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僕と君のミドリとドリル

boku to kimi no midori to drill

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表題作僕と君のミドリとドリル

文具・駄菓子店の店主で恋人 奥村海(?)
幼馴染で恋人の私塾講師 樟一(?) 

その他の収録作品

  • 僕と君と家の中
  • 僕と君のアイミスユー
  • 僕と君の冬と春
  • 僕は君と恋物語
  • オマケ「そんなトコも好き」

あらすじ

カタブツ三十路(塾講師)×大人甘えっ子(幼なじみ)

私塾の先生・樟一と近所に住む海は、幼なじみで恋人同士。
もっとイチャイチャしたいのに
真面目でカタブツな樟一はつれない態度で、ちょっと拗ね気味な海。   
あるとき、樟一が急に見合いをすることになってしまって――…?

ちいさく積み重ねた「好き」が「愛しさ」に育つ、
田舎町でのスローライフラブ

描き下ろし収録!

作品情報

作品名
僕と君のミドリとドリル
著者
イシノアヤ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396783426
4

(78)

(29)

萌々

(29)

(15)

中立

(5)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
19
得点
311
評価数
78
平均
4 / 5
神率
37.2%

レビュー投稿数19

相手の行動に甘え過ぎずにね

 イシノ先生らしい、既に出来上がっているカップルの日常が淡々と描かれていく作品でした。とても日本人らしいというか、片方が甘えたでもう片方は割と塩対応みたいな関係性が、異性カップル同性カップルに関係なく一番多いんじゃないかなという気がします。いつでも樟一大好きオーラを纏う海と、鬱陶しそうな表情をすることが多い樟一。そんな樟一がたまにデレてくれると萌えますよね。攻め受けは会話で匂わせる程度でしたが、私は樟一が受けの方が嬉しいかも。個人的にはちょっと糖度不足でしたが、リアルさを感じられる2人でした。

0

まったり日常と痴話喧嘩w

やっぱり絵がいいですね。
デジタルっぽくはあるけれども。
扉絵はどれも最高だし、全コマいい。

お話は、お付き合いしている2人のまったり日常と痴話喧嘩を見せられた感じw

地方の日常が私にはそれほど楽しそうには見えず(椿シリーズはそれはそれは楽しそうだった)これこそ日常よね、と。

カイはショウちゃん大好きで、欠乏症になっちゃうくらいなのに、ショウちゃんは辛気臭いというかどうも煮え切らない。
黒髪短髪長身でガタイもよくて、いいわぁと思ったんですが、寡黙タイプにしてもイマイチ何を考えているかよくわからない。
そりゃカイはやきもきするわ、と思いました。

そんなこんなが続き、ショウちゃんは言葉や態度に出さないだけで、ちゃんとカイが好きだとわかりめでたしめでたし。
周囲にもお祝いされ、しあわせを実感できてよかったね。

とお話的にはハピエンですが、私はどうも萌えるとこがあまりなかった(汗)

いい!と思ったのは、車の中にいたカイが、洗車するショウちゃんの手に触れられていると感じる4ページ。
エロいんだけれども、それよりとてもきれいでうっとりしました。
先生のこういう表現をもっと見てみたいです。
他の作品も読んでみます。

0

大人の日常

イシノアヤ先生の「椿びより」よりはイチャイチャしてる日常系が読みたくなったらこっちを。車の中のカイちゃんの妄想シーン、妄想なんだけど大変セクシーです。

◾︎ショウちゃん カイちゃん (リバなのかな?)
日常系はこうであってほしいという理想が詰まってます。
断れないルートのお見合いは快く送り出したフリをして、全然そんなことなく心配して、友達にバラされて、お前が一番可愛いよと、そんな王道の展開でいいんです。何度だって見たい。
寝てるカイちゃんにキスするショウちゃん…実は愛が深いのに照れ屋な攻めも何度だって見たい。でも車からお別れのチューはしてくれないのよね笑

ショウちゃんが甘いもの食べないことは知らないけれど、2人のことはよーく分かってる友達がいることにも嬉しくなります。

萌2〜神

1

幸せな日常

ふたりの日常をこっそり見てる感覚で、ただただほんわか幸せな気持ちになりました。
いわゆるBL的な萌えとかはあまり感じませんが、幸せな気持ちで満たされるのは間違いないです。

