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表題作バラ色の時代

片桐大和,ヤクザの組長
都筑右介,大和の愛人で闇医者

その他の収録作品

  • カバー下あとがきマンガ(描き下ろし)

あらすじ

医者を目指す平凡な高校生・右介は、高校の図書室で威圧的な同級生・大和に組み敷かれ、無理やりに犯されてしまう。以降十年、ヤクザの組長となった大和に監視され続け、闇医者の傍ら、愛人として体を弄ばれる苦悶の日々を送っていた。
そんなある日、右介はとある取引に連れ出される。そこで大和から告げられたのは、目の前で他の組の組長と寝ろという命令でー・・・。
人生を奪った男と奪われた男の、二十余年に渡る、ねじれた絆の形。

作品情報

作品名
バラ色の時代
著者
恋煩シビト 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
シリーズ
バラ色の時代
発売日
ISBN
9784396783457
3.6

(154)

(53)

萌々

(35)

(36)

中立

(15)

趣味じゃない

(15)

レビュー数
38
得点
528
評価数
154
平均
3.6 / 5
神率
34.4%

レビュー投稿数38

す っ っ っ っ ごかった・・・!

読後しばし呆然としました。
個人的にシビトさんの「溺れる」がハマらなかったんですが、本作は「溺れる」と同じくらいの人気作でして、これは確かに読む人を相当選ぶ。

「ヤクザの跡取りDK→組長x攻めの同級生→愛人で闇医者」
(→は卒業後です)

以下地雷のオンパレードです。

①受け複数回モブられ
②墨まで掘らされ
③攻めが女性とヤる描写、さらに
④受けにそれを見せつける
⑤その女性と攻め結婚
⑥子供複数できる

しかもこれすべて本命CPくっついて(?)から。
でもすっっっごい良いです。
シビト節が炸裂しておる・・・。
「シビトさんで一番好きなのはパンデモニウム~(はぁと」とか言ってた過去の自分に「これヨメ」って枕元に置いていきたい。
どちらもシビト作品で一番好きにはなったけど、もうこれはパンデモニウムとは次元が違うというか、同列で語れないというか、別物です。
「さいっこうのパティシエが作ったさいっこうのスイーツ」と「さいっこうの料理人が作ったさいっこうの料理」どっちが好き?って聞かれてるようなもんで、選べない。
いやぁ~、20年もかぁ・・・長い!
でもめちゃくちゃおすすめです。

「三色混ざれば黒になる」は本作攻めの息子2人と、その片方の友人、計3人にまつわるスピンオフですので、余力があればそちらもぜひ。

0

愛=執着?

恋煩シビト先生の作品は読後に棘を残していくので、ゆっくりと読破を目指しています。
今回は比較的読みやすい作品だったかな。

今作はヤクザ+執着ということで、もう最高でした。
男同士の繋がりが異常な世界。これこそが私の読みたかったヤクザものです。ありがとうございます。

攻めはヤクザとして生まれ、利用し利用されで成り立つ世界で生きていかなきゃいけない人。
そんな人が、受けのような一緒にいると安心する存在を欲しがってしまうのは仕方ないことで……。

序盤の受けはひたすらに可哀想で、攻めに安心されてしまったばかりに巻き込まれて人生をメタメタにされてしまった人だと考えると、どうしようもない気持ちになります。

でも最終的には自分の足でその場所に立って、攻めが組の駒としての役割を全うするまでの途方もない時間を待ち続ける選択をするのが……もう……。
自分ではもうどうしようもないほど大きくなってしまった感情を、抱え込んで生きていく選択をする。本当に素晴らしい。

また、攻めの、汚れていく自分と相反して綺麗なままの受けを吉原の組長に差し出して汚して、かと思えば背中に墨を入れたことに怒って……この不安定な感じが、とっても滾りました。

他の方もおっしゃっていますが、この関係性は男同士だからこそ成せるもので、結婚相手である吉原の娘さんとの関係性の対比が本当に素晴らしかった。
もし私が姐さんだったら発狂していたので、姐さんは強いな〜と思います。

攻めの受けに対する執着は所有欲で、愛というには酷すぎるのですが、受けが自分の足で立った瞬間に愛に昇華するんだな、なんて考えたり。

愛とは、幸せとは、そんなことを考えさせてくれる作品でした。
面白かったです。ありがとうございました!

1

薔薇の棘の時代?

バラ色の時代、というタイトルの意味が、私は理解できなかった。
謎です。
不幸な運命に翻弄されながら、幸せと言っている主人公が理解できない。

やくざの組長の息子に気に入られて医者を目指していた主人公は、
図書館で「俺の犠牲になってくれ」と強姦されて、
気づいたらやくざ専門の裏医者になっていた。
オマケに他所の組長へのお土産にされて、
入れ墨を入れられて、
自宅に引っ越してこいと言われて
強姦した同級生の組長は、女性と結婚して子を二人作って
子供が成人するまでまってくれ。と言われて、待つ。
・・・こんな無茶苦茶に従い続けるって、完全に依存関係が成立している。
自分が無いにもほどがあるけれど、巻末で本人が「幸せだ」と言っているので、まあ、いいっか、と思ってしまった。
---

一つだけ感心したのは、バラの手入れをする場面で、嫉妬する組長の嫁に、組員が、「男同士の愛」を「女から組長を取ろうと思ってない」と語る所。

今あるヤクザの組織の元は中国から持ってきたもので、戦後の治安が悪い時に、神戸の街の治安を警察に代わって取り仕切って治安を護る自警組織だったと聞いています。
港町で悪事を働く不法入国者の暴動を警察で守り切れない時期に、港湾労働者を仕切る中国から移民してきた人達で組織を作り、護っていた時代があったそうです。
参考 「ヤクザと共生する街、神戸」
   「ヤクザ組織と港湾労働 」
そして、日本のやくざの契りは、中国の「幇会(パンフェ)」の制度がルーツだと聞いています。
その結束の考え方が、この作品の中にさり気なく台詞に入っていたので、よく調べて書いているのだな、と感心しました。

3

美形CP忍耐の愛かな

メイン2人が美形。
大和の奥さんもきれい。そう奥さんも出てくる。致している所も出てくる。
大和がヤ◯ザの組長の息子で高校の時、右介と出会う。
その後、大和が跡を継ぎ、右介は監視され組の闇医者として働かされる。大和の指示で右介は取引先の組長の情夫にされる。

右介は大和が好きだから逃げないけど、奥さんのこともありいいかげん嫌になるんよな。でも大和が「もう少し待っててくれ」と引き止める。それがそんな長くなるとは!?と思っちゃったけど
なんかあらすじしか言えてないけど絵がきれいだし、さくさく話が進むしハピエンだしよかったです。

0

良くも悪くも読みやすい

シビトさん独特の心理描写や物々しい(笑)登場シーンはなく、読みやすい印象でした。
相手方の組長に右介を売ったり、自分は結婚して子供をもうけたりと出来事があっても大和の心情が余り描かれておらず少し物足りなく感じました。最終的に分かるのだけど今までの作品が結構濃密なので、それと比べるとかなりあっさりとした印象です。精神的に高校生の時から変わっていないような表情は清々しさはあれど、それで良かったのかなぁとも思います。もう少し葛藤が見たかったです。ただ現実的に抜け出せない家系や事情を整理して手放し、ずっとそばにいくにはこうするしかないというシンプルさは美しく潔いです。
刺青を加えた時の吉原のリアクションも無くて残念!
今回常時細めの線で美しい絵で見惚れました。

