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表題作アカサギ 詐欺師と甘い鉄枷

恩田奏源,39歳,弁護士
槇圭人,27歳,結婚詐欺師

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

結婚詐欺師の槇圭人(まきけいと)のカモは、ある条件を備えたノンケの男だ。普通の男たちが自分によって骨抜きになっていく様は愉快で仕方がない。だが、ある日、槇は弁護士の恩田奏源(おんだそうげん)に捕まってしまう。槇の被害者が示談を依頼したのだ。
恩田は他の男と違って、槇の手管が通用せず、槇の金目の持ち物をすべて押収して去って行った。
「色恋の案件など反吐が出る」
そう言い残して……。槇は、腹いせに恩田を次のカモと決め、さりげなく接近を始めるが――!?

作品情報

作品名
アカサギ 詐欺師と甘い鉄枷
著者
沙野風結子 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
発売日
ISBN
9784812489062
4.4

(125)

(71)

萌々

(41)

(12)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
13
得点
556
評価数
125
平均
4.4 / 5
神率
56.8%

レビュー投稿数13

変わりように感動(っω<`。)

そんなに厚みは無いのに、行数は多いんだよなぁ(^_^;)
老眼の脳が最初ウッってなるけど、ページを捲るのが止まらない1冊。

『アカサギ』とは、結婚詐欺師の隠語だそう。
受け様の槇は、男性相手専門のアカサギ。
攻め様の恩田は、ヤメ検の弁護士。

恩田の事務所に槇のカモが相談に訪れた事で、恩田が示談金ゲットの為に槇を捕まえる。
そんな最低の出会い方の2人。
そして、私の恩田に対する印象も最低でして( ・᷄ὢ・᷅ )
なんだこの傲岸不遜な鉄仮面は(# ' 皿')
ムカムカなので、恩田をカモにしようとする槇を応援する気持ちですよ。

恩田が槇の存在を無視できなくなり、落とされるまでをニヤニヤで見守りました。

てか、恩田ってば、落ちたら落ちたで執着具合が半端ない(^_^;)
極端やねぇ( ̄▽ ̄;)
受け様に執着する攻め様、大好きですけどね♡

アカサギである槇が見せるの別の顔、カモから貢がせている腕時計の意味。
槇の本当の姿を見せられていって、ギューってしたくなりました。
槇の持つ傷や優しさが切ない。
そんな槇によって、変わっていった恩田も見直しちゃいました( ^ω^)


小山田あみ先生のイラストも相まって、大人のエロさをめっちゃ感じました。
が、同時に切なさや可愛らしさもあって、魅力的なキャラとストーリー"(ノ*>∀<)ノ

とても読後感が気持ちいいお話です(*´∀`*)

1

ラヴァーズ文庫

沙野先生と小山田あみ先生のタッグ作は、なんていうかもう…攻めから滲み出る哀愁をグッと引き出してくれてたまらんのです。作者様の哀愁攻め?が好きなもので。

ヤメ検の恩田(バツ一子持ち)がアカサギ・槙に落ちていくストーリー。

自分の手に負えないと若手弁護士から恩田に持ち込まれた案件は、男をターゲットにした結婚詐欺。凄腕鉄面皮の恩田は、鮮やかに依頼者と詐欺師・槙の間に示談を成立させる。

それ以降のラブ展開がエロッスです。

ガッチガチに堅い男に少しずつヒビが入っていって、官能に落ちていく描写が本当に上手い。あの、ガラス板越しの愛撫!そこからよもや貞操帯にまで行き着くとは笑

一方の槙は、自身の復讐心を晴らしつつ、意外な本懐を遂げているという人間的な、あまりに人間的な…、美しき受けです。

恩田がハマってしまうのがわかる。

個人的には腕時計の演出に泣けました…

悪事に手を染める者と懲らしめようとする者がどうやって互いに堕ちていくのか、萌えキャラ仕立てでお楽しみいただきたい。

2

詐欺師とは言うけれど

男性を手玉に取る結婚?詐欺師。その被害者から依頼を受けた弁護士。しかもヤメ検。どちらも過去に色々あって出会います。

アカサギのマキちゃんは男をメロメロにして時計を貢がせる。コレが実は、、、と言うのがマキちゃんを単なる犯罪者にしてないところ。被害者が子供を捨てた父親ってとこがミソですね。弁護士である恩田もバツイチで息子を手放した父親だった。
恩田の場合はどう愛情を注いだら良いかわからなくなっていたし、今でも息子のことは大事にしたいと思っている。でもうまく表現できないけれど。