1

あ~~~~~

幸せベストほも過ぎて大の字。
いい距離感!!!とっても大好きなカップルです。
田舎とほもの組み合わせはなんかそれだけでブルーになる未来しか見えなくて最初買うかどうか迷ったんですけど、帯の「スローライフ」の文字を信じてよかった。
なんというしあわせ。なんとういういやし。
カイ用にベッドの隣に敷いてた布団を、カイが歯磨きしに部屋出ている間にショウイチが仕舞っちゃうシーンとか、昔々に書いて破いた婚姻届を繋ぎ合わせて大事にとっておいてるショウイチの姿とか、もうなんかこみ上げてくる。
うわああああああってなりました。
周囲に理解者がいっぱいいて、ぬっくぬくに幸せな感じがとても癒しです。
田舎でほも=村八分で心中っていうイメージしかなかったわたしには目からウロコのカップルでした。
そうだよね、こういうカップルもいたっていいよね。
世の中こういうあったかさもあっていいよね。
そんな風に思える、世の中に対して少しだけ優しくなれる一冊でした。

1

ララララ Life goes on

田舎町で文房具屋を営む海と学習塾を運営している樟一。
おおらかな自然に囲まれた穏やかな時間の中でゆっくりと確実に育まれた関係が話の軸になっています。
気心の知れた友人たちの中ではオープンリーゲイですが、家族や周囲にはクローゼットなので樟一は身内から見合いを持ち込まれたり、女子高生に告白されたりということもある。感情を表にほとんど出さない樟一に海はやきもきしたり、友人を巻き込んで盛大にいじけたり。

大きな出来事は特にないけれど、既に長く付き合っているカップルの日々を横で見ているような気分になれます。ふたりがどうやって付き合い始めたのかも謎、友人関係も会話から読み取る感じ、樟一の母親のパートナーは樟一と年が変わらなく見えるけれど、そこも説明はされません。
だけどこの作品に関してはこの「みなさん、ご存知」という空気感が大事なのだと思えます。
ふつうなら「いつから付き合い始めてー」「こんな告白をしてー」「付き合い始めの頃は樟一も今とは違ってー」という回想が入りますよね。母親のパートナーなんてツッコミどころ満載なので、面白そうな過去のエピソードはいくらでも描けそうだし、友人たちもどういう知り合いなのか、いつみんなにカムアウトしたのか、いろいろ詰め込もうとすればいくらでもネタがある。
でもしない。いらないのです。
読んでいるわたしたちもシゲとサトコ夫婦の店に入り浸っている仲間のような感覚。「昔から知ってるあいつら」のことなので今さら説明なんていらないという気持ちになれるのが、この作品の魅力かなと思いました。

恋しくて泣きそうになるような激しさはないけれど、毎日の中にお互いがいるのが当たり前のようなふたり。
子供のように感情豊かな海、思っていることをいちいち口には出さないけれど、海を大切に想う気持ちだけはブレない樟一、大事な幼馴染たち。
小さい街で見守ってきたカップルの新たな門出を一緒に祝って、そして人生は続いていくのです。

1

お付き合い長いカプの日常

「椿びより」「椿だより」に次いでこの作品が好きです。こういうほのぼの~とした系統のイシノさんの作品がとても好き。(こちらで人気のある「トリガー」と「room share」は苦手要素が多分にありそうなので未読)

田舎に暮らす、長く付き合っているカプ、ちょっとつれない樟一と、もっとイチャイチャしたい甘えん坊な海。
そんな二人の日常、特に大きな事件はないのだけどたまにデートして、仕事して、時々すれ違ったり小さな諍いをしたり、そして仲直りする様子などが彼らのお付き合いを知っている友人夫婦なども絡めながら描かれています。
樟一に「好色無責任男」と言われたらしい海。そして「薄情」「なんで好きって言えねえの」「甲斐性なし」「意気地なしのヘボチンポ」と言われたらしい樟一。(ちなみにそういった直接の罵り合いのシーンはなく「今まで薄情とかなんで好きって言えねえのとか~とか~とか言ってごめんな」という過去そう言った事があるんだなという描写のみです)
さすが幼馴染でお付き合いの長いカプらしいなぁというキーワードが並んでます。