0

清濁の中で。

清濁併せ呑む。
この心情にたどり着くまでの右介の人生が凄かった。
高校で、偶然にも出会ったヤクザの息子、大和。無理やり犯されてからの、右介の人生が濃すぎる…

どこかで、大和の執着を愛情と感じる場面も有ったのだろうけど情人として、囲い込みの医者としての右介はタフだと思いました。かなり、大和は酷いのです。ヤクザってそう言うもんだ、と言われたらそうかも知れませんが。

はっきりと、右介に対する気持ちを露にしたのは舅にあたる吉原に抱かれた過程で、蓮の刺青を入れられた右介を見たとき。
龍の刺青を更に入れちゃうあたり、独占欲と捻れた深い愛情を感じます。
吉原の選んだ蓮の花は、右介の特性を表していて(泥の中から、綺麗な花を咲かせる)意外とセンス有りますけどね~

暴力とセックス、欲の中に右介を置きたかったのは間違いなく大和のエゴですし。
大和と先の穏やかな未来について話す2人が、明るいのか、哀しいのか。なかなか読み取り難い感じです。
バラの花に囲まれて、愛だけが残る2人になれば良いのになぁと願う気持ちで読了しました。

1

女の介入で男が際立つ

シビト先生といえば"誰が誰と最終的にくっつくか分からない""誰もくっつかないかもしれない"の緊張感が好きです。今回もそんな感じでした。
奥村くんがハマってくれたら奥村くんルートもあったのかな?吉原は右介の竜の彫り物見て何かに納得したりしたのかな。

正直、えっここで終わるの?!と思ってしまった。余韻があっていいラストシーンなのですが、何かに答えが出た感じはせず。スピンオフの「三色混ざれば黒になる」を読めば何か得られるだろうか。

右介はきっと大和の言葉を信じられるけど、読んでる自分は全然信じられなかったからかもしれない。
でも、右介はもう大和を信じる信じないとかそういう領域にはいないんですよね、きっと。救うっていうことは、大和より強くある必要がある。どうなっても幸せだと言える覚悟が出来たのだろう。

1

右介の人生はこれで良かったのかな?

うーん、すごい作品でした。
誰も幸せでない気がしてしまい、少し辛くなりました。

ヤクザの跡取り・大和と、大和に囚われた医師の右介。
ただ図書室で一緒の時を過ごしただけだったのに、
心も身体も大和に奪われ囚われる……
挙げ句の果てに、大和嫁の父親に右介を差し出し、
抱かせるなんて……

大和は跡取りを育てて、その後は右介と生きていくつもりなんだろうけど、女ってなんなんだろう?と考えてしまうラストでした。
そして、子どもは跡取りというだけの存在……

あまりに右介の人生が辛く感じてしまい、
読んでいて苦しかったです。
ただ、右介は自分の意思で大和のそばに居るのだから、
それでいいのかもしれませんが、
私には理解できませんでしたね。

人を選ぶ作品だと思いますし、
好きかと言われるとそうではありませんが、
記憶に残るという意味ではその通りだと思います。

3

受けへの無慈悲さは自信があるからかもしれない

 これはお気に入りになるだろう作品!と2つ目の章辺りで直感しました。高校時代の同級生だった2人が大人になって、ヤクザの組長×医者という関係性になります。組長の大和は傲慢で、父親が組長だった高校生の頃から既に、実にヤクザらしい素質を覗かせていたようなキャラ。高校で受けの右介に目をつけ強姦し、彼が大学に通う間も監視して、組に入り闇医者にならざるを得ないような環境を作り上げます。もうこの時点でかなり理不尽だし、一方的な執着はまさにヤクザの中のヤクザって感じですよね。

 そんな大和から逃げられず、大人しく闇医者として働く右介。彼の仕事は闇医者だけでは済みません。大和の愛人から始まって、男色が取引に有効だと分かると第三者にも抱かれることを大和に強要されます。そして、余所で背中に刺青を入れさせられ帰ってくると、今度は大和に上書きするようにまた刺青を入れさせられ、さらには大和に妻子を持たれるという、踏んだり蹴ったりの状況に陥ります。

 右介にとって利のあることが何もなく、ただただ大和に搾取され続ける彼は、まさに蜘蛛の巣に捕まった哀れな蝶という風情です。それでも彼は、大和の下から自ら逃げ出そうとはしない。一度はもう自由にしてくれと頼むけれど、大和にあと少し待っていてくれと言われると、結局待つことを選択する。大和の孤独を埋めることは自分にしかできず、自分もそうしてあげたいと望んでいることを、きっと心の奥底では分かっていたのかな、と思います。

 大和も一見酷薄な男に見えるけれど、右介に並々ならぬ執着を持っていることは、妻にも感付かれれるほどなんです。婚姻して後継ぎも産んだ地位のある妻でさえ、2人の間には入り込めない。右介と妻とでは役割が違う。大和は妻と子供を守りはするけれど、彼女に地獄の果てまで自分のお供をさせるというような愛を誓ったことは、恐らく一度もなかったでしょう。自分と一緒に堕ちることは女性にはできない、右介にしかできない。これはそう考えた大和の単なるわがままの物語だったんだと思います。明るく真っ当な道を歩むことも十分可能だった1人の男の人生を狂わせ、自分の欲望に正直に行動し続けた大和。その過程は到底褒められたものではないけれど、最終的に2人が愛し愛される関係性になれたのなら、私は一度も右介を手放そうとしなかった大和は愛に生きた純情な男だったとも言えるんじゃないかと感じました。

3

どろどろ

ネタバレ注意です。

う~~~ん。
これは好き嫌い分かれるんじゃないでしょうか。
レイプ、強制入れ墨、モブ攻め、攻めの奥さんとの泥沼、駆け落ち。

昼ドラ以上のドロドロですね。あらすじを読んでみると「うわっ、受け可哀想~」という印象になると思いますが、実際漫画読んでも印象は変わりません。受けほんと可哀想。
ヤクザ×闇医者の関わり合いを約20年以上描写したすごいお話なんですが、なんかもう……壮大です。主人公の受けはとてもまじめな人ですが、高校時代攻めと出会ってしまったせいで、半ば無理矢理闇医者にさせられたようなものです。
とにかく攻めがクズ。レイプして愛人にしてヤクザの世界に堕とした挙句、ほかの組の組長と寝ろと命令し、モブおじさん(組長)に受けを抱かせます。
すごくひどいことをしといて、「待っててくれ」とか自分勝手すぎる。
奥さんに子どもできたら受けと駆け落ち。え~~何それは…。ヤクザの組長の癖に無責任。ドン引き。
惚れた男に人生を奪われた、と聞くと耳障りが良いのかもしれませんが、真っ当な医者を目指していた受けの人生が波乱万丈になり、いろいろ不憫だなと思いました。
最後はハッピーエンドみたいに締めていたけれど、メリバっぽいなぁ…。

最初見たときは無理~~~ってレベルだったのですが、読み返したら受けの壮絶な人生のストーリーに思えてきました。
ただし攻めは今でも無理。

2

受けのバラ色の人生と思いたい。

普通のハピエンじゃ物足りない、ドロドロの愛憎劇が好きならオススメです。
攻めが昔のヤクザというのが、この愛憎劇のポイントです。
鬼畜なヤクザの攻めに振り回される可愛そうな優等生の受け。
攻めに執着されてる受けの二人の長い人生。受けは絆されたのかな。

攻めの奥さんも絡んできて、、、。
奥さんは天然のように見えて、実は気が強く正にヤクザの姉さんです。
ヤクザばかりの血生臭い世界に似合わない普通の受け。
でも、ヤクザではない普通の受けが攻めには必要だったんだろうなぁ。