だからこそマキちゃんと結ばれる結果になる。
微妙なすれ違い(マキちゃんの作戦は功を奏しているのに、効かないって誤解したりね)があるものの、一つ覚えのカレーを作って待つ恩田が可愛かったりして早く仲良しになって〜って思ってました。
後、息子がかしこい!二人の関係をフラットに受け入れてるっぽいところがよかった。お父さん、好きなんだもんね。

萌ポイントはガラステーブルの下!と貞操帯!
人間ドラマだけじゃないところがやはりBLだわー。沙野風結子さんは初めて読みましたが、他も読んでみようと思います。

1

名作ですね

遅ればせながら読了…。迷いなく神評価で。

ヤメ検の敏腕弁護士・恩田が以来を受けた案件は、男相手の結婚詐欺。狡猾な手腕で男から金を巻き上げる美貌の詐欺師・槇から強引に示談金を巻き上げた恩田だったが…。やられたらやり返す!的な二人のシーソーゲーム(?)が面白いです。男相手の結婚詐欺??という設定がユニークなのですが違和感なく読み進んでしまいました。

恩田と槇のバックボーンが割りと複雑なのですが、うまーく簡潔にストーリー展開に織り込まれていて、この二人だったら互いに”落ちるな”と納得してしまうのです。しかも、槇がなぜ何のために男相手に詐欺をしているのか?というところが深いですねー。。本当は被害者なんだけど、実は加害者だったという裏がわかると、槇のやり方がとても痛快にみえてくるのです。恩田と槇は、実はトラウマだったり過去への悔恨だったりで共鳴する部分があり、出会うべくして出会い、特別な関係になることで、各々が自分自身を癒していくような再生の物語でもあるのだなと思いました。

テーブルの下から愛撫プレイ(?)が新鮮でした。小山田先生の美麗なイラストに自分の妄想を駆使して、萌え悶えました。直接触れられていないのに、気持ちで犯されまくってる受がエロいです。そして、なんといっても”貞操帯”プレイ、エッロ!!!!
沙野先生の作品を読むと、毎回見たことないプレイがあって、新たな世界をひらいてくれます( *´艸`)攻めの独占欲、執着の象徴としての”貞操帯”、素晴らしい裏テーマでした。
先生、本当にありがとうございます。

8

先生、すごいです…


要約しますと

世の酸いも甘いも味わった利口な野良ネコが突如現れた黒い影に戦いを挑むも、
相手はなんと甲冑!(笑うとこ)
これまでの経験を活かし様々なねこぱんちを喰らわすも、傷付きボロボロになるのは己の身だけ…

そんな中、過去にブチのめしてやった雄犬が満身創痍の野良ネコに復讐を仕掛けてきます!
にんしん
させられそうになりますが、戦いのなかでも情の芽生えていた甲冑さんが無事に救出し保護してくれます。
穏やかな日々の中でまた悪戯をして下半身を檻に閉じ込められたりましますが、最後には甲冑さんのパートナーとして、たまに願って下半身を檻に閉じ込められたりしながら幸せに生きていくお話でした(あまり信用しないでください)

受け君のまるで野良ねこのような、相手がどんなに大きくても怖くても、ねこぱんちの一つぐらいは喰らわしてやろうとする所や、優しくされるとつい喉を鳴らしてしまうような可愛らしい所が個人的に大ヒットでした。

甲冑さんである攻めさんも、言葉数は少ないのですが一言一言が濃厚というか、ぎゅっと詰まっていて、その雄ぶりにいちいちあぁ格好いい…と思ってしまいました。

風結子先生が用意してくださっている終盤のアクシデントが毎回ドキドキでもあり楽しみで仕方ないのですが、今回は何個かありましたね…特に下半身の檻のアクシデントには、こちらまで無いものが奮い勃ちそうになってしまいました。最高でした、大好物です。

受け君の穴は攻めくんだけの穴!という方にはちょっとお勧めできないですが、猫好きな方にはおすすめできそうです(笑)

10

ガラステーブル越しの愛撫

飄々とした恩田と、恩田にだけ騙しがきかないことにムキになる槇の
かけひきと変化していく二人の感情が面白かったです。

天職といえるほどの詐欺師である槇が、恩田の策略には簡単に騙されてしまうなど
詰めが甘い部分もありましたが、そこはあまり考えないように読みました。
槇の過去や結婚詐欺を行う目的のストーリーもよかったし、
最後は槇が恩田に救われて幸せになれて満足です。