お付き合いを始めたきっかけとか過去が描かれていないのだけど樟一は初恋が近所のお姉さんとの事で恐らく元はノンケ、そして海に関しては何も描かれていないので恐らく想像の範囲なんだけど、海が樟一のことを最初に意識して、幼馴染から恋人同士へと昇格したのかなぁ…とか想像も楽しい。

一番の大事件は樟一がどうしても断れない見合いに出かけたことかな。カラっと何でもない顔して送り出した後、じとーーっとしたり、お見合い途中で相手の女性が帰っちゃた事を知って、そのアマぶっ殺す!ショウちゃんに恥かかせやがって!!と激昂する海の様子が複雑な心境を表してて好き。
そして。せっかく一緒に寝ても樟一ときたらおやすみのキスすらなく、海はちぇーっ…って感じなんだけど、先に寝入ってしまった海の顔を見つめて「おやすみ」と優しくキスするシーンに激萌えするし、昔、おふざけで書いた婚姻届を破り捨てたはずの樟一がこっそり後でゴミ箱から拾い出して貼り合わせたものを長年本にしまっておいた…とか、好き好き全開の海に対して、愛情表現は直接的ではないけどしっかりと海の事を愛している樟一という対比も好きなんです。

それからおそらく海が基本は攻めだと思うんだけど、たまにリバになるんだろうなぁと感じさせるセリフがあってなんか嬉しい。

5

こういう幸せ、いいよね!

特に大きな事件が起こるわけでもなく、日常が穏やかに過ぎていく。
もちろん、小さな喧嘩やすれ違いもあったり。
それでも、可愛い生徒達や穏やかな肉親、理解して見守ってくれる友人達に囲まれて、
幸せな日々が続いていく。
ほのぼのしているけれども、しっかり二人の関係は描かれていて、
クセになる一作。

ほのぼのなんだけど、直接的な表現もそんなにないのだけれど、
でも……エロい……v
そこらへんが、充分BL読んだって気にさせてくれる。

連載で読んでたら、読み流してたかも。
一気に一冊読めて、満足。
……なので、神に近い「萌×2」!

1

読んだ気はしてた

作家買いをしているのに、何となく読んでいない気がして買いました。ということ、多くないですか! 私だけですか!

大抵二度買ってしまったものは好みだったりするので、後悔はしないのですが。

久しぶりに読んで、いい話だなって思いました。BLの醍醐味はくっつくまでの緊張感とか、誤解しあう切なさだとかいろいろあると思うのですが、くっついてからのお話って難しいと思うのです。実際自分も結婚してるけど、日常にときめきはないしな!

だからこの二人は、現実的でありつつも理想だなーと思います。周りの友達も、ゲイカップルの二人を温かく見守ってるし。直接的なエロ表現はなくとも、付き合いの長さ故のエッチな感じもするし。付き合う前の情熱はないけど、お互いを思いやる感じがいいですね〜〜。

3

幸せって、きっとこういう日常のこと。

長く付き合っている田舎に住むゲイCP。

友達以上の関係だって、親にはナイショだけど、
ちゃんと分かってくれる、口は悪いけど理解ある友人もいる。

肝心の恋人は、
結構つれなくて、ムカっともするんだけど、
でも、
一番大事に想ってくれてる…んだよね?
そこんとこ、ときどき不安になって喧嘩したり、仲直りしたり。

そんなふたりが、
人生を共に歩んでいこうと愛を誓うまでの、愛しい日々。
そんな日常が綴られている本です。


片方が見合いをすることになって、
ちゃんと事前に言ってくれたし、断るつもりだって分かってるし、
笑顔で送り出したけど、
でもやっぱり当日はもやもやもやもや~~
で、
見合い相手に積極的になられたらなられたで困るくせに、
途中で帰られた、なんて聞かされたら激怒!とか、
なんて可愛いんだろう。

相手が仕事でいっぱいいっぱいの時は我慢、
だけど、それが終ったら、
「 好きだよ!セックスしてえよ! 」って、直球。

おまけに「俺どっちでもさァ…」って、リバ!?
リバるシーンはないんだけど、
その言葉だけでもかなり胸が高鳴りました~


日常の日々がず~っと綴られている感じが、
男同士だって、男女CPと同じだよね、という気持ちにさせられる。

「しあわせんなれよ!」
男同士でも近しい大事な人達からそう言われて祝福されるCPが、
今日もどこかで誕生しているといいな。

2

両想いのその先は?