3

人生とは何ぞや

スピンオフを先に読んでしまいました。
そのせいであちらを読んでいるときは「どういうこと?」ということがちらほらあったけれど、結末が分かっていたおかげでこの作品を冷静に読めたので結果的には良かったです。
そうでなければつらすぎて、途中で放り出したくなってしまったかもしれません。

高校の図書館にたまたま居合わせただけの2人。
ひとりは生まれた環境に人生を食い潰されて、もうひとりはその男に人生を奪われる。

組の後継として生まれて、進むべき道は他になかった大和。
努力の末医者になっても、組の闇医者として飼い慣らされる右介。
そこに対立していた組の組長の娘も加わっての三つ巴です。
後発のスカーレット・ベリ子さんの「ジェラシー」を思い出させるような3人ですが、置かれた状況が全く違いました。

結局、大和が求めたものはただひとつで、自分の父親の容態が悪くなったと知ったあのときから何も変わっていないんですよね。ただ言葉にして相手に伝えようとしないし、自分の責任が終わる瞬間までは最初から駒として利用していたものはもちろん、自ら求めたものですら駒でしかない扱いをするので相当焦れました。
右介が抱いていたのは愛なのか情なのか。これだけ理不尽に振り回されても、たった一言で信じられる絆ってどれだけのものだろう。
それに大和と右介は最終的に手にしたいものを手に取れる日が来るとしても、姐さんとなった吉原組の娘は…。スピンオフで描かれていた巽への異常なまでの執着の理由が見えたものの、このひとのしあわせや人生を思うと、男というのは身勝手な生き物だと言わざるを得ない気持ちになりました。

軽く読める話ではないし、地雷を踏んだ方も多いかと思います。わたしもスピンオフを先に読んでいなかったら厳しいシーンがたくさんありましたが、ラストシーンのおかげか読んだ後に嫌な気持ちが残らなかったんですよね。
ただ本当に勝手だなあという話なので、意見は分かれるのも仕方ないという作品でした。

4

気が長い…。

昼ドラBLで紹介されていて、そういえば…と思い出したので読み返してみました。

これは受けに感情移入して読む方だと辛いと思います。
結末が判っていても二人の人生として一歩引いた立場で読まないと私は辛くなってしまいます。あんなおぼこい感じだった受けが…攻めに執着されちゃってどうしてこんな辛い目にあわないといけないんだか…って途中暗澹たる気分になりかけるんです。
受けは有無を言わせず愛人兼闇医者にさせられて所有物としての攻めの執着心は感じるけど、愛情が一切感じられないので。

キスが哀しいのです。

敵対する組の親父に差し出されて寝なくちゃいけなくなってキスをしたときに「あいつとはキスは一回もした事なかったな」と気づくところが…。

攻めは組長の息子として生まれ育って組織から見れば組を維持するための大きな駒でしかない。そこを攻めは充分に解っているからこそ自分のやるべき事を一切の私情を挟まずにやる。その中には嫁を貰って後継を作ったりする事も含まれている訳で、攻めにも拒むという選択肢がない。
攻めに嫁いできた女性が一見ほわっとしたお嬢さんって感じなのですが、ヤクザの娘という事で肝が据わってて、女という男とは違った生物という事で実に良い対比となってます。好きです。

攻めは父親のそばで仕えてきた菊池のような自分に人生を捧げてくれる存在、そして一緒に汚れてくれるような存在を欲していたんだろうなぁと思います。だけど攻めは、一緒にいると気持ちが穏やかになれる存在としての受けも必要なので、本当に受けが汚れてしまう事は望んでないはずです。

ずっと耐えてきた受けも、さすがに耐えきれなくなって、もう俺の人生を歩きたいと別離を告げた時にようやく攻めが初めてキスをするんです。そして「頼む もう少し待っててくれ」と。

で、私いつも読んでてこの人達何年待ってるの?と訳わからなくなるので年表こさえてみました。
・1981年 高校生同士 出会う
・1991年 攻め結婚、嫁妊娠、受け別離告げる「もう少し待ってくれ発言」&ファーストキス
・2004年 あと8年したら巽(1992年生まれ)が成人するからそれまで待ってくれ発言(ラストシーン)

最初のもう少し発言をした1991年から巽が成人する2014年まで「23年」…
…うぉ…「もう少し」詐欺だ。せいぜい1、2年程度ですよね、もう少しって。よく待てますよね。キス一つ、言葉一つで…。

最後にふわっと花開いたような救いがあるので読めますが、私には到底できない愛し方だなと思います。
理解できるかできないかと言われたら難しいけどこういう愛し方もあるんだろうと思います。
好きか嫌いかと言われたら、自分の身だったら絶対にごめんだけど一つの愛の形として読めて良かったなと思います。




6

映画のような余韻のこる一冊

ヤクザの組長・大和と、愛人兼闇医者・右介の高校時代の出会いから壮年までの話。
ヤクザの組長という孤独なカリスマには心に寄り添ってくれる存在が必要で、大和は医者を目指す優等生の右介を手に入れる。高校時代からいきなりヤクザお抱えの闇医者へと場面が飛ぶので、どうして右介は大和に拘束されたままなのかな?と最初は不思議に思いました。
大和は右介にキスをしないし、諍いを収めるため敵対してるヤクザに右介を与えたり、大和の右介への扱いはけっこうひどい。
でも後半になるにつれて、大和は右介を心の拠り所として、右介も大和を救う存在であろうとしている(だから逃げ出さない)、長い長いラブストーリーだというのがわかってきます。
最後に二人が未来を語るシーンは映画のワンシーンみたいで、余韻が残る一冊です。

1

男同士+ヤクザという組み合わせの妙

これぞBLではなかろうかと。
自分の趣味がメインストリームから外れているのは百も承知ですが、これ読んだらそう言いたくなりました。
自分がなんでBLを読んでるかって言ったらこういうのが読みたいからに他ならなくて、
良かった凄く。

男同士+ヤクザという組み合わせの妙が作り出す二人の関係性が良いです。
反吐が出そうなほど苦々しく、その一方で二人の歪んだ結び付きにある種の羨ましさも覚えるような。
描き下ろしの『19XX年 長雨の候』で大和の父親の側近がまだ幼い大和に語る「男はそんなに軽薄なものじゃありませんよ」という台詞がこの物語の全てのように思えます。

右介の対比として描かれる大和の妻の存在が、位置付けとして非常に巧みでした。
男女の違いを実感させられます。
男と女は別の生き物なんだよと。
で、ついつい女性目線で読んでしまっていた自分の思考回路を上手く軌道修正してもらえたり。
右介が大和に奪われるだけの立ち位置に二十余年も甘んじれたのは右介が男だったからでしょうなぁ。
女ならばまず無理でしょう。
というか私なら絶対嫌です。
高2で出会って、大和の心の内が明かされるのがそこから24年後ですから、その時点で二人は40歳を超えている訳です。
気の遠くなる年数です。
それでさらに「あと8年待ってくれ」と言われた日にゃあ、はァ?!お前こっちの歳分かってんのかよふざけんなよ!ってなりますよ。
そんなのもう子供も産めないじゃん!ってなっちゃう。
悲しいかなそこはどうしても女性につきまとう女性の性(さが)の部分だと思いますし。
薔薇の咲き乱れる美しいラストシーンがその美しい光景のままハッピーエンドとなり得るのは「相手が女性ではないから」だよなと。

