ボタンを押すと即立ち読みできます!
最低で最高の音を聴かせて。
◾︎あまいノイズ
谷カオル先生、こちらのデビューコミックスから方向性ぶれてないんですね。イヤホン擬人化ってなかなか見ない。かつて擬人化モノが流行っていた頃もありましたが、2014年ならギリギリ範囲かな?いや、ちょっと遅いかな?
描き下ろし4コマを見ると、一層BLを感じない!可愛いけど笑
◾︎鈍色ノスタルジー
未亡人もの!小谷先生にもっと色気があるとよかったな。なんせ未亡人。谷カオル先生が左右どちらのつもりで描いてらしたかにもよりますが。
◾︎泡沫人
この単行本の中で一番好きです。鈍色ノスタルジーでは感じきれなかった色気がこちらの作品にはある!
表題作は谷さんお得意のファンタジーもので可愛らしいです。
BL未満なのも御愛嬌といった感じですが
やっぱり音楽って生活に潤いを与えてくれるものですよね。
『鈍色ノスタルジー』和服の似合う元教師と明るく健気な元教え子の恋、シリアスめで切なさもありました。
『日常ランペイジ』在宅デザイナーと屈託のない家政夫、これから賑やかになりそうで楽しかったです。
もしかしたら谷さんの作品で一番好きかもしれない『泡沫人』。
ワケありの代筆屋と誠実な学生の恋物語ですが、
戦後という時代も感じさせ、雰囲気が素敵なのです。
最初は字に惹かれ、大人で綺麗な顔立ちの“ヨヒツ”さんへ会いに行く度にその人そのものにも惹かれてしまう梶くん、聡明さもあってとても好印象です。
自身の両親を亡くした悲しみも受け入れられたのは
ヨヒツさんと出会えて毎日に輝きが戻ったから。
ヨヒツさんも、愛を知らずに生きてきたけど梶くんに救われて
もしかしたら本当の名前も梶くんに教えてあげるかもしれませんね。
いつまでもあだ名みたいじゃ可哀想なので。
余韻の残るラストなのに、描き下ろしがあまり甘くなくて笑ってしまいました。
でも本当の最後の1ページはうっとりです。
もう勘弁してくれっていうくらい梶くんに愛されて欲しいな。
表題作を含む、4編から成る短編集です。
全てプラトニックであり、中にはB Lかな?と思うものもありました。
しかさ、萌えるんです。
この内容でエロがあったら、逆に萎えるかもしれません。
この短編集には、ここまででいい!そう思わせるストーリーがあります。
特に気に入ったのは、表題作の『灰とバラード』
イヤホンが擬人化して登場するというファンタジーです。
勝手に編曲したり、無理に勧めてきたり、イヤホンとしての働きはいまいち…
しかし、感情や意思をもち、イヤホンの気持ちに曲が影響されるのが、とても可愛い。
言葉にしなくても伝わっちゃうんです。
320(ミツオ)と名付けられて、ダサいといいながら嬉しさで音が跳ねるところが好きでした。
他の作品も、ほっこり心が温かくなる良作揃いです。
時にはこういうB Lもいいなぁと感じました。
はじめて読む作家さんでしたが、すごく良かったです。
表紙の絵の繊細な色使いがとても好みだったので手にとりました。
収録されてる4話、全てのお話がプラトニックで、二人の気持ちが通じ合ったかな〜?ってところで終わっています。続きが見たいし気になるけど、あえてここで終わらせてるのがいいのかもしれません。読み終わった後に余韻がすごく残ります。
エロがっつりのBLを読んでいると、ときどきこういうふわっとした優しい感じの作品が読みたくなります。そういう気分のときにぴったりの作品です。かといって、いわゆる雰囲気BLとはぜんぜん違いますよ。お話の展開もちゃんとしてておもしろかったです。
以下、特に気に入った作品の感想です。
イヤホンを擬人化しているお話「あまいノイズ」。他の方も書かれていましたが、すごくかわいい!ミニチュアの人型イヤホン本体は、主人のポケットに入って毎日一緒に会社に行くのです。家では、食パンにジャムを塗って出してくれたりとかいがいしい。一瞬だけある理由で体が大きくなって、主人と抱き合ってちゅーするのか!?ってところで、すぐに元のサイズ戻ってしまって未遂に終わったりと、まあ、BL的な要素はすごく控え目なんですが、きゅんっときました。
「泡沫人」学生と代筆業を営む男の話し。戦後という時代設定もあるのでしょうが、草間さかえさんの「やぎさん郵便」を彷彿とさせます。絵の雰囲気も似てるかな。この作者さんの特徴なのかもしれませんが、戦後の設定も、あまり暗い描かれ方はしていません。テーマの割に、全体に淡々としている感じ。でも、あっさりしているようで、じわじわ来るのです。
なんだか抽象的すぎる感想になってしまいました。すみません(焦)
上記の2つのお話しは、巻末にその後が4コマで描かれてます。そちらもものすごーく控え目ですが、ちゃんとラブがあってきゅんっときましたよ。
コミックスはまだ2冊しか出されてない作家さんのようですが、これからもすごく期待したいです。もう一冊も読んでみたいと思います。
■感想
本作に収録されているタイトルを以下に記載します。
・あまいノイズ
・鈍色ノスタルジー 上、下
・日常ランペイジ
・泡沫人 前、後編
収録されている4作品全て、時代背景やシチュエーションが異なる異色の一冊です。
しかしながら、一冊読み終わってみると不思議なことに「どこか切ない」という共通の感想が頭をよぎります。
ストーリーはどれも個性的で、要所々々に「えっ!?」と思わせる表現もあり、読者を飽きさせません。
強いて言うなら、キャラクターの表情がもう少し豊かに描写されていれば、より楽しめたと思います。
少し癖があり、読む人を選ぶ作品と判断したため、評価を「萌」とさせて頂きます。