そしてなんと言ってもガラステーブルを介しての愛撫が最高でした(さすが沙野先生!)
イラストも素敵で、一層楽しめました(^^)

7

恩田が好きです。

 これは、強面のサイボーグが槇との触れ合いによって人間になる、という話だと解釈しました。
 とにかく恩田(攻)が良いです。血が通っていないかのような恩田が、槇(受)に心と身体の両方を刺激され、感情を揺さぶられて本能を剥き出しにする様子が楽しくて堪りませんでした。強面で仕事はバリバリとスマートにこなしていくのに、槇の前では冷静沈着なエリートの仮面さえも剥がれて、わたわたするのですから!
 独占欲丸出しの貞操帯プレイには笑いました。天晴れ!です。槇に執着する恩田が本当に可愛く見えました。イイです、恩田が良いです。面白いです。

7

騙せないのは彼か、自分か。

小山田あみさんのセクシーなイラストで男相手の結婚詐欺師、
是非拝んでみたくて読ませていただきました。
通称“アカサギ”と言うんですねぇ。

元検事で弁護士の恩田は、冒頭から結構な鉄仮面っぷりで
いくら男を騙すのがお手のものの槇でも無理じゃないか!?って
思わず心配してしまいましたよ!w
冷血で「色恋の案件なんぞ反吐が出る」とまで言い放ち、
それでも仕事の為に槇に接近します。
なんかもう、槇の手のうちを見透かして
罠にひっかからない様子がシビれました!!
まんまと自らその罠に落とされた槇の痴態ときたら…生唾もんですw
直接触れずに感じさせるシーンは思いもしない方法だったので
「そうきましたか!」と鼻息が荒くなりつつ
直後のふるまいにギャップがあってグッときちゃいました!

それから槇がどうにかして恩田をカモにしてやると躍起になり
色々調べて後をつけたり、大したものです。
冷たい男の歪む顔を見たい、
どうにかして鼻っぱしを折ってやりたいという原動力が強く
意地になる気持ちもわかります。

離婚歴のある恩田の弱点まで手に入れて
恩田を煽るシーンは複雑になりましたよ;
そこは触れちゃいけないんじゃないか!?って。
でもそれが一番ダメージを与えられる事で…。
結局煽った分、自分が痛い目見ちゃいますが…。
合意ではない行為は個人的に苦手なのですが
槇は自業自得な印象を受けました。
ですが、お互い惹かれているのはわかっているので
ここからどんな風に甘くなるのかドキドキでした!

槇のアプローチ、恩田のほんの少し緩くなったガード、
リアルでもありそうな駆け引きめいた言動が楽しめました。

事件に巻き込まれ(これこそ槇の自業自得なんですが)
恩田も自分の想いを誤魔化せなくなる様子と
二人の出会いがお互いの心の闇を解き放ってくれて
こちらまで晴れやかな気持ちになれたので
苦手なシーンもありましたが読めて良かったですよ!
簡単に愛を告げあうでもなく、優しく触れ合うでもないのが
逆に現実味があるというか。
たまにこういう作品も読むと刺激的なんですねw

興信所調査員の安藤がいい感じにくだけていて
彼のスピンオフを読みたくなりました!

あとがきで沙野さんがおっしゃっていた、裏テーマの貞操帯…。
検索してみたら様々なタイプがあって
色んな意味で身震いしてしまったのですが
普通は使いません…よ、ね??w

14

絶妙な色っぽさと切なさが混じり合ったストーリー

受けのマキちゃんは、男性を相手とした結婚詐欺師。男性相手というところが新しいなと感じました。男性を相手にしているのは過去のトラウマによるものでした。その理由を知ると、マキちゃんのしていることは詐欺って言うのかな?なんて思ってしまいます。

マキちゃんが詐欺のターゲットから奪うものは腕時計ただ1つ。
自分からこんな時計がほしいとは求めず、相手が大切に思う人にあげたいと思うものがほしいと言うだけ。
そこで相手が見栄を張って、借金をしてでも高い時計をマキちゃんに贈ろうとすることは、マキちゃんに責任があることには思えない・・・。自業自得だと相手を責めてやりたくなります。そこまで男を骨抜きにするマキちゃんの魔性はマキちゃんの努力と素敵な才能です!