最後の光の射し込み方がやばいです。
暗闇が長ければ長いほど射し込む光は眩しく見えるというか。
ページを捲る手がちょっと震えてしまいました。

大和の身勝手さはどう読んでも理不尽ですし、右介はあまりにも不憫なので、攻め側や第三者視点ならいいでしょうが、受け側に感情移入して読まれる方だとこれはダメな気がします。しんどすぎるかと。
それくらい右介が辛いです。
評価がバラけてるのもなんか分かる気がします。
自分に与えられた義務(ヤクザの組長の家に生まれた者として組を次の代に繋ぐこと)を完璧に果たしきるまで相手を待たす大和を漢らしいと取るか否かもまた評価の分かれ目なのかも。

ところで、雑誌は読まないのでアレなんですが、大和の子供を主役にした続編がこれまた非常に面白そうで。
私の中で三角関係といえばシビトさん!くらいの勢いなので、単行本になるのはいつなのかと期待が天井知らずにムクムクと膨らんでおります。

10

心の深いところ

丸ごと一冊がひとつのストーリーでした。

大和の事を知らない右介だからこそ
何の偏見も持たずに極々普通の会話が成立。
しかも図書室で会うわけですから、不要な会話もきっと少ない。
偏見の無さと一緒にいるのに静かな時間。
それがとても穏やかで心地いいと、大和は感じてしまったんでしょうね。

そんな時間を経験してしまうと、
「組」という家族のリーダーとしての責任や
誰をも信用できない孤独感から、たった一人の右介が
自分の心のよりどころになってしまったんだと思うのですが
右介がどうしてここまで大人しくしているのか・・・。
その部分だけが、少々の疑問として残ってしまったので
もう少し描かれていると、もっともっと
より楽しめたんじゃないかな~と思いました。
でももちろん、なかなか重みがあって読み応えありましたよ♪

1

愛ってなんですかー

この作品はヤクザものという括りでいいんでしょうか。BL界隈でも確立されたジャンルという感じがしますが、その道に(も)暗いので、一つの設定舞台としてとらえました。

この作家さんは大変好きなのですが、最初読んだ時は、「?」という印象でした。でも、時間が経って、ふと思い出すシーンがあまりにもベタすぎて、しかも自分のベタすぎる感性にショックを受け、ガバっと飛び起きました。

「キスは一回もした事なかったな」

なんですかこれは。ただのツンデレスイーツなラブストーリーやないかい!

高校生の時に出会った大和と右介。大和は組長の息子で跡を継がなければならない。医者を目指していた右介は、大和と出会ってしまったことによって利用されまくり、23年間人生を翻弄され続けます。ヤクザという特殊な世界に属する人間が、愛するという思いをどう貫くか。この世界のことなので、愛っていうよりも仁義っていうのかな。展開が速くて少々粗削りのような感じはしましたが、後からジワっと来ました。

この作家さんの作風で魅力だと感じている点は、心を通わそうとする二人の関係性を、多くを語る方法ではなく、できるだけいらないものをそぎ落とした方法で描かれているところ。読者としては、作家さんが描こうとされている物語の核心を、できれば直接手で掴みたいんだけれどもなかなか掴みがたい。なので、人物の妖しい表情とかが利いていたり、ベタでダイレクトなセリフやモノローグにもかかわらずピンピンと刺さる率が高いのかもしれません。そしてトーンが重そうであり軽くもある。凝縮系の短編好きなので、長いお話が多くないところも好きです。

お好きな方はものすごいお好きな作家さんなんだろうなぁと思います。ということで、評価は個人的には好きだけど、読む方を選ぶだろうという点から「萌」となりました。

1

なるほどね

独特な観点から物語を作り上げるのが恋煩シビトさんのおもしろいところ。

やくざの息子とその同級生(?)っていうところからスタートするのですが、やくざの息子は息子なりに今の自分の存在位置だったり、この先の事だったりを色々考えてる所に、右介に出会ったわけで。周りから恐れられている自分のことを全く知らず、友達として接してくれる彼に、これからの自分の人生を共有してもらおうと思ったのかと思います。無理矢理図書室で抱いてから、もう自分の所有物として扱っているそのサマがすでにやくざのやり口という感じがしますね。数年後には闇医者にさせられたり大和に都合のいい時に体の相手をさせられたり、おっさんの体の相手をさせられたり、学生時代にただ声をかけただけでひどい扱いをされてしまってるんですが、そのおっさんに提案され蓮の入れ墨を入れた右介を見て、ムカついて自分とオソロの入れ墨を入れさせる大和になんかきゅんきゅんしました。大和が違う女とセックスしたり結婚したりで、どんどん置いてけぼりにされてしまうような感じの右介だけど、実は今までの事は自分の義務を果たすためだけの為だった大和。元々ゆくゆくは右介と一緒になるつもりだったけど、それまで自分の義務を果たさなければならなかった彼は、右介にも彼との自分の世界の共有をさせて、義務が果たされるのを待っていたんでしょう。一人で汚れるのは怖かったから。そのあたりがストーリーの展開で非常にうまく表現されていました。結局やくざも、人間なんですよね。やってることはゲスいけど、そう思わせてくれるようなストーリーで良かったです。

3

何度読んでも良い

評価が分かれる作品ですが、
個人的には神作品の一つだと思いました。
一度目は受け目線で読み、二度目は攻め目線で読んでみました。
一度目は、高校時代に出会ってしまった攻めに人生ごと持っていかれてしまって、なんて最悪な話なんだとショックを受けました。
二度目は、攻めが受けだけに執着したが、育った環境ゆえ歪んだ接し方でしか表現できなかったんだのではないかと感じました。

そして、何よりノンケや女性が出てくるのでリアリティがあります。
BLは毎日1冊は読んでいますが(笑)、受け目線・攻め目線両方で楽しめる作品にあまり出会わないので、本作品は永久保存版です。

欲を言えば、攻めがヤクザ業を引退(?)した後、ただの人になった時
受け攻め逆転しないかな~という願望があります。攻めが色気あるので。
ただの願望ですので、無理があるのは承知です。

シビトさんの本はほとんど読んでいますが、この作品が一番好みでした。

5

複雑

人間関係も設定も私の気持ちも複雑!!
ということで複雑というタイトルをつけました(苦笑)

ヤクザのお話。
ヨネダコウさんとか雲田はるこさんのお話を思い出しました。
ヤクザのお話って同じような設定になりやすいのでしょうか。

面白いとは思います。
人間関係も設定も深いとは思います。
というかむしろドロドロ。
昼ドラにこんな女の人いるよな~って思ったし。
(というかBLで女の存在がこんなにウザイと思った作品は初めてかも)

でもやっぱり引っ掛かってしまうのは、
「本当に攻めは受けを愛していたのか?」ということです。
私は疑問でなりません。
本当に愛していたならもっと大切に出来たんじゃないか、
もっと愛情表現を出来たのではないのか、
そう思ってしまうんです。
攻めの受けへの想いが伝わってきませんでした。
伝わって来たら評価は変わっていたかも知れません。
それに受けが健気すぎます。
よく攻めを信じられるなと思います。
私がもし受けだったら辛すぎますね。
それでもお互いが幸せなら良いと思いますが、
私には正直納得がいきません・・・感情移入しすぎかもしれませんが。。。
モヤモヤとした複雑な気持ちです。

