも流される姿が良かったです。
海でアンリが見せるカブリオレや吹っ切れたあとのジュテの美しさにほわん、となりました!

後日談がこれまた良かった!
舞台に復帰したアンリが田端にチケットを贈るんですが、来てくれるかどうか不安で何度も何度も自分の躍りを確認したり(王子様なのにw)舞台袖から客席を覗けずソワソワしてる姿(王子様なのにw)を同僚目線で追っています。
アンリと客席の田端の落ちつかない風情がすごく可愛らしいです!
田端と知り合ってアンリの躍りはますます深いものになるのでしょう。

【蜜柑の海】
祖父との優しい思い出が刻まれた郷愁漂う、この話がいちばん長く読みごたえもあって好きです。
離れて暮らす幼馴染み同士の再会もの。

故郷を離れ独りで暮らす継巳は研修で上京してきた晃司を泊めることに。
大好きな故郷へ帰るに帰れないワケを誰にも言えず抱えている継巳ですが晃司に東京案内しているうちに怪しげな店に入ってしまい、それがもとでトラウマの原因となった出来事を夢で見てしまいます。
さらに継巳の理解者であった祖父の訃報が重なり、8年ぶりに晃司と故郷へ向かいます。

継巳から故郷を遠ざけていた理由が明らかになる中編から後編にかけて、継巳だけでなく晃司の苦悩も明かされます。
そして継 巳へ向けていた想いも。

継巳の痛みを見たときにスイッチが入った継巳への欲望が罪悪感へとすり変わる流れは思春期そのものです。
あの頃、彼らは幼く逃げることしかできなかったけれど今は向き合うことができる…と諸悪の根源をぶっとばし継巳は自分の故郷を取り戻します。
継巳の両親が思慮深く慈愛に満ちた人で良かった。

口数の少なそうな晃司が長きにわたる想いの丈を口にし涙を溢しながら継巳を抱く場面はふたりとも幸せになってほしくて涙が出てしまいました。
『おかえり』と言ってくれる晃司の胸こそが継巳の海であり故郷です。

唯一、後日談が漫画でした。
これも小説で読みたかったなぁ。

‐‐‐‐‐

【海と王子様】の後日談に書かれている一説に『バーレッスンの動きはごく地味だ。けれど、優れたダンサーのポテンシャルはそれだけで滲み出る。』とありましたが、それをそのまま、この作品に捧げたい。
一見、地味に見える画風も展開も秀作だと思える一作でした。




7

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