マキちゃんは知れば知るほどに愛おしくなる存在でした。結婚詐欺の被害者が逆恨みしてマキちゃんを監禁し酷いことをした時、相手を否定することはあっても相手が自分に犯した罪を責めることはありませんでした。マキちゃんが詐欺をした男たちに求めること、相手に対する興味や関心はただ被害者たちの子供のためでしかないのですね。

そうしたマキちゃん相手に、鉄面皮で感情の起伏が死んだような恩田も少しずつ翻弄されていくのが楽しかったです。いつも一人でご飯を食べている恩田の横に自然と入り込んで寄り添っていくところなんて、マキちゃんテクニシャンだなぁ~!!とわくわくしました。

気づけばマキちゃんに骨抜きにされていた恩田は、マキちゃんを自分のもとに縛り付けたい思いから貞操帯なんてアイテムを使い始めます。その執着とマキちゃんへの愛情にじんわり嬉しさがこみ上げてきました。

マキちゃんのトラウマ、恩田の後悔。それがお互いに変化を生む切っ掛けになっているところが素敵だなと思いました。

もちろん、それだけじゃなくマキちゃんと恩田がその距離を縮めながら触れ合っている場面の色んなプレイと色っぽさは沙野先生らしさが存分に出ていたと思います。マキちゃんの中で新しい快楽が開発されてしまってこれからの恩田との関係も楽しみです。
私の希望としては恩田がマキちゃんに奉仕して尽くせばいいと思います!

16

肝心のプレイが

読了まで時間がかかりました。ページ数は少ないのですが、
受けの結婚詐欺師と、攻めの元検事の弁護士との攻防が
序盤、少々長くかんじて。
最近疲れてたわたしは読むのがめんどうに;
 作者のせいじゃないです…。
ただ、攻めが離婚歴あり、同居してない子供がいる設定なのですが
ゴツイってくらいなカオ、体格のおっさんで。あまり自分の好みじゃなかった…。
オッサンには受けて欲し…いやいや。

受けが攻めにやりこめられて、しかえしとばかりに攻めを
篭絡してやろうとします。
そのうちに気持ちが芽生えるのです(読者にはわかる)、でも受けは強情で。
同居していた攻めの家を出てゆこうとする。
そうして貞操帯プレイに。

沙野風結子さんってほんと、萌えがいっぱいある方なんですね。
たまにすごくツボるから読むのをやめられません。

ですが、今回のプレイはわたしは萌えなかった…。全く趣味の問題と思いますが。
それに貞操帯だけを身につけてのエッチの挿画があるんですが、
いまひとつ貞操帯の形状がわたしにはですが、わからなくて。
見切れ気味だし、攻めの指がかかっているし。
(最初気がつきませんでした…ぼやかしてある風なペ○スは、つられて目の焦点を合わせないようにしまうことが。はっきり描いてあるか、いっそ光る棒のほうが…。ムツカシイ問題ですね)
とにかく、貞操帯が見た感じどんなものなのか、いまひとつですが、「?」と。
評価をやや低めにしたのはそこです。
タンクトップと貞操帯だけですごさせる等、えっちくさい箇所も、
画が思い浮かばないためピンとこなかった。
(そりゃネットで検索したら図版があるでしょうけど)

小山田あみさんの絵、この作品には凄く合っていたと思います。
ヤってるシーンなど、ドキドキ。特に結合してるのを上からの視点の絵が好き…v

終盤にむけ結婚詐欺師の動機などあかされてゆきますが、
意外と泣かせるベタな方向へ。
受けの自分を捨てた父への葛藤(と子と向き合ってこなかった攻め)。
トラウマ物っぽい。
あれ?とも思いました。それまでの流れから…ズレてはいないんですが、
この作者でこの文庫で、そういうのを求めてなかった…(勝手ながら)。
でも それなりに心が動いたのと、ブツはともかく? エロさが滴る挿画vで この評価にしました。
作家買いはつづけます!!

6

過去のトラウマ

弁護士と結婚詐欺師(相手は勿論男性)のお話です。

別にお金が欲しいからじゃない…
父親を信じて裏切られて…
自分と同じような境遇にいる子供の為にその親を懲らしめる。
槇が結婚詐欺師になった理由が自分の過去にあるようです。

そんな親から結婚詐欺だと訴えられ、現れた弁護士・恩田。
実は彼も離婚しており、子供もいる。
そんな彼を次のターゲットに選んだものの自分の思うようにはいってくれない。
恩田の方も離婚した妻が再婚することで息子と会えなくなり、
初めて知る子供の存在感。
お互いがそれぞれにトラウマの持ち主。