ということで中立にしました。
昼ドラが好きな人は面白い作品かも知れません。

2

信じて待っていられるか

やくざBL。
シビト先生の描くダークな雰囲気に惹き込まれます。
右介はずっと親の意思、そして大和に出会ってからは大和の意思で縛られて生きてきて、でも最後は自分の意思で大和といることを選べたんですね。大和はずっと感情が読めなくて怖いくらいだったけど全ては将来右介と添い遂げるためだったのか。他の組の愛人にしたりその娘との子どもを産んだりがっつり寝とられシーンも描かれていてえげつなかったけど、それでも大和の刺青への嫉妬や「待っててくれ」の囁きがより一層胸に響いた。二十余年間の愛憎と絆……憎いほど大和を想って生きてきたこれまでの分まで、二人で幸せになってください。

0

昼メロちっくだなあ

BLという時点で昼メロってことは、絶対にないのですがね。

高校時時代、図書室で出会ったばかりに、人生を大和に搦め取られてしまった右介。
学年も違うし接点なんかなにもなかったはずなのに。シビトさんならではの歪んだ男が主人公なんだけど、なんだかちょっとなんちゃってヤクザ感が漂うというか・・・。
お話も淡々と進んで、もう少し山場が欲しかったかな。
唐突に終わったようにも思えるし、全体的にさらっと乾いた感じなのは、敢えてそうしてるのかもしれませんな。シビトさんだもの。

3

大和がホストでマストでジャスト(な作品ではない)

※以下ただの雑感・感想です。(&ペーパーのネタバレあるので閲覧注意)

恋煩シビトさん、間違いなく自分の好き路線の方なんですが…今回も、ドカンと来ず、ぬる~く萌えました。
本作はヤクザものということで、今までの作品にはない何か突き抜けたものを感じるかもしれないと思って読みましたが、相変わらず自分の中ではキそうでこなかった感じでした。
「ヤクザ(攻)・愛人(受)・奥さん」と、揃ってるな・・・ニヤリ!と思ったんですが…(´・_・`)…

そもそも特典ペーパーを先に読んでしまったがために、大和に対する妄想が暴走してしまったのがいけなかった。
本編コミックを読んでいてもやっぱり感じたことなんですが、大和がどうしてもヤクザに見えなくて。
この人、ヤクザって言うほどの貫禄がないなと。
そこ行くと、ヤクザっていうよりホストでどんぴしゃの見た目だなと自分的に思えてきたわけです。

「ヤマトさん入りま~す!」
「ハイ ハイ ハイ ハイ! 姫に(Hi-Hi)シャンパン(Hi-Hi)入れます(Hi-Hi)」
「ドンドンドドン ドンドンド ドンドン ドンドン ドドン ドンペリです☆」
みたいなアホな妄想がね…駆け巡って。

そして大和のあのワカメヘア。&ペーパーでは夏の暑い海辺でもスーツを脱がない姿を見てしまい。
…そういえばどんなに暑くても日焼けしないようにスーツを脱がないでサングラスと日傘と手袋していた超有名人とかぶるような…
この人は間違いない、マイ○ル・ジャクソンの信者だな!って思ったんですよね。
大和がホストでマイコー信者でムーンウォークが得意っていうパラレル描いて欲しいです。

ちなみに本当の話ですが、自分の知り合いに893の息子でマ○ケルのファンで、マイ○ルの歌とダンスを完コピしている人がいたんですよね。
本人は893の道に入らず平和に暮らしていますが…。
大和を見てその人を思い出したのも影響したのか…

ま、しかし。この作品みたいに暗闇を走り抜けた先に、
最後に光が見えるような作品って結構好きなんですよね~。
ちょっとMっけがあるのかしらw
ドカーンとはきていないですが、でも菊池が好きだったり、
最後の大和と右介の二人のシーンが好きだったり、
けっこうなんだかんだで好きなキャラやシーンがあったりします。
何度も読めばもう少し染み入ってくるかもしれないな、と思っています。

こちら現在、続編連載中です。
息子の代のお話のようです。
ということで、マイケル妄想が消えてそっちはいい具合に読めるんじゃないかと期待。

7

Krovopizza

咲人さん!こんにちは~!!(*^▽^*)

おぉ~咲人さんが「バラ色の時代」をレビューされてる!!と思ったらまさかのMJ!
どうしよう・・・大和のオサレヘアーがもうワカメにしか見えなくなってしまいましたw
縄張りにクラブもあるようだし、これはもう番外編でムーンウォークを披露するしかありませんね☆

そして連載情報ありがとうございます♪
息子編ということは、大和はもう隠居かな~
年を取って落ち着いた大和が見られるといいですねv

なんて狡くて誠実なキス!!

最後に『幸せ』と言える強さ。

強がりでなく強さ。
ハピエン!!と手放しでは言えなくて、幸せには人それぞれのかたちがあることを思い知らされます。
この作品は好き嫌いが分かれるんでしょうね~。

右介は高校時代に図書室でたまたま出逢った大和と穏やかな時を過ごしていましたが、ある日、わけもわからぬまま無理やり犯されます。
その後、実家の跡目を継いでヤクザの組長となった大和と彼の子飼いの闇医者兼愛人となった右介のおよそ20年に渡る関係を描いた話です。

大和は右介に執着しているのに敵対する組長に右介を情夫として差し出し、代わりにその組長の娘を抱きます。
人質ってことなんですが、右介の諦めた風情が切ない。
右介は大和に恨み言を言いますが、それはあくまでも自分の存在についてであって大和との関係を言及してるわけではありません。

大和の妻となる敵対するヤクザの娘ですが、これがまた一見、ふんわりしたイメージなんですが他の女にはハナもひっかけないのに対し右介には何かを感じとり粘るような視線を投げる。
その本能に背筋が寒くなります。
女(妻)が女(牝)に火花を散らす。
彼女の父親が女の闘いについて語る場面がありますが、よくわかっていらっしゃる(笑)
でもこの妻、男同士の絆に気づいても大和は責めずに自分が入り込めない、やるせなさは右介にあてつける。
頭は悪くないんですよ。
底意地の悪さはあれど嫌いじゃなかったなぁ、この人…イヤミすらストレートでした。

突然、暴力的に人生を奪われ精神的に虐げられている右介は己の現状を憂えても表向きは受け入れています。
でも事故的に居着いた奥村という青年の素直な明るさに自分の失ったものの大きさを思い出していた矢先、大和に子どもが生まれることを知ります。

失われた自分の存在意義を取り戻そうと大和に決別を乞う右介。
ここで奥村との会話にも出てきた『キス』が重要な役割を果たします。
あのキスは狡くて誠実で切ない~!

