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砂原先生があとがきにも書かれていましたが、ほーんのちょっとずつ、全巻リンクしていて、それがまた良い。
精神引き絞られるほど切なかったのは1巻だけど、3作目はそれに比べるとおだやかで、でもおもしろくて一気に読みました。
漢字とカタカナの、名前の使い分けも印象的でした。
額田さんが組抜けられてよかった☺️
言ノ葉3部作プラス言ノ葉便りを読み終わって、初めて心を読まれることにあまり抵抗感の無いお相手が登場します
抵抗感が薄いというより外の世界への関心や希望が薄いんですね
生きることにも
翻ってカンナは自分が生きていていいと思えるように人の手助けをしないといられない 脅迫観念に苛まれているようです
2人ともなるようになってしまった人間ですが、お互いに相手と関わって関係を詰めていくうちに自分にも向き合わないわけにはいかなくなります
1作目に比べると葛藤や迷いが薄いぶんさらっと読めてしまいますが、これはこれでいいと思います
点が甘いのはエッチシーンが1番好みだったからかも(笑)
「言ノ葉」シリーズ3作目。
本作も全く新しいCPのストーリー。ですが、2作目「言ノ葉ノ世界」に登場する人がこちらの作品にも出てきます。
本作での「能力者」は、生まれつき能力を持ち、しかもお母さんも「聞こえる人」だった、というカンナ。
カンナはその能力を人に役立つように使いたい、という気持ちを強く持っていて、そのためにいつも自分は貧乏くじ。関わった人が気味悪がったり怒らせたりで、全く上手くいかない。
そんなカンナが出会ったのは、「空っぽの男」ガクタ。なにも考えていない、空洞の心。
どうやら施設から引き取ってくれたヤクザの組長を「親父」と呼び、忠誠を誓って「犬」として存在しているらしいガクタ。
今まで「誰かの役に立ちたい」と漠然とした思いで闇雲に自己犠牲をしていたカンナは、「ガクタを」救いたい、と願った時から強くなります。
親父の命令で人殺しをしようとしていたガクタを必死に止めるカンナ。そんなカンナの気持ちが通じて組の命令を聞かなくなったガクタはリンチされてしまう。いよいよ親父に殺されそうになった時、カンナの強い気持ちが新たな能力を目覚めさせる!
この作品においては、2人の間の壁は最早カンナの能力ではありません。ガクタはカンナの丸ごとを『可愛い』と受け止めているのです。
このメインの話と並行して、カンナは「アキムラカズヨ」を探すシュウと偶然出会います。カズヨが自分と同じ能力を持つこと、それを知って恋人となったのに能力の重圧に耐えられずカズヨが消えてしまったことを知ります。
2作目を読んだあとだと、「え、この2人は会えたんじゃなかったの?」という気持ちになりますが、あとがきから察するに、本作は2作目と同時くらいの時間軸で起きていたもう一つの物語のようです。
2作目と同様、ガクタとカンナも無事に恋人となり、シュウとカズヨも再会できて、優しい読後感のハッピーエンドとなります。本作の2人はお互い辛い幼少期を経て、不思議な縁で出会い、心を通わせてこれから穏やかで優しいカップルになるんだろうな…
3作共同じ「心の声が聞こえる」人(しかも一作ごとに違う人)の設定だと、実はそういう人はこの世界に沢山いた、っていう事になりがち?その上パラレルというのが私的にイマイチで、この物語自体は面白いと思いますが、評価は「萌」で。
『言ノ葉』シリーズはお名前は存じ上げていましたが、未読。何冊か出ているシリーズなので、人気作なんだろうなと思って購入してみました。
えっと。
アホな私はこれが1作目だと思い込んで購入したのですが3冊目だったんですね。ということで、『言ノ葉』シリーズの先入観ナシ&初読みでの感想を。
まずこれだけでも何の問題もなく理解できました。
人の心が読めること、そして両親がおらず親戚をたらいまわしにされてきたことで孤独を感じて生きてきたカンナ(受け)。