その2人が一緒にいるようになり、それぞれに何かを求め執着するのですが
すんなりとくっつかずに槇の方から離れていってしまう。
最終的には息子のおかげで恩田は槇を捕まえることができましたが。
槇の方もそんな恩田親子を見て、
自分の中にある親と子のわだかまりが少しでも軽減されてるようで良かったです。

これで結婚詐欺師も廃業できますね。

10

憎めない受け詐欺師

結婚詐欺師と元検事の弁護士との駆け引きラブでエロは多目だけどそれだけじゃ無いって
感じさせてくれる意外にシリアスで詐欺師の生い立ちに切ないものも感じました。

出会いは弁護士の恩田が部下が助けを求めた懸案を引き継いだことで始まります。
相談に来たクライアントが結婚詐欺に合ったと駆け込んでくるが、結婚まで考えた
相手が男で未だに未練があるクライアントに示談を進め、その詐欺師と対決します。

もっとも恩田はどんな事態になっても表情一つ変えないような感情が死んでるのではと
思えるくらい冷淡無感情に見えます。
そんな相手に捕まってしまい、本能的に勝てる相手で無いと知った槙は
恩田に示談金と称して身包みはがされることになり、負けん気も強い詐欺師の槙は
なんとか恩田を罠にハメようと躍起になりますがことごとく失敗します。

詐欺師と弁護士の駆け引きといっても初めから槙の一方的な感じもあるのですが、
粘り強く恩田に近づいていくうちにいらない感情までにじみ出てくる気がしました。
槙は詐欺を働く相手に強請るものがいつも腕時計なのですが、後にわかるその理由が
結構切ない、親は子を選べないという現実を今更ながら感じ入るのです。

親に捨てられた子供と子供を捨てた親、二人の背景にもそんな設定があるのですが、
人間らしい情を忘れたような恩田が人間らしく人の親になり、過去に傷つけられ
トラウマのようになっていた荒んだ心を持つ槙が求めないと決めた感情を再び信じて
いけるようになる、そんな風に感じる意外に奥深い作品で面白かったです。

11

貞操帯プレイは愛の証?

男専門のアカサギ(結婚詐欺師)と
冷徹なオヤジ弁護士が対決する
バイオレンス系エロラブストーリーかと思えば
ハートフルなホームドラマ的要素もあり、
しかしやはり最後はややマニアックに
貞操帯プレイで終わるという
感動とエロが程よくブレンドされた一冊でした。


男相手に結婚(養子縁組)詐欺を働く槇(受)。
ある日、カモの一人が弁護士事務所に示談を依頼したことで、弁護士の奏源(攻)に財産を押収されてしまう。

リベンジを誓う槇だが、
用意した催淫剤は自分が飲ませられヤられてしまう。
自分に靡かない奏源が気に入らず
自宅に押し掛けて手料理を振る舞ってみたり
バツイチの奏源の息子のことを調べてみたり…
悪ぶっていても結局奏源のことが好きなんじゃん?
と思わせるツンデレぶりがツボりましたw

奏源は仕事>>家庭で妻に逃げられた冷血人間ですが
槇にだけは淡白な自分を捨て
ガツガツ犯すほどの執着心を覚える。
槇を罰したいという元検事の正義感もあるけど
槇に誘惑されることを内心楽しんでいる節もあり、
老獪なようで離婚のことで繊細なトラウマも抱えている
なかなか一筋縄ではいかないオヤジですw


そんな二人ですが
槇が詐欺を働くのは子供時代の切ない過去と
同じ境遇にある子供たちへの優しさからであると
奏源が知ったことでグッと距離が縮まる。
クライマックスの再会シーンは子供を使った実に心憎い演出で、不覚にもじーんときてしまいました!
父に愛されなかった槇と、離婚して息子に会えない奏源。
奏源は執着できる相手に、槇は自分を追いかけ縛ってくれる相手に出会えて本当によかったと思います。

そんな二人のラブを盛り上げるのが「貞操帯」。
長時間つけっぱなしにされ鬱血…など、イタ気持ち良さそうな描写にゾクゾクしました。
この二人の関係を象徴するぴったりのアイテムだと思います!
(あとがきで鉄製貞操帯の魅力が語られていて
なるほどこれを描きたかったのねと納得w)


挿絵は小山田あみさん。
どの絵も素晴らしいのですが
特に座位シーン(大開脚!)のエロさと
ラストの再会シーンの美しさが印象的。
いつもながら着衣でも裸体でもフェロモンムンムンで
惚れ惚れします☆☆☆

14

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