耳打ちされた言葉に大和の目論見を半信半疑ながら気づいた右介が『一緒に汚れていく』ことを選んでからの表情、特に瞳が良いです。
大和の妻とのやりとりにも選ばれた者特有の余裕が出ています。
描き分けが巧すぎる~。

大和は、父親にとっての菊地(側近)のような最後まで側にいる唯一無二の存在が欲しくて右介を巻き込んだわけです。
図書室で右介と過ごした穏やかなひとときはそれだけ大和の心をとらえて離さなかったんでしょうね。
右介の人生を奪ってでも大和には必要だった。
自分のために犠牲になってほしいって、なんて残酷なプロポーズだろう。

ラスト怒濤の10ページに心をわしづかみにされました。
この一冊の中で一番、穏やかな10ページ。
そして一番、あたたかい10ページ。
そこには彼らの静かな意思が花咲くまでのおよそ20年が凝縮されています。
大和の爬虫類っぼい切れ長のさめた目つきはなかなか感情を読ませませんが、ふっと、わずかにやさしく緩む。
右介の20年は報われた…んでしょうね。

きゅん、とする萌えやラブぃ雰囲気、甘さなんてカケラもない。
すご~く暗くて陰湿な執着の話です。
でも私にとっては間違いなく胸アツな神作品でした。

12

幸せも考えよう

設定があまりにも好きで手に取ったのですが、
何かあと少し足らない気もしたものの、3度読んでやっと腑に落ちました。
きっと作者さんは、最後に唯一見せた大和の笑顔を描きたかったのではないでしょうか。

大和は特に語らず、右介を犯し、貶め、利用し続ける。
自分が望んでもいない酷い人生を送ってるとみて、右介を自分と同じように最低な世界に引きずり落とそうとする。
でも右介は染まらない。慣れはするけれど、彼の本質は変わらない。
変わってしまったら、大和は彼を捨てたのでしょうね。
でも大和はきっと右介は変わらないと知ってたのだと思う、あの図書館で出会ったころから。

大和は母の愛情を知らないから、きっと女性を愛せなかったのだと思います。
でも妻を利用はしたけれど、不幸にはしなかったのではないかな。
彼女は右介に嫉妬し、多少の意地悪はするけど立派だったと思う!
それに対して、やはり男は脆いものなのかもしれませんね。
そして一途。
女であれば、たった一度のキスとあんな一言だけで何年も待っていられませんよ、きっと。

形はどうあれ、一緒に生きれる相手がいるということは、やはり幸せなんだと思います。
そんな相手を見付けられたこと。
汚い世界を見続ける彼らにとって、それはバラ色に等しい。
台詞は極端に少なくとも、作者の意図を開花させたラストに感じ入ることができました。

作者にとってアンダーグラウンドの世界を描くのは初めてのようですが、作風からしてもとてもそうは思えない!
またダークな世界を描いてくれることを期待してます。

8

かえっちょ

rose-lilyさま

こんにちは。コメントいただき、ありがとうございます!
そうですよね~、彼らはとっても幸せですよね。
時間はかかったけど、これから先はずっと二人でいるつもりなんですから♪
そしてonblueで大和の息子たちが!?
ほんとですかー!!チェックいたします。
情報ありがとうございます!
これまた楽しみですね!

roseーlily

かえっちょさま

こんにちは(^o^)/
ラストの二人、良いですよね~。
大和と右介は幸せな二人だなぁ~、と思います。
今onblueで、大和の息子たちの連載が始まっているそうですよ!
コミックになるのはまだまだ先ですが、楽しみですね♪
私も、シビト先生には他にも沢山ダークな作品を描いて欲しいなぁと思います。

ローズリリィでした。

口吻をする相手

恋煩シビト先生の本は、まだ四冊目くらいなんですが。
いつも後で何度も読み返して、じわじわ~っと沁みてくる。
なんとも不思議な作家さんだなぁと思います。
そして、これは読んだ中では一番好きかも?!
すごく好きです、このお話!!

大和の考えている事は、ほんっっっとわかりにくい!!
こういう、わかりにくい男ってすごく好きだ~♪
どうしたいの?
なに考えてこんな事を?
何で何も云わないの?
って思いながらも、「?」の中身を右介と一緒にあ~でもない、こ~でもないと考えてしまう。
すご~く理不尽で、すご~~~くイライラする。
それが良いって、ある意味私もMなのか?!

大和のはじめの図書館でのセリフ。
あそこに全てが集約されている訳ですね。
右介は、大和の数々の理不尽すぎる行動よりも、式に泣く。
それにめちゃくちゃキュン!!ときました♪
口吻の意味とか、大和はどんだけ深く考えてんだよ。
なんて思うと、この人は私にとって今年最大のツンデレかもしれん?!
と思いました。

後、あの姐さんも好きでした♪
ヤキモチを剥き出しにしすぎないところがカッコいい!!
右介が男だからというのもあるんやろうけど。
やはり彼女は組長の娘なんだなぁ~と。
ヤキモチでイヤミを言うシーンもですが。
右介の怪我を心配するシーンとか、バラの中の二人を組員の一人としみじみ話しているシーン。
すごく好きでした!

一つだけちょっぴり残念なのは、大和の本音を最後までひっぱって欲しかった。
途中で右介に呟く言葉には、もう少し上からな感じが欲しかったかな。
最後の最後にデレッとなると、美味しかった!
とは言っても、私にとっては限りなく神に近い萌×2です♪
シビト先生ありがとう~♪

2

こういう男、嫌い!

お話としては面白いけど
正直この攻めキャラの自分勝手さが気に食わない私(^^;)

同じヤクザものでもいろいろ違うよね。
最近読んだ「最凶シリーズ」では、とにかく受けにメロメロな攻め。
自分の命かけても守るもの。

だけど今回のお話は、
自分勝手な攻めが自分の為に受けの人生を狂わすお話。
言葉がまず少なすぎるだろ…
ぼそっと攻めが自分の気持ちを伝えたからと言って、
そこまで我慢できるんだ?

執着してるくせに受けを大事にしてるように見えない。
他の男に簡単に差し出すし、その男の娘を妻にするし。
またこの娘が女という性を武器にしてくる。
女の方にしてみても必死なのは解るけどさぁ…

まぁ、きれいごとばかりじゃないけど
もう少し受けに対して、ハッキリとした愛情が読みたかった。
捨てられそうになってやっと少しずつ出て来たかなと思っても
やっぱり受けばかりが我慢してるようにも見える。

最後の最後に素直になったと思ったら「あと8年」…
おいおいどこまで自分勝手なんだ?
受けの前だけでは弱い自分もさらけ出せる攻めって
嫌いじゃないんだけど
それが一番最後っていうのがなぁ
だったらそこから8年はちゃんと大事にしてやって欲しいけど
どうなんでしょうね…
また受けにだけ我慢させるのか?

正直、受けの包容力が無ければあんたなんて捨てられてるよ?

私がヤクザものに求める攻めキャラではなかったので萌止まり…

6

紆余曲折★20余年間の愛と絆!!!

ヤクザの組長の息子の大和は、その家柄故に学年中で恐れられ、浮いた存在だった。
そんな中、唯一静かで居心地が良かった図書室で、医者を目指す優等生の右介と出会う。
右介は大和の家の事を知らず、「君といると安心する」と言う。大和にとっても右介は、次第に唯一心が穏やかになる存在へと変わる。
衝動が抑えられず友介を無理やり抱き、次第に右介を「自分と一緒に汚れてくれる存在」になってほしいと思うようになり、愛人として監視し続け、永遠に自分の傍から離れないようにする。
途中、友介が可愛そうで可愛そうで、せつなかった~。
でも、大和は結局は右介を誰よりも愛していた!!!ということが分かってハッピーエンドでよかった!!好きなんです!こういう紆余曲折の末のハッピーエンド★美人なドクター受けっていうところも萌ポイント高し。シビトさんの描く美人受けには、表情などに独特の色気を感じます。

4

せつなすぎるのか、自分には無理…

神評価が多いのを期待して購入しましたが残念ながら自分の好みではなかったです。
極道ものって2人の間に障害が沢山ある中『攻だけは受のことを守る』そういったもの期待しているので思ったのと違いました。
俺が他の誰かのものになっても離れることは許さないとか...
待たせるなら分かりやすい愛を下さい!!!って思ってしまいました。
2人とも別の人と結婚して子どもが成人したら今度こそ2人で幸せになろうとかなら萌えたんですが、
受が一方的に束縛されているこの関係には満足できず…
手放した方が萌えたかも。

4

2巻構成にすべきだったかも

設定は凄く萌えなんですけど、う〜ん…おしい。
全てか中途半端に終わっているような気がします。
せめて2巻構成にして、もっと話をゆっくり分かりやすく進めて行けば印象も一気に変わったかと思います。神評価になったかも!