熟年夫婦のごとく、付き合いが長いカップルのお話です。
好いた惚れたはずいぶん前のこと。

お互いにウキウキした頃は過ぎた、
そんなカップルののんびりラブ。

男女でも男男でも、
長い付き合いになれば、
この本みたいな感じになりますねぇ。

受けのほうが甘えん坊でHにも積極的。
攻めのほうがカタブツで引き気味。

こういうカップル多いわよ~。
この攻めさんのこの雰囲気、純日本人男性ね。
かなりノンケっぽい感じ。

付き合いが長いとエサやんなくなるの。
めんどくせーみたいなね。
そこまでイラついているわけじゃなくて、
ちょっとウザいなぁ~ぐらいの感じで、
別に心底嫌だというわけではないだけど…。
けど自然にそうなる人が多いかも。

なんかアレなんですよね。
男の変なプライドとか、
照れ隠しとか、
色々その辺が、
そっけない態度になったりもするというか。

受けさんと攻めさんの考え方や愛情表現が違ったりして、
それなりにケンカしたり、
すれ違ったりするけど、
でも二人とも、ちゃんと愛し合ってる。

そこに愛があるからどこかで必ずいつもの二人に戻れる。

男女だと分りやすく「結婚」で一区切りになるけれど、
このカップルたちは「指輪」で一区切り。

ゆるりと、縛りあう二人の永遠の誓い。
素敵です。

結婚って昔の日本だと家同士のしがらみが重くのしかかってきて、
特に女性はきつい思いをすることも多かったかもしれないけど、
今時のカップルは結婚しても「家に入る」って感じの人も少ないから、
この本のカップルと感覚が近い人もいるかも。

私はこのカップルの在り方は、
リアルに分るなぁと思いました。

激萌え、神やぁ~~!!というようなズガーンとくるものはないので「萌」評価ですが、
でもこういう日常系ののんびりした話は大好きです。
ふとした折に読み返したくなるのは実はこんな本だったりします。

3

ローカルでスローテンポなBL

イシノさんといえば、都会のお洒落な生活と恋愛を描くというイメージがありましたが、今作は、もういい歳の幼馴染同士のカップルが地方で家族との暮らしをしているという、ちょっといつもと傾向の違う作品。
ローカルで、地域のコミュニティーと一緒の暮らしを描いているというのは珍しく感じました。椿びよりも所帯のある生活を描いていましたけど、あれは家族3人だけの世界という感じでしたので、今作はもっとリアリティーのある生活が描かれています。
どうなるのかなと思いましたが、イシノさんのスローなテンポで丁寧に描かれる作風にとてもあっていると思いました。
今までの作品での濃すぎるぐらいの太めの線も、細く落ち着いてきた感じがあり、そのおかげなのか特徴的な白みの多いコマに描かれるものは強調されていい間を作っています。画法がypり生きてきた感じがあります。

物語は、地元に住む同士の幼馴染のカップルが、これからどうしていくのか?という話です。
地元に勤めているから実家に住んでいて、恋人は近くに住んでいるし幼馴染で親もよく知っているからいつでも実家にやってこれる。だから同棲する必要もない。でもそれはつまり、子供の時とずっと同じままで何の区切りもないということ。でも長い付き合いになりすぎてるから今更別れるとかももうない。仲間内ではもう公認の間柄だけど、親に報告はできない。そんな、終わりはないけれどはっきりしないまま続いている関係性が軸になっています。
こういう話はシリアスになりすぎてしまうことが多いのですが、イシノさんの描き方ですと、緩やかで当たり前な日常を描きながらも突き当たる問題を日常にあった形で描いているので、ハラハラすることなく心穏やかに読むことができます。ですので、ささやかな出来事が大きな幸せに感じられます。みんなに祝福されることを匂わせて終わるのも、変に大団円にならなくてよかったと思います。それぞれの形にあった幸せの尺度があって、地元で暮らしている二人にとっての最上の幸せの形なのだろうと思って、涙が出そうでした。

