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一巻二巻とまとめて読みました。
大人が成熟するとは、胸の奥に仕舞い込みながらも生きる術を失わないこと。
子供が素直でいるというのは、嘘偽りなく誠実に伝えること。
眠っていた、大人のやりきれなさが目を覚まして、亡き想い人の面影ある少年と愛しあう。
面影を追って少年を抱く男は、決して身代わりにしているように思えないので、非難できないんです。
男の抑えてきた想いと、母親に認めてもらえない少年の悲しい思いがぶつかりあう。
逢瀬のたび、そうやって暗く燃えあがるさまが痛々しくもきれい。
首を長くして続きを待ちます。
普通の女性がこれほど胸糞悪く思えるBLは久々かも。
でも、だからこそ健史先生のあざとさやズルさも見えてくる。
「大人」としての保身? あるいは自己防衛のようなものです。
でも、健史先生、きたねーぞ! とは言えない…。
そのもどかしさに読んでいる側もモヤモヤヤキモキします。
そんな大人たちの間で、何も知らないシュウだけがひどく貴重な美しい存在に思えてきます。
つくも号作品の恐ろしいところは、どんな少年でも美しく見せてしまうマジック。
知らないから美しい、けがれていないから美しい、しかし、つくも号にかかってはたとえ汚れても美しい! いやいや、汚れたほうがもっと美しい!? というショタ三段論法が発動するのです!
とくにショタ好きでもなかった(というか、どちらかというと苦手だった)オイラでも
つくも作品をながめているうちに「あぅ…ショタいいかも…や、やばい…」になります。
同時に、大人になるということは色々な痛みや迷いを経て
小ズルく防御するスキルをつけて汚くなることなんじゃないかとちっちゃく反省。
やだね、大人って。ごめんね(と誰にでもなくあやまってみたり)
健史先生に嘘いつわりはないだろうし、好青年だと思う。
けど、シュウのことを本気で愛しているのか?ギモンフがついちゃうんですね。
どうにもこうにも宙ぶらりんで。
それでも、二人は恋人同士のまま進行。
しかし、障壁がありながらも仲睦まじい二人に
チャンスとも別れともとれる展開が。
人生は選択の連続。
二人ともどうなっちゃうんだろう?
うーん…つくも作品だからして、完全なハッピーエンドはないと思う。
でも、最後を見届けなくてはいけない。三巻を待ちます。