大和が右介に執着した理由も、相互依存の様な関係になった経由も薄いというか…説明不足というか…なんともしっくり来なかったです。

シビトさんの麗しい絵柄が炸裂していて、コマ割りはとても綺麗でした。
ただ、10代〜30代にかけてのお話なのにも関わらず、2人とも10代から顔や髪型がほぼ変わらなかったので年月の流れを目に見て感じる事が出来ませんでした。
せっかく長い年月をかけた2人の壮絶なお話なのに、凄くもったいないな〜…と感じました。

あと刺青を入れるシーン…!
大和の右介に対する執着が見て取れる大切なシーンだと思うのですが……
彫り師の方、マシーンで彫ってるんですね…マシーンじゃなく手彫りで入れてほしかったー!!
日本のヤクザと言えば手彫り!しかもこっちの方が痛みが強い分執着心の強さを表現出来たかも。
個人的に刺青萌えなので、細かいのですが凄く気になってしまいました…笑

5

ん~おしい?

発売前にあらすじを読んだときは
「うひょ~(*´ω`*)どんな愛憎劇が繰り広げられるの!!!」
と妄想を掻き立てられた・・・のですが
思ったよりも薄めな愛憎でした。

というのうも、お話の軸がぶれるなあと感じる点が多々あったからで、
たとえば組員が轢いた一般人がでてくるところ。
もっとお話に関わってくるのかなと思えばあっさりと退場。
大和の義父と関係を持つ、というのも要素としては結構いいのに、
ただのエロ担当として終わってた印象が。
思うにもっと登場人物を削るか、2巻編成にして
高校、大学の二人を描いていればまた違うお話になったのかな~

執着愛、というにはさらうようにお話が進むため
最後まで右助と大和に感情移入できないままでした。
ヤクザと闇医者、っていう記号としての役割を果たしているのが
大和と右助という印象。
途中、急に出てくる大和の世話役の菊池のお話のほうが萌えられました。
短い中で愚直、って表現してもいいくらい静かに大和の父に付き従う菊池
のいじらしさがきちんと描かれていました。

受けが別の人に抱かれるのが嫌!ってひとにはおすすめしません
ただ濃い~ヤクザものがお好きな方は肩透かしを食らう可能性が大です。
かくいう私がそうでしたw

3

「極道のオンナたち・淑女編」

◆あらすじ◆

暴力団組長の息子であるが故に、教師にさえ怖れられ、孤独な学校生活を送る片桐大和(表紙左)。
そんな彼に偏見なく接してくれる都筑右介(つづきゆうすけ 表紙右)と過ごす時間は、大和にとってやすらげるひととき。
しかし、父親の死でいよいよ組を背負う立場に立たされた彼は、右介を強引に犯し、自分の支配下に置きます。                              以来、大和の愛人として彼に蹂躙され続ける右介。
やがて大和は、敵対する吉原組の組長の娘と政略結婚し、右介は大和の舅と大和の共有の愛人に。大和の非道な仕打ちに彼の真意を測りかねて苦しむ右介ですが――
高校の図書室で二人が出会った1981年から2004年までという長いスパンで、二人の過酷な愛の形を描いた作品です。

◆レビュー◆

時代設定が1981年-2004年。関係あるのかないのか分かりませんが、「極道の妻たち」全盛期ですよね。
「極妻」と言えば、ヤクザに
「往生せんかい!!」
と凄まれてレイプされ、おぼこい雰囲気だったヒロインがいつのまにかチャカを握り凄味を纏うという、痛快なる女の変貌物語。
そして最大の目玉は、女同士お互いの髪を掴みあって引きずりまわす、メスむき出しの修羅場!
個人的に、任侠映画は結構好きなクチでしたねえ。

そんな任侠映画の世界を彷彿とさせるこの作品。
多分、右介が女っぽいからなんでしょうか。右介と大和の妻の確執も、かなりの比重を占めてるし。
でも、「極妻」と違ってピリッとしないのは、女同士の掴みあいの大喧嘩という名物シーンがないからかな。さすがに、男の右介と正真正銘女である大和の妻とで掴みあいはシャレにならないですが。
それにしても、右介は終始受け身なんですよね。
力関係ではヤクザである大和が圧倒的なのは仕方ないんですが、メンタルな面では右介が大和を支えてる…といった描写もないので、右介がほんとに囲われ者の女に見えてしまう。
そこが個人的に物足りなく感じた部分です。「極妻」から一番の目玉を抜いた感じ。

大和が右介に求めてる「一緒に汚れてくれる」という役割を、右介は果たしてるのかどうかも、最後までピンと来ず。
右介よりもむしろ、大和の父親の愛人でいつも傍に仕えていた菊池の生き方のほうが、「一緒に汚れる」という言葉がしっくり来そう…そういう意味で、個人的には菊池が一番BLキャラらしく見えました。

最終的には、大和は右介をただ飼い殺しにしていたわけではなく、実は大和もまた組を率いる立場という重圧から解放されて右介と自由に暮らせる日を待ってる――ということが分かります。
究極の身勝手だけど、こういう男についていく世界、フィクションの中で眺めるのは好きです。(自分は御免こうむりたいですがw)
本当に二人が結ばれるのは、出会って31年後! 気が遠くなるような年月を乗り越える愛…まさに演歌の世界ですね。
コテコテだし古臭い…でも、人を惹きつける魅力があります。
ただ…この2人、全然老けないのがどうも(汗)
歳月を重ねた二人の恋の熟成度合いを、ビジュアル面でも見せてほしかった。
せっかくの目玉である歳月の重みが、目に見える説得力として伝わってこなかったのが
個人的に残念でした。

全てを奪い、束縛するのが愛(でも奪うことは与えることと表裏一体)――という倒錯まっしぐらな世界って本来大好物なんですが…
同じ恋煩さん×祥伝社なら、「溺れる」のほうがこの作家さんの良さが生きていて、好きです。

10

暴力と搾取の果てに

バラ色とは程遠いくすんだ灰色のようなイメージカラーを経て、最後は心が洗われるような美しい薔薇の園が浮かび上がる不思議な魅力ある作品。


医者を目指す純朴な主人公が、高校でヤクザの息子に目をつけられたばかりにその後の人生を大きく狂わされる。
闇医者としてゴロツキの世話を強いられ、ときに取引でほかの男に差し出され、大和(攻)の正妻には嫉妬され情事や子どもを見せつけられ…。
自由意志や選択の自由のない右介(受)の人生はただただ理不尽で痛々しく、読んでいて憤りを感じます。

大和の結婚後、解放を願い出る右介ですが、そこで初めて大和に口づけられ「もう少し待っててくれ」と乞われたことで心が動く。
大和に必要なのは「一緒に汚れてくれる」人間。それは妻でも組の男でもなく自分なのだと悟った右介は、自分の役割を全うする覚悟を決める。
右介の気持ちが変化するきっかけとして、また男と女の対比という意味で妻の存在はとても重要です。
(※大和×妻のシーンが何度かあるのでそういうの苦手な方は要注意ですが。)
妻の、右介に対する想いの変化(嫉妬→理解・ある種の友情)も興味深いです。


大和の傲慢さも右介の心の広さもなかなか共感しづらいが、人はどんなに酷い境遇にあっても誰かに必要とされている実感と自負さえあればそこに幸せを見いだせるのかもしれない。
リアリスティックな描写に人生とは、幸せとは何か考えさせられました。


ただ、大和と右介の奪う・奪われる関係に大きな変化はないため、恋愛ドラマとしての感動やカタルシスは薄いし理不尽な気持ちは拭えません。

また、20余年の軌跡を描いているにも関わらず登場人物のヴィジュアルがほとんど変わらないのも残念。
30代なんてまだまだ人生の折り返し地点とは思いますが、視覚的にも年月の重みを表した方がラストの右介の言葉に深みが増したと思います。


大和の「あと8年」という言葉が作中の2004年。
本書が世に出た現在(2014年)には大和も息子にあとを継がせ、右介とどこかの国でバラ色の人生を謳歌しているのか。
読後に目次を見返すと、年号の意味がきいてきて感慨深い気持ちになります。

特典ペーパーは海へバカンスにきた二人。
スーツしか持っておらず汗だくの大和。
これから私服が増えるにつれ、右介との関係もラフなものに変わっていくといいなと思います。

14

大和の「もう少し」が長っっ!!