イシノさんがまた新しいストーリーの方向に進んで行かれたように思いました。
これからもう少し、さらっとした話からもっと深いところまで踏み込んでいくようなものを描かれていくのかなと思い、期待したいと思いまして、評価は萌2です。

実は初めて読んだときにあまり話がピンとこなくて、しばらく読み返さずにそのままにしておいていたのですが、今読むと身に染みる思いがします。短い間ですが、歳を取ってきて、こういう話が自分になってくるようになってきたのかもしれないと思いました。
キュンとくるような話よりも、年齡に合った話が読みたい方に向いているのではないでしょうか。
それから、女性キャラが重要な場面で結構出てきますが、イシノさんの作品よくいらっしゃるさっぱりした等身大の女性ばかりですので、目に付く感じはありません。

5

スローライフもいいですな

二人の関係性の説明などなにもなく、読み進める内に恋人同士なんだねとじわっとわかってくる。
以前の作品より可愛らしいおしゃれ感がなくなってるのは、あえてなのかな。
田舎暮らしの二人の穏やかな生活感や、狭い世界の中で隠れて付き合ってるスリルや、気のおけない友人たちとの関係がすごく良いんだけど、やっぱりこう、おさななじみ経由での恋の始まりを知りたいってもんですよ。
とはいえ、イシノさんではないと味わえないスローさを堪能しました。

1

ちゃんとBL

イシノさんの絵が好き。
でも、作品的にはほとんど匂い系だったり、地雷キャラが登場したりと、BLとして普通に安心して萌えられたことがあんまりない。
で、これも後回しにしていたんですが、、、

嬉しいことに、予想外に、ちゃんと甘甘なBLでした。

田舎町での実家住まい、
仕事もご近所さん相手の塾と駄菓子やさん。
交友関係も、幼馴染みや同級生。
安定していて、でも不自由。
そんな日々の暮らしの中で、ちょっとしたすれ違いを繰り返しながら、
でも、愛し合っている。

車の中で居眠りしているカイと妄想シーン。
ちゃんと、こんなきれいでエロい絵も描けるんじゃないですかぁ。
もっと早く読めば良かった。

1

懐かしさと温かさ

 大人になって「ドリル」と聞くと、懐かしさがこみ上げてきたのですが、このお話に出てくる樟一は、塾の先生だったのですね。

 どこかの田舎町で、樟一は塾の先生、海は文房具屋を営みながら、ゆっくりとお付き合いしているのです。幼なじみ、恋人ということで、最初から二人の関係はできあがっているのに、すんなりとこの田舎町や二人の雰囲気に入っていけました。

 二人の関係は、きっと隠しているつもりだろうけど、周りには分かっているんだろうなというゆるやかなところや、海が樟一の甥っ子に嫉妬して、対抗心を丸出しにするところ、そして何より、些細な会話の何気ないやりとり全てに癒やされました。

 緩やかで優しい世界には、たっぷり愛が詰まっいて萌えます。

1

田舎のあるカップルの日常

雑誌掲載の時、一話一話を読んでいると、ただ田舎暮らしの男カプの日常がイシノアヤさんらしいほのぼのしたトーンで綴られている。
そういう印象でしたので、1冊になることで何かまた見えてくるものがあるのだろうか?と思っていました。


都会から離れた田舎でそれぞれ実家暮らしをしているすでに恋人の二人。
ショウちゃんは再婚したばかりのラブラブの母親夫婦と同居で塾を経営している。
カイは文具・駄菓子のお店で独り暮らし。
彼等の友人たちは、彼等の関係を知っていてでも友人関係は良好だ。

普通だったら、母親が再婚したんだから家を出て独り暮らしすればいいのに、とか
友人という建前の元、カイの元に入り浸ってもいいのに、とか
どうしてこうもデートもエッチさえもままならない不自由な恋人生活を送っているのかな?
そんな疑問が頭をもたげて、ショウちゃんのふがいなさにヒュルルルル~と思う1読目。
色々考えながら寝かせてみて、そして再読してみて目からうろこ!
そう、この田舎であるということと、ショウちゃんのカタブツ具合、そしてカイのやんちゃで甘えっこな健気ぶり、
その設定とキャラクターで全てが(自分の予想の範疇でしかないのかもしれないが)納得できるものだったのです。