親がおらず、施設から引き取って育ててくれたヤクザの「親父」に心酔し、彼のためなら体を張ることをいとわないガクタ(攻め)。
孤独に生きてきた彼らが心を寄せていくお話。
読みやすい文章に、特殊な設定でありながらもリアリティのあるストーリーで読み始めてすぐにぐっと引き込まれました。
ガクタの孤独が切なかった。
親がいないこと、無口で体が大きいことから子供のころから一人ぼっちだったこと。
「親父」に犬としてしか扱われないことに対する不信感。不信感を抱きつつも、そこにしか居場所がないガクタ。
けがを負った野良犬のようなガクタがすっごく哀れでした。
対するカンナはめっちゃいい子で、健気。
良い子なんです、ほんとに。
でもなあ、カンナの「いい子」ぶりがちょっと目に余った、というか。
母親から自分の能力を人のために使いなさい、と言われ続けた彼が、その教えの通りに生きたい、と思うのは理解できる。
けれど、仕事を探しに行ったのにほかの人に仕事を譲ってしまうとか、ガクタに襲われたときに「病院に行かせるため」に体まで差し出すのは、ちょっと違うんじゃないかなあ…、と。自己犠牲が強すぎる気がしました。
そして、最後のガクタを助けに行ったときに「親父」に対して使う切り札。
いやいや、ないでしょ…。
というのが正直な感想。なんともご都合主義的な結末で拍子抜けしてしまった。
孤独なガクタが、わんこのように慕ってくれるカンナに惹かれていくのは理解できる。
けれど、カンナがガクタに惹かれていった過程が分かりづらかったのも残念でした。
ガクタがヤクザだったり、カンナの能力が特殊だったり、二人には親もおらず孤独な少年時代だった、というバックボーンからストーリーとしてはシリアス寄りですが、基本カンナの献身的な態度と健気さがあるため、全体を通して優しい雰囲気だったのはよかった。
ガクタとカンナが想いを通わせ、恋人になってから、「ガクタ」「カンナ」が「額田」と「栞名」という表記になったのも良い。紆余曲折を経てお互いが唯一の存在になったのだと。とても素敵でした。
中盤、シュウとカズヨが出てきます。誰なのかなあ、と思いつつ読み進めましたが、この二人が1作目のCPなんですねえ。
なんでそんなことになってんの?という。1作目を買いに行こうと思います。
イラストを担当されている三池ろむこ先生の絵が可愛らしい、優しいパステルカラーで統一感のあるカバーが印象的ですが、タイトルと表紙が一致するまで時間が掛かってしまいました…。誤って二作目の『言ノ葉ノ世界』から読んでしまい、しかも最初に買っておいたのがこの『言ノ葉ノ使い』。四作目は未読なのですが、それぞれに独立したお話なので(たぶん)どの作品から読んでも楽しめますよね。今のところこの作品が一番お気に入り。
砂原先生を読むのは初めてでしたが、このシリーズから入ってよかったです。『言ノ葉』シリーズは、人の心の声が聞こえてしまう主人公のお話。この三作目は、日常からちょっとだけずれた世界へ案内してくれるようなファンタジー色が強く、主人公のカンナがピュアで可愛かった。シリーズのテーマゆえか人物の気持ちがわかりやすく描写されていて、一歩間違ったらあざとく感じるかもしれないのに全然気になりません。ここでラブが入るんだろうか、なんて予測ができても流れがナチュラル。そしてエロはちゃんと!人物のピュアさとエロが違和感なく一つの作品の中で楽しめるなんて!
物語の途中から、名前の表記がカタカナから漢字に変わるのも作為的な演出だと思いますが、わかりやすいにもかかわらず嫌味じゃなかった。もしかしたらカンナちゃんがツボ過ぎて、何もかも良く思えてしまったのかもしれないけれど、先生にはキャラに惚れさせる手腕があるってことで、素直に素敵な作品だったなって思いました。このシリーズはわたしみたいな小説初心者向けかもしれませんね。
ちなみに、第一弾はブルーの表紙の『言ノ葉ノ花』ですので、お間違えなきよう。