 我がまま坊やとぼんやり男の30年愛。受けは他の男に抱かれ、攻めは女を抱いて結婚し子までもうけて、その子が二十歳になったら一緒になりましょう、という気の遠くなる話です。
 読んでいる最中は「そんなバカな」と何度も突っ込みましたが、読み終えてみると2人は2人なりに幸せだった、それどころか都合よくファンタジーな展開にもっていってもらえない中でよく愛を貫き通したと、逆に究極の愛的なものを感じたりもします。

 それでももう一度読もうとは思いませんし、人様にお勧めする気にもなれないので「趣味じゃない」に近い「萌」で、ネタバレ全開でいきます。

 組長の息子・大和と、医者の息子・右介。
高校時代に知り合い、お互いに通じるものがあったのか無かったのか、縁は続いて10年後。組長になった大和と、その愛人兼闇医者として大和の傍にいる右介。
組のため、余所の組(吉原組)の組長に抱かれる事になる右介。
その吉原組組長の娘と結婚する大和。

大和と吉原組の娘の結婚&出産を機に、「お前と離れたい」と言う右介。
2人の間では初めての口づけをし、「もう少し待っててくれ」と告げる大和。

「もう少し」から2年後。本宅に引っ越し、大和と嫁と子どもと一緒に暮らす右介。
「もう少し」から12年後。吉原組の組長斃れる。
ああ、この時を待てという事だったのか、と思ったら「あと8年したら巽(長男)も成人する。そうしたら…どこへだって行ってやる」と大和…。

 えっ、まだあと8年待つんですか。そこで右介が「俺は幸せだ」とか何とか言って話は終わるので読者はもう待たなくていいし、右介が幸せだと言うならもう何も言う事はなく、特にこれといった感情が湧いてこないラストでした。

 傲岸不遜に見える大和の苦しみを理解できる、唯一の存在だった右介。
どんな状況に置かれても大和を捨てず待ち続けた右介の存在に、大和がどれだけ救われたか。
 傍目から見ると「えっ、何やってんの」と突っ込みたくなる右介の半生。誰からも愛されない男を愛してやれる事は、男にとっては最大の幸福なのかもしれません。

 そう思うと萌×2なのですが、嫁についての描写が多すぎたのが残念でした。二十数年の出来事を1冊にまとめてあるので、嫁とのHシーンや嫁の心情描写などは端折っても良かったかなと。後継ぎを2人残さねばならなかったのは分かりますが、女性のドロドロした部分は普段から見聞きしているので、今更BL園内で見せられても面白くも痒くもなく、ただ興が冷めるばかりで勿体なかったです。

 結局バラ色が何色なのかは人それぞれでしたが、3人の幸せの量を測ったら均等なんじゃないかなと思います。

5

スパイスな

萌えのスパイス、受け囚われレイプだったら好きだけどコレは頂けない。

最後に少し愛を感じたけど、ストーリーとしては受けが不憫でちょっとイラっとさせられて攻めもうーんって感じ。攻めの微妙な執着もうーん。。。

人間模様として読むにはGOOD!

しかし、BLとしては好みの問題でしょうが意見が激しく別れそうです。
極道物期待してたけど、私は好みでなかったです。

8

???

読み終わってモヤモヤ感が・・・。
最終的には両想いになったの?
っていうよりか大和は右介のことが好きだった?って疑問がいっぱい。
私的には大和は、あまり右介のこと好きなんじゃないんじゃないのって思っちゃいます。
大和はただ単に右介を自分の都合のいいように扱っていたような気がしちゃいます。

右介を他の男に抱かせておいて自分は女と寝ちゃってるって自分勝手な行動。
とにかく大和が右介を好きっていう気持ちが全然伝わってこない。

ちるちるで見て、すごく楽しみにしていたけれど、肩すかしをくらった感じです。

6

にじみ絵の点々で描かれたストーリー

大和のビジュアルがよかったです。

高校で出会ってから20年余りの長い年月を点々と拾いながら描いてあります。

大和は組長の息子で、右介は医者家族の次男。組長の息子だということが知れ渡っている大和には教師も生徒も近づかなかったが、図書室で出会った右介はそのことを知らずに屈託なく接してくれる。図書室で普通の友達のように過ごす日々を重ねるある日、組長が死に大和は後を継ぐことになった。2週間ぶりに右介に会ったとき、大和は「犠牲になってくれ」とだけ言って、右介を奪う。それから右介の大和に奪われ続ける人生が始まった。

あらすじ紹介を補完するとこんなところでしょうか。続きはぜひ読んでみてください。

淡々としていますが、読んでいてニヤリとしたくなるような味わいがあります。ぽつぽつ垂らしたにじみ絵の点々のようにエピソードが並んでいて、色と色が響きあい混じりあうように物語をぼんやりと形作って複雑なニュアンスを醸し出しています。
エピソードの中の登場人物の言動がまた小憎らしいんです。くっそ、かっこいい!

この感じはストーリーを知らないまま読んだほうが面白いと思うので、詳しくは書かないでおきます。

大和が黒だとしたら、右介は白、嫁は赤といったところでしょうか。それぞれのキャラが響きあっていく様も美しく描かれていると思いました。

思わず唸ってしまうような上手さはないんですが、独特の個性があって好きな作家さんです。短編でなく丸々一つのお話が読めて幸せでした。

8

まるで人間ドラマ

ザ•苦手分野のヤクザものでした(^^)
でも、恋煩シビトさん好きなので
どんな物かなと読んでみたら
BL以前に人間ドラマの様でした‼︎

ヤクザの大和と医者の右介は
高校の時に図書館で出会います。
そこから長い関係がスタートします。

この作品、私にとって萌えのポイントは
ありませんでした。
ヤクザの闇社会は、なんだか怖いし
(殴り合いとかは、ないんですが
駆け引きとか?)
ページをめくるたびに、右介はどうなるんだろうって
ハラハラしてしまい、やっぱり苦手だなって思いました。

右介を闇社会へ引きずり込んだくせに、
敵組に情夫として渡したり、
自分は結婚して子供作ったりと
やりたい放題な大和。

でも、大和の一途な思いがわかった時は
右介も報われて良かったなと思いました。

実際に幸せになるのは、一筋縄では
いかないんだというのがこの作品では、
読んでいて思うし、むしろハッピーエンドへ
向かっていく2人をみていると心から
祝福したくなります(^^)‼︎

しかし、やっぱり読む人を選ぶ作品だと
思うので、受け入れにくい作品かなと思います。

11

この作品が収納されている本棚

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