きっと田舎であるがゆえに、友人以外は別として御近所付き合いや親や塾の子供たちや、そういうものへの気遣いがショウちゃんをカタブツにしているのかな?
カイも、幼なじみとしてずっとショウちゃんとつきあってきているわけだからそれはわかっていて・・・
田舎の実家住まいカプだからこその、彼等の姿なんだとストンと腑に落ちるのです。
そうなったら、もうしめたもの(笑)

ショウちゃんのお見合いに平気なフリをしながら気をもむカイの姿だったり、
受験シーズンで逢瀬もままならない状態に我慢してやっと解放された時の二人の姿だったり、
せっかくショウちゃんの為に買った指輪をショウちゃんが失くしたことから始まるちょっとしたケンカみたいのとか、
彼等の一見淡泊なようでいて、実はとても空気のように自然で彼等なりに甘い恋人としての姿に、とても萌えを見出すのです♪(そしておそらく彼等はリバです)

こんな自然体で暮らす二人。
身近な日常の元過ごされている彼等の季節は、とてもとてもなごやかで穏やかで、そして周囲に溶け込んでいることが素晴らしいのです☆

7

幸せってこういうことさ。

田舎の実家暮らしのカップルの、まったりほっこりな日常を描いた連作集。
同性カップルの葛藤や苦悩ゼロでリアルさはないけれど、ちゃんと日々の生活が描かれているのがいい感じの作品でした。

個人の塾の先生をやってる樟一と、文房具屋を継いでる海。
どちらも惚れたくなるような要素は薄いんだけど(スミマセン)、その普通さもいいし、だから応援したくなるなぁ…と感じました。
でも海×樟一なの?(p.116のセリフのやり取りだとそうとしか思えない)
逆かと思ってましたよ(その後、ツイッターで作者さんがリバカップルだとつぶやいていたので納得しましたが。)
親に内緒でここまでやってこられたというのは、ちょっと信じ難い(笑)けど、その分学生時代からの友人たちがナチュラルに二人を認めていて、そんな関係もほのぼのしていていいなぁ。
これはぜひ二人がつき合うまでのエピソードが見たかったですっ。

4

読み終わったあとにほんわかする一作でした。

待っていたイシノさんの新刊が届いたので、一気に読んできました。

今回もまた不思議な雰囲気のお話でした。
ある田舎の幼馴染みのお話。
田舎なんで、もう受けは攻めの家族とも仲が良くて。
二人の中は他の幼馴染みも知っていて、特に葛藤はありません。(家族は知らないようですが)
当然二人は付き合ってる事になっていて、その事の説明は一切ありません。
妙にリアルだった「スメルズライクグリーンスピリット」のような、狭い田舎の陰湿さもゼロです。
一番重要であろう部分をバッサリ削除したまま、お話はほのぼののんびり進みます。
攻めの塾に通う子供たちの可愛い事と云ったら!
で、特に深刻な事件もなく、ずっと付き合ってはいたけれどはっきりまとまっていなかった二人がまとまりましたという展開で、ちょっとBLっぽい「椿びより」という感じでした。
本当に重要な説明が一切ないので、攻めの家庭事情もよく分かりません。(父親が死別、もしくは離婚で母子家庭のところに、母親の恋人が同居しているんでしょうか?)
読み終わったあとにほんわかする一作でした。

ただ、個人的には「椿びより」の方が好みですかねえ。
あれは全くBLではないですけれど。

イシノ作品は時々ガツンと怖い話があったりするので、手放しで作家買いするのは怖いのですけれど、この独特な雰囲気、矢張りいいですねー。

2月にもまた別の新刊が出るようなので、楽しみです!!

3

どこかにある町。そんな暖かさがある。

会話の吹き出しがなくても
読み進めることができる
暖かさが好きです。

椿。。のお話も大好きなのでそれに近い印象です。

幼馴染で実家暮らし、その実家は田舎。これがさらに良い。

都会ですれ違うことなく、色んな人と絡むことでの苦悩がなく
過ごしているからといって
のんきなわけじゃないし
成長してないわけじゃない。

ほのぼの系。
難しく考えず読める。
絵本のように読める

萌えはしないけど
ほっこりする。

互いの家族にどう伝えたのかな。ってのが
やはりちょっと気になった。


2

この作品が収納されている本棚

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